フラット表示 | 前のトピック | 次のトピック |
投稿者 | スレッド |
---|---|
webadm | 投稿日時: 2010-1-8 21:05 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
【4】一端子対回路のインピーダンス関数 次ぎの問題は前問の逆。与えられた一端子対回路に対するインピーダンス関数を求め、その零点と極の位置をs平面上で示し、いずれも右半面内には現れないことを確かめよというもの。
(1)RC直列回路 従ってs=0に極、s=-1/RCに零点を持つことになる。s平面上に示すと 零点、極ともに実軸上で右半面には現れない。 (2)RL直列回路 従って、s=-R/Lに零点、|s|=∞に極を持つことになる。まてよ|s|=∞が極ならばs平面の右半面にも極を持ち得るということになってしまう。 色々な国内の参考書を見てもこの点だけはどれも華麗にスルーしている。 以前にリアクタンス関数で|s|=∞に零点を持つ場合に分子の当該項を取り除いたしたのと同じということを思い出した。同様に|s|=∞に極を持つ場合には分母の当該項を取り除いたのと一緒である。すなわち インピーダンス関数が正実関数であるためには、s平面上の虚軸を除く右半面に極をもってはならない(右半面で正則でなければならない)ためs∞は必然的に虚軸を含む右半面の無限遠点ということになる。s平面上で無限遠点を示すと平面の無限遠点上に無数に存在することになってしまうが、Riemann数球面上で無限遠点は球の頂点の近傍の一点で表される。Riemann数球面はちょうどs平面の原点の上に円球を置いて、無限に広がるs平面上のすべての点を熱収縮シートのように球面を包み込むように写像したものである。そうするとs平面上の無限円転は円球の頂点にすべて集まる。ちょうど南極を中心に地球の球面を平面上に写像したメルカトル図法の地図の北極点と同じである。 (3)LC直列回路 従ってs^2=-1/LCに零点をs=0に極を持つ。 (4)RL並列回路 従ってs=0に零点を、s=-R/Lに極を持つ。 (5)RC並列回路 従って|s|=∞に零点、s=-1/RCに極を持つ。 (6)RLC直列回路 s=0に極を持ち、零点は3つのケースがあり ケース1:ζ>1の場合、零点は負の実数 ケース2:ζ=1の場合、零点は負の実数で重根 ケース3:ζ<1の場合、零点は複素数で共役対 ということになる。それぞれs平面上で表すと ζ>1のケース ζ=1のケース ζ<1のケース ということになる。 (7)RLC並列回路 これはRLC直列回路と逆にs=0に零点、極は3つのケースあり ケース1:ζ>1の場合、極は負の実数 ケース2:ζ=1の場合、極は負の実数で重根 ケース3:ζ<1の場合、極は複素数で共役対 ということになる。それぞれs平面上で表すと ζ>1のケース ζ=1のケース ζ<1のケース ということになる。 (8)RL直列とRC直列の並列回路 従ってs=0と|s|=∞は共に零点でも極でもなく、s=-1/R2C,-R1/Lを零点として持つ。 極はやはり3つのケースにわかれ ケース1:ζ>1の場合、極は負の実数 ケース2:ζ=1の場合、極は負の実数で重根 ケース3:ζ<1の場合、極は複素数で共役対 ということになる。それぞれs平面上で表すと ζ>1のケース ζ=1のケース ζ<1のケース ということになる。 (9)LC直列とLC並列の直列回路 これはリアクタンス関数なので零点と極は虚軸上にのみ交互に現れる。s=0とs^2=-1/L2C2、それに|s|=∞に極を持つ。 零点はs^2=-ωn(ζ±√(ζ^2-1))。ζ>√(ζ^2-1)>0なのでωn(ζ±√(ζ^2-1))が常に正の実数であるため零点は常に虚軸上に現れる。 ということになる。 (10)LC直列の並列回路 これはリアクタンス関数で、s^2=-1/L1C1,-1/L2C2に零点を持ち、s^2=-(C1+C2)/C1C2(L1+L2)に極を持つ。s=0と|s|=∞は共に極である。零点と極はいずれも虚軸上に交互に現れる。 P.S (9)が一番面倒かもしれない。リアクタンス関数なので係数項はすべて正の実数になるのだが式の見た目では負の値を取り得る形式をしているので本当に正の実数なのか確認する必要があった。 (終わり) |
フラット表示 | 前のトピック | 次のトピック |
投稿するにはまず登録を | |