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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2016-10-23 22:12
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
Re: ピアノ教本
デジタルピアノを購入して独学で練習を開始してから早一ヶ月以上が経過しました。

紹介したピアノ教本をベースに毎日30分間以下のメニューで練習をしてきました。

(1)バイエルの最初にある右手と左手の指の基礎練習

主に最初に発覚した右手の大半の指がハノンの一番を弾くと中に浮いた状態になってしまう癖を取り除くために象が歩くみたいにゆっくりとしたテンポで指が鍵盤から浮かないように弾く感じ。

最初の頃は弾いていない片方の手の指先を弾いている方の手の甲にある腱の上に置いて一瞬でも指を上に持ち上げるような意図しない動作を察知できるようにしたところ一定の効果がありました。

なかなか片手だけではその片手の意図しない筋肉の挙動というのを感じ取ることができないのよね。もう片方の手で触って感じ取ることでコントロールできるようになるということがよかったのかも。

あと、知らないというのは怖いことで、当初指が痛くなってしまった腱鞘炎の原因が、実は生半可な知識で、指を鍵盤を叩くために少し指を上に持ち上げてから振り下ろすようにしていたのと、音を止める際に再度鍵盤から指を離すために持ち上げていたのが災いしたようです。

腱鞘炎を予防する練習方法を探して検索していたら、鍵盤は指で押さえる力を抜くだけで自然に元の位置に戻るので、力を抜くだけで良いということを知って、弾き方を変えることで以降は長時間練習しても手が重くなったり翌日に痛みが出るということも無くなりました。それでも30分以上練習すると、使っている筋肉が発熱してくるので、無用の炎症を予防するために、30分のティータイムを入れて筋肉をクールダウンさせるようにしています。何事も過ぎたるは及ばざるがごとしで、がんばり過ぎは良くないよね。

更に調べたところ、プロのピアニストが高速に旋律を演奏する際に指が鍵盤から指が離れるほど跳ね上がって見えるのは、意図的に持ち上げているのではなく、ちょうど床の上で足を使ってジャンプするように、指とそれに続く前進で鍵盤を跳ねるようにしてその反動で鍵盤から指をジャンプさせているのだということを知りました。見た目は上に上げているように見えても使っている筋肉は指を握る方向の筋肉だけだったのでした、これを勘違いして指を持ち上げるように反対側の筋肉を使ってしまうと、たちまち腱鞘炎になるということでした。

一ヶ月経過した頃には、右手中指が少しまだ薬指や小指を打鍵した際にピクリと上に数ミリ上がるだけになりました。まだ余病が残っているので指の基礎練習は欠かせません。

それまで右手がだめな子だったんだけど、練習曲になれてきてよそ見をする余裕ができた頃にふと左手を見たら驚愕の事実が判明。それは後述。

(2)バスティン、バイエル、みんなのピアノ・オルガン、バーナムの練習曲消化

バスティンはいきなり譜面ではなくて、幼児でも視認しやすい音符の中に音程が書かれているだけの簡易譜なので弾きやすかったです。

でも最初上下に右手と左手の譜が並んでいるので、両手で弾くものと勘違いして、どうも終止形が変だなと長い間疑問を持っていたのは内緒。本当は前半が右手で後半が左手の曲だったのね。それが判るまでは、きっと譜面に忠実に演奏することを心がけるための意図的な作曲だと思うようにしていたのですが、大きな勘違いでした。

みんなのピアノ・オルガン1は、ほとんどが手の位置を固定して5度圏内で演奏できる曲ばかりですが、最後の方に何の注意書きも無く、手の移動もしくは、指を広げてオクターブの音を押さえる必要のある曲が登場します。最初、え?、と思ったけど、大抵の名曲はオクターブの音域まで指を広げて弾くのが当たり前みたいなので、初期の段階からチェックするのが目的なのかな、意図は不明。新版ではどういう扱いになっているのかは謎。いずれにせよ、自分の手が広げてもオクターブぎりぎりだというのと、親指が仮性まむし指だということがこのおかげで判明、またしても矯正メニューが必要...orz

バイエル、みんなのピアノ・オルガンの練習曲を順番に弾いていきます。元々譜面が読めるので、片手だけなら譜面を見ながら初見で旋律を弾くことが出来るものの、両手同時だとからきしだめ。

どうやら片手で練習して出来る運動神経回路と両手で練習して出来る運動神経回路は別みたいで、片手で弾く分には癖がでなくても、両手になると癖が歴然と最初の頃のように出てくるというのはそういう理由なのかも。だいぶ初期の頃は両手で癖丸出しでハノンを練習した記憶があるので、それが残っているのね。

よく言われることですが、練習の時のテンポを遅くするとそれだけ時間が長くなります。なので少ない時間にできるだけたくさんの練習メニューを消化しようとしてテンポを早くして練習したいのは山々ですが、そうするとミスや癖が出まくりで、焦ってそれを繰り返すとミスと癖の練習をしているような感じになります。運動神経にとってみれば、ミスも癖も良い弾き方も区別はなく、繰り返される動作を大脳に負担をかけずに無意識に延髄反応で行えるようにショートカットな神経回路を作ってしまうので、ミスや癖がますます記憶されるということになります。

なのでミスや癖を繰り返さないように大脳で余裕を持ってコントロールできるゆっくりとしたテンポで練習を繰り返すのが良いようです。

教本によってもまちまちですが、最初は手の位置を固定して五本の指だけで引けるような旋律の曲を練習することになります。

これは明らかに手の形(フォーム)を作ることを優先しての意図して練習曲を厳選していることに他なりません。

反面、五本の指の届く範囲(五度圏)で作れる旋律は有限で、かつ最初は白鍵だけ使うように制約するとハ長調(C major)か イ短調(A minor)もしくはその他の調で白鍵だけで弾ける旋律ということになります。

なのでどれも似たような感じの練習曲に聞こえてくるのは致し方ありませんが、リズムとかパッセージの構成とかが異なるとそれぞれ異なる曲想が出てくるのを学ぶことはできます。

それと複数小節や繰り返し部分のある比較的長い練習曲から起承転結のルールをそれとなく学ぶことができます。ちゃんと勉強するには楽典を学ぶ必要がありますが、その典型的なパターンは実技から身につけることができます。

・導入時から優先的に獲得すべきスキル

練習を一ヶ月超えた頃から、好きあれば再発する癖と戦う中で判ってきたことがあります。導入時の最初の時期に優先して獲得すべきスキルがあるということ。

それは、

・薬指および小指と他の指の依存性の緩和(指の独立)

ハノンを最初に弾いた時に初心者が体験するのは、五度圏の旋律を弾くだけで弾いている指以外の指が意図せずして動いて中に浮いた状態で不安定になる(震えたり硬直する)ということ。

原因は、手の指をピアノ演奏用にコントロールする神経回路がまだ出来ていないので、既に出来上がってしまっている、手で物をつかんだり、握ったりする神経回路が大脳の意図に反して働いてしまって大脳もパニックに陥ってコントロールできない状態に陥っているためだと思われます。

このままの状態で練習曲をこなすことも可能ですが、これはピアノを演奏する上で大きな身体的なハンディを抱えたまま曲の練習をすることになるので、満足な演奏が出来るようになるのにそのハンディを凌駕する訓練をしなければならないことになります。

身体的なハンディは無いほうが必要な訓練は少なくてすむので長い目で見ればハンディを減らすのに時間をかけたほうが良いのは確か。

それでも身体は個人によってまちまちなので、どうしても人それぞれハンディは残ります(指が少ない、指が短すぎる、指が長すぎる、指が湾曲している、生まれつきバネ指、まむし指、指の関節がふにゃふにゃ、怪我の後遺症とか)、それは各人がそれぞれ克服するためのカスタム練習メニューが必要です。

経験豊かな先生の下で学べば適切なアドバイスや練習方法を提案してもらえるかもしれませんが、必ずしもそれが期待できるわけでもありません、特に身体的なハンディについては指導領域外だからです。

インターネットで検索すると、それでも最近はあまり手足を使う機会のない幼児が増えているためか、昔に比べると身体的なハンディを多くもった子がピアノを習いにくる傾向にあるようです。そうした先生の開設したサイトとかではハンディを克服する特別メニューや方法が紹介されているので大人の人でも参考になるかも。

・姿勢

しっかりと安定した演奏が出来るようになるためには、良い姿勢を保つことが大事で、おそらく常に優先しなければならないこと。

大人だとついつい年齢とともに背中が丸まってきたり、椅子に座ると楽な姿勢になりがち。幼児でも同じで長い時間背を伸ばした状態で椅子にじっと座っているのは苦手。

姿勢に関してはどの教本でも共通のことが書いてありますが、それを自分なりに解釈すると、日本人的には椅子の上の腰から上は、ちょうど正座をしている時と同じ感じがします。日本人のピアノ教師の方が書いてある点も正座の時の注意点と一致しています。違うのは椅子に座って足の裏を地面に向けている点だけ。

なのでピアノを前に座るということは心の中では、正座をしてピアノと向かい合っているのと日本人的には一緒なのかなと思います。

姿勢を自分でチェックするために、横に姿見を置いてそれとなく癖が出ている利き手の右手と右腕を観察してみたら驚きの新事実が判明。

解剖学的には手の指を開く方向に持ち上げたり、握る方向に曲げる筋肉は手の部分にはなく前腕の根元にあります。なので片方の手で、もう片方の前腕の根元あたりに指を置いて脈を測るような感じで触診すると、指を動かす際に皮下にある筋肉が動くのが判ります。

夏場にノースリーブ姿で演奏する際に姿見で前腕の筋肉を観測すると、ピアノの音に連動するかのように前腕の根元の筋肉が動くのがはっきりと判ります。それはちょうど、オーディオ信号をオシロスコープでリアルタイムに観測している時の波形のエンベローブの変化を見ているようで別の意味で感激しました。

人の筋肉は音楽や音量に合わせて動けるものなのね。

まあそうでないと音楽を演奏できないわけですが。演奏できるだけの運動能力を持っているというのがわかって良かった気がします。癖は別なので直さないといけないですが。その敏捷性が癖として表れているわけで、善悪は表裏一体だということでした。

・手と指のフォーム

これもよく言われる点ですが、時代や個人によってその形は必ずしも一定ではないようです。
ただ言えることは、導入時の手の位置を固定して五度圏の範囲での旋律を弾く段階から手と指の形が安定するように心がけるのを優先する必要があること。

指の独立が出来ていないと、待機中の指が意図せずに伸びきったり硬直すると自ずと手の平が傾いた状態になり、それに併せて手首も回転してしまいます。

Youtubeとかでハノンを練習中の幼児や大人の人の動画を見ると、共通して手や指が意図せずして暴れまくって安定していないのがわかります。

そのままでは大きなハンディを抱えたままになり、本格的な名曲や大曲を練習する上で大きな阻害要因になります。

大人でも子供でも早く名曲や大曲が弾けるようになりたいという夢を抱くのは一緒ですが、そこに至るには以下のような演奏上に必須のテクニックを身につける必要があり、前途多難です

・手の素早い移動

ハノンでは最初から手の移動(2度)が演奏上必須のテクニックになります。
五度圏の旋律を弾くのには手の移動テクニックは必要ないですが、一般的な曲では旋律は一オクターブの範囲を超えるので手の移動が必須になります。

ハノンの1番を最低限の推奨テンポ(BPM=60)で弾こうとすると、四分の二拍子なのでひとつの音符は16分音符だから、音と音の間隔は四分音符の四分の1の0.25秒しかありません。従ってレガート奏法では小節の最初の音を弾いてからその指で鍵盤を押さえたまま残りの指と手全体を横に鍵盤ひとつ分を移動して次ぎに弾くべき鍵盤の位置に指定の指が来るようにする必要があります。

更に早いテンポでは、音と音の間隔が更に短くなるので、もっと素早く移動する必要があります。移動に要する時間が短ければ短いほど演奏に余裕が得られます。これを達成するには繰り返し練習して鍵盤を見なくても手のフォームを保ったまま目的の指と他の指が新しい位置に正確に移動できるように体得するしかありません。

導入時期にまだ指の独立や指と手のフォームが安定しない状態で手の移動を伴う旋律の演奏を行うと、ますます指や手が暴れることになり良い練習にはなりません。

ハノンはそうした意味で基本が出来ているかどうかテストする手段として優れているというのは以前書いた通り。

ハノンが導入時に難しいのは、指の独立と、手の素早い移動の2つの基本テクニックの両方を同時に奏者に要求しているためだと考えられます。

ならばハノンを攻略するには、各個撃破、指の独立と手の素早い移動の2つにスペクトル分解してしてそれぞれ個別の練習メニューを消化すればいいことに。

指の独立の練習にはバイエルとかの最初の右手と左手、そして両手の短い旋律の練習が役立ちます。実際、バイエル以外ではそうした指の独立の克服用の練習メニューを提示している教本は少ない。その点はバイエルの優れた点かも。

手の移動の練習メニューは少ないので、ハノン用に自分で作る必要がありました。基本的なアイデアは、その後海外から取り寄せた薄いけど内容的には優れている以下の教本の内容から得ました。癖がだいぶ抜けてからは、最近の基礎練習はこの教本のメニューを中心にやっています。


"Pianoprima Exercises" Technical Exercises for Piano By Liana Ainge and Louise Axon
For the development of excellent piano technique
From beginner to Grade 8



この本はたぶんまだ日本語訳されていないと思われます。前書きを除いてはほとんど説明らしきものは無く、ほとんどが練習曲の譜面だけという内容ですが、前書きの説明は良くよむと非常に重要なことが書かれていて、練習で何を優先すべきかについて著者の意図がはっきりわかります。なので大人向けですが、練習曲自身は導入時期の子供でも弾ける優しいレベル0から、段階的にレベル8まで用意されています。最後の方の高いレベルになると、運指番号は記載されなくなり、奏者自身が自分で決めなければならないようになっています。

実際ピアノ教本の譜面には運指番号が書いてありますが、一般のピアノ曲の譜面には運指番号は書いてないのが普通。運指は演奏者がそれぞれ自分に適したように決めればいいからです。それには楽譜が読めることと、必要な演奏テクニックを身につけているというのが前提になるわけです。

・高速なスケール(音階)演奏

導入時の手の位置を固定した五度圏内のスケールが安定して正確に素早く弾けるようになったら、次に身につけるべきは、一オクターブを超えるスケールを同じように安定して正確に素早く弾けるようになることが課題となります。しかも白鍵だけでなく黒鍵も含めた全調で弾けることが望まれます。

それには教材としてはハノンが良く使われます。ハノンには全調のスケール譜があり、しかも終始形(cadence)が一緒に練習できます。

音大とか専門に演奏家やその教師を目指すにはハノンの全調スケールが出来ないといけないようで、みんな一生懸命練習するぽい。

やはり基本(指の独立、指と手のフォームを保つ)がしっかり出来ていないとそれも叶わないわけなので、必要であれば基本の基本に戻ってハンディを減らしていかないといけない模様。

試しに現状で、ハノンのスケールのところをやってみたら癖が出る出る、音は安定しないわで、まだまだ修行が必要でした。調によっては他と運指パターンが違うのは、親指で黒鍵を弾くのは誰にとっても難しいというのがあるからなのね。これはまた後の楽しみとして。

・コード(和音)

基本の三和音は五度圏内で押さえられるので導入時の練習曲にも登場するけど、重要なのは、3つの音が同時に鳴って、それから止むように演奏しないと濁ってしまう点。

これも音が鳴るタイミングを3つの指でどんな状況でも揃うように体得するしか無いわけだけど、厳密に常に一致させるというのはプロでも難しくて、よほど耳が良くなければ区別がつかないぐらいの時間差内であればよしということに(それは 百分の1秒ぐらい?)。

しっかりとしたコードを弾くには、手首がその瞬間しっかり手の平を固定するようにしないと3つの指に力が均等にならないので、やはり体得しかないよね。

・トリル(およびトレモロ)

名曲とかで良く出てくる隣接する2つの音やオクターブの音を素早く交互に鳴らす技が求められます。これも人それぞれ練習メニューがあるけど、あまり紹介はされていないよね。本来はピアノの先生から一子相伝という感じで伝えられるものなのかも。

Youtube とかにアップされているプロのピアニストの演奏動画を見ると、指だけで弾けるものではないよね。肘から先全部を使って両手で一新不乱にトリルしているのも良く見かけます。良くみると同じ鍵盤を複数の指で代わる代わる弾いているのもあります。
機構的にセカンドエスケープという仕組みのあるグランドピアノでないと高速のトリルは演奏できないというのもあるみたい。デジタルピアノも少し前とか廉価版とかでは鍵盤を一旦押していない状態に戻さないと次押しても音が出せないというのがあるよね。アップライトピアノも基本はそうみたい。グランドピアノは鍵盤が完全に戻る前にセカンドエスケープ機構によって再びハンマーが駆動できる状態になるのでその分時間が短縮できて高い頻度で打鍵できるのでした。最近の各社のフラグシップ級デジタルピアノは同等のことが出来るみたい、鍵盤の動きを検出するセンサーを一つ増やしてセカンドエスケープタイミングを検出できるようにしたりとか。デジタルピアノの価値はほとんど鍵盤部分にあるよね。

・運指

作曲者は運指までは指定しないので、演奏者自らがレパートリーに加える際に運指を設計する必要があります。演奏者はそれぞれ身体的なハンディ(指の特性)の違いから、自分の意図した演奏が出来るように自分にあった運指を選択できます。あらかじめ運指が指定してある教本の練習曲とかでは、その通りにしないと先生に怒られるかも。それ以外は元々指定はないから、無問題。

・オクターブ(重音)

同じ1度でオクターブ違いの音をユニゾンで弾くのは、名曲とか大曲で頻繁に登場し、しかもそれで旋律を弾かないといけないとなると練習が必要です。ここにも身体のハンディが障害となり、挫折する人も多いと聞きます。まむし指とか、指が短いとか手が全体的に小さいために、そもそもオクターブが押さえられないとかいう人も多いと聞きます。

オクターブを弾くには、もっとも距離のとれる親指と小指の間を広げる必要がありますが、普通はそうした運動は滅多にないので、大抵の人は最初はあまり広がらないのが普通。特に問題なのが手の平から出ている指の方ではなく、手の平の中に隠れている中手骨を広げるための筋肉が弱いのが問題。小指の中手骨は手の平の中で他の中手骨と強靱な靱帯でつながっているので解剖学的に広げることができません。唯一親指の中手骨は他の指から自由なので広げることができますが、無理に指先だけ広げようとすると中手骨がそれに追従しないのでその間の関節が凹んでしまう、まむし指という意図しない状態になることも多いです。

ピアノを弾かない普段でも意図的に親指の中手骨を広げるような訓練を重ねないと無理に広げると、まむし指を悪化させて要らぬ故障を起こすことも。

親指の先ではなく、根元の中手骨から広げないと意味がないのでした。

・アルペジオ

コード(和音)と同様に五度圏内のアルペジオ(分解コード)演奏は登場しますが、全調でオクターブを超えるアルペジオは名曲や大曲で必ず登場するため必須のテクニックになります。

スケールの演奏と同様に手の移動が伴うのですが、音と音のインターバルがスケールの場合は2度(隣の鍵盤)なのに対して、アルペジオは3度以上だという点が違います。

またコードを弾くときと同様に安定して均一かつ正確なタイミングで音を鳴らす必要があるので、コード+スケールの難易度を持つのかも。

・デュナミーク(dynamic)

導入時期には何も指定なければデフォルトで強い音(f:フォルテ)で均一に音を鳴らすことが推奨されますが、それと同時に教本によっては弱い音(p:ピアノ)で演奏することも練習メニューに入っていることがあります(バスティン本とかがその例)。

名曲とか大曲では作曲者が音の強弱を曲の要所で指定していることがあり、演奏者はそれを遵守する必要があります。それ以前にもスラーとか導入時の練習曲にも頻繁にあらわれる指定は、声楽の場合と同様に最後の音と次の音の間には息継ぎに相当するごく僅かの休符が自然に入ることが前提となっているので、教本によってはそのことが明確に書かれているものと(キャサリンロリンズ本とか)、教師が口頭で伝授することを前提にして書いてないものとかがあります。理由は書いてないけど、スラーの最後の音を鳴らしたら手を上げること、と注意書きが書いてある教本もあります(バスティン本とか、バーナビ本ではスラーの最後の音符がスタカートになっている練習曲がある)。

それ以外にも作曲者が指定していなくても、演奏者が独自の解釈や表現をするために意図的に強弱をつけることは自由に可能ですが、演奏を聞く側にとって自然に受け入れられるものでなければならないことは明らか。

・アーティキュレーション

作曲時に曲の演奏のテンポを指定していることもあるし、そうでないものもあります。
指定されていれば、それに従って演奏しないと作曲者の意図と違った曲になってしまい曲想が聞く側に伝わらなくなる恐れがあります。

また曲中でテンポが曲想に応じて変えることが作曲者によって指定されている場合も少なからずあります。それに従って演奏することが求められます。

それ以外にも音の強弱を除く、演奏方法の指定は数多くあり、実際に譜面で初めて遭遇する前に楽典などで学んでおくことが望ましいです。

導入時期でもレガート(Legto),スタッカート(staccato),スラー(slur)が登場して、それらを区別して演奏することが求められます。

五度圏内のレガートは簡単ですが、近代ロマン派の名曲になると、五度圏を超える範囲のレガート奏法が要求されるので、手のフォームを崩さずに自然にアクロバット的に前の音の鍵盤を押さえつつ、指と手を次ぎの音に滑らかに移動するテクニックが必要になります。それに関しては Youtube とかでベテランの教師が生徒にテクニックを伝授している様子の動画を見たことがありますが、もうね、バレーとか踊りの稽古ですかという感じがしました。

ということで、次回は先のハノン攻略のために自分で考えた手の素早い移動のための練習曲をLilypondを使ってレンダリングした譜面を紹介したりしようかと思っています。

それにはメインPCが復活しないと...orz

んじゃまた。

P.S

後述すると始めに書いておきながら忘れていた、左手の最新事情を書くね。

右手は利き手だけど、左手は最初から優秀な子で、脱力も出来ていて、指の独立も問題なしだったけど、バイエルやみんなのピアノ・オルガンとかの左手が伴奏旋律が多い練習曲をこなすうちにすっかり慣れてしまって、脱力の極みに達していたようです。

気がつくと知らない間に手首が鍵盤と同じかそれよりも下に下がってしまって、手も平べったい感じに脱力してしまい、指の根元の関節(第一関節かな)が平らか凹んだ状態に近い形になるようになってしまいました。ちょうど鍵盤と肘の間に指と手と前腕が吊り橋状に架かっている感じ。演奏する上では左手は右手より弱い音を鳴らすのでフォームが悪いのが強い音が出なくて却って好都合なのかも。

まあ、これは良くない手のフォームの典型例なんだけど、Youtube とかでプロの女性ピアニストのコンサート動画を見ると、利き手の方は問題ないけど、そうでない左手は同じようになっていることが判明。やっぱりみんな同じになるのね。

ただ、指が斜めに寝ちゃうのはさすがにプロのピアニストには見られないので、それは良くないかも。手首というか前腕がちょっと無意識のうちに回転してしまっているのかも。肘と体の間隔が適切ではないのかも。

右手はその問題は無いので、やはり利き手とそうでない方で事情が異なる可能性大。原因を見つけて矯正する方法を考えないと。


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題名 投稿者 日時
   ピアノ教本 webadm 2016-9-19 5:59
   » Re: ピアノ教本 webadm 2016-10-23 22:12
       Re: ピアノ教本 webadm 2016-10-30 8:03
         Re: ピアノ教本 webadm 2016-11-4 6:55
           Re: ピアノ教本 webadm 2016-11-13 11:39
             Re: ピアノ教本 webadm 2016-12-5 2:35
               Re: ピアノ教本 webadm 2016-12-11 23:58
                 Re: ピアノ教本 webadm 2016-12-24 1:25
                   Re: ピアノ教本 webadm 2016-12-25 22:23
                     Re: ピアノ教本 webadm 2017-1-3 4:45
                       Re: ピアノ教本 webadm 2017-1-22 3:37
                         Re: ピアノ教本 webadm 2017-1-30 9:19
                           Re: ピアノ教本 webadm 2017-2-6 5:06
                             Re: ピアノ教本 webadm 2017-2-12 4:19
                               Re: ピアノ教本 webadm 2017-2-19 0:49
                                 Re: ピアノ教本 webadm 2017-3-21 3:37
                                   Re: ピアノ教本 webadm 2017-4-17 21:54
                                     Re: ピアノ教本 webadm 2017-5-8 0:06
                                       Re: ピアノ教本 webadm 2017-5-28 21:31
                                         Re: ピアノ教本 webadm 2017-7-2 21:55
                                           Re: ピアノ教本 webadm 2017-8-13 11:11
                                             Re: ピアノ教本 webadm 2017-9-20 12:33
                                               Re: ピアノ教本 webadm 2017-12-2 22:07
                                                 Re: ピアノ教本 webadm 2018-1-12 11:12
                                                   Re: ピアノ教本 webadm 2018-1-29 5:48
                                                     Re: ピアノ教本 webadm 2018-5-5 2:28
                                                       Re: ピアノ教本 webadm 2018-9-9 20:31
                                                         Re: ピアノ教本 webadm 2018-9-30 22:06
                                                           Re: ピアノ教本 webadm 2018-10-7 14:58
                                                             Re: ピアノ教本 webadm 2018-12-23 22:37
                                                               Re: ピアノ教本 webadm 2019-2-20 10:29
                                                                 Re: ピアノ教本 webadm 2019-4-14 23:51
                                                                   Re: ピアノ教本 webadm 2019-4-21 7:29
                                                                     Re: ピアノ教本 webadm 2019-4-29 12:39
                                                                       Re: ピアノ教本 webadm 2019-5-4 5:01
                                                                         Re: ピアノ教本 webadm 2019-5-4 23:11
                                                                           Re: ピアノ教本 webadm 2019-5-16 12:44
                                                                             Re: ピアノ教本 webadm 2019-5-26 19:33
                                                                               Re: ピアノ教本 webadm 2019-7-5 10:32
                                                                                 バイエル卒業(´∀` ) webadm 2019-8-5 0:50
       Introducing Pianoprima EXERCISES webadm 2020-8-11 6:27

 
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