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webadm | 投稿日時: 2008-5-30 23:21 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3082 |
Wandel & Goltermann DA-30C Wandel & Goltermannのプロトコルアナライザーを買ってしまった。
電話網のデジタル化や総合デジタル網(ISDN)が出始めた頃には定番の測定器メーカーのひとつだった。世界中の電話中継網がディジタル化していった時代にこれらのプロトコルアナライザーは必携機器で高額でも飛ぶように売れた。当初は電話会社やその下請けメーカーやサービス業者向け需用の交換網用から出発し、ISDNの普及によってISDN対応ユーザー機器(ISDNターミナルアダプタやISDNルーター)それにフレームリレーサービスの開始でフレームリレー用ルーター開発メーカーにも需用が広がった。 DA-30CはW&Gのフラグシップ製品の当時最新型だった。 競合は数社あったがW&Gのものは定評があった。どれも高額で標準構成でも500万円はくだらなかったと記憶している。 その後世界は電話網のデジタル化需用は下火になると同時に無線デジタル電話器やセルラー電話機の登場で一気にワイヤレスデジタル通信の時代に突入し、これらの有線ディジタル通信用機器はさっぱり売れなくなった。もう博物館入りしても良いぐらいかもしれない。 昔から時々見かけてはいたものの、今回はちょうど欲しかったISDNとEthernetの両方がアナライズ出来る仕様のものだったので即決。 といっても出品者の説明には動くとも動かないとも書いてなく、ディスプレイ部分の写真も無い。ジャンク品として覚悟の上落札。 届いてみたら予想していたよりもコンパクトで軽かった。筐体が頑丈そうなので鉄板で出来ていると思いきや強度の強い工業用プラスチックのようだった。構造的な堅牢正は内部の金属フレーム構造で保っているようだった。 背面を見ると基本のアナライザーモジュールが2つと、ISDN基本インタフェースと一次群インタフェース(フレームリレーインタフェースと兼用)それにEthernetインタフェースが実装されている。 早速電源を入れてみたら、ハードディスクのアクセス音はするのだがフロントのディスプレイには何も表示されない。やはり壊れていたか...と諦めて内部を覗いてみようと分解し始めたものの外装ケースを取り外すのが面倒なので中断。再度電源を入れてみたら、今度は初めてフロッピーディスクのシーク音がしてディスプレイにBIOSの表示するテキストが現れた。生きてた(´ー` ) DOSとWindowsの選択を求められたのでデフォルトのWindowsを立ち上げてみた。するとWindows 3.1か3.1WG版とおぼしき感じの忘れかけていたGUIが現れた。古い。設計は1995年以前だと思われる。 どうやらWindows上で出来るのはEthernetインタフェースを使用したキャプチャとアナライズだけの模様。ISDNインタフェースを使うにはDOS版を立ち上げないといけないらしいことが判明。 リセットして今度はDOSを立ち上げるように選択するとそれらしきアプリケーション選択メニューが現れた。 最も新しい日付のものは2000年にリリースされているので、8年前は現役だったことを示している。外観の綺麗さや汚れの少なさから大分新しい個体ということがわかる。 最新のアプリケーションではEthernetとISDNの両方をモニターし、ISDN上のTCP/IP over PPPを解析出来、同時にEthernet上のTCP/IPも解析できるという優れもの。おそらくISDNルーターとかに好都合な構成だろう。またフレームリレーとEthernetを同時解析するアプリケーションもあり、こちらはフレームリレールーター用だと思われる。それ以前の古いアプリケーションは単独の解析機能だったりする。しかし2000年にこういう機能が提供されてももう時既に遅かったような感じがする。国内では2000年頃既にISDNブームは下火でADSLの戦国時代に突入していた。近年はもっぱら光。 そういう理由から開発されたものの売れず、使われずに残ってしまった可哀想な個体なのかもしれない。歴史の証人とも言える。 Ethernetモニター機能は今でもADSLモデムとファイヤーウォールルーター間をモニターしたりするのに使えるかもしれない。どっからか攻撃を受けている時にその様子を確認することも出来る。 |
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