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webadm | 投稿日時: 2007-7-7 17:55 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
PS3は現代に蘇るNEWS PS3を自宅サーバーにしてから大分たつが停電で電源が落ちていた数時間を除けばずっと無停止稼働していたことになる。実に優秀である。
さすがに冬場と違って気温が高くなったので気温の高い日は内部のファンの音が聞こえてくるが危惧されていた熱暴走や誤動作は今のこところ皆無である。 有る意味PS3はサーバーとしては名器かもしれない。 昔SONYに似たようなものがあった。NEWSワークステーションである。 最初のNEWSワークステーションが出た頃はUNIXマシンを使う事すら夢のまた夢だったが、転職して同じ事務所のフロアにSONY NEWSの販売部隊が越してきたのを機会に身近な存在となった。 とりあえず社内価格で新しく出たCISC NEWSの最上位機種や端末を設備導入しクロス開発環境として24時間無停止稼働で使って見ることにした。 当時は日本にまだインターネットというのは存在せず、かろうじて村井さんのWIDEプロジェクトで学術研究の分野ではそれまでのJUNETからインターネットの時代へと着々とシフトしていった頃だった。 ちょうどその頃知り合いが前の会社を無計画にも辞めてぷー太郎をしていたので再就職先を紹介したもののなかなか決まらないのでうちに来たらと自分の会社に入れてしまった。後にそれがもとで紹介した昔仕事でお世話になった会社の社長さんにすっかり嫌われてしまった。 彼の入社条件としてJUNETか出来ればWIDEにつながる環境があることだったので、ちょうどNEWSを設備導入したのと時期が重なったこともあって彼の人脈とコネでJUNETの末端に接続させてもらえることになった。接続に必要な当時定番のモデム、Trailbrazerは彼を入社させた際に会社からもらった報奨金30万円をはたいて購入した。当時Trailbrazerは後にV.90モデムとかが出るまでは最高速でJUNETのようなUUCP接続に最適化した機能を備えていたので高価だった。ドメイン名も申請して取得。10年後に全社でインターネットに接続するようになるとは当時は思いもしなかったけどその当時取得したドメイン名がそのまま受け継がれた。有る意味先見性があったと思わぬ評価をもらったりもした。先見性があったのは途中入社させた彼の方だったが、あこがれのインターネットに全社がつながるのを待たずに彼は退職してしまった。私にとっては今も彼は「偉大なる同志」だ。 当時JUNETは今のインターネットブームの先駆けとなるWIDEプロジェクトと比べれば使えるサービスとしてはメール、ネットニュースと限られているものの今と変わらないメールアドレスを持ち海外の技術者や研究者とメールのやりとりが出来た。特にネットニュースはWEB時代の現在では下火だけどもそれまでは有力なネットワークコミュニティだった。Linuxが産声を上げたのもネットニュース上だった。 NEWSをサーバーとして使うことを選択したのはある根拠があった。それはSONYがNEWSワークステーションに搭載するHDDを選別しているという内部情報を知っていたからでもある。当時SUNをはじめ多くのエンジニアリングワークステーションメーカーがひしめいていたがどこもHDDの不良でユーザーは泣かされていた。後発のSONYはそれを回避するために日立から仕入れたHDDを社内でバッドブロック検査をしてバッドブロックの少ないものだけを選別して製品に搭載していた。そのためにHDDの故障はほとんどなかった。 そうしたことはSUN Microsystemsもやっていなかった。現在ではSUNもサーバーが主力だが、当時はサーバーという製品ジャンルすら無かった。もともとワークステーションは負荷分散、一人に一台が前提。大型汎用計算機(メインフレーム)の中央集中型システムとまったく逆の発想であるから、中央集中型となるサーバーという考えはその後のマイクロプロセッサーの性能向上してからの話であった。 信頼性や寿命を長くする秘策を施してあるNEWSはむしろサーバーに向いているのではないかと私は確信した。一年間24時間無停止稼働した実績をもとに、当時飛び込んで来た通信カラオケシステムのデータベースサーバー開発の仕事に枯れたCISC NEWSを採用することを提案した。日本国内の各地の営業所や支店にNEWSベースのデータベースシステムが数十ばらまかれた。その後数年間24時間無停止稼働して通気口は黒いススだらけになっても一台も故障しなかった。 当時通信カラオケが据え置き型を淘汰して全盛を迎える頃にSONYのNEWSビジネスは下火となっていった。あくまでSONYはサーバーではなくエンジニアリングワークステーションを売るというスタンスを終止変えようとしなかった。PCの性能向上によってワークステーションとPCの性能差は縮まる一方で価格差は広まる一方だった。国内の多くのワークステーションメーカーが市場から撤退した中SONYも遂に撤退した。 今でもSONY CISC NEWSは名器だったと思う。最後にCISC NEWSのCコンパイラのメンテナーがちょんぼをして間違ったコードを吐く無用の変更をしたためそれを契機にCISC NEWSは市場から姿を消した。まったく惜しい。ハードウェア的にはまったく問題なかったのに変なところで傷がついてしまったのは残念である。まあ、その問題を最初に報告したのは前にもどっかで書いたけど私なのだが。自分が惚れた製品に自分で介錯をしたと思えば多少は気が楽である。 SONYのRISC NEWSはCISC NEWSとは桁違いに高速なクロックで動作するがハードウェアとソフトウェア両面で問題も多かった。当時実験室の片隅に密かに置かれていたRISC NEWSのプロトタイプ機を許可を得て見せてもらったことがある。びっくりしたのは基板の上にびっしりとこれでもかという具合にPLDやCPLDがところ狭しと敷き詰められていた点。こういうのを設計できる人が日本にも居たのかと尊敬した。というのも国内の他のワークステーションのハードウェア設計は当時どこもお粗末で基本的なクリチカルタイミング設計もやってないのではないかという故障が当たり前だった。クロック信号は数百MHzと高いのでプロトタイプでは同軸ケーブルでSMBコネクタを介して空中配線で供給されていた。この辺りの配慮もそれなりの経験と知識が無いと出来ない。 PS3の基板とかを写真で見ると当時のRISC NEWSが進化したような姿にも見えないことはない。もしかしてかつてRISC NEWSの設計に携わっていた人が関わっているのかもしれない。 PS3もハードウェア的には名器だと思う。 |
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題名 | 投稿者 | 日時 |
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PS3をWebサーバーとして使う発想 | webadm | 2006-10-27 5:49 |
予約販売が始まったらしい | webadm | 2007-1-2 21:03 |
PS3予約受付は1月10日の昼かららしい | webadm | 2007-1-7 20:55 |
嘘だったぽい | webadm | 2007-1-11 3:53 |
市場ではだぶついているらしい | webadm | 2007-1-12 2:15 |
Amazonに発注 | webadm | 2007-1-20 18:59 |
黒箱さんが届いた | webadm | 2007-1-22 21:21 |
結局ダウンロードに1日以上かかった | webadm | 2007-1-24 4:21 |
SSHで入れた | webadm | 2007-1-24 5:39 |
解像度を変更する | webadm | 2007-1-24 6:17 |
玄箱用のバイナリがそのまま使えた | webadm | 2007-1-26 23:37 |
MySQLを再インストール | webadm | 2007-1-27 21:48 |
やはりPS3は玄箱より速い | webadm | 2007-1-27 22:17 |
sambaも立ち上げた | webadm | 2007-1-27 22:54 |
メール送信もできた | webadm | 2007-1-27 23:13 |
やはりPS3はサーバー向き | webadm | 2007-1-27 23:59 |
POST | webadm | 2007-1-30 13:58 |
» PS3は現代に蘇るNEWS | webadm | 2007-7-7 17:55 |
なぜSONYはサーバー分野に進出しないか | webadm | 2007-8-16 7:04 |
既に1年以上無停止稼働 | webadm | 2008-11-21 9:50 |
1000日間無停止 | webadm | 2010-7-22 17:19 |
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