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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2008-6-1 2:12
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【10】RLC直列回路のQ
次ぎの問題も難題。



RLC直列回路の回路定数が未知で、共振点の角周波数ω0と電流I0と共振点からΔωだけ離れた角周波数での電流Iのみが既知の場合にQを求めよというもの。

素子の定数が未知なのでそれを使う公式は使えない。また半値の角周波数ω1,ω2も与えられていないのでω0とI0それにΔωとIの3つのみでQを表す式を導けという問題である。

とりあえずやってみよう。角周波数ωの時の電流Iは

|I|=|E|/√(R^2+(ωL-1/(ωC))^2)

で表される。また共振周波数ω0の時の電流I0は

|I0|=|E|/R

で表される。

従って第一の式の|E|を消去するために第二の式から

|E|=|I0|*R

を代入すると

|I|=|I0|*R/√(R^2+(ωL-1/(ωC))^2)

となる。次ぎにLとCを消去するためにQの定義

Q=ω0*L/R=1/(ω0*C*R)

よりLとCについて解くと

L=Q*R/ω0

C=1/(ω0*Q*R)

をそれぞれ代入すると

|I|=|I0|*R/√(R^2+(ω*Q*R/ω0-ω0*Q*R/ω)^2)

両辺を二乗して整理すると

|I|^2=|I0|^2*R^2/(R^2+Q^2*R^2*(ω/ω0-ω0/ω)^2)
=|I0|^2/(1+Q^2*(ω^2-ω0^2)^2/(ω0*ω)^2)

見事にR,L,Cの未知数が消去された。両辺に(1+Q^2*(ω^2-ω0^2)^2/(ω0*ω)^2を乗じてQについての式に書き直すと

Q=((ω0*ω)/(ω^2-ω0^2))*√((|I0|^2-|I|^2)/|I|^2)
=((ω0*ω)/((ω+ω0)*(ω-ω0)))*√((|I0|^2-|I|^2)/|I|^2)
=((ω0*ω)/((ω+ω0)*Δω))*√((|I0|^2-|I|^2)/|I|^2)

ということになる。

これでも間違いでは無いが、著者は更に

ω=ω0+Δω

に関してΔωがω0に対して十分小さい値であれば

Q=((ω0*(ω0+Δω))/((ω0+ω0+Δω)*Δω))*√((|I0|^2-|I|^2)/|I|^2)
=((ω0^2+ω0*Δω)/(2*ω0*Δω+Δω^2))*√((|I0|^2-|I|^2)/|I|^2)
≒(ω0/(2*Δω))*√((|I0|^2-|I|^2)/|I|^2)

と近似式を導いている。

webadm
投稿日時: 2008-6-3 10:57
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【11】RLC直列回路の出力電圧
一問一問立ち止まって足踏みしている状態が続いている。なかなか100問近くが終わるまで時間がかかりそうである。まったり行こう。



Cのみを可変して一定の周波数と電源電圧を加えてCの両端の電圧ECが最大値を求めよというもの。

一瞬電流が最大値になればいいのではと思って共振点の問題かと思ったが、実はそう簡単ではなかった。

回路に流れる電流は

I=|E|/(R+j(ωL-1/(ωC)))
=|E|*(R-j(ωL-1/(ωC)))/((R+j(ωL-1/(ωC)))*(R-j(ωL-1/(ωC))))
=|E|*(R-j(ωL-1/(ωC)))/(R^2+(ωL-1/(ωC))^2)

従ってECは

EC=I*(1/(ωC))
=|E|*(R-j(ωL-1/(ωC)))/((ωC)*(R^2+(ωL-1/(ωC))^2))

実効値では

|EC|=|E|*sqrt(R^2/((ωC)*(R^2+(ωL-1/(ωC))^2))^2+(ωL-1/(ωC))^2/((ωC)*(R^2+(ωL-1/(ωC))^2))^2)
=|E|*sqrt((R^2+(ωL-1/(ωC))^2)/((ωC)*(R^2+(ωL-1/(ωC))^2))
=|E|/((ωC)*sqrt(R^2+(ωL-1/(ωC))^2))

ということになる。これはどういう式なのだろう?

二次曲線であることは確かだがインピーダンスとの関係はどうなるのだろう?

実際にCを可変した時のECと回路に流れる電流(アドミッタンス)をプロットしてみた。電源電圧は1Vで正規化してあるが、電流はスケールを合わせるために100倍している。



するとECには顕著なピークが存在する。電流にも共振点でのピークが存在するがそれとは一致していないことが明らかである。

興味深いことにECの最大値は電源電圧よりも大きい。

複素電圧ECの軌跡を最初図に描こうとしたが以下の理由で挫折した。

・ECのベクトルは回路のインピーダンスの逆数に容量性リアクタンスのベクトルを乗じて電源電圧でスケール倍したものとなる
・容量性リアクタンスはCを0から増加するにつれ負の∞から0へと向かうベクトル軌跡を描く。
・ベクトルの乗算は座標軸の回転とスケーリングであるが、掛け合わせるベクトルの長さが変化するのでスケールも変化する
・従ってRLC回路のCのみを変化させたインピーダンスの逆数の軌跡は円弧を描くが、それにCを変化させた容量性リアクタンスのベクトルを乗じたベクトルの軌跡は90度座標軸を回転しなおかつCの変化に応じてスケーリングが変化する
・ちょっと短時間では作図できそうもない

従って、素直にECの実効値が最大となる点を極値解析によって求めることにする。

|EC|=|E|/((ωC)*sqrt(R^2+(ωL-1/(ωC))^2))

これをCで微分すると、

(%i1) E/((o*C)*sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2));
(%o1) E/(o*C*sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2))
(%i2) diff(%,C);
(%o2) -E/(o*C^2*sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2))-(E*(o*L-1/(o*C)))/(o^2*C^3*(R^2+(o*L-1/(o*C))^2)^(3/2))
(%i3) factor(%);
(%o3) -(o*abs(o)*abs(C)*E*(C*R^2+o^2*C*L^2-L))/(C*(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)^(3/2))

d|EC|/dC=-ω^2*C*|E|*(C*R^2+ω^2*C*L^2-L)/(C*(ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)^(3/2))

ということになり、|EC|の最大値を取るは分子が0となる条件

C*R^2+ω^2*C*L^2-L=0

を満たす時であるので、この式をCに付いて解くと

(%i4) solve([C*R^2+o^2*C*L^2-L], [C]);
(%o4) [C=L/(R^2+o^2*L^2)]

従って

C=L/(R^2+(ωL)^2)

ということになる。

これを先の|EC|の式に代入すると最大値が得られることになる。

(%i5) subst(L/(R^2+o^2*L^2), C, E/(o*C*sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2)));
(%o5) (E*(R^2+o^2*L^2))/(o*L*sqrt((o*L-(R^2+o^2*L^2)/(o*L))^2+R^2))
(%i6) factor(%);
(%o6) (abs(o)*E*abs(L)*sqrt(R^2+o^2*L^2))/(o*L*abs(R))

従って

|ECmax|=ω*|E|*L*sqrt(R^2+ω^2*L^2)/(ω*L*R)
=|E|*sqrt(R^2+ω^2*L^2)/R
=|E|*sqrt(1+(ωL/R)^2)

ということになる。この式からも|ECmax|が電源電圧|E|を超えることが明らか。

これらの式を先のグラフを描いた時の回路に適用してみると、

C=L/(R^2+(ωL)^2)
=(10*10^-3)/(100^2+(2π*1000*10*10^-3)^2)
=7.169*10^-7 [F]
=0.7169 [uF]

|ECmax|=1*sqrt(1+(2π*1000*10*10^-3/100)^2)
=1.18 [V]

ということになりどちらもグラフと良く一致している。

webadm
投稿日時: 2008-6-5 10:20
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【12】RLC直列回路の出力(続き)
次の問題は前の問題の続き。

問題の趣旨が一見するとよくわからない。解答例を見て問題の趣旨を理解した次第。

Q=ωL/Rが10より大きい場合、先のECが最大値となるCの値をC=1/ω^2Lで近似できるとして、その場合本来のCの値との誤差が何%以内に収まるかというのが第一問。

ECが最大値となるCは先の問題で

C=L/(R^2+(ωL)^2)

と導かれた。これに対して近似解を

C'=1/(ω^2L)

とした場合の誤差はC'とCの差をCで割ったもの

(C'-C)/C

で表される。それぞれの式を代入すると

(1/(ω^2L)-L/(R^2+(ωL)^2))/(L/(R^2+(ωL)^2)

(%i3) (1/(o^2*L)-L/(R^2+(o*L)^2))/(L/(R^2+(o*L)^2));
(%o3) ((R^2+o^2*L^2)*(1/(o^2*L)-L/(R^2+o^2*L^2)))/L
(%i4) factor(%);
(%o4) R^2/(o^2*L^2)

R^2/(ωL)^2=1/Q^2

Q > 10なので

1/Q^2=1/100

従って1%以内に収まるということになる。

第二の設問は|ECmax|=Q*|E|と近似される場合に、真の|ECmax|との誤差が0.5%以内に収まることを示せというもの。

|ECmax|は前の問題で

|ECmax|=|E|*sqrt(1+(ωL/R)^2)
=|E|*sqrt(1+Q^2)

で表されるので近似値との誤差の割合は

(|ECmax|'-|ECmax|)/|ECmax|=(Q*|E|-|E|*sqrt(1+Q^2))/(|E|*sqrt(1+Q^2))
=(Q-sqrt(1+Q^2))/sqrt(1+Q^2)
=Q/sqrt(1+Q^2)-1
=1/sqrt(1/Q^2+1)-1

ここでQ > 10とすると

1/sqrt(1/10^2+1)-1
=-0.00496

従って0.5%以内に収まるということがわかる。

著者の場合、平方根の逆数の式を級数展開して同じ結論を得ているが、Q > 10なので分母はQが大きくなればなるほど1に近づいていくので誤差は限りなく0に近づいていくことは明白である。

webadm
投稿日時: 2008-6-5 10:44
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【13】RLC直列回路の出力電圧(その2)
次ぎの問題は問題11のCの代わりに今度はLが可変になったもの。

R,1/ωCの定数が与えられていてLの出力電圧の最大値を計算せよというもの。

問題11と同様に回路に流れる電流はインピーダンスの絶対値と電源電圧から

|I|=|E|/sqrt(R^2+(ωL-1/ωC)^2)

で表される。従ってLの出力電圧はそれに誘導性リアクタンスを乗じたものなので

|EL|=|I|*XL
=|E|*ωL/sqrt(R^2+(ωL-1/ωC)^2)

と表される。

Lを可変して|EL|の最大値を取るのは、上の式をLで微分して

(%i11) E*o*L/sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2);
(%o11) (o*E*L)/sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2)
(%i12) diff(%,L);
(%o12) (o*E)/sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2)-(o^2*E*L*(o*L-1/(o*C)))/(R^2+(o*L-1/(o*C))^2)^(3/2)
(%i13) factor(%);
(%o13) (o*abs(o)*abs(C)*E*(o^2*C^2*R^2-o^2*C*L+1))/(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)^(3/2)

d|EL|/dL=ω^2C*|E|*((ωC)^2*R^2-ω^2C*L+1))/(ωC)^2*R^2+(ωC)^2*(ωL)^2-2*ω^2C*L+1)^(3/2)

分子が0になる条件

(ωC)^2*R^2-ω^2C*L+1=0

よりLを解くと

(%i14) solve([o^2*C^2*R^2-o^2*C*L+1], [L]);
(%o14) [L=(o^2*C^2*R^2+1)/(o^2*C)]

L=((ωC)^2*R^2+1)/(ω^2*C)

ということになる。これを先の|EL|の式に代入すると|ELmax|は

|ELmax|=|E|*ωL/sqrt(R^2+(ωL-1/ωC)^2)
=|E|*ω*(((ωC)^2*R^2+1)/(ω^2*C))/sqrt(R^2+(ω*(((ωC)^2*R^2+1)/(ω^2*C))-1/ωC)^2)

(%i16) subst(((o*C)^2*R^2+1)/(o^2*C), L, (o*E*L)/sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2));
(%o16) (E*(o^2*C^2*R^2+1))/(o*C*sqrt(((o^2*C^2*R^2+1)/(o*C)-1/(o*C))^2+R^2))
(%i17) factor(%);
(%o17) (E*sqrt(o^2*C^2*R^2+1))/(o*C*abs(R))

|ELmax|=|E|*sqrt((ωC)^2*R^2+1)/(ωC*R)

R=50,1/ωC=100,|E|=100と与えられているので代入すると

|ELmax|=100*sqrt((1/100)^2*50^2+1)/((1/100)*50)
=223.6 [V]

ということになる。

webadm
投稿日時: 2008-6-5 11:29
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【14】RLC直列回路の出力電圧(その3)
次ぎの問題もRLC直列回路の出力電圧の最大値を求めるもの。今度は素子は固定で周波数を可変する場合。

RLC直列回路に流れる電流は

|I|=|E|/sqrt(R^2+(ωL-1/ωC)^2)

で表される。

Cの出力電圧は以前に解いた通り

|EC|=|I|*XC
=|E|/((ωC)*sqrt(R^2+(ωL-1/ωC)^2))

で表される。今度は周波数を可変した場合のECの最大値を求めるのでωで微分すると

(%i20) E/((o*C)*sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2));
(%o20) E/(o*C*sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2))
(%i21) diff(%,o);
(%o21) -E/(o^2*C*sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2))-(E*(L+1/(o^2*C))*(o*L-1/(o*C)))/(o*C*(R^2+(o*L-1/(o*C))^2)^(3/2))
(%i22) factor(%);
(%o22) -(abs(o)*abs(C)*E*(C*R^2+2*o^2*C*L^2-2*L))/(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)^(3/2)

d|EC|/dω=-(ωC)*|E|*(C*R^2+2*(ωL)^2*C-2*L))/((ωC)^2*R^2+(ωC)^2*(ωL)^2-2*ω^2*L+1)^(3/2)

従って最大値を取るのは微分係数が0、分子が0となる条件式

C*R^2+2*(ωL)^2*C-2*L=0

となるωを解くと

(%i23) solve([C*R^2+2*o^2*C*L^2-2*L], [o]);
(%o23) [o=-sqrt((2*L)/C-R^2)/(sqrt(2)*L),o=sqrt((2*L)/C-R^2)/(sqrt(2)*L)]

ωは正の値なので

ω=sqrt((2*L)/C-R^2)/(sqrt(2)*L)

の時に|EC|は最大値を取る。これを|EC|の式に代入して|ECmax|を求めると

(%i36) subst(sqrt((2*L)/C-R^2)/(sqrt(2)*L), o, E/(o*C*sqrt(R^2+(o*L-1/(o*C))^2)));
(%o36) (sqrt(2)*E*L)/(C*sqrt((2*L)/C-R^2)*sqrt((sqrt((2*L)/C-R^2)/sqrt(2)-(sqrt(2)*L)/(C*sqrt((2*L)/C-R^2)))^2+R^2))
(%i37) ratsimp(%);
(%o37) (sqrt(2)*E*L)/(C*sqrt(-(C*R^2-2*L)/C)*sqrt((C*R^4-4*L*R^2)/(2*C*R^2-4*L)))
(%i38) factor(%);
(%o38) (2*E*L)/(C*sqrt((C*R^2-4*L)/(C*R^2-2*L))*sqrt(-(C*R^2-2*L)/C)*abs(R))
(%i39) (2*E*L)/(C*sqrt((C*R^2-4*L)/(C*R^2-2*L))*sqrt(-(C*R^2-2*L)/C)*(R));
(%o39) (2*E*L)/(C*R*sqrt((2*L-C*R^2)/C)*sqrt((C*R^2-4*L)/(C*R^2-2*L)))

Maximaだとこれが限界,良くみると無駄に因数分解してしまっている。

|ECmax|=2*|E|*L/(C*R*sqrt((2*L-C*R^2)/C)*sqrt((C*R^2-4*L)/(C*R^2-2*L)))
=2*|E|*L/(C*R*sqrt((2*L-C*R^2)*(C*R^2-4*L)/(C*(C*R^2-2*L))))
=2*|E|*L/(C*R*sqrt((C*R^2-2*L)*(4*L-C*R^2)/(C*(C*R^2-2*L))))
=2*|E|*L/(C*R*sqrt((4*L-C*R^2)/C))
=2*|E|*L/(R*sqrt(C^2*(4*L-C*R^2)/C)))
=2*|E|*L/(R*sqrt(4*C*L-C^2*R^2))

ということになる。

webadm
投稿日時: 2008-6-6 11:04
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【15】RLC直列回路のR
次ぎの問題はRLC直列回路に関するちょっとひねった問題。



RLC直列回路でCをC1とC2にした場合にどちらも同一の電源|E|、ω0の場合に共振時の電流I0のk倍(k<1)の電流が流れた時にRがいくらになるか求めよというもの。

題意からするとω0,C1,C2,kのみでRを表す式を導けということのようだ。

C1とC2とで同じ電流が流れたということなのでどちらもインピーダンスの絶対値は同じということになる。前者をZ1、後者をZ2とすると互いに共役関係にあると言える。ベクトル図で描くと



式で表すと

Z1=R+j(ω0L-1/ω0C1)

Z2=R+j(ω0L-1/ω0C2)

|Z1|=|Z2|

なる関係が成り立つ。

また共振時のインピーダンスは

Z=R+j(ω0L-1/ω0C)

の虚数部が0となるので

Z=R

となる。

従って共振時の電流は

I0=|E|/R

と表すことが出来る。

一方CがC1,C2の時にはそれぞれ流れる電流がk倍であるので

I0*k=|E|/|Z1|

I0*k=|E|/|Z2|

なる関係式が成り立つ。

ここでI0を先の式で消去すると

|E|*k/R=|E|/|Z1|

|E|*k/R=|E|/|Z2|

両辺は|E|で割れるので|E|も消去される。

k/R=1/|Z1|

k/R=1/|Z2|

ここで

|Z1|=|Z2|

なので

sqrt(R^2+(ω0L-1/ω0C1)^2)=sqrt(R^2+(ω0L-1/ω0C2)^2)

両辺を二乗すると

R^2+(ω0L-1/ω0C1)^2=R^2+(ω0L-1/ω0C2)^2

展開して整理すると

-2*L/C1+(1/ω0C1)^2=-2L/C2+(1/ω0C2)^2

2*L(1/C2-1/C1)=(1/ω0C2)^2-(1/ω0C1)^2

2*L(C1-C2)/(C1*C2)=(1/ω0^2)*(1/C2^2-1/C1^2)

L=(1/(2*ω0^2))*((C1^2-C2^2)/(C1^2*C2^2))*(C1*C2/(C1-C2))
=(1/(2*ω0^2))*((C1-C2)*(C1+C2)/(C1*C2))/(C1-C2))
=(1/(2*ω0^2))*(C1+C2)/(C1*C2)

という関係が成り立つ。

一方

k/R=1/|Z1|=1/sqrt(R^2+(ω0L-1/ω0C1)^2)

Lを先の式で置き換えると

k/R=1/sqrt(R^2+(ω0*(1/(2*ω0^2))*(C1+C2)/(C1*C2)-1/(ω0C1))^2)
=1/sqrt(R^2+((1/(2*ω0))*(C1+C2)/(C1*C2)-1/(ω0*C1))^2)
=1/sqrt(R^2+((1/(2*ω0))*(C1+C2)/(C1*C2)-2*C2/(2*ω0*C1*C2))^2)
=1/sqrt(R^2+((1/(2*ω0))*(C1-C2)/(C1*C2))^2)

両辺を二乗してRについて解くと

k^2/R^2=1/(R^2+((1/(2*ω0))*(C1-C2)/(C1*C2))^2)

R^2/k^2=R^2+((1/(2*ω0))*(C1-C2)/(C1*C2))^2

R^2*(1/k^2-1)=((1/(2*ω0))*(C1-C2)/(C1*C2))^2

∴R=((1/(2*ω0))*(C1-C2)/(C1*C2))/sqrt(1/k^2-1)
=((1/(2*ω0))*(C1-C2)/(C1*C2))/sqrt((1-k^2)/k^2)
=sqrt(k^2/(1-k^2))*(1/(2*ω0))*(C1-C2)/(C1*C2)

ということになる。

著者の解とはC1-C2がC2-C1と大小関係が逆になっているが、Rが正の値となるためにはC1>C2なら前者がC1<C2なら後者となる。本来は|C1-C2|とすべきところだろう。
webadm
投稿日時: 2008-6-7 16:18
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【16】LC並列回路の共振点
次ぎはLC並列回路の共振点を求める問題。

LC並列回路のインピーダンスの式は

Z=1/(1/jωL+jωC)
=1/j(ωC-1/ωL)
=-jωL/(ω^2*L*C-1)
=jωL/(1-ω^2*L*C)

Zが∞になるには分母が0になる条件

1-ω^2*L*C=0

を満たすωをω0とすると

ω0=1/sqrt(L*C)

ということになる。

ω=2πf

なので共振周波数は

f0=1/(2π*sqrt(L*C))

ということになる。
webadm
投稿日時: 2008-6-8 6:51
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【17】RLC並列回路のQ
次ぎの問題はRLC並列回路の共振角周波数をω0とした時に共振の鋭さQが

Q=ω0*C*R=R*√(C/L)

で表されることを証明せよというもの。

これは理論を学ぶ際に並列共振回路のQは共振時のCまたはLのサセプタンス/コンダクタンスで定義されるというふうに暗記してしまっているのでちょっと困ったことになった。

もう一つのQの定義

Q=f0/(f2-f1)=ω0/(ω2-ω1)

でなにかが1/√2になる半値点と共振点の周波数で鋭さを定義する方法から導出することができるかどうか。

RLC直列回路の場合にはインピーダンスが共振点で最小になるので、同じ電圧の電源で周波数を変えて回路に流れる電流が共振点の1/√2になるところを半値点とすればよかった。

RLC並列回路はRLC直列回路とは正反対に共振点でインピーダンスが最大になりそれ以外では減っていくことになる。電源電圧が同じであれば周波数が共振点から離れると回路に流れる電流が増えてしまう。

なので半値点はインピーダンスが1/√2になる点としよう。

RLC並列回路のインピーダンスは

Z=1/(1/R+j(ωC-1/ωL))
=(1/R-j(ωC-1/ωL))/((1/R+j(ωC-1/ωL))*(1/R-j(ωC-1/ωL)))
=(1/R-j(ωC-1/ωL))/(1/R^2+(ωC-1/ωL)^2)
=1/(R*(1/R^2+(ωC-1/ωL)^2)-j(ωC-1/ωL)/(1/R^2+(ωC-1/ωL)^2)

で表される。

半値点ω1,ω2でのインピーダンスZ1,Z2がそれぞれ共振点ω0の時のインピーダンスの1/√2になるとすると

|Z1|=sqrt(1/(R*(1/R^2+(ω1C-1/ω1L)^2))^2+(ω1C-1/ω1L)^2/(1/R^2+(ω1C-1/ω1L)^2)^2)
=sqrt(1/R^2+(ω1C-1/ω1L)^2)/(1/R^2+(ω1C-1/ω1L)^2)
=1/sqrt(1/R^2+(ω1C-1/ω1L)^2)

|Z2|=1/sqrt(1/R^2+(ω2C-1/ω2L)^2)

|Z1|=|Z2|=|Z0|/√2
=1/(√2*sqrt(1/R^2+(ω0C-1/ω0L)^2))

共振点では

(ω0C-1/ω0L)=0

ω0=1/√(L*C)

なので

|Z1|=|Z2|=|Z0|/√2
=R/√2

という関係が成り立つ。

従って

1/sqrt(1/R^2+(ω1C-1/ω1L)^2)=R/√2

両辺を二乗して逆数をとると

1/R^2+(ω1C-1/ω1L)^2=2/R^2

(ω1C-1/ω1L)^2=1/R^2

両辺を開平し

(ω1C-1/ω1L)=±1/R

についてω1をそれぞれ解くと

(%i9) (o1*C-1/(o1*L))=1/R;
(%o9) o1*C-1/(o1*L)=1/R
(%i10) solve(%,o1);
(%o10) [o1=-(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)-L)/(2*C*L*R),o1=(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)+L)/(2*C*L*R)]

という解が得られる。ω1は正の値なので

ω1=(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)+L)/(2*C*L*R)

ということになる。

一方

(ω1C-1/ω1L)=-1/R

では

(%i11) (o1*C-1/(o1*L))=-1/R;
(%o11) o1*C-1/(o1*L)=-1/R
(%i12) solve(%,o1);
(%o12) [o1=-(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)+L)/(2*C*L*R),o1=(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)-L)/(2*C*L*R)]

なる解が得られるがω1は正の数であるため

ω1=(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)-L)/(2*C*L*R)

もまた解となる。

同様にω2についても

ω2=(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)±L)/(2*C*L*R)

が解となるので、ω2>ω1のケースでは

ω1=(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)-L)/(2*C*L*R)

ω2=(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)+L)/(2*C*L*R)

ということになる。

半値の角周波数ω1,ω2が導かれたのでQの定義式に代入すると

Q=ω0/(ω2-ω1)
=(1/√(L*C))/((sqrt(4*C*L*R^2+L^2)+L)/(2*C*L*R)-(sqrt(4*C*L*R^2+L^2)-L)/(2*C*L*R))
=(1/√(L*C))/(2*L/(2*C*L*R))
=(1/√(L*C))/(1/(C*R))
=(C*R)/√(L*C)
=R*√(C/L)

ということになる。

二次の方程式の解をいきなりMaximaとか得ようとしても著者のような綺麗な解の式が出てこない。結局手で解かないとだめだった。
webadm
投稿日時: 2008-6-8 7:47
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【18】RLC並列回路のQ(その2)
次ぎもRLC並列回路のQに関する問題。

RLC並列回路と並列に負荷抵抗RLをつないだ場合の共振の鋭さQLと元のQとの関係を示せというもの。

RLC並列回路のみのQは

Q=ω0*C*R=R/(ω0*L)=R*√(C/L)

で表されることは既に学んだ通り。

RLC並列回路に負荷抵抗RLをつないでも共振点はCとLのみで決まるので、Qは共振点のCもしくはLのサセプタンスをRとRLを並列接続した合成コンダクタンスで割ったものと考えることが出来る。

QL=ω0*C*(1/(1/R+1/RL))
=ω0*C*(R*RL/(R+RL))
=(1/√(L*C))*C*(R*RL/(R+RL))
=(√(C/L))*(R*RL/(R+RL))

従って

QL=Q*(RL/(R+RL))

という関係になる。

webadm
投稿日時: 2008-6-8 12:21
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
【19】RLC混成回路
次ぎの問題はRLC直列回路とRLC並列回路の中間のような混成回路に関するもの。



RL直列回路に並列にCをつないだ回路の共振角周波数ω0と電流が最小になる角周波数ω1をそれぞれ求めよというもの。

回路のインピーダンスは

Z=1/Y=1/(1/(R+jωL)+jωC)
=1/((1+jωC*(R+jωL))/(R+jωL))
=(R+jωL)/(1+jωC*(R+jωL))
=(R+jωL)/(1-ω^2*C*L+jωC*R)
=(R+jωL)*(1-ω^2*C*L-jωC*R)/((1-ω^2*C*L+jωC*R)*(1-ω^2*C*L-jωC*R))
=(R*(1-ω^2*C*L)+ω^2*L*C*R+j(ωL-ω^3*C*L^2-ω*C*R^2))/((1-ω^2*C*L)^2+(ωC*R)^2)
=(R*(1-ω^2*C*L+ω^2*L*C)+jω(L-ω^2*C*L^2-C*R^2))/(1-2*ω^2*C*L+ω^4*C^2*L^2+ω^2*C^2*R^2)
=(R+jω(L-ω^2*C*L^2-C*R^2))/(1-2*ω^2*C*L+ω^4*C^2*L^2+ω^2*C^2*R^2)

共振周波数はインピーダンスのリアクタンス分が0となる条件

L-ω^2*C*L^2-C*R^2=0

を満たすωがω0であるので

ω0=sqrt((L-C*R^2)/(C*L^2))
=sqrt(1/(C*L)-R^2/L^2)

ということになる。

一方電流が最小になるのはインピーダンスの絶対値が最大となる条件なので

|Z|=sqrt(R^2/(1-2*ω^2*C*L+ω^4*C^2*L^2+ω^2*C^2*R^2)^2+(ω(L-ω^2*C*L^2-C*R^2))^2/(1-2*ω^2*C*L+ω^4*C^2*L^2+ω^2*C^2*R^2)^2)
=sqrt(R^2+(ω(L-ω^2*C*L^2-C*R^2))^2)/(1-2*ω^2*C*L+ω^4*C^2*L^2+ω^2*C^2*R^2)

これをωで微分すると

(%i49)
diff(sqrt(o^2*(-C*R^2-o^2*C*L^2+L)^2+R^2)/(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1), o);
(%o49) (2*o*(-C*R^2-o^2*C*L^2+L)^2-4*o^3*C*L^2*(-C*R^2-o^2*C*L^2+L))/(2*(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*sqrt(o^2*(-C*R^2-o^2*C*L^2+L)^2+R^2))-
((2*o*C^2*R^2+4*o^3*C^2*L^2-4*o*C*L)*sqrt(o^2*(-C*R^2-o^2*C*L^2+L)^2+R^2))/(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)^2
(%i50) factor(%);
(%o50) -(o*(C^2*R^4+2*o^2*C^2*L^2*R^2-2*C*L*R^2+o^4*C^2*L^4-L^2))/((o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*sqrt(o^2*C^2*R^4+(2*o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^6*C^2*L^4-2*o^4*C*L^3+o^2*L^2))

d|Z|/dω=-(ω*(C^2*R^2+2*ω^2*C^2*L^2*R^2-2*C*L*R^2+ω^4*C^2*L^4-L^2))/((ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*sqrt(ω^2*C^2*R^4+(2*ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2+ω^6*C^2*L^4-2*ω^4*C*L^3+ω^2*L^2))

となり、d|Z|/dωが0の時に|Z|は最大値をとるので分子が0となる条件

C^2*R^2+2*ω^2*C^2*L^2*R^2-2*C*L*R^2+ω^4*C^2*L^4-L^2=0

となるωを解くと

(%i47) solve([C^2*R^4+2*o^2*C^2*L^2*R^2-2*C*L*R^2+o^4*C^2*L^4-L^2], [o]);
(%o47) [o=-sqrt(sqrt(2*C*L*R^2+L^2)/C-R^2)/L,o=sqrt(sqrt(2*C*L*R^2+L^2)/C-R^2)/L,o=-sqrt(-sqrt(2*C*L*R^2+L^2)/C-R^2)/L,o=sqrt(-sqrt(2*C*L*R^2+L^2)/C-R^2)/L]

ω1は正の値なので

ω1=sqrt(sqrt(2*C*L*R^2+L^2)/C-R^2)/L
=sqrt(sqrt(2*C*L*R^2/(L^4*C^2)+L^2/(L^4*C^2))-R^2/L^2)
=sqrt(sqrt(2*R^2/(L^3*C)+1/(L^2*C^2))-R^2/L^2)

ということになる。
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