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webadm | 投稿日時: 2009-9-12 14:33 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
【49】三相ひずみ波 これ以降いくつか三相ひずみ波の問題が続く。最初の問題は三相ひずみ波交流電源に負荷が接続された回路で二つ相の線電流と相間電圧がひずみ波として与えられていて、残りの相の線電流と相間電圧それに平均電力とそのスペクトルを求めよというもの。
v1=120*sin(ωt)+50*cos(3ωt) v2=80*sin(ωt+30°)+20*sin(3ωt) i1=15*sin(ωt-30°) i2=3*sin(3ωt-45°) こうした回路は三端子網もしくは三端子回路とよばれ、後に学ぶ二端子対で共通帰線があるものと同じである。本来は順序として回路網理論を学んだ後に二端子回路、二端子対回路をまなび最後にひずみ波ということになるのだが、先にひずみ波を学んでしまっているので注意が必要である。 端子間電圧の極性の取り方に注意すると、中間線のない三相交流回路のときのように以下の電圧則と電流則がなりたつ。 v1+v2+v3=0 i1+i2+i3=0 従ってv3,i3は v3=-(v1+v2) =-(120*sin(ωt)+50*cos(3ωt)+80*sin(ωt+30°)+20*sin(3ωt)) =-(120*sin(ωt)+80*(sin(ωt)*cos(30°)+cos(ωt)*sin(30°))+50*cos(3ωt)+20*sin(3ωt)) =-((120+80*cos(30°))*sin(ωt)+80*sin(30°)*cos(ωt)+50*cos(3ωt)+20*sin(3ωt)) 三角関数の合成定理より v3=-(sqrt((120+80*cos(30°)^2+(80*sin(30°))^2)*sin(ωt+atan((80*sin(30°)/(120+80*cos(30°))))+sqrt(20^2+50^2)*sin(3ωt+atan(50/20))) =-(sqrt((120+40*√3)^2+40^2)*sin(ωt+atan(1/(√3+3)))+sqrt(20^2+50^2)*sin(3ωt+atan(5/2)) =-(40*sqrt(6√3+13)*sin(ωt+atan(1/(√3+3)))+10√29*sin(3ωt+atan(5/2)) ということになる。 著者の解のv3の式には誤記があり符号が全体にかかるように括弧があってしかるべきが抜けていたり、高調波の振幅が10√29ではなく10√25と誤っている。 同様に電流も i3=-(i1+i2) =-(15*sin(ωt-30°)+3*sin(3ωt-45°)) ということになる。 一方平均電力は三相交流回路の電力は一相を基準とした他の二相の線との電力の和として求めることができるので、 Pa=(1/T)∫pdt =(1/T)∫(v2*i2-v3*i1)dt =(1/T)∫v2*i2dt-(1/T)∫v3*i1dt =(1/T)*(∫(80*sin(ωt+30°)+20*sin(3ωt))*3*sin(3ωt-45°)dt-∫(-(40*sqrt(6√3+13)*sin(ωt+atan(1/(√3+3)))+10√29*sin(3ωt+atan(5/2)))*15*sin(ωt-30°)dt) =(1/T)(∫20*sin(3ωt)*3*sin(3ωt-45°)dt+∫40*sqrt(6√3+13)*sin(ωt+atan(1/(√3+3)))*15*sin(ωt-30°)dt) =(1/T)(∫60*sin(3ωt)*(sin(3ωt)*cos(45°)-cos(3ωt)*sin(45°))dt+∫(600*sqrt(6√3+13)*(sin(ωt)*cos(atan(1/(√3+3)))+cos(ωt)*sin(atan(1/(√3+3))))*(sin(ωt)*cos(30°)-cos(ωt)*sin(30°))dt) =15√2+450√3+300 =15*(30√3+√2+20) =1100 [W] ということになる。 電力スペクトルは基本波が450√3+300で第三高調波が15√2ということになる 著者はひずみ波電力を基本波、高調波それぞれの電流と電圧の実効値と力率の積の和で表されることを利用して求めている。 |
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