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webadm | 投稿日時: 2009-9-9 11:50 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
【45】ひずみ波とLC並列回路 次ぎの問題はひずみ波をLC並列回路に加えた場合のひねった問題。
以下のひずみ波電圧をキャパシタンスCとインダクタンスLを並列に接続した回路に加えCを変化させたところ、電流計Aの最小値がC=0のときの値の1/2になった。第三高調波の基本波に対する割合hはいくらか求めよというもの。 e=√2|E|*(sin(ωt)+h*sin(3ωt)) LC回路に流れる電流の実効値は基本波と高調波のそれぞれの電流の実効値から |I|=sqrt(||I1|^2+|I3|^2) |I1|=|E|/|Z1| =|E|/(1/(ωC-1/ωL)) =|E|*(ωC-1/ωL) |I3|=|E|*h/|Z3| =|E|*h/(1/(3ωC-1/3ωL)) =|E|*h*(3ωC-1/3ωL) |I|=sqrt((|E|*(ωC-1/ωL))^2+(|E|*h*(3ωC-1/3ωL))^2) =|E|*sqrt((ωC-1/ωL)^2+h^2*(3ωC-1/3ωL)^2) =|E|*sqrt(9*(ω^2*C*L-1)^2+h^2*(9*ω^2*C*L-1)^2)/3ωL ということになる。 ここで見かけ上のインピーダンスを|Z|とすると |Z|=|E|/|I|=3ωL/sqrt(9*(ω^2*C*L-1)^2+h^2*(9*ω^2*C*L-1)^2) ということになる。この式の分母をCに関して微分して導関数を求めると d(9*(ω^2*C*L-1)^2+h^2*(9*ω^2*C*L-1)^2)/dC =18*ω^2*L(ω^2*C*L-1)+18*h^2*ω^2*L*(9*ω^2*C*L-1) =18*ω^4*C*L^2-18*ω^2*L+18*9*h^2*ω^4*C*L^2-18*h^2*ω^2*L =18*ω^2*L*(ω^2*C*L-1+9*h^2*ω^2*C*L-h^2) =18*ω^2*L*(ω^2*C*L*(1+9*h^2)-1-h^2) 従って|Z|が極大極小となるのは ω^2*C*L*(1+9*h^2)-1-h^2=0 を満たすCの値をとる場合であるので、これをCに関して解くと C=(1+h^2)/(ω^2*L*(1+9*h^2)) ということになる。 一方題意ではCを変化させて電流を最小値(見かけ上のインピーダンスを最大値)にした場合にC=0の時の電流の半分になったとある。 言い換えればC=0の時とCを変化させて電流を最小限にした場合の見かけ上のインピーダンスの比が1:2になるということである。 C=0の時の見かけ上のインピーダンスは |Z0|=3ωL/sqrt(9*(0-1)^2+h^2*(0-1)^2) =3ωL/sqrt(9+h^2) 電流が最大値を取るときの見かけ上のインピーダンスは |Zmax|=3ωL/sqrt(9*(ω^2*L*(1+h^2)/(ω^2*L*(1+9*h^2))-1)^2+h^2*(9*ω^2*L*(1+h^2)/(ω^2*L*(1+9*h^2))-1)^2) =3ωL/sqrt(9*((1+h^2)/(1+9*h^2)-1)^2+h^2*(9*(1+h^2)/(1+9*h^2)-1)^2) =3ωL*(1+9*h^2)/sqrt(9*(1+h^2-(1+9*h^2))^2+h^2*(9+9*h^2-(1+9*h^2))^2) =3ωL*(1+9*h^2)/sqrt(9*(-8*h^2)^2+h^2*(8)^2) =3ωL*(1+9*h^2)/8*h*sqrt(9*h^2+1) =3ωL*sqrt(1+9*h^2)/8*h ということになる。 ここでC=0の時と電流が最小の時の見かけ上のインピーダンスの比から 2*|Z0|=|Zmax| =2*3ωL/sqrt(9+h^2)=3ωL*sqrt(1+9*h^2)/8*h なる関係が成り立つことになる。これを整理すると 2/sqrt(9+h^2)=sqrt(1+9*h^2)/8*h これをhについて解くと (%i16) factor(2/sqrt(h^2+9)=sqrt(9*h^2+1)/(8*h)); (%o16) 2/sqrt(h^2+9)=sqrt(9*h^2+1)/(8*h) (%i17) %^2; (%o17) 4/(h^2+9)=(9*h^2+1)/(64*h^2) (%i18) solve([%],[h]); (%o18) [h=-sqrt(8*sqrt(13)+29)/sqrt(3),h=sqrt(8*sqrt(13)+29)/sqrt(3),h=-sqrt(29-8*sqrt(13))/sqrt(3),h=sqrt(29-8*sqrt(13))/sqrt(3)] (%i19) float(%), numer; (%o19) [h=-4.391067076224637,h=4.391067076224637,h=-0.22773507729237,h= 0.22773507729237] h=±4.391 h=±0.2277 ということになる。 hの値は正でも負でも成り立つ。また電流の実効値の式ではh^2の項しか無いので実際にはスペクトル(絶対値)が同じであれば題意の条件を満たす。正と負の違いはひずみ波の位相の違いにすぎない。 著者の解法と違う方法を試みようとしたのだが、どうしても電流が最小値になるCの条件を求めないと解けないのでそこは同じことになる。しゃくなので見かけ上のインピーダンスが2倍になるという関係からhを解いてみた。 |
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