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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2010-6-28 15:25
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
インフラとしてのオープンソースプロジェクト
少なくともいくつか成功したと言われるオープンソースプロジェクト、MySQL, Apatche, PHPそれにAndroidのことを思うにつれ、これらのプロジェクトは一種のインフラ構築であると捉えられないだろうか?

一般にインフラというと公共下水道や電力網、道路網、通信網などが代表例である。これらは構築するため多年にわたる期間と巨額な投資を必要とするため国家レベルやそれに準ずる巨大企業集団とそれを資金的にバックアップする機関投資家によってのみ実現可能である。

しかし一端構築されると、その利便性は皿に長きに渡ってすべての人に無償かもしくは実費のみで享受可能となる。それによって間接的に人々の生活水準が向上し、人口増加をもたらしより巨大な商業的需要母体を形成する。それによって無数の商業的サービスや商品が開発され、インフラによってそれが一種のユーザー体験として多くの利用者の手元に届けられることになる。

優れたオープンソースプロジェクトのほとんどが先進国で生まれているのはそうしたインフラを支える資本力があるためでもある。

しかし日本ならさしずめ道路も下水道も、電力や交通、通信どれも世界的に誇れるインフラを構築してきたのにオープンソースプロジェクトで世界的に知られているものがほとんど皆無なのは何故だろう。

人によってはRubyがあるじゃないかと言うかもしれないがRubyはインフラと言えるかというと疑問が生じる。むしろ構築中と言える段階ではないだろうか。しかもそれは海外において、海外の資本によってバックアップされているにすぎない。日本国内では誰もインフラ構築に投資しているという企業はあるかもしれないがあまり漏れ聞かない。

投資規模の大小で言えば、日本国内ではほとんど小規模の投資しか行われていないのではないだろうか。それが大きなインフラを提供できない原因かもしれない。

日本の下水道インフラは本当にすごい効果があった。子供の頃は夏になると、どの家庭もハエ取り紙という粘着質材料が塗布されたテープ状のものを台所にぶら下げていた。家の中や外を問わずいつでもどこでもハエが居た。

それは家庭のトイレが今では古い日本式住宅でしか見られない肥だめ式だったからだ。糞尿が大気と接したオープンエア(オープンソースにどこか響きが似ている)だったため、ハエがそこに産卵し大量の蛆が発生しそれがやがて大量のハエを生み出す生物的なインフラを構築していたからだ。どんなにハエを退治してもどの家にも自宅内に無限に新しいハエが常に発生し続けるシステムがあったので無駄な努力だった。

それと田舎の農家では天然肥料として人糞を使うのが定番だったので(昔はみんなオーガニックだったのだ)畑の中心部にオープンエアな肥だめがあった。子供の頃、端境期の農家の畑で遊んでいるとその肥だめプールが近くにあると、みんな恐怖を感じた。どこかで子供が肥だめに落ちてしまった話を聞いたり、想像したりすると関わりたくないと誰もが考えるからだ。ここで遊んだり駆け回るのは危険だと誰もが共通の認識を持っていたからだ。あの頃の畑の肥だめは今もあるのだろうか?

それが水洗式になり、汚物が完全に大気から遮断された汚水処理設備と下水導を流れるようになったため、ハエにとっては生存に必要な社会インフラが消失したことになり、日本の家庭からハエは姿を消した。ハエにとってはお気の毒様である。ハエ取り紙の製造業者にも気の毒であった。

やはり日本国内で世界規模で人々に利便性を提供し新たな商業サービスや商品を生み出すインフラとしてのオープンソースプロジェクトが生み出せないのはそうしたインフラ構築後の世界のビッグピクチャを描ける起業家が乏しいのとそれに理解を示す投資家が皆無だというのが本当の理由じゃないのかと思えるようになってきた。

みんな目先の利益のことで精一杯だからそんな何十年も先の夢を描く人も居ないし、それに投資する人も居ないということなのかもしれない。

そういう意味では日本は真の先進国ではなく、未だに心は戦後の発展途上国のままで居たいと思っている国なのかもしれない。中国もあれほど経済的に世界のトップに君臨していても自らは発展途上国だと主張している。そうすることによって国外のインフラや資本力の利便をを無償か実費に近い形で享受できるからである。

ぜひとも日本国内では下水道インフラの時のようなオープンソースプロジェクトを生み出してほしいものである。

それともソフトウェア開発者は生かさず殺さずが一番効率が良いと信じて疑わないのだろうか。確かに誰でも明日からソフトウェア開発者を名乗れるし、労働条件は過酷(24時間365日無停止で責任が伴う)なのに低賃金だし。

P.S

日本の誇る上下水道インフラだが、ここにきて老朽化の危機を迎えているらしい。まだ物価が安く人件費も低くてほぼ無尽蔵に得られた開発当時と違って、今は世界でも有数の物価高、人件費の高い国に変わってしまった。当時算定していた予算での設備更新事業はまったくもって不可能だということになってしまった。オープンソースプロジェクトと違って、一般のインフラは設備の老朽化が発生する。そのため更新時期を迎えたらまたひとつひとつ作り直す必要があるのだ。誰も数十年後にこんなに物価と人権費が高くなるなんて計算していなかったのだろうか? そんなことは無いと思うが予想よりも急な右肩上がりの成長を遂げたということだろう。

今の子供達が大人になる頃にはまた昔の頃のようにハエが大量発生しハエ取り紙が重宝がられ、畑には肥だめがあって人糞で野菜がオーガニック栽培される時代に戻るのかもしれない。歴史は繰り返すというぐらいだから。

P.S

日本国内の場合、インフラ開発に資金を提供するのは資本家ではなく銀行などの機関投資家が国債を引き受けることによるものがほとんどなので経済は常に右肩上がりに成長しないと金利が払えなくなるという宿命にある。一般人もローンとかで銀行から借金をして金利と元金を数十年に渡って返す必要から収入が先細ると米国のプライムローン問題の再現となる。年収は現状維持か増え続けなければならない宿命を背負っているというわけである。

北米とかは億万長者が沢山いるし格差社会だが、防衛や政府機関それに巨大企業では巨額の年金資金が有り余っている。これらが様々な投資や新たな高利運用の需要を生み出している点がスケールで北米の10分の一しかない日本と大きく違う点かもしれない。

日本の人口を北米と同じに増やすことは少ない国土では不可能であるので、自ずと自らのオリジナルの活路を見いださざるを得ないのである。大英帝国とかは日本と良く似ている点で参考になる面と、すでに英国は斜陽だという参考にならない面の二面性を持つ。ギリシャも国土的には良くにているが、ギリシャ問題が出現して以来、日本にとっては似ているとか言われのは不本意な事態ととなっている。
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題名 投稿者 日時
 » インフラとしてのオープンソースプロジェクト webadm 2010-6-28 15:25

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