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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2012-5-28 23:28
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3084
RL直並列回路(交流入力)
次も面倒そうな交流入力のRL直並列回路の問題。

下図の回路でt=0でスイッチを閉じたときの電流を求めよ。ただしe=Em sin(ωt+θ)とする。




というもの。

以下の関係式が成り立つ



これをHeaviside演算子とベクトルで書き直すと



これを演算子法で解くと



ここまでくると、共通の積分項だけ計算すれば、あとはスケール係数が異なるだけだとわかる。積分項の計算は前問の公式がそのまま使える。だが('A`)マンドクセ

Maximaは最初の微分方程式が式が複雑すぎて解けないとギブアップしている。検算が簡単に出来ないじゃないか(´Д`;)

共通の積分項について予め公式を求めてしまおう



同様に



ということになる。

(2012/6/16)
ここまでの結果は以下が成り立つことをMaximaで検算済みであり正しい結果である。


なんだか前問のおさらいみたいになってしまったが、これらの変換公式を先の途中までの解に適用すれば...('A`)マンドクセ



(2012/6/17)
著者の解には誤植はあるものの、解法自身は答えの一歩手前である定常解を定常解析で得た後、残る過渡解を同じ回路で直流入力のケースの以前の問題の一般解の式を適用して求めており妥当である。最後の答えは定常解が最初に見通していたのと違っていたり誤記(ほとんどは原稿ミスだと思われる)が多いが、大筋ではあっていると思われる。

問題は演算子法で正しく導いたはずの上の結果が、どうしても著者の結果と一致しないことにある。定常項は一致しているが、過渡項が微妙に違う。

可能性としては演算子法での導出にflawがあるということになるが、あるとしたら演算子の適用順序だろうか。ううむ、わかんね(;´Д`)

以前の直流入力の同じ回路の問題も投げ出したけど、これも投げだしそうな雰囲気。

(2012/6/20)
もうそろそろ諦めたほうがよいかもしれない。以前にも同じ回路で直流ステップ入力の場合にも式が複雑になって諦めたが、今回は入力が正弦波のステップ入力と更に複雑になっている。

古い演算子法の本には、これまで用いたストレートなアプローチとは違った短縮アプローチが紹介されている。この問題で言えば、入力関数がステップ関数と正弦波関数の積であるので、予めそれらを演算子表現に変換してしまうというもの。正弦波は超越関数であるが、Eulerの公式で指数関数表現に書き換えることができる。指数関数は更に演算子pの有理関数に置き換える事が出来る。しかし事はそれほど簡単ではない。ちょっとやってみるとわかる。



と書き直すことが出来るので、これを最初の作用素方程式に代入すると



従って演算子法で解くと



もはや部分分数に分解してやるには複雑過ぎるので、Heavisideの展開定理にご登場願おう(;´Д`)

N(p),M(p)が互いに既約なHeaviside演算子pの多項式でM(p)/N(p)が部分分数に展開できる場合、以下が成り立つ



ここでpkはN(p)の零点(根)である。

従って先の解の分母の演算子多項式の零点は



であるからして...('A`)マンドクセ



(2012/7/23)
今頃になって、上のMの式に転記ミス(ωpcosθをωcosθとしていた)があることに気づいた...orz
なので修正した上で、もう一度やり直す必要があるため、従来の途中までの式は一端取り下げた。Maxima上ではM(0)/N(0)=0となっていたので初期の頃はMを正しく入力していたと思うが、後に何度かやり直した際に誤った式を参照するようになっていたのでどこまで合っているか定かでなくなった。



ということになる。(2012/7/31)

電流i3は上の式でR3をR2へL3をL2、φ2をφ3へI2mをI3mに置き換えるだけなので、長いので割愛。

ふう、ようやく著者の解法が導こうとしていたのと同じ結果が得られた。長かったよ(ノД`)ママン

まるで数式と関数のジグソーパズルだった。IQが低下しているので式が丸ごと頭に入りきらずに、Maximaで計算した式を紙の上に書き写しそれから手作業でパズルを解いた。

苦労して解いた割りには、過渡解は単調に定常解へと遷移していく、驚くほどの結果ではなかった。大きな電源トランスをもった機器に電源を入れた際に最初ぶーんという音がして次第に小さくなっていく理由がこの式に表されている。電源を入れた直後は電磁石を作りだすような片方向の電流が流れ、次第に交流電流になっていくためだ。

実際に解の式をプロットしてみたり、シミュレーターの結果と比較するのは読者の課題としよう( ´∀`)

著者の解法は、最初に答えの一歩手前を定常解と定係数系常微分方程式の一般解の公式から求め、巧妙に積分定数を求めるエレガントな方法だが、最後に示された解の式は最初に提示された答えの一歩手前とは誤記誤植によってまったく正解からほど遠いものになっている。ゲラ刷りがノーチェックだったのか、著者の原稿段階で既に誤記があったかどちらかだろう。著者のとった方法も実際にやってみると最初にあっさり書かれている定常解を導くのも苦労する。

演算子法でも同じ結果が得られることが示せてよかった。前半部でとった畳み込み積分への帰着アプローチにはどこか数式操作にケアレスミスがあるに違いない。基本的には同じ結果が得られるはずだ。それにしてもストレートなはずの演算子法は素子が増えただけでだいぶ困難を極める。それでもまだ解が解析的に求められるから受動素子回路のみの回路は簡単である。これが能動素子を伴う電子回路だとそもそも解析的には解けないという事実が待ち受けている。

P.S

この問題の回路と双対なCR回路が存在する。電圧が電流にLがCにRがGに直列が並列に、並列が直列に、電圧源が電流源に置き換えることによって双対な回路になる。

いずれにせよ試験で100点満点をとらせないための問題としては好都合である。毎年互いに双対な回路を交互にだせる。
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題名 投稿者 日時
   過渡現象演習問題 webadm 2011-11-1 17:19
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