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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2008-1-5 0:22
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題55:RLC混成回路の同相点(その2)
次ぎの問題は以前に出てきたような回路だが少しひねってあるひっかけ問題である。



LC直列回路のCと並列に負荷抵抗Rが接続されている場合に回路に流れる電流が電源電圧と同相になるRを求めよというもの。

つまりLC直列回路の力率をキャパシタンスに並列に抵抗をつないで力率を100%(実効リアクタンスが0)になる抵抗値Rを求めるという問題である。

そういことは可能なのだろうか?

まず合成インピーダンスを求めてみる

Z=jωL+1/(jωC+1/R)
=jωL+(1/R-jωC)/((1/R)^2+(ωC)^2)
=(1/R+j(ωL*((1/R)^2+(ωC)^2)-ωC))/((1/R)^2+(ωC)^2)
=(1/R+jω*(L*((1/R)^2+(ωC)^2)-C))/((1/R)^2+(ωC)^2)

ということになり、実効リアクタンスが0になるためには虚数部が0になるということなので

L*((1/R)^2+(ωC)^2)-C=0

でなければならない。この式をRについて解くと

(1/R)^2=C/L-(ωC)^2

従って

R^2=1/(C/L-(ωC)^2)

∴R=sqrt(1/(C/L-(ωC)^2))
=sqrt((L/C)*(1/(1-ω^2*L*C)))

ということになる。

ただしRは有限の実数でなければならないので

1-ω^2*L*C > 0 でなければならない。

つまり

ω < sqrt(1/(L*C))

という条件が付く。このsqrt(1/(L*C))というのはたびたび出てくる。

Rを先の式の条件にした場合にその周波数では同相になるがインピーダンスは最小になるわけではない。共振点はそれとは別のところに存在する。

L=1mH
C=1uF

として1000Hzで力率が100%になるようにRの値を設定した場合のインピーダンスの周波数特性をグラフで描くと

plot2d([sqrt(%pi^4*x^4+(-500*%pi^3-250000000*%pi^2)*x^2+62500000000000000)/(500*sqrt(%pi^2*x^2
-500*%pi+250000000))], [x,0,5000])$



1000Hzの点では必ずしもインピーダンスは最小ではないが同相である。

共振点は

ω=sqrt((R*sqrt(C*(C*R^2+2*L))-L)/L)/(C*R)
=sqrt((C*R^2)/L-1)/(C*R)

で表され。先の定数を代入すると

ω=27056.4865263703

f=ω/(2π)=4306.173573371098

ということで4306Hz近辺が共振点であることがグラフからもわかる。しかしRがCに並列に接続されている影響で共振点では同相とはならない。Rが直列に入っている前問では共振点と同相点は一致していたのでひっかかりやすい。

P.S

共振周波数の式をよく見ると

R >> sqrt(L/C)

でないと角周波数が虚数や0に限りなく近づいてしまう。

L=1mH,C=1uFの場合sqrt(L/C)の値は

sqrt(10^3)=10*sqrt(3)
=31.6227766016838

である。

一方この回路とL,Cの条件で1000Hzで同相になるRはというと

R=sqrt(1/(C/L-(ωC)^2))
=sqrt(1/(10^-6/10^-3-(2*π*1000*10^-6)^2))
=32.26609708146057

とかなりギリギリセーフという具合。
webadm
投稿日時: 2008-1-5 3:27
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題56:RLC混成回路の同相点(その3)
次ぎもRLC混成回路の同相点を求めるもの



今度は基本はLC並列回路だがLとRのそれぞれに内部抵抗があるとした場合の等価回路で同相となる角速度を求めよというもの。

これもこれまでの問題と同様に合成インピーダンスの式を立ててみる

Z=1/(1/(R1+jωL)+1/(R2+1/jωC))

(%i94) Z=1/(1/(R1+%i*o*L)+1/(R2+1/(%i*o*C)));
(%o94) Z=1/(1/(R2-%i/(o*C))+1/(R1+%i*o*L))
(%i95) factor(%);
(%o95) Z=((R1+%i*o*L)*(o*C*R2-%i))/(o*C*R2+o*C*R1+%i*o^2*C*L-%i)
(%i96) rectform(%);
(%o96) Z=(R1*(o*C*R2*(o*C*R2+o*C*R1)-o^2*C*L+1)-o*L*(o*C*(1-o^2*C*L)*R2-o*C*R2-o*C*R1))/((o*C*R2+o*C*R1)^2+(o^2*C*L-1)^2)+
(%i*(o*L*(o*C*R2*(o*C*R2+o*C*R1)-o^2*C*L+1)+R1*(o*C*(1-o^2*C*L)*R2-o*C*R2-o*C*R1)))/((o*C*R2+o*C*R1)^2+(o^2*C*L-1)^2)

整理すると

Z=(R1*((ωC)^2*R2*(R2+R1)-ω^2*C*L+1)-ωL*(ωC*(1-ω^2*C*L)*R2-ωC*(R2+R1))/((ωC*(R2+R1))^2+(ω^2*C*L-1)^2)+j((ωL*((ωC)^2*R2*(R2+R1)-ω^2*C*L+1)+R1*(ωC*(1-ω^2*C*L)*R2-ωC*(R2+R1)))/(((ωC)*(R2+R1))^2+(ω^2*C*L-1)^2)



従って合成インピーダンスの虚数部が

(ωL*((ωC)^2*R2*(R2+R1)-ω^2*C*L+1)+R1*(ωC*(1-ω^2*C*L)*R2-ωC*(R2+R1)))/(((ωC)*(R2+R1))^2+(ω^2*C*L^1)^2)=0

となる角周波数ωを導けばよいことになる

(%o98) (o*L*(o*C*R2*(o*C*R2+o*C*R1)-o^2*C*L+1)+R1*(o*C*(1-o^2*C*L)*R2-o*C*R2-o*C*R1))/((o*C*R2+o*C*R1)^2+(o^2*C*L-1)^2)=0
(%i99) solve(%,o);
(%o99) [o=-sqrt((C*R1^2)/(C^2*L*R2^2-C*L^2)-L/(C^2*L*R2^2-C*L^2)),o=sqrt((C*R1^2)/(C^2*L*R2^2-C*L^2)-L/(C^2*L*R2^2-C*L^2)),o=0]
(%i100) factor(%);
(%o100) [o=-sqrt((C*R1^2-L)/(C*L*(C*R2^2-L))),o=sqrt((C*R1^2-L)/(C*L*(C*R2^2-L))),o=0]

ω > 0なので

ω=sqrt((C*R1^2-L)/(C*L*(C*R2^2-L)))

ということになる。

著者の解は並列回路なのでアドミッタンスの式をたてて虚数部が0となる条件を導いている。並列回路の場合は確かにアドミッタンスで見たほうが最終的にアドミッタンスの足し算になるので虚数部と実数部が単純なままのため直感的でわかりやすい。

共振点を計算してみると

ω=sqrt(((C*R1*R2-L)*sqrt(2*C^2*R1*R2^3+(5*C^2*R1^2+2*C*L)*R2^2+(2*C^2*R1^3+2*C*L*R1)*R2+2*C*L*R1^2+L^2)-C*L*R2^2+C*L*R1^2)/(C*L*(C^2*R2^4+2*C^2*R1*R2^3-2*C*L*R2^2-L^2)))

というまるで異なる恐ろしく複雑な式になる

これに

C=1uF
L=1mH
R1=R2=1

を代入すると

ω=31622.7766016838

f=ω/2π=5032.921210448705

5kHz付近にあることがわかる。

それに対して同相点は

(%i13) sqrt((1*10^-6*1-1*10^-3)/(1*10^-6*1*10^-3*(1*10^-6*1-1*10^-3)));
(%o13) 10^(9/2)(%i14) float(%), numer;
(%o14) 31622.77660168381

ω=31622.77660168381

と共振点とほぼ一致するが異なる値である。インピーダンスの周波数特性をグラフに描くと

plot2d([(sqrt(%pi^2*x^2+250000)*sqrt(%pi^2*x^2+250000000000))/sqrt(%pi^4*x^4-499000000*%pi^2*x^2
+62500000000000000)], [x,0,10000])$



これはちょうどRC直列回路によるローパスフィルターとRL直列回路によるハイパスフィルターを組み合わせた後に学ぶフィルター回路ともとらえることができる。

P.S

この回路が正しく問題の意図通りに働くには、

ω=sqrt((C*R1^2-L)/(C*L*(C*R2^2-L)))

からわかる通り

R1 > sqrt(L/C) かつ R2 > sqrt(L/C)

もしくは

R1 < sqrt(L/C) かつ R2 < sqrt(L/C)

でなければいけない。L=1mH,C=1uFだとsqrt(L/C)は

sqrt(10^3)=31.6227766016838

となる。
webadm
投稿日時: 2008-1-5 5:17
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題57:RLC混成回路の同相点(その4)
次ぎもまたRLC混成回路の同相点に関する問題。



今度はLC直列回路を基本としてLに直列に内部抵抗が、またそれと並列に負荷抵抗が接続されているもの。

LC直列回路なので共振点は存在するはずだが、それとは別に電流と電圧の位相が同相となる点も存在する。

合成インピーダンスの式をたててみる

Z=1/(1/R2+1/(R1+jωL))+1/jωC

(%i8) Z=1/(1/R2+1/(R1+%i*o*L))+1/(%i*o*C);
(%o8) Z=1/(1/R2+1/(R1+%i*o*L))-%i/(o*C)
(%i9) rectform(%);
(%o9) Z=(1/R2+R1/(R1^2+o^2*L^2))/((1/R2+R1/(R1^2+o^2*L^2))^2+(o^2*L^2)/(R1^2+o^2*L^2)^2)+%i*((o*L)/((R1^2+o^2*L^2)*((1/R2+R1/(R1^2+o^2*L^2))^2+(o^2*L^2)/(R1^2+o^2*L^2)^2))-1/(o*C))

整理すると

Z=(1/R2+R1/(R1^2+(ωL)^2))/((1/R2+R1/(R^1+(ωL)^2))^2+(ωL)^2/(R1^2+(ωL)^2)+j((ωL)/((R1^2+(ωL)^2)*((1/R2+R1/(R1^2+(ωL)^2))^2+(ωL)^2/(R1^2+(ωL)^2)^2))-1/ωC)

従って虚数部が0となる条件

((ωL)/((R1^2+(ωL)^2)*((1/R2+R1/(R1^2+(ωL)^2))^2+(ωL)^2/(R1^2+(ωL)^2)^2))-1/ωC)=0

となるωを求めれば良い

(%i10) solve((o*L)/((R1^2+o^2*L^2)*((1/R2+R1/(R1^2+o^2*L^2))^2+(o^2*L^2)/(R1^2+o^2*L^2)^2))
-1/(o*C)=0,o);
(%o10) [o=-(R2+R1)/sqrt(C*L*R2^2-L^2),o=(R2+R1)/sqrt(C*L*R2^2-L^2)]

ω > 0なので

ω=(R2+R1)/sqrt(C*L*R2^2-L^2)

ということになる。

ちなみに共振点は

ω0=(R2+R1)*sqrt((R2*sqrt(C*(C*R2^2+2*C*R1*R2+2*L))+L)/(L*(C^2*R2^4+2*C^2*R1*R2^3+2*C*L*R2^2-L^2)))

となり明らかに同相となる点とは異なる。

C=1uF
L=1mH
R1=1
R2=600

とした場合の力率とインピーダンスの周波数特性をプロットしてみると

cosφ=(R2*(R1*R2+R1^2+o^2*L^2))/(abs(o)*abs(C)*(R2^2+2*R1*R2+R1^2+o^2*L^2)*sqrt(((o^2*C^2*R1^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R2^2+2*R1*R2+R1^2+o^2*L^2)/(R2^2+2*R1*R2+R1^2+o^2*L^2)))

plot2d([(500000*sqrt(360000*((%pi^4*x^4)/62500000000000000-(1999*%pi^2*x^2)/250000000000+1)+(%pi^2*x^2)/250000+1201))/(%pi*sqrt((%pi^2*x^2)/250000+361201)*abs(x)),100*(3*%pi*((%pi^2*x^2)/250000+601)*abs(x))/(2500*sqrt((%pi^2*x^2)/250000+361201)*sqrt(360000*((%pi^4*x^4)/62500000000000000
-(1999*%pi^2*x^2)/250000000000+1)+(%pi^2*x^2)/250000+1201))], [x,500,10000],[legend,"|Z|","cos(a)"])$



同相になる周波数は

ω=(R2+R1)/sqrt(C*L*R2^2-L^2)
=5048.325852065449

インピーダンスが最小になる周波数は

ω0=(R2+R1)*sqrt((R2*sqrt(C*(C*R2^2+2*C*R1*R2+2*L))+L)/(L*(C^2*R2^4+2*C^2*R1*R2^3+2*C*L*R2^2-L^2)))
=5037.138289037661

グラフ上ではほぼ同じだが厳密には違っていることが確かめられた。

発振回路とかで使用される共振回路では発振周波数は水晶発振子も含めて共振点ではなく位相が0となる点になる。そのため交流回路の同相点を見いだすのは重要である。

P.S

実は疑問に思っていろいろ調べてみたがLと直列に抵抗が入った回路だけを扱って共振点と同相点が同じとしているものが多い。RLC直列回路では確かに虚数部にはRは関与しないので確かにそうなのだが、それ以外のケースではそれは正しくない。

グラフを書いたり計算したりする際に定数をいい加減に選択したら計算結果が虚数になってしまってだいぶ悩んだ。同相点の角周波数の式を良くみるとその理由がわかる。

ω=(R2+R1)/sqrt(C*L*R2^2-L^2)

R2 < sqrt(L/C)では分母が虚数になってしまうのだ。従ってR2はsqrt(L/C)よりも十分大きいことが望ましい。sqrt(L/C)と同じだとωが∞になってしまう。

L=1mH,C=1uFではRは最低限

sqrt(10^-3/10^-6)=sqrt(10^3)
=31.6227766016838

より十分大きい値でないとだめなのである。
webadm
投稿日時: 2008-1-5 23:40
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題58:RLC混成回路の同相点(その5)
次ぎもまた同相点を求める問題。以前に見たような回路に直列に内部抵抗が加わったもの。



基本的にRLC直列回路のCと並列に可変抵抗が入っている形なので合成インピーダンスを求めてみる

Z=R0+jωL+1/(1/R+jωC)
=R0+jωL+(1/R-jωC)/((1/R)^2+(ωC)^2)
=R0+(1/R)/((1/R)^2+(ωC)^2)+jω*(L-C/((1/R)^2+(ωC)^2))

虚数部が0となる点が同相点なので

L-C/((1/R)^2+(ωC)^2)=0

これを満たすRを解くと

(1/R)^2=C/L-(ωC)^2

∴R=sqrt(1/(C/L-(ωC)^2)
=sqrt(L/(C-(ωC)^2*L))
=sqrt(L/(C*(1-ω^2*C*L)))

ということになる。

無理に因数分解せずにそのまま直交座標形式に直した方がわかりやすい。Maximaでも複素数の式をたててすぐに直交形式に変換すれば同じ結果が得られる。

この問題ではじめてω^2*LC<1という条件が明記されている。これはω<sqrt(1/LC)ということである。角周波数がそれより大きいと必要な抵抗値が虚数になってしまい抵抗の代わりにリアクタンスを接続しなければならないことになる。

webadm
投稿日時: 2008-1-6 0:20
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題59:RLC混成回路の同相点(その6)
次ぎもまた同相点を解析する問題。



基本はLC共振回路と直列にRC並列回路を接続しCを可変することで回路を無誘導化するというもの。

合成アドミッタンスで考えてみよう

Y=1/(1/(jωC0+1/jωL)+1/(1/R+jωC))
=1/(jωL/(1-ω^2*C0*L)+(1/R-jωC)/((1/R)^2+(ωC)^2))
=(1-ω^2*C0*L)*((1/R)^2+(ωC)^2)/(jωL*((1/R)^2+(ωC)^2)+(1/R-jωC)*(1-ω^2*C0*L))
=(1-ω^2*C0*L)*((1/R)^2+(ωC)^2)*((1/R)*(1-ω^2*C0*L)-jω*(L*((1/R)^2+(ωC)^2)-C*(1-ω^2*C0*L)))/(((1/R)*(1-ω^2*C0*L)^2+(ω*(L*((1/R)^2+(ωC)^2)-C*(1-ω^2*C0*L)))^2)

従って虚数部が0となれば無誘導化となるので

ω*(L*((1/R)^2+(ωC)^2)-C*(1-ω^2*C0*L))/(((1/R)*(1-ω^2*C0*L)^2+(ω*(L*((1/R)^2+(ωC)^2)-C*(1-ω^2*C0*L)))^2)=0

となるCを解けばよい

分子が0になれば良いので

L*((1/R)^2+(ωC)^2)-C*(1-ω^2*C0*L)=0

を解けばよい

展開すると

L*(ωC)^2+L*(1/R)^2-C+ω^2*C0*L*C=0

なる二次方程式を解くことを意味する

面倒なのでMaximaで

(%i2) solve(L*((1/R)^2+(o*C)^2)-C*(1-o^2*C0*L)=0,C);
(%o2) [C=-(sqrt((o^4*C0^2*L^2-2*o^2*C0*L+1)*R^2-4*o^2*L^2)+(o^2*C0*L-1)*R)/(2*o^2*L*R),C=
(sqrt((o^4*C0^2*L^2-2*o^2*C0*L+1)*R^2-4*o^2*L^2)+(1-o^2*C0*L)*R)/(2*o^2*L*R)]

整理すると

C=((1-ω^2*C0*L)*R±sqrt((ω^4*C0^2*L^2-2*ω^2*C0*L+1)*R^2-4*ω^2*L^2))/(2*ω^2*L*R)
=((1-ω^2*C0*L)*R±sqrt((ω^2*C0*L-1)^2*R^2-4*ω^2*L^2))/(2*ω^2*L*R)

ということになる。

これも以下の条件付きである

(1-ω^2)*C0*L > 0 かつ (ω^2*C0*L-1)^2*R^2-4*ω^2*L^2 > 0

すなわち

sqrt((2*sqrt(L*(C0*R^2+L))+C0*R^2+2*L)/L)/(C0*R) < ω < sqrt(1/(C0*L))

でなければならない。

著者の解は合成インピーダンスから求めているが、やはり最終的に二次方程式を解く必要がある。二次方程式の根の公式は暗記しておいたほうがよさそうだ。

webadm
投稿日時: 2008-1-6 0:42
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題60:LCR混成回路の不思議
次ぎの問題は問題49とほとんど同じような問題。ただ今度は求める電流が実効値である点が違っている



全体に流れる電流とRに流れる電流をそれぞれI,Irとすると

E=jωL*I+R*Ir

(I-Ir)/jωC=R*Ir

なる関係が成り立つ。これをI,Irに関する連立方程式として解くと

(%i1) e1:E=%i*o*L*I+R*Ir;
(%o1) E=Ir*R+%i*o*I*L
(%i2) e2: (I-Ir)/(%i*o*C)=R*Ir;
(%o2) -(%i*(I-Ir))/(o*C)=Ir*R
(%i3) solve([e1,e2],[I,Ir]);
(%o3) [[I=(o*C*E*R-%i*E)/((%i*o^2*C*L-%i)*R+o*L),Ir=-(%i*E)/((%i*o^2*C*L-%i)*R+o*L)]]

整理すると

Ir=|E|/(jωL+(1-ω^2*C*L)*R)

となり、Rに無関係にIrが一定になるには

ω^2*C*L=1

が成り立てば良い


Irの実効値は

(%i4) abs(%);
(%o4) [[abs(I)=sqrt((-(o^3*C^2*E*L*R^2)/((o^2*C*L*R-R)^2+o^2*L^2)+(o*C*E*R^2)/((o^2*C*L*R-R)^2+o^2*L^2)-(o*E*L)/((o^2*C*L*R-R)^2+o^2*L^2))^2+(E^2*R^2)/((o^2*C*L*R-R)^2+o^2*L^2)^2),
abs(Ir)=sqrt((E^2*(o^2*C*L*R-R)^2)/((o^2*C*L*R-R)^2+o^2*L^2)^2+(o^2*E^2*L^2)/((o^2*C*L*R-R)^2+o^2*L^2)^2)]]
(%i5) factor(%);
(%o5) [[abs(I)=(abs(E)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1))/sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2),abs(Ir)=abs(E)/sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2)]]

整理すると

|Ir|=|E|/sqrt((ω^2*C*L-1)^2*R^2+ω^2*L^2)

先の条件でRに関わりなくなるので一定電流I0の実効値は

|I0|=|E|/sqrt(ω^2*L^2)
=|E|/ωL

ということになる。


webadm
投稿日時: 2008-1-6 1:09
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題61:RL直列回路の無誘導化条件
次の問題はRL直列回路の力率をRに並列に可変キャパシタを接続して100%に改善する方法に関するもの



今までも同相点の解析問題で抵抗による無誘導化にはある条件がつきまとうことを学んできた。これに関して焦点をあてた問題。

まず合成インピーダンスの実効リアクタンスが0になるRの条件を導いてみる

Z=jX+1/(1/R+jωC)
=jX+((1/R)-jωC)/((1/R)^2+(ωC)^2)
=(1/R)/((1/R)^2+(ωC)^2)+j(X-ωC/((1/R)^2+(ωC)^2))

実効リアクタンスが0となる条件は

X-ωC/((1/R)^2+(ωC)^2)=0

であるので、Cについて解いてみると

(%i15) solve([(X-(o*C)/(1/R^2+o^2*C^2))], [C]);
(%o15) [C=-(sqrt(R^2-4*X^2)-R)/(2*o*R*X),C=(sqrt(R^2-4*X^2)+R)/(2*o*R*X)]

整理すると

C=(sqrt(R^2-4*X^2)+R)/(2*ω*R*X)

の時に同相となる。またCが実数であるためには

R^2-4*X^2 ≧ 0

でなければならない、すなわち

R ≧ 2*X

という条件が付く。

著者の解では二次方程式を解く際の判定条件に基づいて条件を導き出している。
webadm
投稿日時: 2008-1-6 1:33
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題62:RL直列回路の力率調整
次ぎは前問の補足問題で力率を100%ではなく1/√2にするためのCとRとXの関係を導けというもの。

無誘導化ではなく誘導性のまま1/√2にせよということなので前問で求めた合成インピーダンス

Z=(1/R)/((1/R)^2+(ωC)^2)+j(X-ωC/((1/R)^2+(ωC)^2))

にて

cosφ=((1/R)/((1/R)^2+(ωC)^2)/sqrt((((1/R)/((1/R)^2+(ωC)^2)^2+(X-ωC/((1/R)^2+(ωC)^2))^2)
=1/sqrt(2)

を満たすCを求めればよいことになる。

このままではMaximaでは解けないので式を二乗して処理する

(%i48) (1/((1/R^2+o^2*C^2)*R))/(sqrt((o^2*C^2*R^2+1)*X^2-2*o*C*R^2*X+R^2)/sqrt(o^2*C^2*R^2
+1))=1/sqrt(2);
(%o48) sqrt(o^2*C^2*R^2+1)/((1/R^2+o^2*C^2)*R*sqrt((o^2*C^2*R^2+1)*X^2-2*o*C*R^2*X+R^2))=1/sqrt(2)
(%i49) factor(%);
(%o49) R/(sqrt(o^2*C^2*R^2+1)*sqrt((o^2*C^2*R^2+1)*X^2-2*o*C*R^2*X+R^2))=1/sqrt(2)
(%i50) (%)^2;
(%o50) R^2/((o^2*C^2*R^2+1)*((o^2*C^2*R^2+1)*X^2-2*o*C*R^2*X+R^2))=1/2
(%i51) solve(%,C);
(%o51) [C=-(sqrt(-4*X^2-4*R*X+R^2)-R)/(2*o*R*X),C=(sqrt(-4*X^2-4*R*X+R^2)+R)/(2*o*R*X),C=-(sqrt(-4*X^2+4*R*X+R^2)-R)/(2*o*R*X),C=(sqrt(-4*X^2+4*R*X+R^2)+R)/(2*o*R*X)]

整理すると

C=(R±sqrt(-4*X^2+4*R*X+R^2))/(2*ω*R*X)
=(R±sqrt(R^2-4*X*(X-R)))/(2*ω*R*X)

ということになる。ここでCが正の実数あるためには

R^2-4*X*(X-R) ≧ 0

でなければならない。

これを満たす条件は

X-R ≦ 0

すなわち

X ≦ R

の場合かまたは

(R-2*(√2-1)*X)*(R+2*(√2-1)*X) ≦ 0

でなければならないので

R-2*(√2-1)*X ≧ 0

すなわち

R ≧ 2*(√2-1)*X

の場合となる。

X ≦ R の場合はsqrt(R^2-4*X*(X-R))がRより大きくなるので

C=(R+sqrt(R^2-4*X*(X-R)))/(2*ω*R*X)

に限定される。それ以外の

X > R > 2*(√2-1)*X

ではsqrt(R^2-4*X*(X-R))はRを超えないので

C=(R±sqrt(R^2-4*X*(X-R)))/(2*ω*R*X)

となる。

かなりこのへんはやっかいである。

著者の解は二次方程式の判定条件から導き出している。
webadm
投稿日時: 2008-1-6 3:40
Webmaster
登録日: 2004-11-7
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投稿: 3086
問題63:RC混成回路の位相角
次ぎの問題はうってかわってRC混成回路の位相角に関する問題。



抵抗R1に流れる電流が電源電圧よりも90°位相が進むωに関する条件を導けというもの。

全体を流れる電流ではなく抵抗R1を流れる電流についてのものであることに注意。

全体を流れる電流と抵抗R1に流れる電流をそれぞれI,I1とすると

E=I1*(1/jωC1+R1)+I/jωC2

I1*(1/jωC1+R1)=(I-I1)*R2

これをI,I1に関する連立方程式として解くと

(%i70) e1: E=I1*(1/(%i*o*C1)+R1)+I/(%i*o*C2);
(%o70) E=I1*(R1-%i/(o*C1))-(%i*I)/(o*C2)
(%i71) e2: I1*(1/(%i*o*C1)+R1)=(I-I1)*R2;
(%o71) I1*(R1-%i/(o*C1))=(I-I1)*R2
(%i72) solve([e1,e2],[I,I1]);
(%o72) [[I=(C2*E*(o^2*C1*R2-%i*o)+o^2*C1*C2*E*R1)/(R1*(o^2*C1*C2*R2-%i*o*C1)-%i*o*C2*R2-%i*o*C1*R2-1),I1=(o^2*C1*C2*E*R2)/(R1*(o^2*C1*C2*R2-%i*o*C1)-%i*o*C2*R2-%i*o*C1*R2-1)]]
(%i73) rectform(%);
(%o73) [[I=((o^2*C1*C2*E*R2+o^2*C1*C2*E*R1)*(o^2*C1*C2*R1*R2-1)+o*C2*E*(o*C2*R2+o*C1*R2+o*C1*R1))/((o^2*C1*C2*R1*R2-1)^2+(-o*C2*R2-o*C1*R2-o*C1*R1)^2)+
(%i*((o*C2*R2+o*C1*R2+o*C1*R1)*(o^2*C1*C2*E*R2+o^2*C1*C2*E*R1)-o*C2*E*(o^2*C1*C2*R1*R2-1)))/((o^2*C1*C2*R1*R2-1)^2+(-o*C2*R2-o*C1*R2-o*C1*R1)^2),I1=(o^2*C1*C2*E*R2*(o^2*C1*C2*R1*R2-1))/((o^2*C1*C2*R1*R2-1)^2+(-o*C2*R2-o*C1*R2-o*C1*R1)^2)+
(%i*o^2*C1*C2*E*R2*(o*C2*R2+o*C1*R2+o*C1*R1))/((o^2*C1*C2*R1*R2-1)^2+(-o*C2*R2-o*C1*R2-o*C1*R1)^2)]]

整理すると

I1=(ω^2*C1*C2*E*R2*(ω^2*C1*C2*R1*R2-1))/((ω^2*C1*C2*R1*R2-1)^2+(-ω*C2*R2-ω*C1*R2-ω*C1*R1)^2)+j(ω^2*C1*C2*E*R2*(ω*C2*R2+ω*C1*R2+ω*C1*R1))/((ω^2*C1*C2*R1*R2-1)^2+(-ω*C2*R2-ω*C1*R2-ω*C1*R1)^2)

従って電流の実数部が0となる時に電圧よりも位相が90°進むので

ω^2*C1*C2*R1*R2-1=0

でなければならない。

従って

ω=sqrt(1/C1*C2*R1*R2)

ということになる。

著者の解では無理に電流を直交形式にせずに分母の実数部が0となる条件から導いている。そちらのほうが簡単である。
webadm
投稿日時: 2008-1-6 4:43
Webmaster
登録日: 2004-11-7
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投稿: 3086
問題64:RL混成回路の位相角
次ぎも前問と似たような問題。今度はRL混成回路である。



R1に流れる(X1に流れる)電流が電源電圧より位相が90°遅れるには可変抵抗Rをいくらにすればよいかという問い。

これも全体を流れる電流とR1に流れる電流をそれぞれI,I1とすると

E=I1*(R1+jX1)+I*(R2+jX2)

I1*(R1+jX1)=(I-I1)*R

が成り立つのでI,I1についてこの連立方程式を解くと

(%i13) e1:E=I1*(R1+%i*X1)+I*(R2+%i*X2);
(%o13) E=I*(%i*X2+R2)+I1*(%i*X1+R1)
(%i14) e2:I1*(R1+%i*X1)=(I-I1)*R;
(%o14) I1*(%i*X1+R1)=(I-I1)*R
(%i15) solve([e1,e2],[I,I1]);
(%o15) [[I=-(%i*E*X1+E*R1+E*R)/((X1-%i*R1-%i*R)*X2+(-%i*R2-%i*R)*X1+(-R1-R)*R2-R*R1),I1=-(E*R)/((X1-%i*R1-%i*R)*X2+(-%i*R2-%i*R)*X1+(-R1-R)*R2-R*R1)]]
(%i16) rectform(%);
(%o16) [[I=-(%i*(E*X1*(X1*X2+(-R1-R)*R2-R*R1)+(E*R1+E*R)*(-(-R1-R)*X2-(-R2-R)*X1)))/((X1*X2+(-R1-R)*R2-R*R1)^2+((-R1-R)*X2+(-R2-R)*X1)^2)-((E*R1+E*R)*(X1*X2+(-R1-R)*R2-R*R1)-E*X1*(-(-R1-R)*X2-(-R2-R)*X1))/((X1*X2+(-R1-R)*R2-R*R1)^2+((-R1-R)*X2+(-R2-R)*X1)^2),I1=-
(E*R*(X1*X2+(-R1-R)*R2-R*R1))/((X1*X2+(-R1-R)*R2-R*R1)^2+((-R1-R)*X2+(-R2-R)*X1)^2)-(%i*E*R*(-(-R1-R)*X2-(-R2-R)*X1))/((X1*X2+(-R1-R)*R2-R*R1)^2+((-R1-R)*X2+(-R2-R)*X1)^2)]]

整理すると

I1=(E*R*(R*R1+(R1+R)*R2-X1*X2))/((X1*X2-(R1+R)*R2-R*R1)^2+(-(R1+R)*X2-(R2+R)*X1)^2)-j(E*R((R1+R)*X2+(R2+R)*X1))/((X1*X2-(R1+R)*R2-R*R1)^2+(-(R1+R)*X2-(R2+R)*X1)^2)

従って実数部が0となる時に位相差が90°になるので

R*R1+(R1+R)*R2-X1*X2=0

をRに関して解くと

R=(X1*X2-R1*R2)/(R1+R2)

ということになる。

著者の解は例によって因数分解した後の分母の実数部が0となる条件から導いている。そちらの方が簡単である。
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