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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2012-2-7 6:22
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
断続部のあるRC直列回路
次の問題はRC直列回路だが、断続部を伴ったもの。

下図のように抵抗RとキャパシタンスCの直列回路において、t=0でスイッチS1を閉じて直流電圧Eを加え、T秒後にスイッチS2を閉じて抵抗の1/n(1≦n)を短絡する。このときの電流iを求め図示せよ。ただしキャパシタンスCに初期電荷はなかったものとする。



というもの。

一見簡単そうだが、以前にもRL直列回路で同じような問題があったときに苦労した覚えがある。

単位ステップ関数をU(t)とすれば、以下の関係が成り立つ



問題は方程式が定数係数形ではないという点だ。今までの問題はほとんどといっていいほど定数係数形だったので解くのは簡単だったが、変数係数形の解き方は教わってないぞ。

これをHeavisideオペレータとベクトルで書き直すと



これを演算子法で解くと



ということになる。

今までにも登場した演算子の変換公式の定数が関数に置き換わったところで危うく躓くところだった。



定数係数aが関数a(t)に置き換わったものは公式集や演算子法の本には書いていないと記憶するが今回の問題を解くために考案した。線型作用素自身が関数空間の元でもあるので一般に関数を含んでいて当然なのである。それを扱うには線型代数を関数空間に拡張する必要があるなど高度なので数学専攻か大学院でない限り教わることはない。しかしこれからは常識になるだろう。ここだけの秘密である。

C=E=R=T=1,n=2として電流iをMaximaでプロットしてみると



ということになる。t=Tに電流の不連続点があり、抵抗が小さくなったため時定数が小さくなり充電速度が速くなっているのが見てとれる。

著者の解にあるプロットを良く見比べてみると、著者のはt>Tで傾斜がむしろ緩くなっているように見える。これは計算に基づくプロットではないことを如実に示している。確かにMaxima等の数式処理ソフトがないと、指数関数のグラフを描くのは容易ではない。それにしても重要な特性が誤って描かれているのはだめだろう。

P.S

この問題でも作用素方程式を解く問題に帰着している。演算子法とベクトルのコンビネーションは依然として最強である。下巻で初歩の直流回路の回路解析が連立一次方程式を解く問題に帰着していたのとシームレスにつながる見通しの良い方法である。こうした作用素方程式は物理学、特に量子力学理論で多用されている。
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題名 投稿者 日時
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