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webadm | 投稿日時: 2009-8-25 21:34 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3084 |
【26】方形波のFourier級数展開 次ぎは以下のような位相がずれて直流バイアスがかかった方形波のFourier級数展開問題
著者と同じやりかたではつまらないので別のやりかたで解いてみよう。 波形を式で表すと e(t)=(1+a)*A (0≦t≦T/4) =-(1-a)*A (T/4≦t≦3T/4) =(1+a)*A (3T/4≦t≦T) これは偶関数波であるのでFourier級数展開は e(t)=(1/2)b0+Σbn*cos(nωt) (n=1,∞) の形をとるはずである。従って b0=(4/T)∫e(t)dt (0≦t≦T/2) =(4/T)∫(1+a)*Adt (0≦t≦T/4) +(4/T)∫(-(1-a)*A)dt (T/4≦t≦T/2) =(4*(1+a)*A/T)∫dt (0≦t≦T/4) -(4*(1-a)*A/T)∫dt (T/4≦t≦T/2) =(4*(1+a)*A/T)*(T/4)-(4*(1-a)*A/T)*(T/2-T/4) =(1+a)*A-(1-a)*A =2*a*A bn=(4/T)∫e(t)*cos(nωt)dt (0≦t≦T/2) =(4/T)∫(1+a)*A*cos(nωt)dt (0≦t≦T/4) +(4/T)∫(-(1-a)*A)*cos(nωt)dt (T/4≦t≦T/2) =(4*(1+a)*A/T)∫cos(nωt)dt (0≦t≦T/4) -(4*(1-a)*A/T)∫cos(nωt)dt (T/4≦t≦T/2) =(4*(1+a)*A/T)*(sin(nωT/4)/nω -(4*(1-a)*A/T)*(sin(nωT/2)/nω-sin(nωT/4)/nω) ここで T=2π/ω を代入すると =(4*(1+a)*A/(2π/ω))*(sin(nω*(2π/ω)/4)/nω-(4*(1-a)*A/(2π/ω))*(sin(nω*(2π/ω)/2)/nω-sin(nω*(2π/ω)/4)/nω) =(2*(1+a)*A/π)*sin(nπ/2)/n-(2*(1-a)*A/π)*(sin(nπ)/n-sin(nπ/2)/n) =(2*(1+a)*A/π)*sin(nπ/2)/n+(2*(1-a)*A/π)*sin(nπ/2)/n =(4*A/π)*sin(nπ/2)/n =(4*A/π)*sin((2m+1)π/2)/(2m+1) (m=0,∞) =(4*A/π)*(-1)^m/(2m+1) ということになる。すなわち e(t)=(1/2)*(2*a*A)+Σ((4*A/π)*(-1)^m/(2m+1))*cos((2m+1)ωt) =a*A+(4*A/π)*(cos(ωt)-(1/3)*cos(3ωt)+(1/5)*cos(5ωt)-...) ということになる。プロットしてみると wxplot2d([(4*(cos(5*x)/5-cos(3*x)/3+cos(x)))/%pi+0.75], [x,-2*%pi,2*%pi])$ 著者は波形が以前の問題に出てきた偶関数かつ対称波の方形波の位相がT/4左にずれてかつ直流バイアスがかかったものとして、以前の問題のFourier級数展開の式を流用して手短に導き出している。 P.S 最初波形を偶数波かつ対称波として解いても同じ結果が得られたが、厳密には直流バイアスがかかった波形は対称波の定義を満たさないので誤りであった。訂正して偶数波としてFourier級数展開すると結果的に対称波の性質である奇数次の項だけになる。これは直流バイアスを取り除けば偶数波で対称波であるのだから、当たり前の話である。直流バイアスを加えても基本波や高調波のスペクトルには影響を与えないことが見てとれる。 基本波と高調波のスペクトルに影響を与えるのは繰り返し波形の形そのもののユニークさであることも定性的に見てとれる。ディーティ比を変えるとスペクトル分布が変わるとか、極性や波形の向きを逆にしてもスペクトルの絶対値そのものは変わらず位相だけが変化しそうだというのもなんとなく予測できる。 |
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