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webadm
投稿日時: 2016-9-19 5:59
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
ピアノ教本
今回購入したヤマハのP-115Bには下にあるような分厚いピアノ楽譜集が付属していた。



中身は内蔵されている各曲の演奏譜面である。ピアノが弾ける人なら、これを見て同じように弾けるということらしい。もしくはいつか弾けるようになったらこれを見て練習できるということ。

なのでピアノ未経験者はゆくゆくは課題曲として取り組むことにして、別途初心者向けの教本を調達する必要あり。

真っ先に思いついたのが、以前からギターの指ならしのためのスケール練習に使っていたハノンを思い出した。元はピアノの教本らしいけど、簡単だしちょうど良いかもと買ってみたのが以下のヤマハから出ている、「現代ハノン教本」



他のところからも原本の忠実な翻訳版や、丁寧な解説やアドバイスでオリジナルの解説と短めに編曲した楽譜で置き換えて新たに編纂した版とかいろいろある。

オリジナルが書かれた時代は古く、現在とはピアノの演奏方法も違っていて誤解や悪影響を及ぼすとしてオリジナルの解説は今見ると専門家も卒倒しそうな内容だったらしい。

手元にあるのはオリジナルの練習曲には手を加えていないもの。

覚えていたのは最初の練習曲で1番というもの。開いてみて初めて知ったのは、1番といってもパート1から20まであって、どれも2オクターブの音階を昇って下るのを繰り返すのだけど、微妙にスケールのパターンが違っている。

実際にやってみると右手の両手は同じ音のオクターブ違いで同じメロディーなので恐れずに挑戦すれば直ぐに弾けるようになりました。

当然ながら推奨されるテンポで転ばずに弾くことは直ぐには無理ですが、前日ゆっくりミスせずに弾いた後、良く寝て翌日また練習すると、あら不思議、前日よりもスムーズに弾けるようになっているではないですか。寝ている間に小脳に運動神経回路が出来て意識しなくてもスムーズに指が動くようになったのね。

それでもテンポを早くすると指が転びます(´Д`;)

実はハノンはどれだけ弾けるかを簡単に見極めるテスト方法として優れたツールであることに気付きました。

どれだけ弾けるかというだけではなく、どんな癖を持っているかまで健在化してくれます。弾いている時は譜面と睨めっこなので手の方はあまり見ることが出来ないのですが、慣れてくると譜面を見なくても弾けるようになり、手の形や指の状態を注意深く見ることが出来るようになります。すると驚愕の事実が明らかに(´Д`;)

それはハノンは2オクターブの音階を往復するので、早く弾いてもかなりの演奏時間になり、持久力を必要とするので、繰り返し練習すると指や手や腕が疲れてきます。そうした時に隠れていた悪い癖が露見することになります。

鍵を押さえていない遊んでいる指が鍵の上で待機しているのではなく、宙に浮いた形で小刻みに震えているのに気付いたのです。

自動制御で言う所謂「ハンチング現象」というのが演奏中に遊んでいる指で常に起きるのでした。

またその宙に浮いて震えている指に沿って筋(腱)が浮いて見えるのです。つまり、指を鍵の上の位置に下ろそうとする筋力と、指を上に持ち上げようとする筋力が小刻みに綱引きをしている状態になっているのでした。これでは普段たまにしか使わない指を伸ばすための前腕の筋肉が常に緊張し、やがて鍵が周囲の組織と摩擦を起こして腱鞘炎を起こしても不思議ではありません。

左手はギターを長く弾いていたので、ギターの弦を効率良く押さえるために自然に脱力が身についていてピアノを弾いても同じ症状は見られませんでした。右手はギターでは左手と役割が違って弦を弾くだけなので脱力は身についていませんでした。

右手のこの癖を矯正しないと肝心の練習もできません。良い方法を別途考案する必要がありました。その話はまた別の機会に。

Youtubeで検索すると、否が応でもハノンを演奏したビデオがいくつも見つけることが出来る。

本当にハノン自身の推奨練習方法の通りに第一番のパート1から20までを暗譜して通しで演奏しているものもある。実際にアルバムとか出しているピアニストの演奏はとても滑らかで無駄な動きが無く練習の参考になる。



それ以外にもYoutubeには昔から海外でピアノを教えている人の良く出来た動画が多数アップされている。中にはショパンコンクールで入賞した若手有望ピアニストも含まれ、彼らのアドバイスはとても有益な内容だとわかる(話している言葉が英語なのが難点)。

やはり初心者向きの入門本も買った方が良いと考えて、すぐに見つけたよさそうな以下の本を購入。



Youtubeの動画を見てもどの先生もピアノは年齢に関係なくいつでも始められると歓迎しています。

人はみんなピアノを学ぶべきだという人も。

確かにピアノを練習し始めると普段は隠れて気付かなかった自分の内面の問題とかが健在化するという不思議な効果があるのは前に書いたよね。

大抵の入門書はピアノを練習すれば良いことずくめみたいに書いてあるけど、それが全てを語っているわけではないことは自分の経験からして確か。

なかなか上達しないならまだしも、自身の心癖や自律神経系の癖で経験しなくてもいい身体の痛みや故障を招いてしまう可能性があります。そんな怖いことを書くとみんな怖がってピアノを敬遠しちゃうので表立っては書かないけど、上の本には練習のしすぎは禁物だということと(これはYoutubeの先生もみんな同じことを言っている)、痛みを感じたら直ぐに練習を止めるということはアドバイスとして書いてあります。

ネットで「ピアノ指故障」とかで検索すると山ほど該当するサイトがヒットします。それぐらいピアニストに身体の故障が伴うのは昔から良く知られていることで、知らないのはピアニストの道を歩まないで済んだ人だけ。

なのでピアノの練習を始める前に、そういう危険性あることは十分知っておいたほうがいいよね。

前にも書いたけど、ピアノの側に問題は無くて、練習する人が生来持っている潜在的なリスクにより身体の故障が起こるべくして起こるということなんだけどね。

これから紹介するピアノ練習の手始め本のたぐいにはどれも、ピアノに向かう際の姿勢や手の形、指の形とか最初に必ず書かれているのは解剖学的に無理が生じる姿勢だと故障の原因になるからなんだよね。

そういう意味で、ピアノを演奏者自身を映す鏡だと以前書いた通り。体に良くない姿勢でピアノと向き合うと、因果応報でその人の身体に故障として映し出されるということに。

なんの話だったっけ、ああ手始め本の紹介ね。



これはどちらかというとピアノを教える立場の先生達に共有してもらいたい指導方法のアドバイスをまとめた本なので、ピアノ初心者向けではないけど、大人の初心者ならこいう本を読んだ方が独学する時のヒントになると思って買った本。

独学する際には何を信じていいのか判らないので、ピアノの先生向けの本を書いている先生なら間違いはないかもという考えから選択したもの。

間違いではなかったと思います。

それでもこの本には書かれていないことは沢山あると思われますが。

次に買ったのはこの手始め本、



ピアノ教本で検索して、これをお勧めしているサイトがあったので、見てみたらよさげだったので購入。

良く考えるとピアノが発明されてから、今日まで普及しているのに、標準的なピアノ教育コースが何一つ整備されていないのは不思議だよね。
世のピアノ教師の怠慢なのか、それとも個人によってその過程が多種多様過ぎるためなのか?
この本は別途購入した他の手始め本と導入部分は似ていますが、練習曲の構成や内容がまったく違っていました。
それぞれの練習曲がハッキリとした目的を持って作成されている点です。その目的も他の教本では見かけないピアノ奏者の暗黙の常識的なものも含んでいる点です。

それと打鍵する際に必ず手首を柔軟に保つための特徴的な指導がある点です。古い教本では、例えば先に紹介したハノンのオリジナルの解説とかでは、手首は固定して打鍵時には指を出来るだけ高く上げてというような今では禁忌される「ハイフィンガー奏法」が推奨されています。今はほとんどそれを推奨する先生は居ないと思いますが。最近書かれた教本では手首を柔軟に保つということを補足している本はありますが、具体的にどう練習すればいいかは書かれていないことが多いと思います。

その点で貴重な手始め本です。シリーズとしてまだ分冊があるようですが、買ったのはこれだけです。この本には読譜に関しては何も書かれていませんが、それは別売の分冊の方にあるようです。

個人的にはギターを始めた頃に、演奏曲を譜面に落とすために楽典の参考書を買って勉強し、自分で譜面を書いてそれに基づいてギターを演奏するというのを若い頃にやっていたので、譜面を読むために最低限の知識は持っていました。

でもピアノを初めて練習しようという人はそれまでに譜面を見て楽器を演奏する経験も知識も無いので譜面を読むのにかなりの抵抗があると思います。

ギターとかは一般の五線譜よりもタブ譜とかいうギターの弦とフレットの番号で演奏する曲を記述するのがいいのですが、一般の五線譜はピアノにとてもマッチした形で今の形に整備されたと思われるふしがあります。

ギターの場合、同じ音階を鳴らす方法はひとつではなく、隣り合った弦上で鳴らせる音階は一部オーバーラップしているのですが、ピアノの場合には五線譜上の音階が鍵盤ひとつひとつに一対一で対応している点が大きく異なります。

ある意味でピアノの方が音を拾って五線譜に書き込むのが簡単だし、逆も真なり。ギターだと、五線譜上の音符によっては隣り合った弦のどちらで鳴らすべきか選択する必要があります。

次の本も、検索してヒットしたサイトの多くで推奨されている手始め本。



まったくピアノ練習経験が無い場合、ピアノを最も早く始める幼児向けの本が易しいかも。

この本はセオリー&テクニックとある通り、セオリーは楽典の理論を幼児向けに易しく手ほどきしたもの。テクニックは演奏方法なので、一小節もしくは2小節程度の簡単な練習フレーズで基本の指使いを練習するためのもの。

幼児向けなので、理解を助けるための塗り絵とか音符の書き取り練習とかにページが多く割かれているけど、大人はそれをやる必要は無いよね(´∀` )

本屋に行けばもっとちゃんとした楽典の参考書があるけど、大人でもそれを読んで短時間に必要な基礎知識を学ぶのは大変だよね。

普通に楽典の参考書だと、音楽理論全般を取り扱うので、和音とか全音階(スケール)とかひととおりおさらいをするのでいつかは知っておいたほうがいいけど、それに今時間を割く必要はないよね。必要になったら必要なところを勉強すればいいし。

この本は対象年齢や習熟度に応じて分冊されていて、テクニック編は楽しいカラーイラストが添えられた練習曲が納められています。



こちらがそう。

大抵の古い教本では練習曲にはまともに曲名が付けられていない味気ないものだったので、練習が済むと次第に忘れてしまって思い出すことも出来なくなるのが普通。

この本では曲の雰囲気、曲想というより、譜面上での音符の並びの起伏や特徴と結びつけられいるので、幼児は容易に曲名と曲を結びつけて覚えることができるようです。

同じようなアイデアは、こちらの手始め本にも見受けられます。



Youtubeでこの本の練習曲を通しで演奏している小学生の生徒のビデオを見て、易しそうなので出来るかなと思って購入したもの。

表紙にちりばめてあるようなイラストが、それぞれの練習曲にイラストの情景を表す題名と供に添えられています。題名とイラストから曲を関連づけて記憶することが出来るのが良いよね。

これらはバーナム本の一部で、沢山分冊があり、どれを買ったらいいか表紙からは判別できないのが難点(;´Д`)

まあ本のタイトルが違えば内容は自ずと異なるのは間違いないけどね。



こっちが導入編とあるので、初心者が最初にとりかかる方かな。

テクニックとあるのは、オリジナルの英語の本に共通して練習曲中心の内容。初歩の運指を訓練するためのものだよね。



こっちは色が違うけど、中身は練習曲集だね。

bastienもburnamも外国の教本だけど、日本に紹介されて日本語版がピアノ教室で教材として使用されているぽい。

今度は日本で書かれた教本で現在のピアノ教室の教材として定番になっているもの。大人の初心者が習いにいくと、最初はこれから始めるみたいだよ。



練習曲が易しいものから取り組んで行くようになっています。

最初は右手のみ、左手のみ、ですがすぐに両手を使った練習曲だけになり、段々と間違わずに初見で弾くのが難しくなります。

このシリーズは現在1から4まであって、一応全部買いそろえてありますが、まずは1からクリアしないと(;´Д`)

手元にあるのは旧版シリーズで、練習曲にはユニークな題名はついておらず、「れんしゅうきょく<17>」だけでイラストも無いところが多いです。解説も一行あるかないか。
新版では、バーナムやバスティン本のように曲調にあったユニークな題名が付きイラスト、図解付き解説やヒントが追加されています。他にも超えなければならないハードルをひとつだけにして途中でいきなり難しくなって進めなくなるという困難を解消しているぽい。

昔日本では明治の文明開化からピアノ教本というとバイエルというのが定番でした。日本で販売されたピアノ教本で最大部数を記録していると思われますが、バイエルが書かれたのが江戸時代なのでもうとっくに著作権とか切れているので、今は各社からそれを今風に編纂したものが出版されています。もちろんオリジナル原本を忠実に翻訳したものもあるけどね。

バイエルは教師と生徒の連弾曲集という感じで、教師用と生徒用の譜面が並んでいるのが特徴ですが、当時はそれが普通のピアノの教授方法だったのかもしれませんが、今は練習するのは生徒のみ、先生はコーチ役に専念ということで、たまに息抜きやリクリエーションとして連弾をして楽しむということはあってもそれが中心となることは無いと思われます。

日本では昔から幼児や小学校低学年向けの「赤バイエル」「黄バイエル」の二冊に分冊編纂されたものが定番ですが、最近は大人の初心者向けに解説や内容を編纂したものも出ています。大人向けのバイエル本は、現在のピアノ教本がどれもそうしているように、練習曲は生徒用だけが収録されており、オリジナルの教師用や連弾譜は省かれています。



こちらは上巻で、子供向けの通称「赤バイエル」に相当します。一応下巻も買ってあるけど、まずは上巻をクリアしてからね(;´Д`)

バイエルは手始めに1小節からなる短いパッセージを片手で練習して、それが出来るようになると、少し長い2〜4小節のパッセージを片手づつやって、それが出来たらようやく両手を使った練習曲に挑むという形になっています。ただ練習曲の目的とかは明記されていないので、やたら途中でハードルが高いと感じることもあります。真ん中ぐらいまでは初見でいけるのですが、両手の練習曲に入ったあたりから、ゆっくりとしたテンポで時間をかけて繰り返し練習しないとノーミスでは済まなくなります。

上巻はどんだけ難易度が高いんだか。上巻の途中で挫折する人は多いみたいだよね。

バイエルが全部弾けるようになったら、ようやく本格的なピアノの練習曲が出来るようになるみたいだよ。つまり初心者免許を貰ったようなもんだよね。

他にも教本だけではつまらなくなるので、ゆくゆくは弾けるようになりたい曲の楽譜を収めた楽譜集を購入してあります。

その他ギター向けにアレンジされた名曲とかでピアノで演奏されているのは聞いたことが無いけど、ピアノで演奏したらまた趣があるのではと思っているものがあるので、いずれ音を採って演奏できるようになればいいなと夢見ています。

その紹介はまたの機会に。

あと紹介はしなかったけど、他にも買った大人向けのピアノ入門書があるけど、内容がおじさん向け臭いがぷんぷんするのでちょっと敬遠。大抵はその年代が良く知っていそうな懐メロとかポピュラー曲とかを練習曲にしているんだけどね、その曲が好きでもない人には向かないのは確か。

あとデジタルピアノを買って届いた日に、教本は何もないから適当に鍵盤を叩いて知っているメロディーとか、和音とかを鳴らしてみて思いの外綺麗なのを改めて感じました。いろんな音階スケール探し(根音を各鍵毎に移動して単調や長調を見つける遊び)とかしてみたり、両手を使って対立旋律もどきを奏でてみたりして面白かった。

それでピアノのコードブックとか買ってみたけど、まずもって和音を弾くのが初心者には大変(´Д`;)

指を同時に複数使って鍵を押さえないといけないので土日ずっと遊んでいたら右手がやたら腫れぼったくなりだるくなったのを感じました。どうやら無理がたたって翌日から手の甲側の関節や腕の筋肉に鈍い痛みを感じる始末。

慌てて検索したら、どうやらオーバーワークによる筋肉痛と手の甲側の謎の痛みは腱鞘炎のごく初期の症状みたい。

筋肉痛は良いとして腱鞘炎は慢性化すると手や指が動かせなくなって日常生活や仕事にも支障を来すみたい。腱鞘炎でピアニストを止めた人は数知れないみたい。専門の治療してくれる針灸とか整体師のサイトがいっぱいヒットしました。

この話もまた今度ね。

んじゃまた。






webadm
投稿日時: 2016-10-23 22:12
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
Re: ピアノ教本
デジタルピアノを購入して独学で練習を開始してから早一ヶ月以上が経過しました。

紹介したピアノ教本をベースに毎日30分間以下のメニューで練習をしてきました。

(1)バイエルの最初にある右手と左手の指の基礎練習

主に最初に発覚した右手の大半の指がハノンの一番を弾くと中に浮いた状態になってしまう癖を取り除くために象が歩くみたいにゆっくりとしたテンポで指が鍵盤から浮かないように弾く感じ。

最初の頃は弾いていない片方の手の指先を弾いている方の手の甲にある腱の上に置いて一瞬でも指を上に持ち上げるような意図しない動作を察知できるようにしたところ一定の効果がありました。

なかなか片手だけではその片手の意図しない筋肉の挙動というのを感じ取ることができないのよね。もう片方の手で触って感じ取ることでコントロールできるようになるということがよかったのかも。

あと、知らないというのは怖いことで、当初指が痛くなってしまった腱鞘炎の原因が、実は生半可な知識で、指を鍵盤を叩くために少し指を上に持ち上げてから振り下ろすようにしていたのと、音を止める際に再度鍵盤から指を離すために持ち上げていたのが災いしたようです。

腱鞘炎を予防する練習方法を探して検索していたら、鍵盤は指で押さえる力を抜くだけで自然に元の位置に戻るので、力を抜くだけで良いということを知って、弾き方を変えることで以降は長時間練習しても手が重くなったり翌日に痛みが出るということも無くなりました。それでも30分以上練習すると、使っている筋肉が発熱してくるので、無用の炎症を予防するために、30分のティータイムを入れて筋肉をクールダウンさせるようにしています。何事も過ぎたるは及ばざるがごとしで、がんばり過ぎは良くないよね。

更に調べたところ、プロのピアニストが高速に旋律を演奏する際に指が鍵盤から指が離れるほど跳ね上がって見えるのは、意図的に持ち上げているのではなく、ちょうど床の上で足を使ってジャンプするように、指とそれに続く前進で鍵盤を跳ねるようにしてその反動で鍵盤から指をジャンプさせているのだということを知りました。見た目は上に上げているように見えても使っている筋肉は指を握る方向の筋肉だけだったのでした、これを勘違いして指を持ち上げるように反対側の筋肉を使ってしまうと、たちまち腱鞘炎になるということでした。

一ヶ月経過した頃には、右手中指が少しまだ薬指や小指を打鍵した際にピクリと上に数ミリ上がるだけになりました。まだ余病が残っているので指の基礎練習は欠かせません。

それまで右手がだめな子だったんだけど、練習曲になれてきてよそ見をする余裕ができた頃にふと左手を見たら驚愕の事実が判明。それは後述。

(2)バスティン、バイエル、みんなのピアノ・オルガン、バーナムの練習曲消化

バスティンはいきなり譜面ではなくて、幼児でも視認しやすい音符の中に音程が書かれているだけの簡易譜なので弾きやすかったです。

でも最初上下に右手と左手の譜が並んでいるので、両手で弾くものと勘違いして、どうも終止形が変だなと長い間疑問を持っていたのは内緒。本当は前半が右手で後半が左手の曲だったのね。それが判るまでは、きっと譜面に忠実に演奏することを心がけるための意図的な作曲だと思うようにしていたのですが、大きな勘違いでした。

みんなのピアノ・オルガン1は、ほとんどが手の位置を固定して5度圏内で演奏できる曲ばかりですが、最後の方に何の注意書きも無く、手の移動もしくは、指を広げてオクターブの音を押さえる必要のある曲が登場します。最初、え?、と思ったけど、大抵の名曲はオクターブの音域まで指を広げて弾くのが当たり前みたいなので、初期の段階からチェックするのが目的なのかな、意図は不明。新版ではどういう扱いになっているのかは謎。いずれにせよ、自分の手が広げてもオクターブぎりぎりだというのと、親指が仮性まむし指だということがこのおかげで判明、またしても矯正メニューが必要...orz

バイエル、みんなのピアノ・オルガンの練習曲を順番に弾いていきます。元々譜面が読めるので、片手だけなら譜面を見ながら初見で旋律を弾くことが出来るものの、両手同時だとからきしだめ。

どうやら片手で練習して出来る運動神経回路と両手で練習して出来る運動神経回路は別みたいで、片手で弾く分には癖がでなくても、両手になると癖が歴然と最初の頃のように出てくるというのはそういう理由なのかも。だいぶ初期の頃は両手で癖丸出しでハノンを練習した記憶があるので、それが残っているのね。

よく言われることですが、練習の時のテンポを遅くするとそれだけ時間が長くなります。なので少ない時間にできるだけたくさんの練習メニューを消化しようとしてテンポを早くして練習したいのは山々ですが、そうするとミスや癖が出まくりで、焦ってそれを繰り返すとミスと癖の練習をしているような感じになります。運動神経にとってみれば、ミスも癖も良い弾き方も区別はなく、繰り返される動作を大脳に負担をかけずに無意識に延髄反応で行えるようにショートカットな神経回路を作ってしまうので、ミスや癖がますます記憶されるということになります。

なのでミスや癖を繰り返さないように大脳で余裕を持ってコントロールできるゆっくりとしたテンポで練習を繰り返すのが良いようです。

教本によってもまちまちですが、最初は手の位置を固定して五本の指だけで引けるような旋律の曲を練習することになります。

これは明らかに手の形(フォーム)を作ることを優先しての意図して練習曲を厳選していることに他なりません。

反面、五本の指の届く範囲(五度圏)で作れる旋律は有限で、かつ最初は白鍵だけ使うように制約するとハ長調(C major)か イ短調(A minor)もしくはその他の調で白鍵だけで弾ける旋律ということになります。

なのでどれも似たような感じの練習曲に聞こえてくるのは致し方ありませんが、リズムとかパッセージの構成とかが異なるとそれぞれ異なる曲想が出てくるのを学ぶことはできます。

それと複数小節や繰り返し部分のある比較的長い練習曲から起承転結のルールをそれとなく学ぶことができます。ちゃんと勉強するには楽典を学ぶ必要がありますが、その典型的なパターンは実技から身につけることができます。

・導入時から優先的に獲得すべきスキル

練習を一ヶ月超えた頃から、好きあれば再発する癖と戦う中で判ってきたことがあります。導入時の最初の時期に優先して獲得すべきスキルがあるということ。

それは、

・薬指および小指と他の指の依存性の緩和(指の独立)

ハノンを最初に弾いた時に初心者が体験するのは、五度圏の旋律を弾くだけで弾いている指以外の指が意図せずして動いて中に浮いた状態で不安定になる(震えたり硬直する)ということ。

原因は、手の指をピアノ演奏用にコントロールする神経回路がまだ出来ていないので、既に出来上がってしまっている、手で物をつかんだり、握ったりする神経回路が大脳の意図に反して働いてしまって大脳もパニックに陥ってコントロールできない状態に陥っているためだと思われます。

このままの状態で練習曲をこなすことも可能ですが、これはピアノを演奏する上で大きな身体的なハンディを抱えたまま曲の練習をすることになるので、満足な演奏が出来るようになるのにそのハンディを凌駕する訓練をしなければならないことになります。

身体的なハンディは無いほうが必要な訓練は少なくてすむので長い目で見ればハンディを減らすのに時間をかけたほうが良いのは確か。

それでも身体は個人によってまちまちなので、どうしても人それぞれハンディは残ります(指が少ない、指が短すぎる、指が長すぎる、指が湾曲している、生まれつきバネ指、まむし指、指の関節がふにゃふにゃ、怪我の後遺症とか)、それは各人がそれぞれ克服するためのカスタム練習メニューが必要です。

経験豊かな先生の下で学べば適切なアドバイスや練習方法を提案してもらえるかもしれませんが、必ずしもそれが期待できるわけでもありません、特に身体的なハンディについては指導領域外だからです。

インターネットで検索すると、それでも最近はあまり手足を使う機会のない幼児が増えているためか、昔に比べると身体的なハンディを多くもった子がピアノを習いにくる傾向にあるようです。そうした先生の開設したサイトとかではハンディを克服する特別メニューや方法が紹介されているので大人の人でも参考になるかも。

・姿勢

しっかりと安定した演奏が出来るようになるためには、良い姿勢を保つことが大事で、おそらく常に優先しなければならないこと。

大人だとついつい年齢とともに背中が丸まってきたり、椅子に座ると楽な姿勢になりがち。幼児でも同じで長い時間背を伸ばした状態で椅子にじっと座っているのは苦手。

姿勢に関してはどの教本でも共通のことが書いてありますが、それを自分なりに解釈すると、日本人的には椅子の上の腰から上は、ちょうど正座をしている時と同じ感じがします。日本人のピアノ教師の方が書いてある点も正座の時の注意点と一致しています。違うのは椅子に座って足の裏を地面に向けている点だけ。

なのでピアノを前に座るということは心の中では、正座をしてピアノと向かい合っているのと日本人的には一緒なのかなと思います。

姿勢を自分でチェックするために、横に姿見を置いてそれとなく癖が出ている利き手の右手と右腕を観察してみたら驚きの新事実が判明。

解剖学的には手の指を開く方向に持ち上げたり、握る方向に曲げる筋肉は手の部分にはなく前腕の根元にあります。なので片方の手で、もう片方の前腕の根元あたりに指を置いて脈を測るような感じで触診すると、指を動かす際に皮下にある筋肉が動くのが判ります。

夏場にノースリーブ姿で演奏する際に姿見で前腕の筋肉を観測すると、ピアノの音に連動するかのように前腕の根元の筋肉が動くのがはっきりと判ります。それはちょうど、オーディオ信号をオシロスコープでリアルタイムに観測している時の波形のエンベローブの変化を見ているようで別の意味で感激しました。

人の筋肉は音楽や音量に合わせて動けるものなのね。

まあそうでないと音楽を演奏できないわけですが。演奏できるだけの運動能力を持っているというのがわかって良かった気がします。癖は別なので直さないといけないですが。その敏捷性が癖として表れているわけで、善悪は表裏一体だということでした。

・手と指のフォーム

これもよく言われる点ですが、時代や個人によってその形は必ずしも一定ではないようです。
ただ言えることは、導入時の手の位置を固定して五度圏の範囲での旋律を弾く段階から手と指の形が安定するように心がけるのを優先する必要があること。

指の独立が出来ていないと、待機中の指が意図せずに伸びきったり硬直すると自ずと手の平が傾いた状態になり、それに併せて手首も回転してしまいます。

Youtubeとかでハノンを練習中の幼児や大人の人の動画を見ると、共通して手や指が意図せずして暴れまくって安定していないのがわかります。

そのままでは大きなハンディを抱えたままになり、本格的な名曲や大曲を練習する上で大きな阻害要因になります。

大人でも子供でも早く名曲や大曲が弾けるようになりたいという夢を抱くのは一緒ですが、そこに至るには以下のような演奏上に必須のテクニックを身につける必要があり、前途多難です

・手の素早い移動

ハノンでは最初から手の移動(2度)が演奏上必須のテクニックになります。
五度圏の旋律を弾くのには手の移動テクニックは必要ないですが、一般的な曲では旋律は一オクターブの範囲を超えるので手の移動が必須になります。

ハノンの1番を最低限の推奨テンポ(BPM=60)で弾こうとすると、四分の二拍子なのでひとつの音符は16分音符だから、音と音の間隔は四分音符の四分の1の0.25秒しかありません。従ってレガート奏法では小節の最初の音を弾いてからその指で鍵盤を押さえたまま残りの指と手全体を横に鍵盤ひとつ分を移動して次ぎに弾くべき鍵盤の位置に指定の指が来るようにする必要があります。

更に早いテンポでは、音と音の間隔が更に短くなるので、もっと素早く移動する必要があります。移動に要する時間が短ければ短いほど演奏に余裕が得られます。これを達成するには繰り返し練習して鍵盤を見なくても手のフォームを保ったまま目的の指と他の指が新しい位置に正確に移動できるように体得するしかありません。

導入時期にまだ指の独立や指と手のフォームが安定しない状態で手の移動を伴う旋律の演奏を行うと、ますます指や手が暴れることになり良い練習にはなりません。

ハノンはそうした意味で基本が出来ているかどうかテストする手段として優れているというのは以前書いた通り。

ハノンが導入時に難しいのは、指の独立と、手の素早い移動の2つの基本テクニックの両方を同時に奏者に要求しているためだと考えられます。

ならばハノンを攻略するには、各個撃破、指の独立と手の素早い移動の2つにスペクトル分解してしてそれぞれ個別の練習メニューを消化すればいいことに。

指の独立の練習にはバイエルとかの最初の右手と左手、そして両手の短い旋律の練習が役立ちます。実際、バイエル以外ではそうした指の独立の克服用の練習メニューを提示している教本は少ない。その点はバイエルの優れた点かも。

手の移動の練習メニューは少ないので、ハノン用に自分で作る必要がありました。基本的なアイデアは、その後海外から取り寄せた薄いけど内容的には優れている以下の教本の内容から得ました。癖がだいぶ抜けてからは、最近の基礎練習はこの教本のメニューを中心にやっています。


"Pianoprima Exercises" Technical Exercises for Piano By Liana Ainge and Louise Axon
For the development of excellent piano technique
From beginner to Grade 8



この本はたぶんまだ日本語訳されていないと思われます。前書きを除いてはほとんど説明らしきものは無く、ほとんどが練習曲の譜面だけという内容ですが、前書きの説明は良くよむと非常に重要なことが書かれていて、練習で何を優先すべきかについて著者の意図がはっきりわかります。なので大人向けですが、練習曲自身は導入時期の子供でも弾ける優しいレベル0から、段階的にレベル8まで用意されています。最後の方の高いレベルになると、運指番号は記載されなくなり、奏者自身が自分で決めなければならないようになっています。

実際ピアノ教本の譜面には運指番号が書いてありますが、一般のピアノ曲の譜面には運指番号は書いてないのが普通。運指は演奏者がそれぞれ自分に適したように決めればいいからです。それには楽譜が読めることと、必要な演奏テクニックを身につけているというのが前提になるわけです。

・高速なスケール(音階)演奏

導入時の手の位置を固定した五度圏内のスケールが安定して正確に素早く弾けるようになったら、次に身につけるべきは、一オクターブを超えるスケールを同じように安定して正確に素早く弾けるようになることが課題となります。しかも白鍵だけでなく黒鍵も含めた全調で弾けることが望まれます。

それには教材としてはハノンが良く使われます。ハノンには全調のスケール譜があり、しかも終始形(cadence)が一緒に練習できます。

音大とか専門に演奏家やその教師を目指すにはハノンの全調スケールが出来ないといけないようで、みんな一生懸命練習するぽい。

やはり基本(指の独立、指と手のフォームを保つ)がしっかり出来ていないとそれも叶わないわけなので、必要であれば基本の基本に戻ってハンディを減らしていかないといけない模様。

試しに現状で、ハノンのスケールのところをやってみたら癖が出る出る、音は安定しないわで、まだまだ修行が必要でした。調によっては他と運指パターンが違うのは、親指で黒鍵を弾くのは誰にとっても難しいというのがあるからなのね。これはまた後の楽しみとして。

・コード(和音)

基本の三和音は五度圏内で押さえられるので導入時の練習曲にも登場するけど、重要なのは、3つの音が同時に鳴って、それから止むように演奏しないと濁ってしまう点。

これも音が鳴るタイミングを3つの指でどんな状況でも揃うように体得するしか無いわけだけど、厳密に常に一致させるというのはプロでも難しくて、よほど耳が良くなければ区別がつかないぐらいの時間差内であればよしということに(それは 百分の1秒ぐらい?)。

しっかりとしたコードを弾くには、手首がその瞬間しっかり手の平を固定するようにしないと3つの指に力が均等にならないので、やはり体得しかないよね。

・トリル(およびトレモロ)

名曲とかで良く出てくる隣接する2つの音やオクターブの音を素早く交互に鳴らす技が求められます。これも人それぞれ練習メニューがあるけど、あまり紹介はされていないよね。本来はピアノの先生から一子相伝という感じで伝えられるものなのかも。

Youtube とかにアップされているプロのピアニストの演奏動画を見ると、指だけで弾けるものではないよね。肘から先全部を使って両手で一新不乱にトリルしているのも良く見かけます。良くみると同じ鍵盤を複数の指で代わる代わる弾いているのもあります。
機構的にセカンドエスケープという仕組みのあるグランドピアノでないと高速のトリルは演奏できないというのもあるみたい。デジタルピアノも少し前とか廉価版とかでは鍵盤を一旦押していない状態に戻さないと次押しても音が出せないというのがあるよね。アップライトピアノも基本はそうみたい。グランドピアノは鍵盤が完全に戻る前にセカンドエスケープ機構によって再びハンマーが駆動できる状態になるのでその分時間が短縮できて高い頻度で打鍵できるのでした。最近の各社のフラグシップ級デジタルピアノは同等のことが出来るみたい、鍵盤の動きを検出するセンサーを一つ増やしてセカンドエスケープタイミングを検出できるようにしたりとか。デジタルピアノの価値はほとんど鍵盤部分にあるよね。

・運指

作曲者は運指までは指定しないので、演奏者自らがレパートリーに加える際に運指を設計する必要があります。演奏者はそれぞれ身体的なハンディ(指の特性)の違いから、自分の意図した演奏が出来るように自分にあった運指を選択できます。あらかじめ運指が指定してある教本の練習曲とかでは、その通りにしないと先生に怒られるかも。それ以外は元々指定はないから、無問題。

・オクターブ(重音)

同じ1度でオクターブ違いの音をユニゾンで弾くのは、名曲とか大曲で頻繁に登場し、しかもそれで旋律を弾かないといけないとなると練習が必要です。ここにも身体のハンディが障害となり、挫折する人も多いと聞きます。まむし指とか、指が短いとか手が全体的に小さいために、そもそもオクターブが押さえられないとかいう人も多いと聞きます。

オクターブを弾くには、もっとも距離のとれる親指と小指の間を広げる必要がありますが、普通はそうした運動は滅多にないので、大抵の人は最初はあまり広がらないのが普通。特に問題なのが手の平から出ている指の方ではなく、手の平の中に隠れている中手骨を広げるための筋肉が弱いのが問題。小指の中手骨は手の平の中で他の中手骨と強靱な靱帯でつながっているので解剖学的に広げることができません。唯一親指の中手骨は他の指から自由なので広げることができますが、無理に指先だけ広げようとすると中手骨がそれに追従しないのでその間の関節が凹んでしまう、まむし指という意図しない状態になることも多いです。

ピアノを弾かない普段でも意図的に親指の中手骨を広げるような訓練を重ねないと無理に広げると、まむし指を悪化させて要らぬ故障を起こすことも。

親指の先ではなく、根元の中手骨から広げないと意味がないのでした。

・アルペジオ

コード(和音)と同様に五度圏内のアルペジオ(分解コード)演奏は登場しますが、全調でオクターブを超えるアルペジオは名曲や大曲で必ず登場するため必須のテクニックになります。

スケールの演奏と同様に手の移動が伴うのですが、音と音のインターバルがスケールの場合は2度(隣の鍵盤)なのに対して、アルペジオは3度以上だという点が違います。

またコードを弾くときと同様に安定して均一かつ正確なタイミングで音を鳴らす必要があるので、コード+スケールの難易度を持つのかも。

・デュナミーク(dynamic)

導入時期には何も指定なければデフォルトで強い音(f:フォルテ)で均一に音を鳴らすことが推奨されますが、それと同時に教本によっては弱い音(p:ピアノ)で演奏することも練習メニューに入っていることがあります(バスティン本とかがその例)。

名曲とか大曲では作曲者が音の強弱を曲の要所で指定していることがあり、演奏者はそれを遵守する必要があります。それ以前にもスラーとか導入時の練習曲にも頻繁にあらわれる指定は、声楽の場合と同様に最後の音と次の音の間には息継ぎに相当するごく僅かの休符が自然に入ることが前提となっているので、教本によってはそのことが明確に書かれているものと(キャサリンロリンズ本とか)、教師が口頭で伝授することを前提にして書いてないものとかがあります。理由は書いてないけど、スラーの最後の音を鳴らしたら手を上げること、と注意書きが書いてある教本もあります(バスティン本とか、バーナビ本ではスラーの最後の音符がスタカートになっている練習曲がある)。

それ以外にも作曲者が指定していなくても、演奏者が独自の解釈や表現をするために意図的に強弱をつけることは自由に可能ですが、演奏を聞く側にとって自然に受け入れられるものでなければならないことは明らか。

・アーティキュレーション

作曲時に曲の演奏のテンポを指定していることもあるし、そうでないものもあります。
指定されていれば、それに従って演奏しないと作曲者の意図と違った曲になってしまい曲想が聞く側に伝わらなくなる恐れがあります。

また曲中でテンポが曲想に応じて変えることが作曲者によって指定されている場合も少なからずあります。それに従って演奏することが求められます。

それ以外にも音の強弱を除く、演奏方法の指定は数多くあり、実際に譜面で初めて遭遇する前に楽典などで学んでおくことが望ましいです。

導入時期でもレガート(Legto),スタッカート(staccato),スラー(slur)が登場して、それらを区別して演奏することが求められます。

五度圏内のレガートは簡単ですが、近代ロマン派の名曲になると、五度圏を超える範囲のレガート奏法が要求されるので、手のフォームを崩さずに自然にアクロバット的に前の音の鍵盤を押さえつつ、指と手を次ぎの音に滑らかに移動するテクニックが必要になります。それに関しては Youtube とかでベテランの教師が生徒にテクニックを伝授している様子の動画を見たことがありますが、もうね、バレーとか踊りの稽古ですかという感じがしました。

ということで、次回は先のハノン攻略のために自分で考えた手の素早い移動のための練習曲をLilypondを使ってレンダリングした譜面を紹介したりしようかと思っています。

それにはメインPCが復活しないと...orz

んじゃまた。

P.S

後述すると始めに書いておきながら忘れていた、左手の最新事情を書くね。

右手は利き手だけど、左手は最初から優秀な子で、脱力も出来ていて、指の独立も問題なしだったけど、バイエルやみんなのピアノ・オルガンとかの左手が伴奏旋律が多い練習曲をこなすうちにすっかり慣れてしまって、脱力の極みに達していたようです。

気がつくと知らない間に手首が鍵盤と同じかそれよりも下に下がってしまって、手も平べったい感じに脱力してしまい、指の根元の関節(第一関節かな)が平らか凹んだ状態に近い形になるようになってしまいました。ちょうど鍵盤と肘の間に指と手と前腕が吊り橋状に架かっている感じ。演奏する上では左手は右手より弱い音を鳴らすのでフォームが悪いのが強い音が出なくて却って好都合なのかも。

まあ、これは良くない手のフォームの典型例なんだけど、Youtube とかでプロの女性ピアニストのコンサート動画を見ると、利き手の方は問題ないけど、そうでない左手は同じようになっていることが判明。やっぱりみんな同じになるのね。

ただ、指が斜めに寝ちゃうのはさすがにプロのピアニストには見られないので、それは良くないかも。手首というか前腕がちょっと無意識のうちに回転してしまっているのかも。肘と体の間隔が適切ではないのかも。

右手はその問題は無いので、やはり利き手とそうでない方で事情が異なる可能性大。原因を見つけて矯正する方法を考えないと。


webadm
投稿日時: 2016-10-30 8:03
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登録日: 2004-11-7
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Re: ピアノ教本
ふう、だいぶさぶくなってきたね(;´Д`)

夜は戸締まりしないと隙間風で風邪ひくよね。

あれから新しいPCが届いたので環境設定とか最低限の必要なソフトとかを入れて、前回お約束したハノンの第一番を攻略するのに使用した独自の練習譜をlilypondを使ってレンダリングしていました。

lilypond はオープンソースでフリーながら高品質の譜面をテキスト記述ファイルからPDFやPNGファイルにレンダリングできる優れものです。

これまでたくさんの古典楽曲や個人や大学でのソロ演奏譜からオーケストラ譜作成に幅広く利用されている実績もあります。

テキスト入力は最初記述方法を知らないとなかなかハードルが高いのですが、GUIで譜面を入力する補助ソフトもフリーであったりします。

けれども、ハノンも含めて著作権がとうの昔に切れている譜面に関しては、すでに誰かが lilypond で記述してPDFにレンダリングして無償で公開しているので、そのソースを流用することにしました。


利用したハノン譜のlilypondソースがあるサイトへのリンク

Mutopia project:The Virtuoso Pianist



上記、拙作練習譜の lilypond ソースは以下の場所においてあります。

pre exercise for hanon no1 score lilypond source

印刷用のPDFファイルはこちら

pre exercise for hanon no1 score PDF

lilypodで自動生成した演奏MIDIデータはこちら

pre exercise for hanon no1 MIDI data


見ての通り、オリジナルのハノンの第一番からポジションを固定したまま弾く旋律部分を休符に置き換えただけのもの。

ハノンの第一番のハードルは右手なら親指もしくは小指で鍵盤を押さえた状態で残りの指のポジションを素早く移動する必要がある点だよね。
移動が素早くできれば、小節内の残りの旋律はポジション固定で弾けるので簡単になります。

ポジション移動は1小節あたり一回だけなので、 120BPMの場合には一秒毎に移動が発生します。小節内の最初の音と次の音はレガートで弾くため前の音を鳴らした状態で指を広げると同時に残りの指と手を真横にフォームを崩さず(手首を決して左右に曲げず)にシフトするように心がけます。手と同時に肘も移動する必要があります。小節の最初の音の発音から移動と次の音の発音までの時間が16分音符の持続時間(120BPM時は0.125秒)ぴったりになるようにしないといけないですが、上の練習譜では小節内は休符がほとんどなのでかなり余裕があるので練習して完璧に移動できるようにすればいいことになります。


ポジション固定で弾く旋律部分の練習は他でも十分やってるから、とちるのはポジション移動が間に合わなかったり、残りの指の移動が不完全だったりすると指同士が衝突してミスタッチを誘発するからだよね。

とりあえず、この練習方法に気づいて繰り返し練習したら、翌日には指定されているテンポよりも遙かに早い120BPMでも弾けるようになりました(まだ一往復が限度だけどね、脱力が完全ではないので右手がだるくなって腱鞘炎再発の恐れを感じたので一日一回だけチェックするだけにしています)。

ついでに後続する20番までのを調べたんだけど、微妙にポジション移動が必要なタイミングが違うのね。

特に20番は別もので、オクターブの範囲まで手を広げるひつようがあることが判明(;´Д`)

自分の手をよく見ると、左手は優秀でこれまでの基礎練習とかで困難を感じたことはなく、オクターブも楽々押さえられることに気づきました。

右手は落ちこぼれ君で、指が心なしか左手に比べて固いようで、指を甲側に曲げるストレッチをしても左手のようには曲がりませんでした。

両手の親指と人差し指で丸く半円をつくって指の先端を合わせようとすると、左手は半円に近いですが、右手は固くて三角形みたいな感じ。無理に丸くしようとすると親指の中手骨が開かなくてまむし指になってしまいます。

お風呂とかに入ってゆっくり右手の指をストレッチすると、次第に曲がるようになってくるので、左手でできるのだから右手もゆっくりと矯正すればオクターブを押さえられるようになるよね。

今は少子化の時代だから昔と事情は違うけど、音大の入学試験の際には、どんなにピアノ演奏が上手でも手が小さい人はそれだけで落とされたみたいだね。手が小さいハンディをもったままだとそれを凌駕するための練習時間がハンディの無い人に比べ多大に必要になるから本人のためを思ってのことだそうです。

話は変わるけど、あれから以前紹介した大人のバイエル(上巻)、みんなのオルガン・ピアノ1については一通り最後まで弾けるようになったものの依然として課題が残っています。

それは両手で演奏すると、発音のタイミングを左右で一致させないといけないところがバラバラになること。

自分で聞いていてもわかるぐらい。最初は耐えられなくてパニックになって途中で弾くのをやめてしまったぐらい。

自宅のデジタルピアノには録音機能があるので、それで録音したのを聞いてみると弾いている時には気づかない微妙なズレがよくわかります。録音機能の無い一番廉価なデジタルピアノでもスマホのボイスレコーディングアプリとかを使用すれば同じ確認はできます。デジタルピアノの録音機能はアナログオーディオを録音するのではなく必要なキーボードの打鍵情報を記録して再生時には演奏時と同じ仕組みを利用して音を鳴らすのでテンポとかを変えて再生できるのがよいよね。

左と右の発音のタイミングはいくら同じタイミングで指を下ろしても指の長さや鍵盤に対する角度の違いから音が鳴るタイミングがどうしてもずれてしまいます。

これはいくら無意識に演奏練習を繰り返しても自然に解消するとは思えません。

なので、しばらくの間は、先に進む速度は落として、右と左の発音タイミングが少なくともフレーズの先頭と最後でぴったり一致するように注意して練習しようと思います。

そのつもりで練習すると、ぴったり合うようになる瞬間があって、それはそれは、それまでの曲の響きとは雲泥の差があるのがわかります。

あと不思議なのは、初期の頃にとちって違う音を片方の手が鳴らしてしまうことが度々あったのですが、運が良いと、正しく弾いた時に絶対に得られない宝石のような響きが出ることがあります。たぶんに偶然に重音がそれまでの旋律を引きだたせる当たりになったと思われます。

これは後々ちゃんと調べて理由を明らかにしておいたほうがいいよね。たぶん。

バイエル上巻の前半に登場する練習曲はどれも長いスラー(フレーズ)を伴った曲が多く、レガート奏法の良い練習材料になると思います。ちゃんとレガートで弾かないとどうにもつまらない曲なのですが、弾けるようになると少し輝きが出てくるのを感じます。

あとどれくらいで上巻卒業できるかな( ´∀`)

ピアノに向かい合うことは自分に向かい合うことと心得たり。

ピアノは自分を映す鏡だったのね。

今でも気にならないけど、自分の両手の小指は生まれつき伸筋腱脱臼だということがわかったのもピアノに向かい始めてから。

普通は伸筋腱脱臼はボクサーとか外部から強い衝撃を指の付け根の関節に受けた際に伸筋腱を押さえている組織が壊れて関節の外側に伸筋腱が外れた状態になってしまうのだけど、大抵は事故とかで片方の手だけそうなるのが普通。ごく希に幼少時や生まれた時から伸筋腱を関節の中央に固定する組織が弱いか欠損している場合、知らないうちに外れてそままの状態になるぽい。自分は両手の小指の伸筋腱(薬指の伸筋腱と合流するる一番太いやつだけ)が物心ついたことからそういう状態なので生まれつきの希なケース。

小指を大きく曲げる時以外は気にならないし、バネ指のようや感触があるけど、その感触だけで痛みは昔からありません。
治療するには外科手術(腱を関節の真ん中に移動するだけでなく押さえておく組織も再生するか形成する必要があるため)が必要らしい。手術して正しい経路に伸筋腱を戻しても伸筋をストレッチするリハビリなしでは腱が緩んだままもしくは緊張したままなので回復しないらしいく、日常生活に支障がないならそのままで。中指とかは伸筋腱脱臼すると正常時よりも遠回り(伸筋腱を引っ張るような経路)になるので激しい痛みが伴うようで、施術が必要ぽい。


小指以外は伸筋腱脱臼もバネ指もないのが幸い。

ひとそれぞれなんらかのハンディはあるよね。

んじゃまた

webadm
投稿日時: 2016-11-4 6:55
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Re: ピアノ教本
以前に紹介した導入段階向けのピアノ教本以外にもピアノ奏法に関する興味からいくつか購入したあったものがあるので、そちらもご紹介することに。

最初の一冊は、「ピアノ奏法の基礎」。高名なロシア人ピアニストであり、ニューヨークのジュリアード音楽院で夫妻で教鞭をとり、優れたピアニストを世に送り出したことで知られるジョセフ・レビィーンの著書の日本語訳。



翻訳は以前紹介したバーナビ本の翻訳者でもあるピアニストの中村菊子さん。
前書きは生前の中村紘子さんの寄稿によるもの。両者ともジュリアード音楽院で学んだ方々でありその思い出を伺い知ることができる。

日本語訳が出版されたのは1981年で、その後も増刷されて今年で第39刷目となるロングセラーの本である。

今なお多くのピアニスト志望者に読まれる理由は、なんといっても第一回のチャイコフスキーコンクールで優勝したアメリカ人ピアニストを育てたのがジョセフ・レビィーンの夫人であるマダム・レビィーンであったことに裏打ちされていることと思われる。

内容的には普通の導入本にも書いてないような基礎的な重要事項に注意を向けることから始まっている。表面的なピアノ教育しか受けていない若いピアニストが多いことに警笛を鳴らしている。これは当時の日本も同じで、真に優れたピアノ教師というのが居なかったという不幸に由来するのかもしれない。

ここからは今も人気の衰えない中村紘子さんのエッセーを紹介することに。

大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したことでも一躍注目を浴びた「チャイコフスキーコンクール」



最初からピアノを習ったこともない人も読めるようにチャイコフスキーコンクールの審査員として体験したエピソードややがて生まれる日本の文化の行く末への憂慮が描かれている名著。

日本のピアノ教育界に衝撃を与えたのがこの本でさりげなく「ハイフィンガー奏法」、日本の明治以来から教えられているピアノ奏法の型、に印籠を渡したことである。

今では指を鍵盤に垂直に立ててハンマーの様に振り下ろすハイフィンガー奏法を導入時に教え込むことは無くなったと思われますが、古い教師とかは頑なにそれが唯一正しい型だと主張するかもしれません。ただ完全に必要無いものかというとそうではなく、意図的に堅い音を出す必要のある時には巨匠も指を垂直に立てて弾いています(実際,ホロビッツの演奏ビデオでその瞬間を目撃したことがある、後にも先にも演奏中はその瞬間だけだったけど)。

日本のピアノ教育の不幸は、やはり優れた指導者や聴き手に恵まれなかったこと。優れた演奏方法を教える人も居なければ、優れた演奏を聴いたことがある人も居ないというありさま。

時代が経ると海外で高名な教師に指事した子女が帰国することによって変化がもたらされることになるまでは悲劇が続いたことになる。

その一端はご本人もジュリアード音楽院でマダム・レビィーンから受けた最初の手ほどきが指の型からやり直すという予想もない試練だった逸話からもうかがい知れる。

当時はコンクール応募者を選考するのに書類審査しか方法が無かったから、とんでもない応募者がやってくることが多かったらしい。

今はパソコンやビデオカメラとかが普及しているので、コンクールによってはあらかじめ演奏ビデオを納めたDVDを提出するようにしているところもある。

ピアノに興味が無い一般の人でもおもしろく読めるし、また日本の将来についての中村紘子さんの脳裏にうかんだ憂いを知ることができるかもしれない。

次は同じく、中村紘子さんのエッセイ「ピアニストという蛮族がいる」



先の「チャイコフスキーコンクール」は中央公論の連載を単行本化したものなので、タイトルからそのおもしろさや内容の奥深さを察するのが難しい。タイトルがピアニストか音楽家でないと知らない業界用語なのが一因かもしれない。タイトルだけで敬遠してしまった一般の読者も多いかもしれない。

こちらはその反省からか、一般の読者が興味を持ちそうな魅力的なタイトルになっている( ´∀`)

これは表紙の写真とタイトルからしてピアニストに興味はなかった人でも読んでみたくなる。

内容は有名なピアニストの知られざる、というかピアニスト界隈では良くしられているが、一般の人は知らない奇想天外なエピソードがちりばめられているが、「チャイコフスキーコンクール」でも触れられていたものの細部には踏み込まなかった黎明期の日本人女流ピアニストにスポットライトをあて、本書の前半は彼女らの伝記とも呼べるものになっている。

その後多くの若い日本人ピアニストが海外に出て学んで帰ってくるようになるまで、中村紘子さんも先輩女流ピアニストと同様にそれまで身につけた基本の奏法が否定されるという試練が待ち受けていたわけである。

そうした先輩女流ピアニストの生き様にどこか自身を重ねているようにも感じられる。

本書の後半は海外の有名なあるいは驚くべき奇才・天才ピアニスト達の小伝記になっている。

そのほか有望なのにどこかに消えてしまって晴れ舞台に出ることがなかった若手ピアニストの話も登場する。

優れたピアニストの中には後に若手をプロに育てあげる優れた指導者になる人も居るがそれは希なようだ。

ピアニストの才能と教育者の才能を同時に磨くことは容易ではないことは理解できる。

ある種の使命感を感じて、自分の技能をすべて棚卸しして整理して、それらを教え子に伝授するという課程がどうしても必要になる。

大抵は個人レッスンの形で、一期一会的にリアルタイムに伝授されることが普通で、あえて著作として出版する人は更にある程度の文才も必要とされる。先に紹介したジョセフ・レビィーンもその一人である。

そうした優れた教育者も定命であることは避けて通れない。亡くなってしまえば、教え子に伝授したものだけが残り、他はすべて失われていまう。

Youtubeとかでは海外のたくさんのピアノレッスンのビデオがアップロードされている。中には本格的な教育機関の記録ビデオがあり、優れた指導者のレッスンの様子を見ることができる。大抵は若いピアノ教師が宣伝をかねてワンポイントレッスン的な形で短いビデオをアップロードしているが、さすがに現役教師だけあって内容は確かである。

そうしたYoutubeのピアノレッスンビデオに登場する女性ピアニストの奏法にひとつの共通点があることがずっと気になっていた。

ピアノを弾く際に、腕と手首を横長の楕円形に回すというスタイルである。確かに導入段階では無駄に腕や手が緊張して強ばってしまうので、柔軟にすることが先決だが、その柔軟にするためだろうか?

プロのピアニストのコンサート演奏ビデオとか見ても実際にそういうふうに手首を回転しているようには見えないのだが。

次に紹介する「ピアニストへの基礎」田村安佐子 著がずばりその疑問に答えてくれた。



本書は高名なフランス人ピアニストであるアルフレッド・コルトーに師事した名女流ピアニスト、タリアフェロに師事した著者によるタリアフェロ直伝のピアニストになるための秘訣集である。

タリアフェロ自身は生前彼女の教え方(メトード)を出版することを頑なに拒否したが、それは以前にメトードが出版されるとその内容が一人歩きして勝手な解釈と歪んだ教え方によって有害なものになってしまった前例を見てきたからである。

彼女の教え子が本にすることでタリアフェロ亡き後でも、彼女のすぐれた、またユニークなメトードの数々が披露されることになった。

Youtubeで若い女性ピアノ講師に共通して見られる、あの鍵盤の上で舞うように左右に楕円を描きながら回転する柔軟な手首の由来はタリアフェロのメトードにもあったのでした。

おそらく源流は、彼女が師事したアルフレッド・コルトーの類い希な柔軟な手首から受け継がれてきたものかもしれない。あるいはコルトーの師匠、そしてそのまた師匠である偉大なショパンかも。

この本はピアノの前に座る前に身につけなければならないことから書かれており、それは肩や腕、手首、手から力を抜けるようになること。そのための特別な体操方法が書かれている。これはピアノに向かう人は必見だ。

実を言うと、個人的に左手は柔軟だけど、右手はなぜか強ばっていて練習をするとすぐに疲れてしまう原因に思い当たる節があった。

それは仕事でも自宅でも、右手でパソコンに向かう間はマウスを握りしめて居ることが大半だということ。

しかも職場のパソコンのマウスはスクロールキーが壊れていて、ページをスクロールするのにいつもスクロールバーをドラッグしていたのだ。これはマウスの左ボタンを押しながらマウスを握って頻繁に前後に移動させなければならない。

それまでは疲れは感じていなかったが、ピアノに向かいあうことで、どうやら右手の蓄積疲労が限度に達して悲鳴を上げだしたのではないだろうか。

確かにパソコンを使う以外にも、食事の際にお箸を持つのは右手だし、食べ物を小分けして口に運ぶのも右手だし、左手は何もやってないじゃん(;´Д`)

そう考えると、毎日仕事しているのは右手だし、食事をさせてくれるのも右手だし、お掃除やお洗濯するのも右手だし。もうね、休むことなく働くお母さんみたいだよね。

ごめんね、今までそんなことに気づかなくて。これからはマウスは必要な時に触れるだけで、握ったままにすることはしないから。
それにちゃんと疲れがとれるようにお風呂でマッサージをするし、家でゲームとかしないから。

マウスもエルゴノミクスのに変えようかな。右手にやさしいやつに。

それだから左手は全然余裕だったのね。

この本は手の小さい人必見です。手の小さい大人でも、この本に書かれているタリアフェロ直伝のマッサージをすれば手が広がるようになります。

実際やってみたら、右手も左手と同じぐらいに広がるようになり、オクターブに余裕で手が届くようになりました。

そのほか、プロのピアニスト向けのレッスンとかで指導している様子がうかがわれる、謎な鍵盤タッチ方法とかもこの本に書かれているものと良くにていました。

レガートにもいくつかタイプがあって、本当は前に弾いた音と次に弾く音がオーバーラップする期間が少しだけあるのが本当のレガートで(人間の耳は対数で比較するので、前の音が十分減衰していれば次の音しか聞こえず音がつながって聞こえる錯覚を利用する)、Youtubeでもちゃんとした先生がそのように教えているレッスンビデオもある中、インチキビデオでは、タリアフェロが「単純なアーティキュレーション」と称している、次の音を弾くと同時に前の音を止める方法をレガートの弾き方として紹介しているのが多いので注意。ちょっとタイミングを間違えると音が切れるのでノン・レガートもしくはスタッカートに近くなってしまいます。

そんなこんなで初歩から最上級者まで必見のピアノ秘訣集といったらよいかも。必読です。

そういえば、ピアニストは様々な独自の鍵盤へのタッチ方法で音色を使い分けているのは、この本で紹介されている具体的な手や腕の動かしかたを見るとわかるのですが、工学的に考えると、それには奏者から指先を介して鍵盤にそしてアクション、最後にハンマーからピアノの弦にある種の波動が伝わる必要があると考えられます。また逆にアクション方向から奏者方向へ反射波が伝わることも。ピアニストはそれをフィードバックとして感じて演奏に何らかの寄与をしているのではないかしら。

デジタルピアノでは物理的な弦が存在しないので、デジタルピアノの開発者は知ってか知らずか、鍵盤を押した際の初速度をセンサーで測定し、それをデジタル楽器の伝送規格であるMIDIで言うアタックパラメータとして発音の強さに反映しているわけですが、それはある意味技術的な妥協でもあります。

おそらくMIDI規格が制定された際にも当時の技術の限界から奏者から生楽器に伝えられるタッチの波動を正確に捉えてそれを音色に反映することは実現不可能(ほぼアナログリアルタイムでないと出来ない)だったからだと思われます。

生ピアノの場合には、タッチで伝わる波動の立ち上がりが急峻で波の幅が短いほど綺麗なピアニッシモの音色が出るのに対して、今のデジタルピアノでは立ち上がりが急峻(鍵盤を押下する初速度が速い)だと、波動の幅が短いか長いか(波動エネルギーの大きさ)に関わらず、常に音が強くなるというまったく違う結果になってしまうことに。

昔ここのフォーラムの「電気回路理論おもちゃ箱」の最後で分布定数回路を学んだ時に伝送路が波動を伝える様子と入力端から入ってきた進行波が終端に達するとそこから反射波が現れ進行波と逆方向に入力側に向かって進み、入力端に達するとまた反射して...というような様子を明らかにしたよね。

それと同じことが奏者からピアノの鍵盤、ピアノ内部のアクション、ハンマー、そしてピアノの弦の間にも起こっていると思うの。

今日ではセンサーも多様になり、デジタル信号処理プロセッサも高速になったので、これからは波動を正確にとらえて、それを音色に反映するデジタルピアノも実現できるのではないかと思うのです。

それには従来の生ピアノの波動伝達モデルを構築して、本当に奏者からの波動でどのような音色のコントロールが可能なのかというのを研究する必要があると思うの。

でもそれは解析的な解は得られないと思うのね。何故ならどれも孤立波(ソリトン)による強制振動だというのと伝送路の途中にはピアノの弦、フェルト布、木材、人間の皮膚と皮下組織、骨、軟骨、それに筋肉とか様々な非線形素子が直列または並列につながっているから。

たぶんに数値計算でようやく近似解が得られるかも。

以前デジタル信号処理を勉強しようと思ったのは、そういう新しい信号処理の応用とかをしてみたかったから。でも今のところ頓挫しているけどね(;´Д`)

次に紹介するのが、タリアフェロの師匠であるアルフレッド・コルトーの著書「Principes rationnels de la technique pianistique」の日本語訳「コルトーのピアノメトード」です。



アマゾンの評価によると、これは上級者向けだそうですが、恐れ知らずで、タリアフェロを知ってフランス系のピアニズムに興味が沸いてきたので購入。

中を見てみると、驚くなかれ、最初に登場する練習譜は、みんなのオルガン・ピアノ1の最初に出てくるような単音を繰り返し弾く練習でした。これをプロのピアニストでも毎日15分間行うことが必要と断言しています。

そうなのね基本はこれなのね。

それと全部マスターするのは6ヶ月かかる設計みたい。なんでも12の調(とその平行調)を日替わりで、各章はABCの3つの練習メニューがあってそれぞれ12調分で12日かかるので、一章に36日、5章あるから180日かかるという計算なのね。それが終わったら、練習メニューをランダムに選んで組み合わせて練習するという感じ。

練習譜はハ長調でしか書かれていないので、毎日自分で移調する必要があり、そのための移調:変奏表という移調の仕方の解説ページが綴じられていないで差し込みページとして入っています。これを見れば移調のこつがわかるのでした。

コルトーはそのほかピアニストが身につける必要のある必須テクニックの練習方法を譜面と解説で教えています。特徴的な手や腕の動かしかたについても文章で説明されています。おそらくは個人レッスンを受けて手取り足取りで教わるのが一番確かなんだろうけど、文章から察するしかないよね。後は同じ奏法を使用している同じ血脈を受け継ぐプロのピアニストのビデオを参考にするとか。

この本で興味深いのは巻末にピアノ作品一覧表というのがあり、この本で練習するテクニックがクラブサンから現代のピアノに至るまでの間に少ない組み合わせで演奏が易しいものから、多くの組み合わせで演奏が難しくなっている様子が時代順にわかるようになっています。難易度が急変したのはピアノが普及しだしたベートーベンの時代からで、リストの作品に至っては全曲すべてのテクニックが登場ししかも難易度がC(難しい)、D(非常に難しい)というのばかり(;´Д`)

たぶん後々、上達してきたら練習メニューに加えることになると思います。確かにほとんどの曲に登場するテクニックが網羅されている感じだし。

最後に紹介するのが、タイトルというか副題に惹かれて購入した日本人ピアノ講師による「ピアノテクニック12か月」原田敦子 著



副題が「〜脱力のタッチのために〜」とあるので書評とか見ずに注文。



しかし内容はほとんどが基礎練習の練習譜とワンポイントのアドバイスというかコメントがところどころについているもの。

確かに練習譜は膨大でそれをさらうだけでも膨大な期間(12ヶ月)を必要とするのは明らか。

確かに先に紹介した「ピアニストへの基礎」の、「高い技術を身につけるヒント」の章にもさりげなく以下の一文が書かれていて、唖然としたことは確か。

引用:
はじめは無益に思えるかもしれませんが、何ヶ月か練習を続けていると基礎が出来てきて、あとで非常に役に立ちます。


そうなのね何ヶ月も辛抱が必要なのね。

著者は他にも各段階向けのピアノ基礎テクニックシリーズの著作が多数出していて、これはその最後段階にあたるものでした。なのでバイエルが終わって、ソナチネを始める段階の人向けなので、ちょっと自分には時期尚早だったかも。もっと前の導入段階向けからのテキストもあるのでそっちが先でした。

とりあえず、後々必要になると思うので。

右手に長年蓄積した疲労をほぐしながら練習を続けていこうと思います。

んじゃまた。
webadm
投稿日時: 2016-11-13 11:39
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登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
Re: ピアノ教本
ふう、だいぶ寒くなってきたね。

久々に天気の良い休日は溜まった疲労がこんこんと骨髄から湧き出てくる感覚でぐったりばったり(;´Д`)

それでもピアノの練習は毎日30分は欠かさないけどね。

もう導入ステップは通過して初歩段階に進んでもいいかなと思うけど、練習曲での右手と左手をそろえるとかフレーズ毎に強弱をつけるとかの仕上げを練習しています。

同じ練習曲を繰り返しさらうとすぐに新鮮さが感じられなくなって弾き慣れ現象が出てくるので、いつもは複数の練習曲をメドレーで弾いていきます。

途中間違えるところがあれば、その前後から絆創膏を貼るように一度ゆっくりおさらいして明日は間違えませんようにと祈って、次の曲を弾きます。

そうすると日を重ねるごとに間違える曲が減っていってメドレーで弾いても弾き慣れ感がしてくるので、そろそろ次のステップに移ってもいいかなと感じています。

後で知ったのですが「大人のための独習バイエル」本の構成は、上巻がPTNAが定める難易度段階の導入1〜3に対応し、下巻が初級の1〜5に対応しているのでした。なので各ステップがPTNAステップの認定制度に対応して、有償で複数の審査員の前で課題曲を演奏することで実力を評価して譜代点なら合格認定をもらうことができるみたい。小さい子ならそれも目標になるし合格すると自信につながって励みにもなるよね。

なので今は導入ステップ2を念入りに仕上げている段階。

バイエルの前半はもともと手の小さい幼児を想定して導入段階では指と腕の独立以外の技能を要求しないようになっています。なので難易度の傾斜が平坦に近いのでメドレーで通すこともできるのでした。

バイエルも後半になるとポジション移動とか出てきて急に難易度が高くなる印象があるみたいだけど、ちょうどあれだよね、昔あった住宅ローンのらくらく返済プランみたいなもので、最初の10年は支払いが少なく楽だけど、10年後からは急に支払い額が増えて返済が大変になるというやつ。昔は年功序列な給与体系だったから年齢とともに収入も増えてたけど、それもリーマンショックまでだったね(;´Д`)

返済がきつくなる頃には肩たたきの対象になって自己都合退職を勧告されて虐めにあって鬱になったり、会社そのものが倒産またはリストラで急に職を失ったり、そういうことは先進諸国では当たり前だけど日本は特別だとみんな信じてなのね。

なんの話だったっけ?ああ、ピアノ教本の話ね。

それでバイエルの後半に入ってから挫折してピアノやめた子が多いんだね。

他の教本、たとえば「みんなのオルガン・ピアノ」本とかはバイエルより少し傾斜が急になっていて、「みんなのオルガン・ピアノ1」の最後の方には指を広げてポジションは移動せずに5度圏外の音も弾く曲も出てきます。

「みんなのオルガン・ピアノ2」になると後半はポジションの移動が必ず出てくるのでバイエルよりは進みが早い感じ。

バーナム本はもっと意欲的に小さい子に早くから後々必要な技能の予備練習みたいな要素が含まれています。一瞬だけオクターブを押さえたり、指を広げてポジションを変えずに5度圏外の音を弾いたりとか。

クラッシックに限らずポピュラーやアニメ、ゲームの曲でも名曲はどれもピアノで演奏するのにポジション移動が必須で、オクターブを超える範囲のアルペジオやスケールが出てきます。

逆に考えるとポジション移動とオクターブが押さえられれば大抵の曲は課題曲として挑戦できる範囲に入るということになります。

近代の教本ではそうした意味から、早い段階からポジション移動を伴う曲を練習曲に含めているものが少なくないようです。それらはまた別の機会に紹介する予定。

以前ご報告した左手の脱力しすぎ問題に関して、その後いろいろ判明したことがあります。

練習曲を弾いているうち、伴奏旋律が主な左手は次第にだらけたように手首が鍵盤より下に下がってしまい、指先だけが鍵盤の上に残って間接も伸びきって(むしろ凹んだ状態に近い)しまい、指先と肘との間に腕と手首が吊り橋のようにだらんとなってしまいます。

これの原因の一端が判明しました。

それは上腕が脱力して重力によって地面と垂直な状態になってしまい肘が体にぴったりくっついてしまっているのと、鍵盤を指で押さえる毎に反作用で指と手首が体の方に押され気味になり脱力した上腕の支えを失った手首と指は鍵盤からずり落ちる方向にシフトしていってしまうのでした。

考えればピアノを理想的な姿勢で弾くというのは建築学的には大変不安定な肩から指先に至るアーチ構造を保たなければならないので、脱力してしまうと重力と反作用でアーチ構造が崩れてしまうのでした。

どの導入テキストにも書いてあるように、肘と脇の間は拳ひとつ分空けなさいとあるけど、それを維持する方法は書いてありません。

脱力する気づかないうちに維持する力も失われて肩から指先までのアーチ構造が壊れてしまうのです。

その解決のヒントは次に紹介する「からだで変わるピアノ」宇治田かおる著に書かれていました。



著者は英国と欧州で研鑽し、みずから力の入った固い弾き方で伸び悩んでいたのを克服し見事国際コンクールで優勝しピアニストとしてデビューし帰国後はその経験に基づいてピアノ教室を運営して沢山の生徒を指導した中での多岐にわたるアドバイスをまとめたもの。

著者自ら文章を書くのが苦手ということもありますが、一貫して低姿勢で、巨匠の著書のような上から目線ではなく、一人のピアノ教師としていつも側で親身に生徒の問題を克服する方法を教えてくれるようなタッチで書かれていますので初心者でも違和感は無いと思います。

主にすでにピアノ教室で習っていても伸び悩みを感じている人にはぴったりだと思いますが、独学で進歩が感じられないとか癖が直らないという人にもお勧めです。

これから研鑽するうちにいろいろ困難にぶつかると思いますが、個人的に先の左手の問題とか、右手も同じですが弾いている時にどうも肩から指先までのアーチ構造が安定しないという感覚を常に感じてしたのですが、この本の第4話「テクニックは助け合い」の中の「腕は前に出す」というところを読んでΣ (゚Д゚;)と気づいたのでした。

著者は「腕を前に出す」ということをレッスンで言わない時は無かったと書いてありますが、そんなこと書いてある本はこの本以外に記憶にありません、もしかして同じ意味のことが書いてあったのかもしれないけど勝手に解釈して読み落としていたのかも。

そこに書いてあることが先の左手問題とも両手に共通していまいちアーチ構造が不安定な問題の原因がずばり納得のいく理屈で説明されていました。

そう鍵盤を押さえることで発生する反作用で体が押し戻されているので、それに対応するために常に腕を前に出すようにする必要があったのでした。

やってみると手が鍵盤の上で安定するようになり、指の根元の関節も凹むことはなくなりました。以前と比べて安定して弾きやすくなりました。

この本の良いところは、そうしたピアニストなら誰でも自然と身につけている演奏上の基本的な構えのようなものを身につけていない人や身につけることができずに伸び悩んでいる人にわかりやすく平易に原因とその解消方のアドバイスを提示しているところだと思います。

まだまだ折りに触れて読む機会があると思う本です。

2011年初版ですが今年で増刷第5版ということから多くの人に長く読まれている良書だということもわかります。

次に紹介する本は「ピアノがうまくなるにはワケがある」角聖子著



ちょっと手ぶれでピンぼけだけどご容赦(_ _)

著者は以前に「お父さんのためのピアノ・レッスン」というCDでレコード大賞企画賞を受賞、大人向けの「ブラインドタッチ教本」とその併用曲集を出版する中、身近ら主宰する角聖子音楽院で学ぶ大人の生徒の持つ続けられない悩みや問題に目を向けて、楽しく弾き続けるために必要なことをまとめたのが本書。

大人になって始めた人以外でも、ピアノを研鑽する人なら共通する課題を扱っているので若い人や伸び悩んでいる人には役立つ内容が書かれています。

多分に個人レッスンでは直接伝授されているのかもしれないけど、あるいは伝授されていなくて、教える側も生徒側の問題には気づいても原因までには思いつかないで放置しているというケースも多々あるかも。そういう中で落ちこぼれてしまった人は藁をもつかむ感じでここで紹介した本を読むとヒントが得られるかも。

本書も基礎の練習から、ひとつひとつのテクニックや技能の獲得をスムーズにするためのヒント、演奏会での困難を克服するためのヒントなどが多岐にわたって書かれているので、それぞれの段階の人でもなにかしら参考になると思われます。

要所では楽譜、図解で示してくれているのでかなりピンポイントで要点がわかる内容になっています。

内容全般に言えるのは、続けるための工夫、上達するのが楽しくなる課題の見つけ方や取り組みの方が、ミスをしないとか、特定のテクニックに習熟するよりも優先するということ。

特定のテクニックとか演奏が難しいところとかは誰しもあって、それは一朝一夕には解消しないので、それを優先するとそれ以外をすべて犠牲にしてしまうという罠に警告しているのだと思います。

今はまだバイエルの前半の仕上げ中ですが、デジタルピアノの良い点でもあり悪い点でもあるのが、どんなタッチをしてもグランドピアノの音色がするということ。これは弾いていて気持ちが良いのです。

Youtubeとかではピアノの先生がバイエルの全練習曲を実演奏したビデオを見ることができますが、市販のハンディビデオカメラかスマートフォンで収録した生ピアノの音はお世辞にも美しいとは言えないのでした。それらのマイクは人間の音声を拾うためのもので楽器の持つ広い帯域はカバーしていないのが原因です。

良い音を録音するためには帯域が広くフラットなコンデンサーマイクを使用してビデオと別に録音し、後でビデオ変種ソフトで映像と音をミックスするという方法を取る必要があります。

Youtubeとかではそうした本格的な方法で作成したアマチュアのピアノ演奏動画もあるので、後々の参考になります。

いろいろなアマチュアの人がピアノ演奏動画をアップロードしていますが、秀逸なものから聞くに堪えないもの、未熟だけど熱意と意欲に圧倒されるとかいろいろあります。

特に素人目でも「筋がいい演奏」というのがあり、いつも新しいビデオがアップロードされるのを楽しみにしているチャネルがあります。



すごく手が柔軟で「筋がいい」と直感できる演奏です。

最初みた時には鍵盤の真上からの視点で撮影しているもので、これはなんかの教材とかに使うのかなとか、演奏しているのはピアノの先生かなと思って、以前のものをずっと見ていったら、演奏しているのはピアノを習っている現在は中学生の娘さんで、録画してアップロードしているのはお父さんだということが判明。一番最初の頃はまだ小学生で家にあるデジタルピアノで演奏していましたが、すぐにグランドピアノで演奏するようになり今に至るようです。たぶん先生からクラシック曲を習っていると想像するのですが小学生の頃からすでにポピュラーソングのレパートリーを広げていて、上で紹介したように先生には習っていない上級の曲までカバーしているというすでにピアニストと言えるレベル。ポピュラー曲の選曲にはお父さんの好みも影響していると思える節が。



演奏に使用しているピアノの音が良いのと演奏者の筋が良いので、視聴に十分耐えるレベルです。ピアノは小さいグランドピアノですが、全体が写ったビデオもあるのですが、フレームを見るとベーゼンドルファーの170やスタインウェイS-155もしくはヤマハのC3と似ているけど天板突き上げ棒を見るとスタインウェイS-155そのものだね、けど新品だと定価が1千万円近くするから実のところまったくわかりません(;´Д`)

でもスタインウェイのピアノを既に持っていれば、アップグレードする際に古い方を購入時の価格で下取りしてくれるので費用が差額分だけで済む制度があるから、スタインウェイはピアニストを支援する企業だよね。

Youtubeの権利管理が厳しいのでメーカーが特定されると、そのメーカーが広告収益を総取りしてしまうとかなるので意図的に判別できないようにしているようです。チャネルを見ると、今も謎の詐欺権利団体が権利を主張することが続いているようで、回避できずやむなく削除したものも多いようです。

すでに小学生の頃からポピュラー曲の演奏レパートリーをどんどん増やしていっているのは驚きです。

お父さんも将来が楽しみでしょうね。

みんなも練習してレパートリーを増やせるようになるといいね。

んじゃまた。
webadm
投稿日時: 2016-12-5 2:35
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登録日: 2004-11-7
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投稿: 3068
Re: ピアノ教本
前回の投稿から1ヶ月近く経過していますが、現在のところまだPTNAで言うところの導入3段階でじたばたしている状況(;´Д`)

さっさと導入段階は卒業したいけど、独学故に練習方法に関する基本的な考え方の間違いがあると停滞してしまうのでした。

前回まで主に使用していた教材は

・バスティンピアノベーシックス テクニック(指の練習)
・バーナムピアノテクニック導入書
・キャサリン・ロリン テクニック1
・Pianoprima EXERCISES
・みんなのオルガン・ピアノ1
・大人のための独習バイエル(上)

でした。

習熟のバロメーターとしては主に大人のための独習バイエル(上)の各ステップの全曲を易しく弾けるようになることを基準にしています。

大人のための独習バイエル(上)のステップ2はもう易しく弾けるようになったので終わりにしてステップ3に進むことにしました。

ステップ2とステップ3とでは特に新しい技能が加わるわけではなく、一見すると練習曲の難易度は同じように見えましたが、ところがどっこい、曲の内容に躓きの石がしっかり増していたのでした。

ステップ2では基本的に同じ旋律の繰り返しで終止形のところだけ気をつけていればよかったのですが、ステップ3ではほとんど同じようなフレーズでも最後が微妙に違う箇所が一カ所だけではなくなった点が難易度を上げていたのでした。

ステップ2の曲は大抵指で覚えてエンディングだけしっかり気をつけていれば弾けたのですが、ステップ3ではその練習方法はミスを招く原因となることが判明。

ステップ2の時も一曲だけちょっとステップ3ぽい曲あって、暗譜するつもりでやったのですが、ステップ3はまさにそういう曲ばかり。

なのでステップ2のように全曲を平行して仕上げることをやっていたらなかなか最後まで弾けない曲が多くて難儀することに。

やはり基本に戻って、譜面の音読みからちゃんと始める必要がありました。短い曲だけど、繰り返しの部分とそうでないイレギュラーな部分をあらかじめ調べて、イレギュラーな部分はそこに入る手前と抜けた後の小節を含めて絆創膏を貼るように繰り返し練習。

ステップ2と比べて小節数が多い曲で、同じ長さの音符がずっと続くフレーズとかではテンポが上がる傾向があるので、ちゃんと口で(ワン、ツー、スリー・・・)と拍を数えて弾く練習も必要でした。

独学なので先生に仕上がりを聞いてもらってチェックをしてもらうこともできないので、デジタルピアノ内蔵の録音機能(再生時の音量が演奏時と同じなのでアナログ録音で不可欠なレベル調整が不要なので便利)を使用して録音し演奏後に再生して以下の事をチェック:

・拍がちゃんととれているか(間隔や強拍と弱拍のアクセント)
・テンポが流れていないか
・フレーズ内はちゃんとレガートで弾けているか
・エンディングノートが尻切れトンボになっていないか
・低音部と高音部の音量バランスが適切か

それ以前に、普段の録音しない練習だと易しく弾けていたのに、いざ録音ボタンを押すと意識していなくても無意識に録音しているというプレッシャーがかかり、思わぬミスが連発(;´Д`)

いわゆる stage fright というやつね。これは何回か場数を踏んで克服するしかないみたい。

ミスする原因はやはり不適切な練習方法にあるんだけどね。

仕事ではパソコンのキーボードはピアノと同じに両手でブラインドタッチしているけど、これも若い時にブラインドタッチを身につける目的でタイプライターを購入してそれについてきた練習テキストで練習して習得したんだけど、ポジションが移動しない限りミスタッチは滅多にないのが普通(強いてあるとすれば素早く打鍵するために右と左の文字の入力順序が入れ替わるため typoになるぐらい)

ピアノも同じで導入段階のポジション固定でしかも5度圏内の音しか弾かないなら基本的にミスタッチが生じることはあり得ないはず。

けれども意図したのとは違う指が動いてその下の鍵盤を押してしまうのよね(;´Д`)

それもいつも決まった曲の箇所で。

これは曲を練習する際に頭(大脳皮質)ではなく指(小脳と運動神経9領野)で覚えているからなんだよね。

運動神経は様々な基礎パターンを無意識に弾くためのショートカットロジックを覚えているので、頭の指令が弱いとデフォルトでそっちの記憶で指を動かしちゃうのね。

なので指で覚える練習方法はこの段階で躓きの原因になるので改める必要がありました。

今までの誤った練習方法は

譜面を見る−>弾く−>聞く

だったのですが、これだと弾く事が中心になって指で覚えることが中心の練習になってしまっていました。

なので時間はかかるけど以下の方法に変えることで着実に曲を仕上げることが出来るようになりました。

譜面を音読み−>繰り返しとイレギュラー部分を洗い出し−>繰り返し部分について拍を数えながら弾く−>イレギュラー部分を前後の小節を含め拍を取りながら片手だけで弾く−>両手で弾く−>最後両手で通しで弾く

以前はこの順番の逆をたどる羽目に陥っていたのですが、最初からこの準場にやれば最後はほぼ完成に誓いので手戻りも少ないです。

上の手順を実施するには譜面が読めないといけないので、幼児とか時も良く読めない、記号とかの情報処理能力も少ない子は避ける傾向にあるよね。なのでほとんど指で覚えて、要所だけ頭で覚えてという時間のかかるのは仕方ないかも。

大人はもう時間が無いので急がば回れで最低限の楽典の知識(幼児向けの易しいのでもとりあえず十分)を学んで取り組む必要があります。

これでどうにか導入段階の曲は易しく弾ける状態で次ぎに進むことになる感じ。

進捗度のメインが大人のための独習バイエル(上)なのは少々不安を感じないわけではないので、他のテキストも購入してありますが、導入段階だったらどれも一緒かな。

バイエル以外の教本は導入段階のテキストは別にあって、ほとんどそれが終わってからのものが多いです。最近のものはどれもそう。

なのでバイエルと比べると新しいテクニックの導入のペースが早いのでちょっとびっくりするかも。

手元の「みんなのオルガン・ピアノ2」も途中から何もコメントも書かれていないけどポジションの移動が入ってきます。それと黒鍵を使う調の曲が主になってきます。

バイエルと平行してやるにはちょっと早すぎるので、大人のためのバイエル(下)に入るまでそちらは保留しています。

バーナビも導入書の後半には新しいテクニックに免疫をつけるためにちょっとだけ、オクターブや、黒鍵とかが次々と加わってきます。練習曲が短いのでそれが原因で立ち止まることは無いけどね。これも進捗を合わせるために一端保留。

以前ご紹介した「ピアニストへの基礎」田村安佐子著の本には安川加壽子氏推薦と書かれた帯がついているを見て、安川加壽子って誰よと思って調べたら、大戦前までフランスで育ってパリ音楽院(コンセルヴァトワール)を卒業し、十代にしてフランスでリサイタルを開いていた頃に大戦勃発で急遽帰国して日本でセンセーショナルなデビューを飾った本格的な国際派ピアニストだったのでした。

もっと知りたいと思って検索したら、お弟子さんでピアニストで文筆家とピアニストの両方の肩書きを持つが青柳いずみこという方がいらっしゃるのを発見。

ピアニストというとピアノを弾くのが商売ですが、中村紘子さんもしかり、筆も達者な方が結構いらっしゃる模様。

後で知ったのですが、ピアニストは相当の勉強家であり研究家でないとつとまらないので歴史から人物史とか専門的な評論とかを沢山読む必要があるので博識なのは当然なのでした。

最初に読んだのが気軽に読めそうなこちらのエッセイ「ピアニストは指先で考える」青柳いずみこ著



ピアノ教師と学習者のための雑誌「ムジカノーヴァ」の連載されたエッセーを単行本化したもの。

300ページを超える量なので、さすが文筆家を名乗るだけの力量があり、ピアニストというとお高いイメージがつきまとう人が多いのですが、ピアノや芸術にうとい一般人の背丈での会話のパターンが親しみ易さを感じます。

話題にしているピアノにまつわる様々な悩みやトラブル、テクニックに関する事柄も広範囲にわたり、登場するピアノの巨匠の数も巻末の人名索引のページ数からしてほとんど出てこない巨匠は居ないではないかと思えるほど。それだけでも勉強になります。

それと以前紹介した中村紘子さんの著書に出てくる自身がジュリアード音楽院の修行が指の基礎練習からやり直しで与えられた教本が「ドホナニ」というものだったことが紹介されています。手の小さい人や手の拡がらない人にはこの教本の題十番がおすすめだと具体的に書かれているのが興味深い。右手が長年の疲労蓄積で拡がらないので「ドホナニ」教本を入手してみようかな。

それでこれなら大丈夫と、読みたかった「翼のはえた指 評伝安川加壽子」青柳いずみこ著を読むことに



前半は生まれて間もない頃に渡仏し大戦前に帰国するまでの間の草間加壽子の生い立ちと初々しい青春時代に光りを当て、帰国後日本の楽界で華々しいデビューを飾り、戦後も結婚し安川性になった後もフランスでレビィ教授に師事していた頃とは違ってたった一人で音楽家として研鑽していく道のりに光りを当てている。

思えばパリ音楽院では一流の音楽家として必要なことをほとんど身につけていたのが幸いしたのだろう。そうでなければ先生に師事することなく自己研鑽することは不可能に近かったに違いない。

そういう意味では戦前、戦後の日本の楽界では希有な存在であったことは確か。しかしそれもわかってしまえばの話で、当時は誰もそんなことに注目はしなかったのが後半の悲劇を生んだ要因かもしれない。

後半は前半の明るく華々しい活躍の表舞台とは裏腹に、暗い影の部分に光りを当てている。

特に楽界の批評家と対等に向かい合ったのも特筆すべきことで、日本の楽界の何が不幸かと言えば聞く耳を持つ人が少ないという点であり、演奏に対する批評も必ずしも的を得たものではないものが幅をきかせた時代である。演奏家も批評家の記事から有益なフィードバックを得てその後の研鑽に生かすことを期待できるはずが、必ずしもそうはならない批評もある。

安川加壽子が亡くなるまでの足跡を克明に辿る著者は、晩年に罹患が発覚した加壽子のリウマチとの戦いにも光をあてている。生来我慢強い性格で負けず嫌いだったことが災いして、リウマチの症状がかなり進行してしまった段階になってからようやく医者の診断を仰いだという。

普通なら演奏活動から引退してもおかしくない病状でも最後まで現役の演奏家として音楽家として貫いた人生が見事に描かれている。

リウマチは女性に多い原因不明の自己免疫障害で関節の慢性的な炎症から始まり、やがては関節そのものそしてそれにつらなる腱も炎症によって侵されてしまう。

ピアニストの生命である指の関節や腱が侵されて指が曲がらなくなってピアノを弾けない状態にあっても、あきらめず「メトード・ローズでもいいから、もう一度弾きたい」と親しい人に真情を明かしていたという下りには頭が下がる。

最後に誰もが病室を離れている間にひっそりと亡くなった状況が亡くなった父親と同じだったことを描いている。

最後のエピローグには著者自身が見た安川加壽子が生きていた時代の日本の楽界への意見が述べられている。それはそのまま現在にもあてはまるのは当然であるが、そうは書いていない。

これからの日本の楽界を考え直すひとつのきっかけとして安川加壽子の存在があると言える。

こちらも300ページを超える量なので読むのに何日もかかったけど、特には時間が過ぎるのも忘れて読みふけることもあるほど、惹きつける内容のものがある。

著者自ら安川門下の下々の弟子のひとりと称しているように、あくまで低い姿勢で等身大で既に多くの分野の人が評伝を書いている安川加壽子を師匠としてまた音楽家、演奏家としてピアニストの視点から描いているのが印象的。

著者が女性であるので、内容は固くなく、数々のエピソードを読んでいて微笑ましくなり、笑みがこぼれたことが多々ある。

それと優れたピアニストに限らずみんな意思が強い感じがするよね。曲を演奏するというのは自分の意思を表現するみたいな感じだから、一種の言語みたいなもの。

声優でも棒読みだったら声優である必要は無いわけで、優れた声優はピアニストの所見演奏みたいに、台本の台詞を読んだだけで、どのように言葉を発するかそれが内なる自分の意思として表に出てこないと一流じゃないのと一緒。声だけではなく全身から湧き出てこないとね。ピアノも他の楽器も一緒だよね。声が音になっただけ。

先に紹介したエッセイ集にも師匠の安川加壽子のエピソードがちらっと笑い話的にでてきたが、それについてのもっと詳しい専門的な解説が登場する。

ピアニストを志す人やピアノやその音楽、歴史に興味のある方なら、何が重要かについて教わることが多いと思う。

この本の中で最後に登場する「メトード・ローズ」は日本のピアノ教室で古くから教本として使用されている定番のもの。それを戦後フランスから日本国内に翻訳して紹介したのが安川加壽子だったのはついぞ知らなかった。

さっそく購入した。



確かに安川加壽子訳編とある。

巻頭のページには安川加壽子がフランスで師事していたラザール・レビィ先生すいせんのことば、直筆の推薦文が掲載されているのも意味深いものがある。

内容もバイエルとは違っていて、段階別に新しいテクニックを身につけていくように体系的に組まれている。

各段階で必要な予備練習曲と課題となる練習曲からなり、毎日予備練習曲をやってから練習曲に取り組むという感じ。

それだけではなく、具体的な練習の仕方もしっかり書かれている点が優れている。

引用:
弾く前にリズムにあわせて階名を読むこと、つぎにふしをつけてうたうこと、それがよくできてから弾きなさい。
弾くときはかならず声をあげて拍子をかぞえましょう。


ああ、これなんだよね正しい練習方法は。

原著者のERNEST VAN DE VELDEは更にもっと専門的なテクニック教本も出しており、そちらも「ピアノのテクニック」として安川加壽子訳が同じ頃から出版されている。

そちらも購入してみた。



こちはフランス・ピアニズムに共通する軽やかなスタッカートの演奏技能の習得を中心とした練習メニューと、それに隣接する奏法の教則本。

各段階の最後にはピアノの巨匠たちの忠言があって、それを読むだけでも勉強になる。

どちらかというとフランス・ピアニズムの極意を習得するための基礎練習帳な感じ。前に紹介したコクトーの教本と似ている。

この本のはしがきには、以下の文言があり、これが先に紹介した2つの青柳いづみこ著作にそれぞれエピソードとして出てきます。

引用:
それはスタッカートばかり勉強することは、疲労をともなう場合がありますから、・・・


青柳さんが最初この文を目にした時に「へ?」と疑問に思ったそうですが、実際にご自身がフランスに留学してスタッカートの練習方法(以前紹介した「ピアニストへの基礎」に具体的な解説があるポワニエ)を師匠から教わった時、やっと上の意味がわかったという話。

普通は「メトード・ローズ」の後に、別の著者の以下のテキストを使用するのが日本では一般的らしい。

「ピアノの練習 A.B.C」安川加壽子訳編



こちらは表題からすると導入段階を含むものかと誤解してしまう。内容的には導入段階と初級段階を終わってから取り組む練習曲集。構成は短い予備練習曲と課題となる練習曲の組がAからZの26種類となっている。それでABCなのね。

ほとんどが譜面だけなので翻訳する文章は無いので、譜面だけ校訂してところどころに註文を追記した感じかな。

初級段階が終わった人向けなので練習曲は短いながら様々な調のもので、白鍵も黒鍵もあり。

運指番号がついているので基本はその通りに弾けるようにする感じかな。

やはり基本は譜読みして歌えるようになってから弾く感じかな。

これの続編もあってそちらも購入

「ピアノの練習ラジリテー」安川加壽子訳編



こちらはちょっとしたコメントがついた短い練習曲集(といってもピアノの練習ABCよりも長い2ページぐらいのものもあり)。

これが易しく弾けるようになると次はチェルニー30番とかになるぽい。

結局はどの導入書や初級本をやっても最後はチェルニーなのね。

チェルニーもよく引き合いに出てくるのは30番とか40番とか50番だよね、他にも100番とかあるけど導入本や初級本と難易度的に重複するのであまり使われない感じ。しかも結構短いのに単純な曲でなかったりして仕上げるのに時間がかかるのよね。100もやってられないという感じみたい。

実際にあまり引き合いに出てこないチェルニー本も一応購入してあるけど、やっぱり30番とかやれるようになったそのことを書くね。

最初はメトード・ローズで初めてもよかったかなと思ったりします。

その方が正しい練習の仕方を最初から知ることができたろうという思いから。

さてピアノ関連の読書もだんだんと気楽に読めるものが無くなってきました。専門的な本も買ったのですが、たぶん技術的なところとか理論的な部分は音楽的な基礎知識が無いのと知っている楽曲のジャンルが狭いので内容がよく理解できないというのがあります。たぶんそういう勉強をちゃんとした人向けかな。いずれは和声とかも勉強したいとは思いますが聞く側としても知っておいたほうがよいし。編曲とかするにしても必要だし。

いよいよバイエル後半に臨むことにしまちゅ。

「ドホナニ」教本も探さないとね( ´∀`)

んじゃまた。






webadm
投稿日時: 2016-12-11 23:58
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
Re: ピアノ教本
ふう、天気がよいね( ´∀`)

あれからまだ「大人のための独習バイエル(上)」が仕上がっていません...orz

ステップ3は簡単そうに見えて、なぜか必ずどこかで間違える曲が多い感じ。

それとユニゾンの曲が結構多い。早い段階から易しく弾けるようになったのはユニゾンの曲。当たり前だよね、「メトードローズ」にある予備練習の延長上にあるみたいな曲だし。

まだ仕上がっていないのは具体的には、30、31、36、37,38、これらは毎日弾いているけど、一度もノーミスで弾けた試しがないのよね。

テンポを60ぐらいにしても推奨テンポが76とかのもあるのであまり状況は変わらず。

テンポを30ぐらいに落として練習しないとだめかな。

こうも毎日繰り返し駄目出しをくらうと、だんだんと自信が喪失するよね。心なしか丁寧で無くなってくるし。

そういえば、デジタルピアノの何が悪いかというと、それは良い点でもあり悪い点でもあるけど、鳴る音が自分の出した音ではなく誰か他のうまい人が弾いた音が出るくる点だよね。

つまり、雑に弾いてもデジタルピアノだと常に他の人が丁寧に弾いた時の良い音が代わりに出てくるので、心理的に乖離が生じるのかも。自分の音じゃないという感覚が強まってきます。

Youtubeとかではデジタルピアノで演奏している外人さんが結構いて、自分で独自にアレンジや作曲までしている高い水準の人が居るけど、お金が無くて生ピアノを弾いたことが無い(あるいは長いこと弾いていない)人とかがたまにコンサートグランドピアノを弾く機会があってそのときのビデオを見るとちょっとがっかりしたり。デジタルピアノだと情緒たっぷりで表現が伝わってくるのに、生ピアノだと雑な音しか伝わってこなかったからです。

自分もそうなるんだろうなと覚悟はしていますが、一生デジタルピアノだけでいいし。

ある意味デジタルピアノはタッチによる音色の変化とかは生み出せないけど、それ以外の表現は可能なのと、音色が常に良いので雑なタッチを補ってくれるという良い面もあります(悪い点でもあるけど)。

前回書いた事以外に気をつけている点は

・曲の最初はフレーズの最初と同じに右と左の発音のタイミングを合わせる
・曲の最初はフレーズの最初の同じに右と左の音量のバランスを整える(最初が肝心で、後からはどうしようもないので)
・曲の最後の音は楽譜通りの長さを保ち正確に切る(フェルマータとかの長さに関わる指定が無いかぎり)
・曲の最後の音を切る時には指で鍵盤を押さえたまま腕と手首をゆっくり上げて鍵盤を元の位置に戻すことで行う(指を素早く離してしまうと、鍵盤が自力で戻った際にゴトンとい大きな雑音が出てせっかくうまく弾けたのに曲が台無しになる)

というかな。Youtubeとかでピアノソロ演奏を見ると皆誰もがやっていることだよね。

この状態ではまだ上巻には進めないでちゅ。

上巻に入るとこれまで控えていた様々な演奏に必要なテクニックが一挙に登場するので基本的な演奏について直す時間的精神的な余裕は無くなるので、どうしてもこの段階ですべて易しく弾けるようにしたいところ。

テンポをBPM30ぐらいにして超ゆっくり間違えずに余裕で弾けたら、元のテンポに戻して合格がもらえるとよいね。メトロノームとかを使うと最後まで間違えない時もあるけど、自分で拍を数えながらだと余裕が無くなるのか、どっか間違えるのよね。

さて、話は変わって、昨日「ドホナニ」教本が届きました。



日本語訳は存在しなくて、国内で扱っているどれも海外版の原書のままです。

説明文は3カ国後で書かれていて、その一つが英語なのでなんとか読めます。

見ると内容的には以前購入したコクトーの教本とかの中級者向けの本と記載スタイルは同じだけど、決定的に違うのは常にどこかの音を鳴らした状態(指で鍵盤を押した状態)で残り自由な指で重音や音階を弾くという練習の集まりだということ。

慣れないうちは、どこかの音を鳴らした状態(指で鍵盤を押した状態)で他の自由な指で別の音を鳴らすというのは手が固くなってしまってそう自由には弾けないのよね。

特に複数の指で同時に音を鳴らす必要のある重音とかは押さえるのに力も居るし、既に固定されている指があるので痛みを感じることもあります。

今のところは以前紹介した「Pianoprima」のレベル0とレベル1の指の練習メニューだけを毎日練習の最初にやっているだけですが、続けてきた甲斐があって、レベル0はだいぶ易しくなめらかに出来るようになり、レベル1も加えたところ。レベル1には実はオクターブのアルペジオの上昇と下降の繰り返し練習があるのですが、左手は柔らかいので平気でも、右手は長年の疲労蓄積で指が拡がらず、親指の伸筋腱が突っ張って指の根元に痛みを感じるのでそれ以外をメニューに加えています。

練習時間も30分では同時並行してステップ3の練習曲をさらうのに時間が足らないので30分を二回休憩を挟んで実施しています。休憩を挟むのは右手の筋肉疲労が半端ではないのでクールダウンする必要があるためです。左手だけならハノンの1番から20番まで連続して弾いても平気なのに。右手は1番だけでギブアップ(´Д`;)

前回紹介した「ピアニストは指先で考える」に出てくる、「ドホナニ」教本の10番を見てみました。



これは大変だわ(´Д`;)

バイエル終わった後の中級段階でメニューに取り入ることに。

寒くなると手が悴むのか、予備練習が終わって最初の曲を弾いた時に、右手の第5指が何故か第4指のポジションを弾いたりする、あり得ない現象が...orz

予備練習の時はちゃんとスケール弾けていたのに、曲になると何故萎縮する?

第4指はどこに行ってしまったのかと(実は第4指が第5指の上に重なった状態になるという悪い癖がある)。

みんなもそうなのかな、ちがうよねきっと。

暖房器具が無いので冬はつらいでちゅ。

今度から録画して指の状態をチェックしないとね。音の方は弾いている最中に自分で悪いところは気がつくので、録音はしなくても出来不出来はわかるけど、後で場所を確認するのに必要な程度かな。


んじゃまた。

.P.S

そういえば書き忘れたけど、「大人のための独習バイエル(上)」の練習曲はやたらスラーが多いし、基本レガートで弾かなければならないので大変だよね。

そこで疑問として未だに残っているのが、フレーズの中で同音を連続して弾くところがあるけど、そこが難しいのよね。同じ鍵盤を二回続けて鳴らすには一度鍵盤を元に戻してからでないと弾けないし(ダブルエスケープメントのあるグランドピアノは別)元に戻すとダンパーが音を切ってしまうのでレガートでなくなるという矛盾。

今は可能な限り音が切れる時間を短くするために、手首と腕でクレーンの様に指で鍵盤を押さえた状態で上に上げて音が切れるや否や鍵盤を押し下げるように下に下ろすという方法を使っています。

それが正しいのかどうか謎。

検索して調べてもその点については誰も完全にスルーなのよね。

たぶん先生に習っていればこっそり直伝されるのかもしれないけどね。

下巻とかチェルニー本とかでは同音連打のある練習曲があって、異なる指で交互に同じ鍵盤を弾くということが説明されているけど、今の段階ではそこまでする必要が無いから上巻では何も記載はないのかと。

フレーズ内ならまだしも、前のフレーズの最後の音と、次のフレーズの最初の音が同音階だとまた難しい問題が。息継ぎで前のフレーズの最後の音を早めに切るにしても、次のフレーズの出だしが拍と微妙にずれてしまうのよね。それならまだ続けてレガートで弾いた方がましに聞こえます。ということだと譜面に忠実ではないことになるし。

もう少し仕上げに時間をかけないとだめなのかも。







webadm
投稿日時: 2016-12-24 1:25
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登録日: 2004-11-7
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投稿: 3068
Re: ピアノ教本
練習開始から3ヶ月が過ぎようとしている。

ようやく「大人のための独習バイエル(上)」が易しく弾けるようになってきた。

それと「大人のための独習バイエル(下)」に移ったのだけれども、最初の練習曲44番というのが、またしても予備練習的な譜面なのに驚いた、まるでここから新しい教則本の内容が始めるように見えた。
いろいろ謎の多い教則本である、バイエルというのは。

ところで上巻のステップ1は予備練習的な譜面なので簡単だし仕上げもくそもないのだけど、ステップ2から練習曲ものが1ダースほどある。

最初は以前に書いたように、レガートで弾かないとつまんない曲とばかり思っていたけど、ある日飽き飽きしてデジタルピアノの音源をグランドピアノ以外に変えて弾いて遊んでみた。

ピアノ系の音の減衰の早い音源では印象はまったく変わらないのだが、減衰が基本的に無いオルガンやストリングスで弾いたら印象がまるで変わった。

特にストリングス音源で弾くと、それはまるで弦楽四重奏用の練習曲であるかのような響きに聞こえてくる。いやマジでこれは元々はピアノ用に作曲された曲じゃないと思えるほど素敵な旋律に聞こえた。

それで解ったことは、つまんない曲と思ったのは自分の想像力のなさ過ぎが原因で、曲そのものに原因があるわけではなかったのである。

以前ピアノ教本とかバイエルとか検索した頃に、バイエルを研究しきた先生が、バイエルは若い頃に作曲家を夢見て各地に演奏旅行をして歩いたことがあると書いていたのを思い出した。

もしかしたらバイエル教則本の曲はその頃やそれ以降にバイエルが大作曲を目指して作曲した習作の断片をピアノ用に編曲したものではないだろうかと思った。

バイエル自身は作曲家の夢を断念して、当時需要が急増していた人気歌曲を易しくピアノ曲に編曲するとかの編曲者として多忙を極め裕福な暮らしをしていたらしい。

そうしたバイエル研究の成果が世に出たのは極めて最近の事で、それまで100年以上日本でピアノ教本の定番として使われてきたのに、実は誰もその素性をとことん探求していなかったというのが本当のところ。

さっそく前々から検索するたびに出てきた、以下の歴史的な本を購入して読み出したのは言うまでもない。



過去に日本でも数多くの先生がバイエルの原点を探そうと試みたものの、社会が急速に変化してしまった影響でバイエルの足跡自身もまったく失われてしまったかのような結果しか得られなかったと思われる。

著者も当初はほとんどこれと言った成果も得られずこれまでのように頓挫するかとあきらめかけたそのときに一連の奇跡が続けざまに起こり、まるで100年以上前に没したバイエルがあの世から導いているかのように、次々と新発見に出会う次第は読んでいて息を飲むし興奮する。

バイエルその人自身が実在したどうかも疑わしかった調査当初から一転したのは、死亡記録を探す際に必要な生年を職員から訪ねられた際に既に知られていた生年ではなく、とっさに間違えて言ってしまった生年が実は正しくて記録に残っているのと偶然一致、間違えて言っていなければ見つからなかっただろうというエピソードがなにやら神がかっている。バイエルがあの世から先生の口を借りて本当の成年を職員に伝えたとしか思えない。


著者はインターネットの時代の利点を最大限に利用して、各国の図書館の目録を検索したりして調査のポイントを絞っているが、基本は現地に行って現物や現場を見てくるというオーソドックスな研究姿勢だが、現地に赴くことによって思いがけない運や奇跡に巡り会えるチャンスがあるということを物語っている。

それによってバイエルが実在した人物であり、生前から需要が急増していた、今で言う軽音楽やポピュラー音楽を愛好するアマチュア向けに易しい流行曲のピアノ編曲を多数書いた流行編曲者だったことが明らかになった。

またそうした職業に就く前の経歴も明らかになり、母方が教会のオルガニストや音楽教師の家系で職人である父親の意思もあって聖職者になるべく大学に進み、そこで合唱隊員になることで音楽家の道に目覚め、父親の死を区切りに音楽を大学で専門に学ぶようになったことなど。

バイエルが家族と暮らしていた頃のことは何も知る手がかりは無いものの、音楽家を目指す素養は既に幼少期に母親からオルガンの手ほどきを受けていたことは想像に難くない。母親は教会のオルガニストであった父親(バイエルの祖父にあたる)から同様にオルガンの手ほどきを受け、父親に変わって教会でオルガンで伴奏することもあったほどというから疑いない。

そうした材料がそろって、著者のバイエル教本に対する思いは頂点に達する。

詳しくは「バイエルの謎」安田寛著を読んで頂きたい。

バイエル教則本に対する認識が一変することは請け合い。

そういえば、著者は序盤で、バイエルの伝記風の以下の漫画本を手にして読んでいる。藁をも掴むという感じだったのだろう。漫画は日本の文化だし、漫画だからといってバイエル研究に関する本を無視するわけにもいかないだろう。



実はこの漫画は目次にも書いてある通り、まったくの創作でありフィクションである。

しかしながら、最後に書かれている原作者である作曲家、芦猴枡鷸瓩硫鮴癲屬母様へ」を見ると、原作の意図はバイエル教本の意図と寸分違わないものであり、「バイエルの謎」の安田寛氏のバイエル観やバイエル教本観とも矛盾しないものであることを確認できる。

ところで「バイエルの謎」の中では、バイエル教本の初版本を探す試みはハリケーンでそれとおぼしき本が所蔵されている北米の図書館が水没するなどのアクシデントに見舞われ、ついぞ初版本と言えるものには遭遇できなかったことが書かれている。

それには後日談があって、実はショパンの運指研究で知られているの日本人の研究家が偶然にもインターネットで海外の古本屋からバイエルの初版本に限りなく近いものを手に入れていて、安田氏の元に携えてきたというエピソードが「文庫版あとがき」には書かれている。

そして最も古く初版本に近い版を手に入れた研究者とともに編纂したのが、以下の本で、その最も古いバイエル初版本の全ページを本体として、興味ぶかいその研究結果が添えられている。

驚くべきことに、調査の過程で、安田氏も発見する機会を得られなかった、シュット社の資料庫にあったバイエル教則本のバイエル自身による自筆譜が発見され、それが数ある初版本やその後出版されたバイエル教則本の各版の比較研究に重要な役割を果たすことになった。



この本は大判で、それもそのはず、バイエル教則本の最も古い初版本がそのまま納められているからである。

バイエル教則本のシュット社から出版された原典の巻頭には以下の様な前書きとイラストがあしらわれている。



シュット社の出版記録によると、バイエル教則本は各国で販売され当時同社が出版していたモーツアルトの曲集と比べて桁違いに多い出版数だったことが明らかにされている。

増刷の度に、活版の一部が摩滅してしまうので、そのたびに作り替えることになり内容が次第に変わっていったのは言うまでもない。

上の銅販画であるイラストも増刷の度に新たに作成され直すので、微妙に絵のタッチが変わっていたり、時代によってはグランドピアノではなく一般的なアップライトピアノになっているものも存在するらしい。

それと日本国内のバイエル教則本の原本になっているのが、この本でペータース版と呼ばれるもので、最も多くの校訂が施された版でもある。そのため手元の「大人のための独習バイエル(上)」でもやたらに目に付くようにフレージングスラーが多いのが特徴。バイエル自筆譜にはそうしたフレージングスラーは無く、弦楽器特有のボーイングスラーが見られる程度であることも本書に書かれている調査結果から明らかになる。

ピアノ演奏では原典回帰が基本であるのに対して、バイエル教則本では著しい校訂へ回帰する逆行現象となっているというのも本書で指摘されている点である。

バイエル自筆譜が発見されたことによって、初版本やその後の様々な版に継承された初版本の誤りが明らかになったこともあって、今一度見直すべき時が来たのかもしれない。

個人的にはバイエル自筆譜でのスラーがボーイングスラーだけしか使用されていないという点に注目している。それは元々ピアノ向けに書かれた曲ではなく、バイオリンなどの弦楽器やシンフォニー向けに書かれたものだったのではないだろうかという持論が信憑性を帯びてくる点が興味ぶかい。

「大人のための独習バイエル(上)」には特に演奏方法に関しては何も書かれていないが、易しく弾けるようになったので、ペダルを使ったりして可能な限り開放弦の響きを得るようにすると、まったくつまらないとは決して言えない代物になる。もちろん音が濁ってしまう部分ではペダルは上げておくのは言うまでもなく。

ペダルは和音とか3度以上のインターバルのある重音の場合には積極的に使い、2度以下のインターバルしか無い音程の変化の時には使わないようにするだけでかなり響きが得られる。結構使い分けをリアルタイムに切り替える必要があるので練習と慣れとコツが要る。

Youtubeでいろんなピアノの先生がペダルの使い方を紹介しているビデオが見ることができる。








それに比べてデジタルピアノで音源をストリングスにすると、タッチによって音の増減は依然として可能で、苦労しなくてもレガートになるので想像力のなさを補ってバイエルが作曲した当時の曲想を追体験することが出来る、おすすめである。

思うに、バイエルという人は、今では当たり前になったピアノ好きなアマチュア演奏家向けの雑誌や譜面集向けに易しいアレンジに編曲する需要をいち早く察知してそれを本業にした人で、シュット社は今も現存するけど、インターネット時代で言えば、様々なピアノ習熟度向けにアレンジ編曲を提供する「ぷりんと楽譜」みたいな事業を当時先駆けてやっていたとも考えられる。

当時は一般民衆受けする曲を書いたり、大曲を易しく編曲して大衆に提供するなんてことは音楽家の風上にも置けないという風潮だったようで、今日でも巨匠の大曲や有名曲を易しくアレンジして編曲するということは、オリジナルにあるものの一部を取り除く行為になるのであまり良く思われない。ショパンですら、リストが自分の曲に勝手に装飾や音を加えて演奏するのを聞いて顔を真っ赤にして怒ったというぐらいだから、加えることも省くことも原則的には許されない行為というのには変わりない(それをするのがまた巨匠であれば話は別だが)。

また持論になるけど、既に当時編曲者として生計が成り立っていたバイエルにとって、更に安定した将来を約束するには、シュット社から出している自身のアレンジ曲集が売れ続けることが必要。それにはもっとアマチュアの演奏家の層を広げる必要がある。当時既にあったピアノ教則本はテクニック習得の基礎練習内容に終始していて、素人にはつまらないものだった。そこで弾けるようになると良いなと思える易しい練習曲を用意して、それが弾けるように段階的に難しい曲を並べていくという今では当たりまえの初心者向けピアノ教則本を編纂したのがバイエルその人だったということに。その思惑は当たって世界中に出版され、遂に日本に伝来して今日に至るわけである。

バイエルという人は自身の編曲による人気アレンジ譜を出版するシュット社の株式を保有し株の配当も新たな株購入に回すなど、事業に熱心だった。今日では軽音楽やポピュラー曲など大衆受けし、覚えやすい、歌いやすい、演奏しやすい音楽が大半を占めていて、クラッシックの大曲とかは敬遠される時代だけど、ある意味そうした時代が来ることをバイエル自身は予感していたのではないだろうかと思える。

そういう意味で、その後出版され今でも出版されている定番ピアノ教則本はどれもバイエルのスタイル(弾けるといいな的な易しい練習曲集と予備練習譜)を踏襲している。本格的にクラッシックの演奏家を目指すなら軽音楽とかポピュラーの様な素人受けする覚えやすい作り易い曲ではなく、巨匠の書いた大曲や難曲を数多く弾くことを目指すべきだというのはあるだろう。

練習が目的になってしまわないようにしないと、プロの演奏家にはなれない。だからといって最初からリストやショパンの難曲を弾けるように目指すのは無理がある。難易度の低い名曲から始めるのが良いだろうけど、それとてもっと易しい曲から始めないとだめだろう普通は。

そうすると誰しも軽音楽的なポピュラー的な平易な曲から弾き始めることになるわけで、行き着く先が軽音楽やポピュラーで終わるのか、クラッシックの大曲や難曲に行き着くかの違い。後者は音楽家として必要な知識も格段に多くなる。

もちろん大は小を兼ねるで、クラッシックの大曲を分析し理解し独自の表現力を発揮できるだけの知識と能力をもってすれば、もっと易しく小規模な作りの軽音楽やポピュラー曲を演奏して人を感動させることも容易だろう。

それには小さい頃から始めないと時間は無いし、体力も持たないだろう。

既に右手が長年の疲労でやせ細った指の屈筋腱が切れそうなのでセーブしつつ、上を目指そうと思う。右手が使えなくなったら、左手だけでも続けるつもり。

楽典に関してはずっと若い頃に勉強した知識があるので、ほとんど勉強していなかった和声についても勉強するつもり。

和声の参考書を買って開いてみたら、題材がバイエル教則本からの曲だらけだったので偶然すぎて笑ってしまった。

んじゃまた。


webadm
投稿日時: 2016-12-25 22:23
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登録日: 2004-11-7
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投稿: 3068
Re: ピアノ教本
ふう、連休中は天気が良いね( ´∀`)

練習を重ねるうちに、楽譜の音程がピアノの鍵盤のどの位置にあるかというのが直感的に解るようになって譜読みがだいぶ早くなった気がするよね。それと以前こっそり購入してある弾きたい名曲の楽譜とかを読んでも昔はどうやっても弾けそうになかったのが、今は少しだけ指で追えるようになり、ああ、こんな感じだったよねと解るようになって感激しています。弾けるようになるにはもうちょい辛抱だけどね。

プロのピアニストが自分で譜読み紹介するビデオがYoutubeに上がっているのを見たことがあるけど、目は譜面から一時も離さずに、手は譜面の音を即座に打っているのが印象的だったよね。みんなも早くそうなれるようになるといいね。



練習時間が十分とれたので、「大人のための独習バイエル(下)」のステップ1の44番から58番+成果確認曲まで譜読み完了。



あとは毎日一回メドレーで弾いてチェックしていくだけ。

曲数が15曲もあるので、一回弾くだけで練習時間が終わってしまいます。なので真剣勝負。

ようやくポジション移動しない静かな手からポジション移動のある自由な手の練習になります。これで全音域が演奏可能になるので重要なステップ。

既に毎日の基礎練習で「Pianoprima Exercise」のメニューでハノンの様な周期的なポジション移動とかは馴れて身についているのですが、オクターブ離れた音をたたくのは大変。

特に今右手の親指の屈筋腱が炎症を起こしているので、指くぐりとかオクターブとかやると痛むのです。

指の骨に近い部分が炎症を起こしているので、安静にして刺激しないようにすれば自然に治るはず。腱の炎症はそれでも収まるまで期間がかかるのでそれまでは痛まない範囲で練習。

年取ってからピアノ始めると長い間使ってきた利き手が馴れない動きに悲鳴を上げるというリスクがあるよね。利き手の寿命を縮めかねないので注意が必要。

それと普段痛まない両手の小指の腱が痛むのに先日気づきました。良く見てみると、伸筋腱が脱臼しているのは一カ所だけじゃなくて、細い方の腱も第二関節のところで両手とも脱臼しているのを発見(先天性)。こちらは腱が細いので、関節の斜面から滑り落ちる時に心なしかポンと音が鳴っているように感じられます。

あまり小指を屈伸しなければ平気なのですが、先日小指を屈伸して弾いていたのが細い腱が痛み出した原因だと思われます。気をつけないとね。

ところでどんな練習メニューもさらりと一発で通す優秀な左手くんですが、弾いているところ横目で見るとどうも柔軟過ぎてフニャフニャだということが判明。

まずもって鍵盤を押すと指の先が弓のように曲がって関節が凹みます。

それだけでなく、丈夫なはずの中指とかは押している間に横向いたり傾いたりして安定していません。

長年あまり使っていなかったので手の筋力が弱いのでした。幼児の手と変わりない感じ。

そういうときにはハノンで鍛えるのが良いよね。

一応ハノンも以前20番まで譜読みを終わっているので、通しで弾けるのですが、以前書いたように20番だけはそれ以前のとまるで違っています。

よくよく見るとハノンの20番はオクターブのアルペジオのポジション移動がメインだということがわかります。

なのでアルペジオの部分だけ先に練習すればあとはそのポジションでの残りのパッセージを加えるだけの簡単な練習になります。

以前1番についてポジション移動の予備練習譜を紹介したけど、今度は20番のアルペジオのポジション移動の予備練習譜を紹介します。



PDFファイルはこちら

Pre exercise for Hanon No 20

Lilypondのソースはこちら

Pre exercise of Hanon No 20 Lilypond source

演奏MIDデータはこちら

Pre exercise for Hanon No 20 MIDI data

アルペジオ(arpeggio)は元々はハープ(Harp)の様に弾くという意味なので、これを実際に弾くとそれだけでハープを演奏している感じがして良いよね。

小指と親指の間を無理にオクターブ広げようとしないで、手と腕と肘と肩を柔軟にして弾く指先が鍵盤と並行になるように肘から指先へ向かう直線を傾け順番に弾いていけばいいのです。

無理に広げたまま伸筋腱が緊張した状態のままや、肘を固定して手首から先だけ傾けて弾くと腱鞘炎になるので要注意。

指くぐりが出てくる前に右手の屈筋腱の炎症が治まるといいな。

んじゃまた。

P.S

最初オクターブのアルペジオの弾き方を間違えていたので訂正しました。

鍵盤を押さえる時に肘から指先へ向かう直線が鍵盤と並行になるようにするのが良くて、手首から先だけ傾けるのはNGでした。

どうりで翌朝手首に違和感が出たわけです。

馴れてくれば隣の鍵盤に触れずに斜め方向からも弾けるようになると思うけどそれまでの辛抱だよね。
webadm
投稿日時: 2017-1-3 4:45
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
Re: ピアノ教本
ふう、年が明けて部屋の整理も一段落してPCの前もだいぶ片付いた。

天気が良いお陰で連休中も毎日規正しい毎日。

時間があるので、ついつい練習に没頭して、食事も忘れてしまうほど。

昨年末の続きで「大人のための独習バイエル(下)」の最初のステップ1の十数曲を平行して仕上げていました。

最初はどうなるかと不安でしたが、一週間もすれば大部分は易しく弾ける感触が出てきました。

今回も難所だけ先に個別練習して一日一回だけ通しで弾くというのを十数曲並行してやったわけですが、以前には経験しなかったようなアクシデントに見舞われました。

予め譜読みの段階や運指の確認段階で難しい部分が判明するので、その箇所だけは強い意志を持って弾かないといけないので下の写真の様に楽譜に書き込みをしています。



書き込みが無いところは運指の確認段階で特に難しさを感じなかったところ。

上の写真だと、易しい部分と異なるパターンの小節が6カ所あって、どれも微妙にパターンが違います。

困ってしまったのは、運指の確認段階で良く譜面を読んでいなくて、その中の一小節を間違って弾いていたのにしばらく気づかなかったことです。

こういうのは誰かにしっかりチェックして聞いてもらわないとわからないところだよね。自分では正しいし、耳障りも悪くないけど、譜面に書いてあるのとは明らかに違う間違った弾き方。

耳障りなミスタッチならすぐわかるけど、重音のペアは一つだけではないから、それ以外でも案外聞けてしまうのよね。

気づいた時には指がそれをしっかり覚えてしまっていて、かなり強い意志で指をコントロールしないと、無意識のうちに間違って覚えた方の弾き方が出てしまい難儀しました。

原因は読み間違い以外にもあって、他の易しい左手のアルベルティバスのパッセージでも同じ間違いが不意に出ることがあります。

どうやら譜面で出てくる音符が最初左手の5指で始まるので、本当は次は5度高い1指を押すべきところを、何故か3指が無意識のうちに出てしまう癖があるようでした。

楽譜は高い音は上、低い音は下ですが、鍵盤上は高い音は右、低い音は左と90度回転した向きになっているので、そこは頭で変換してやらないといけないのですが、譜面を目で見ることができるのが災いして錯覚もしくは混乱している時があるようです。

結局のところ、譜面に頼らず自分の意思で指をコントロールするしかないので、難所に関してはそこだけ暗譜して通しで弾く時にはその部分は目をつぶって自分の意思で弾くようにすることで解消することができました。

譜読みの際の運指確認はもっと慎重にすべきだと反省。それに右手や左手片方でさらう分には、どれも易しい短い曲にしか感じられないのですが、両手を合わせるととたんに合わなくなるのはいつものお約束。

小節数の多い曲になると、後半でテンポが速くなるので対策として拍間隔を失わないように表拍に関して譜面にマークを入れて心持ちアクセントを置くようにしています。まあこれは暗黙のお約束なので書く必要も無いことなんだけどね。

最初はゆっくりで通しで易しく弾けるようになると、自然に少し早いテンポでも弾けるようになるので指定のテンポ範囲内になれば仕上がりかな。

一部の曲にはデュナミークが記載されているのでそれも仕上げないと。

ポジション移動が加わると、だいぶピアノ曲らしさが出てくるよね。一部の曲はポジション移動が無いけど、それはそれで難所があったりします。

明らかに曲として舞曲が多く(3拍子や6拍子)、どっかで他の名曲で聞いたような部分もあるのがわかります。

部屋を掃除している間に Youtube で見つけたリストのハンガリアン協奏曲集全曲をBGMしていたら、有名な2番以外の初めて聞く番号の曲にムソルグスキーの展覧会の絵とそっくりなフレーズが出てきてびっくりした。展覧会の絵はムソルグスキーの死後でリストがその曲を聞いたはずもなく謎である。


さて、以前いろいろ本を読んだ中で紹介していなかったものを取り上げることにします。

「ピアノと向き合う」奥千絵子 著



この本が想定している読者の範囲は広く、初心者からピアノを教える先生に至るまで対象が広い。

前半の基礎的な事柄に関しては大人の導入レベルの人は読んでおいたほうがいい感じ。

後半はだんだんと対象となる読者のピアノ習熟レベルが上がっていくので、それなりの予備知識が必要な感じ。

そういえば、以前書いた、左手が演奏中に寝てしまう問題に関しても、この本ではその点を写真入りでわかりやすく説明されている。

でどうやって直せばいいかというのは、実はあまり具体的でなかったりする。

結局のところその後いろいろ別の用件でピアノに関する検索をしていろいろなピアノの先生のサイトに書いてある心得や書き物を読むなかで発見したのが、肩の肩甲骨と胸の鎖骨の状態との因果関係。

つまり猫背気味になると、背中の肩の骨である肩甲骨の間が開いてしまい、胸が狭まるので前面にある鎖骨が浮き出てしまう状態になります。

そうすると何故か手が小指側に傾いてしまうのです。

もちろん意識して手を親指側に戻すようにすればいいのですが、ずっと意識しているわけにもいかず、やっぱり気づくと元の木阿弥ということに。

もうひとつ後で紹介する本で知ったのは、指先で鍵盤に当たる指の面を心持ち親指側の方が接するように意識して弾くと、自然と手は親指側に回転して寝ていた指が立ってくるのも確認できました。

しかしこれとて意識するのをやめると元の木阿弥。

やはり根本原因は胸が開いていない肩が縮こまっているということにあるので、練習を始める前とかに意識して肩甲骨の間を締めて、片手でそれぞれ鎖骨が上に浮き出ていないか確認しながら肩の骨を回して調整するようにすると姿勢も正され、不思議と練習成果もはかどるようになりました。

指が小指側に寝てしまう人は姿勢(肩の状態)をチェックしてみるといいかも。

さて、次に紹介するのは異色な本

「挑戦するピアニスト」金子一郎 著



これまで紹介したピアノの本はいずれもプロのピアニストが書いた本でしたが、こちらはセミプロ級の腕前ですが、あくまで職業は一般の高校の数学の先生という方。

副題に独学の流儀とありますが、著者自身はプロのピアニストと同じように幼少の頃からレッスンを受け、それなりの才能の人ですが、音大へは進学せずに普通の大学へ進学する道を選んだのが違うところ。

大学でもアマチュアのピアニストのサークルに参加して好きな曲を弾くという時間を過ごしていたのですが、サークル仲間に恵まれ、その演奏スタイルが有名なピアニストにそっくりだということを指摘され、練習方法もプロのピアニストの演奏音源を聞いてそれを手本にするというアマチュアならではの練習方法だったことに問題があることに自ら気づいたのが転機のきっかけだったようです。

普通なら誰かの演奏の模倣で一生いいじゃないかと思うのですが、著者はプロのピアニストがするのと同じように、誰かの模倣ではなく、自分で曲を分析し解釈した上でそれを表現する方法をゼロから身につけるという決断をしたのでした。

その結果は、前半の最後に書かれているように、ピアニストの生命ともなる指の腱が断裂するなどの危機を乗り越えて、見事PTNAのコンクールで好成績を収め、優勝まで頂くという高い評価を獲得したのでした。それも本業の学校の先生の多忙な状況でそれを成し遂げたのです。

後半は、そうして身につけた曲の分析方法や表現技法に関して、プロのピアニストは皆それぞれの方法を持っていて実践しているけど、本に書いたりすることは滅多にない内容を詳細かつ理論的に解説しています。

曲の分析はアナリーゼと呼ばれ、それに関する専門書も書かれていますが、非常に広範囲でソロ曲だけではなく交響曲なども扱われていて実践向きな本は少なかったりします。

アマチュアがアナリーゼを実践するのは、それが演奏に直結する結果を得るためであるため、あくまで演奏上の正しい解釈と表現手段を選択するための根拠とならねばなりません。

そうした点も含めて、実践的なピアノソロ曲の分析や演奏方法に関して理論立てて具体例がいくつも解説されています。

著者は現在のPTNAのホームページに曲の分析に関する連載を執筆しており、そのレベルの高さは誰しも認めているものです。

前半はドキュメンタリータッチですが、後半はピアノ曲の分析から演奏方法の考察に関する理論的な内容なので、当たり前の様に楽典の知識があることが前提となります。

楽典の知識はまったく無いとちんぷんかんぷんかもしれない後半は、それでも足らない知識や知らないと恥ずかしい用語が何かが、ぽんぽん出てくるので、それを契機に楽典を少し勉強してみる機会にするのもいいかもしれません。

自分でも楽典は若い時に独学して身につけていたのですが、意図的にスキップした部分(曲形式とか)があるので、知らないことがあることを気づかされました。

最近は易しい楽典の解説書とかがいろいろ出版されているので、知りたいところだけまずはおさらいするのがいいのかも。

さて、バイエルもようやくピアノ曲らしい曲が出てくる60番以降に進めそうです。そこらあたりで挫折する人が多いらしいので自分もそうならないとは限らないので用心用心。

んじゃまた

.P.S

そういえば「ピアノと向き合う」本の写真にある帯に、"レスナー、先生、愛好家"という言葉が並んでいるけど、レスナーというのは聞き慣れない言葉。

手元の英英辞書にも Lesson は載っているけど Lessoner という単語は載っていないから最近出来たのか、それとも和製英語なのか。

インターネットで検索しても、ヒットするのはプロレスラーの名前がほとんどだし。

train の場合には trainer と trainee の派生語があって、前者は訓練を授ける人、後者は訓練を受ける人。

同じ理屈から言うと、lessoner はレッスンを授ける人になるけど、それは先生というのとだぶる。

そうするとレッスンを受ける人をレスナーというのかな。どうやらそうらしい。アマゾンとかのピアノ教本のレビューとか見ると、レスナーをピアノの練習生という意味で明らかに使っていることからすると、常識なのかな。

それとはまったく逆の意味で使っている、いろいろ教える人としか職業欄に書いていない方のブログで自身をレスナーと書いているのを発見。

どうやら学芸界隈ではレスナーはレッスンを授ける側という意味で使用しているのが大多数で、音楽学校にはレスナー推薦枠というのが入試にあるし、ピアノ教師のコミュニティーや楽器店とかではレスナー宅紹介という内容で個人の先生の教室(お住まい)のピアノや楽器が鎮座している写真が沢山紹介されていました。

十中八九、たぶん教える側を指すんだと思うけど、先の本の帯にある先生とレスナーとの間で何か明確な区別があるのかな?

それとも出版社の帯制作担当者が意味を誤解してレスナー=生徒という解釈で、勝手に帯文を書いたぽい感じ。

どうも和製英語な気がぷんぷんするけどね。



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