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webadm | 投稿日時: 2007-3-31 22:56 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
方向性結合器の内部 ネジ止めしてあるのでたぶん開けても大丈夫だろうと開けてみた。
方向性結合器の原理を理解していない自分にとっては魔法の回路である。なぜか子供の頃にまだ仕組みを理解していない真空管ラジオや真空管テレビの内部を裏側から覗いて興奮していた頃を思い出す。 グランド面にはカップリング出力側にアッテネーターとおぼしきものが、その反対側に終端抵抗が接続されているのが見える。これは良くみる方向性結合器の模式図そのままだ。 部品面には入力端子と出力端子をつなぐ伝送路のパターンと途中にトロイダルコアを使用したカップリングトランスが2つ見える。VHF帯までのものなのでトランス結合が使用されている。どういう結合になっているかまでは小さくてみえないけど手作りなのは確か。 ケースはアルミダイキャスト製の枠をアルミの板でサンドイッチ構造にした形。隙間が出来ないように適度に平面加工してある。 よく考えればこれだけの金属加工にもそれなりの工作機械や金型が必要なわけで数を沢山作っていないと大変高額なものになってしまうはず。これが1個数千円で買えるというのは実はかなり安い。 昔はラジオに使われるコイルとかも手作りだった。日本は一時期そうした電子部品の世界の一大生産拠点だった頃があった。アルプス電気とか地方の主婦とかを使って在宅で1個あたり何銭とかの安いコストでコイルを製作していた頃もあったとか。実際子供の頃に田舎に行くとそういう話を聞かされた。当時は自動化機械も無くコンピューターも無い時代だったから小さい部品の製造はすべて人間の手にかかっていた。いかに安く勤勉で質の高い労働力を獲得するかが競争に勝つキーだった。 今では安い労働力はアジアの発展途上国に供給の拠点が移ってしまった。 この方向性結合器はどこで誰が作っているのだろうか。やっぱりアジアで作られて北米で組み立てられているのだろうか? 中の半田付け部分とかはあまり出来が良いようには見えないが蓋をしてしまえば立派な精密電子部品そのものである。 魔法の部品である。 電気回路を勉強していくと直流、交流理論を学んだ後はもう残りは回路解析学ということになる。その中で2端子回路とか4端子回路とかを学ぶことになる。前者はほとんどの受動電子部品をモデル化することができ、後者はほとんどの電子回路や伝送回路をモデル化することができる。方向性結合器は4端子回路でモデル化することができる。その中に信号を一方向にだけ伝える魔法の回路が出てくるがそれが方向性結合器の原点であると思える。実際には完全な一方向というのは無くて逆方向の信号は減衰させられるというものである。そう考えればそれほど魔法でもなく納得が行く。 |
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