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webadm | 投稿日時: 2007-9-9 0:30 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
Re: おジャンクなHP8656B このHP8656BはHP8640Bのような古い時代のシグナルジェネレーターよりも進化している点がある。
HP8640Bはキャビティチューンオシレーターの出力を分周しLPFを通すことによって低い周波数帯域までの出力を得ているが、これだと周波数レンジが低くなるにつれ分周段数が多くなるのでその遅延段数に比例してジッターが増加するという欠点があった。 HP8656Bはキャビティチューンオシレーターの代わりに同等の信号純度を持つVCOを使い一番高い周波数レンジはその出力をそのまま使用し、更に低い周波数レンジはそれを2分周、次ぎに低いレンジは4分周というのはHP8640Bと同じだが、それ以下は分周ではなく周波数変換(ヘテロダイン)方式で得ているのが改良されている点である。これによって低い周波数レンジでも分周によるジッターを押さえることができる。 そのためHP8640Bよりは少し複雑な作りとなっている。反面HP8640Bではディスクリートで組まれていたカウンターやディジタル表示回路がHP8656Bではマイクロプロセッサーとソフトウェアによって大幅に実装密度が高くなり小さな基板一枚とフロントパネル基板だけで済んでしまっている。まさにマイコンとソフトウェアが大きく実装面積を縮小するのに貢献している。この傾向はその後のHPのシグナルジェネレーターに受け継がれている。 逆にHP8640BとHP8656Bで共通の臭いが感じられるのは樹脂を使ったパーツの実装方法である。以前HP8640Bのレンジロータリースイッチの接点が樹脂固定部が破断して脱落しだしたのを修理したことがあるが、それに用いられているスイッチ接点の固定方法がHP8656Bでも似たような形で受け継がれている。キースイッチパーツを基板に固定する際にやはり樹脂の突起部を基板の穴に通して基板の裏側でコテで熱して樹脂突起の先端をリベットの様に潰して固定するという方法がとられている。これが衝撃や経年変化によって容易にスイッチが基板から脱落するという欠点も受け継いでしまっている。現在のタクトスイッチのようにしっかりとした金属リード足を基板に半田付けする方法をとっていれば多少の衝撃や経年変化によってスイッチが剥がれ落ちるということは無かったと思われる。その後のHPのシグナルジェネレーターでも同じ設計がされているかは知らない。 |
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