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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2012-5-8 8:31
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3080
続:RLC直並列回路
次もRL/RC混成回路の問題

以下のような定常状態にある回路のスイッチをt=0で開いた。流れる電流を求めよ。



というもの。

定常状態なので、Lには電流が流れCには電流が流れていないということになる。つまりLには鎖交磁束がCには電荷が蓄えられた状態で均衡していることになる。

従ってこの問題はLとCに初期エネルギーがそれぞれ蓄えられた状態を初期条件とする初期値問題である。

定常状態でLに流れる電流はE/RLであることは明らか。従ってLに蓄えられている鎖交磁束はL*E/RLということになる。

一方Cの両端の電圧は電流が流れていない状態で電源電圧と均衡しているのでEということになる。従ってCに蓄えられている電荷はC*Eである。

これらを初期条件とすればスイッチを開いた後に残る閉回路内で以下の関係が成り立つ



これをHeaviside演算子とベクトルで書き直すと



これを演算子法で解くと



ということになる。途中の式は長く収まりきれないので省略した。確認するのは読者の課題としよう( ´∀`)

この結果が正しいことは先の積分方程式を両辺微分して得られる連立同次微分方程式を初期値問題として解くことによっても確かめられる。これはMaximaで以下の様に簡単にできる。



はっきり言おう、断続部の無い問題ではMaximaが最強だ(´∀` )

上記は過減衰のケースで臨界減衰の場合には以前の問題のように極限操作によって



ということになる。

残る不足減衰のケースではべき根が純虚数になるので



ということになる。

C=L=E=1,RL=RC=1/2とすると振動的になるのでプロットすると



ということになる。

回路シミュレータで同じ条件でシミュレートした結果も厳密解とよく一致している。



RL=RCだと電流の第二項が消滅してしまうので、RL=1/2,RC=0として第二項が残るようなな回路にすると



ということになる。抵抗値を減らしたので時定数が長くなり静定までに要する時間が長くなり、消費される電力も少なくなるのでより振動的となっている。

よく見ると電流/電荷の零点は常に他方の極大極小点と一致している(sinとcosの関係だから当然)。電流の零点は磁束の零点であり電荷極大極小点、逆も真なり。典型的な調和振動子である。

こうしてみると現代では回路の過渡応答の厳密解を解析的に求めるよりもシミュレータで動かしてみたほうが簡単だし速いしグラフも綺麗じゃんということになる。しかしまったく解析が不用かというとそうではなく、シミュレーターの結果が妥当かどうかは人間の判断によるので、やはり最後は解析で有る程度の当たり外れを判定する必要は残る。
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