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webadm | 投稿日時: 2008-3-26 5:12 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
更に要修理 故障していたSRAMを交換して復活したHP3456Aだが、動作をチェックしてみると動作はするようになったもののいくつものの持病を持っていることが判明。
DCV,ACV,抵抗測定の動作に切り替えることはできるが、測定結果がどれも正しく無い。 一見まともに見える電源投入直後のDCV測定モードだが、実際に電圧を測定してみるとまったく値が合っていない。 実際より桁違いに低い電圧値が表示される。 それとAuto range機能がうまくいかない。 マニュアルrange切り替えは出来るが、rangeによって表示される数値が変わる。 固定レンジで0.0〜2.0VのDC電圧を与えて表示値をプロットすると以下の通り。 縦軸が表示値、横軸が被測定電圧。 一応リニアに表示値が変化しているのでスケールは合っていないものの測定はできているようだ(A/D変換は出来ている)。それにしても値はノイジーで下2桁はコロコロ変化して丸めざるを得ないためグラフもかなり凸凹してしまっている。 他の測定モード(抵抗、ACV)では逆に被測定対象よりも数値が拡大されて表示される。 抵抗測定モードで可変抵抗を0Ωから徐々に大きくしていくと、まだ最初の方で実際よりも大きい抵抗値が表示され、すぐにオーバーロード(過大)が表示されてしまう。一応最後の方で数百MΩとかまで行っているので同様に傾きが異常に大きいがリニアに数値は変化しているように見える。 これは更に修理が必要である。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-26 9:22 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
セルフテストをやってみた HP3456AはフロントパネルのTESTボタンを押すと12のセルフテストが実行される。どっか判定で×が出るとその番号が表示される。
やってみたら必ず4,5,6のいずれかエラーになる。 サービスマニュアルを見ると、入力アンプに故障がある場合にそうなるらしい。テスト4はx1、5はx10、6がx100のゲインのテストをしているらしい。特にオーバーロード表示が出る状態ではそうなるらしい。 確かにACVや抵抗測定でオーバーロードが出る。 サービスマニュアルによるとグループCというトラブルシューティングの範疇になるらしい。 後日そこを読んで更に調べてみよう。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-26 11:35 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
個別セルフテストをやってみた サービスマニュアルによると12のセルフテストはそれぞれ個別に実行できる。
やってみると常にパスしている#1,#2,#3はその番号が+の値で表示されるので成功くさい。これらは今回SRAMを交換したフロントパネルコントロールボードのテスト。こちらの修理は問題ないということか。 #4,5,6を実行すると入力アンプをx1,x10,x100のゲインでそれぞれ動作させた際のA/Dコンバーターの出力が表示される。やってみると0に近い端数が表示される。ノイジーでサービスマニュアルに載っている判定リミットを超えるケースが多い。#4,5はギリギリで適正範囲内に偶然収まる時があるが#6は0.19とかで適正な範囲である±0.0798から完璧に外れていて救いようが無い。 #7は内部のリファレンス電圧-12Vが入力バッファに印可されてA/Dコンバーターの出力が表示される。従って-12V近辺が表示される。実際-12.xxxが安定して表示されるがサービスマニュアルの適正範囲からはわずかにオーバーしている。 #8,9はACコンバーターのオフセットをチェックするが、表示される値はサービスマニュアルにある+の0近辺の適正範囲を遙かに超えた大きな値になっている。これはだめくさい。 #10は内部の500nAカレントソースを100:1の分圧抵抗の10MΩに流して100kΩの出力電圧を測定するというもの。入力アンプはx2のゲインなので0.1近辺の値が表示されるはず。実際に表示される値は0.28ぐらいで、適正範囲外の値になっている。 #11は内部の500nAカレントソースを100:1の分圧抵抗の10MΩに流し10MΩの出力電圧を測定するというもの。入力アンプはx2のゲインなので10近辺の値が表示されるはず。しかし実際に表示される値は12.7ぐらいで適正範囲外の値であった。 最後の#12は5uAカレントソースをACコンバーターに与えてその出力をx2のゲインの入力アンプにつなぐというもの。10近辺の表示が正解だが、実際には少し外れた12.7が表示されていた。 ということでACコンバーターのオフセットが不正、A/Dコンバーターの出力がノイジー、入力アンプのゲインが少し過大。という兆候が見える。 これらをサービスマニュアルに従って原因を切り分ける必要がある。その際にシグネチャアナライザを使ったチェックがあるのでやはりシグネチャアナライザは作らないといけないようだ。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-26 12:33 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
リファレンス電圧がおかしい HP3456AにはA/Dコンバーターや各種電圧比較の基準となるリファレンス電圧を温度補償型チェナーダイオードを使って内部で生成して随所に供給している。
その電圧をチェックしてみた。 素になる-12Vの基準電圧とそれをベースにした-12Vと+12Vのボルテージフォロワーオペアンプ出力から成る。 それぞれテストピンが出ているので測定してみたところ、-12Vを出力するはずのボルテージフォロワーオペアンプの出力が-16Vとかなりオーバーしている。これはまずいだろう。 入力となっている基準の-12Vは合っているのでオペアンプの不良くさい。 調べると8120-0493というパーツ番号は交換部品表にLM307Nというナショセミの古いオペアンプだということがわかる。Find-a-partsページでもまだ在庫があるようで米国なら数ドルでAgilentからわけてもらえるらしい。 データシートを探してみると、LM307Nというのは絶対最大定格の電源電圧が±18Vと同じ仕様の他の型式に比べ低い品種だということが判明。しかし回路図を見ると-18V単電源動作である。正負電源でないので定格の半分の電圧ということだろうか。 まずこれを交換しないとまともに測定できないくさい。 測定出力がノイジーなのもリファレンス電圧がちっともボルテージフォロワーになっていないなら説明がつく。 さすがに古いシングルオペアンプになると若松通商でもCANタイプのものしか置いていない。それでも在庫が有るのはすごいラッキーだ。とりあえず買ってDIPタイプをCANタイプに換装するか。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-27 6:01 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
LM307 LM307Nはもうほとんど入手困難なのでMetal CanパッケージのLM307Hで交換することにしよう。
それ以外のオペアンプを代わりに使えないかとも考えたが、LM307シリーズは古いバイポーラオペアンプなので最近のCMOSオペアンプと違って、入力電圧耐圧が高い(30V)のとコモンモードレンジ外になっても出力が反転しないという特徴がある。 それとLM307は補償用キャパシタ(30pF)を内蔵している点が外付けが出来るようになっている他のタイプとは異なる。 厳密には古いLM307Nとは等価回路等が異なるのだけれど、主な特性は同じなので換えても同じように動作すると期待したい。 HP3456Aの回路図を見るとこのLM307Nの出力である-12Vbはいろんな回路の基準電圧やカレントソースの基準電源となっている。これが大きく-12Vから外れているのでたまったものではない。 あと、電源の電解コンデンサは5V系のしか交換していないので、他の電圧ではリップルがかなり乗っていると思われる。特に平滑していない33V(実際には40Vぐらいある)にどれもダイオードカップリングされているのでそのリップルが誘導されて他の電源に乗っている。特にリファレンス電圧-12Vbが安定化されていないので、これがノイジーな測定結果の主原因だと思われる。 電解コンデンサは以前に交換すべく買ってあるので、交換してみてノイズがどれだけ減るか見てみたい気もする。 シグネチャアナライザもそろそろなんとか仕上げないと。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-27 11:10 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
電源のリップルが 交換用の電解コンデンサを一個買い間違えていた。残りは全部交換したが、元の電解コンデンサはどれもニチコン製で容量抜けは起きていなかった。
オシロでリップルを観測してみると、基準電圧用の-18Vと無平滑の33Vのみにリップルが見られる。-18VはレギュレーターICで平滑されているはずだが、買い間違えて交換できなかった電解コンデンサは-18Vのものだった。 -18V電源のリップルはそのまま壊れたオペアンプを通して基準電圧の-12Vに伝搬している。これで下3桁の表示がコロコロと変わるノイジーな状態になっていると推測される。 -18Vのリップルが取り除かれれば基準電圧にもリップルは乗らなくなるはずなので表示値変動は緩和されるはずだ。仕様では6桁表示で下1桁が±3程度振れるぐらいに落ち着かないといけない。 電源の電解コンデンサの交換とオペアンプの交換が急務。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-27 23:12 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
Re: 電源のリップルが -18V電源のリップルは唯一それを使っているリファレンス電圧出力用のオペアンプが壊れて異常に大きな電流が流れているためではないかと予測。
-18V電源の経路の電圧を測定すると、それほど電流が流れないはずなのに場所によって電圧が微妙に違う。 レギュレーターの定格100mAを超えているのかもしれない。 他の電圧に比べそんなに大きな容量の電解コンデンサがついているわけではないので電流を流し過ぎると平滑しきれない可能性はある。5Vの時みたいに電解コンデンサが1000->1uFに目減りしていたのは極端だけど、あれもかなり異常なリップルがレギュレーターの出力に出ていた。 ということでオペアンプの交換が最優先順位決定。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-28 9:40 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
LM301AN オペアンプ互換品がないかとマルツパーツ館のリストを見ていたらLM307とよく似たスペックのものを発見。
データシートを見ると、LM307Hと同じデバイスで、補償回路外付け仕様のものだった。 これと30pFの外付けコンデンサを買えばいいのかもしれない。やってみよう。保険としてLM307Hも購入ということで。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-29 19:01 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
ショック療法? 間違って買って余ってしまった電解コンデンサを-18V電源につないだらリップルが多少減るだろうかと実験してみた。
しかし変わらなかった。 そこでダメもとで-12Vを出力するはずが電源電圧寄りに出力がへばりついているオペアンプの出力に電解コンデンサをつないだらどうだろうと、一端電解コンデンサに蓄えられた-18Vを放電させて接続。 テスト#4でチラチラと下3桁が変動する状態でおもむろに電解コンデンサをオペアンプの出力が出ているテストピンとグランドの間に接続すると、その瞬間から表示がぴったり安定するようになった。 電解コンデンサを外しても表示は安定したまま。 む、壊れたか? 異常だったリファレンス電圧を測定してみると、なんと驚くことにぴったり-12Vが出力されている。 オシロでリップルを観測してみたが元の-18Vの電源出力端子にみられた顕著なリップルすら綺麗に消えている。無論リファレンス電圧に伝搬していたリップルも綺麗さっぱり消えた。 それまで出力が電源側に張り付くという異常動作をしていたオペアンプが正常動作に戻ったために、異常な電流も流れることもなくなりレギュレータも平滑できる範囲の電流に下がったのだろう。 オペアンプは確かにこういう症状があることは知っていたが解せない。 放電しきった大容量の電解コンデンサを出力につないだことによって、一瞬だけ出力電流が過大になり、それによって普段は起こらない動作状況の変化が生じ回復したのかもしれない。 しかしセルフテストでは相変わらず#4で止まる。しかも以前ならば時々は#4がパスしてその次ぎの#5や#6で止まることもあったが今度からは#4から先へ進むことが無くなった。 単体で#4を実行してみるとその理由が判明した。 サービスマニュアルに書かれているセルフテストの判定基準値を見ると#4は±0.00011の範囲内に収まっていなければならない。 しかし現状は+0.0001xあたりで下一桁が±3の範囲変動する状態である。入力アンプの出力がプラス側にオフセットがかかっていることを意味する。x10の#5も同じ状況。x100の#6に至っては+0.198xxとやはりプラス側に大きくオフセットがかかっているのがスケールアップした感じ。 #7のリファレンス電圧測定テストは-12.5224xと安定しているが、実際の電圧よりも大きな値が表示されている。これも入力アンプに問題があるためだろう。 #8,9のACコンバーターオフセット電圧は規定より桁違いに大きな値を示すなどノイジーで無くなった点を除いては以前と変わらない状況。 #10,11,12などカレントソースをテストする動作も入力アンプがおかしいのでリミットより大きな値になってしまっている。 入力アンプを使用するいずれのテストも不合格である。 だいたい的は絞れた気がする。 |
webadm | 投稿日時: 2008-3-29 19:20 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
入力アンプかスイッチ回路の故障くさい サービスマニュアルのグループBにある症状別の診断手順に基づいてテストしてみたところ、10VレンジでテストピンTP401に安定化電源からの10Vを与えてみると、ぴったりその値が表示されるのを確認した。
これは入力アンプをバイパスして直接A/Dコンバーターに入力を与えるという動作であるので、異常な値やオーバーロードの原因となっていたのがA/Dコンバーターではなくその前段の回路であることが判明した。 とりあえずA/Dコンバーターが正常だったのを確認できてよかった。 |
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