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webadm | 投稿日時: 2010-5-1 9:55 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3082 |
【32】定抵抗回路 長かった一端子対回路の演習問題も残すところあと2つ。最後は定抵抗回路に関する問題のみ。
以下の回路が定抵抗回路になる条件を求めよというもの。 以前に逆回路の問題で同様の回路を見ている。回路図内のRL直列回路とRC直列回路が互いにRに対して逆回路となれば定抵抗回路となる。 従ってRL直列回路のインピーダンスをZ1、RC直列回路のインピーダンスをZ2とすると以下の条件が成り立てば良いことになる。 Z1,Z2はそれぞれ 従って定抵抗回路となるためには が周波数によらず常に満足すればいいのだが、周波数に依存してしまう、orz... だめだこりゃ(;´Д`) もともと回路がどうみても双対になってないし。逆回路を構成するのは無理ぽ。 考え直そう。 とりあえず駆動点インピーダンス関数は ということになり、s1,s3に零点をs2,s4に極を持つ。 既に定抵抗回路の理論で学んだ通り、またLiouvilleの定理にあるようにすべてのsに対して正則で零点も極ももたない関数は唯一定数であるので、以下の様に零点s1,s3と極s2,s4が互いに相殺し合って消失しなければならないことになる。 上記の様に零点と極が互いに相殺し合う条件は、s1=s2かつs3=s4もしくはs1=s4かつs3=s2が成り立つ時で、その場合以下も成り立つことになる s1,s2,s3,s4をそれぞれ代入してみると 従って少なくとも でなければならない。 上記の関係を更に代入すると という必要十分条件が導き出される。これも一種の不定方程式を解く問題である。 これらのことから、回路網理論は数学の代数幾何学と表裏一体であることが判る。いずれ別の機会に代数幾何学を独学したいと思う。この分野に関しては戦後になって日本人数学者がめざましい貢献をしていたのだが工学における重要性が理解されるず、他の先進国に先取りされてしまった感がある。最先端のEDAツールや信号処理や検索エンジンではそれぞれ特有の不定方程式の解を有限時間で求めるためのアルゴリズム開発に数論的代数幾何学の知識が不可欠だからだ。 |
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