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webadm | 投稿日時: 2007-4-22 4:19 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
偶然発見したエミッタ入力増幅効果 故障探知の過程でエミッタに入力信号を注入すると良く増幅されるという奇妙が現象を偶然発見したが、一段落してもう一度考えてみた。
一見してまったくばかげている誰もやろうとしない回路だが、原理的には増幅作用があることは確かである。 普通のエミッタ接地回路(多少抵抗でフィードバックがかかるようにしたもの)はベースに入力信号を与えることで増幅する。 同じ回路にベースには何も信号を入力せずに、エミッタの接地抵抗に入力信号を与えると増幅というかスイッチング動作が生じる。 普通のエミッタ接地回路はベース電位を変化させることで相対的にVbeを変化させコレクター電流を制御する。Vbeを変化させるには実はもう一つ方法があって、ベース電位は一定だがエミッタ電位を変化させるという方法。これが今回やってしまったこと。 よく考えるとエミッタ電位を変化させるのはベース電位を変化させるのと比べて良い点と悪い点がある。 良い点は入力信号源からエミッタへは一切電流が流れない点である。これはベース電位を変化させる場合、多少ともベース電流が流れなければならないためミラー効果によって立ち上がりが遅延するという欠点が無いと思われる。 悪い点はエミッタ電位を下げると相対的にVbeが大きくなりコレクタ電流が増えるためエミッタ接地抵抗の電圧降下が増大しエミッタ電位を上げる方向にフィードバックがかかるという点。 従って通常の増幅回路をエミッタ入力で設計するのは容易ではないことが想像できる。しかしスイッチングだけであれば使えそうである。 実際に回路シミュレーションしてみるとVbe変化時にベース電流が変化することによって増幅効果がもたらされることがわかる。しかも普通の増幅回路のままだとその変化はミラー効果によって遅延が発生するため当初予想していたメリットは現れない。 今回たまたまLPF回路としてベースとグランドの間に入っていたキャパシターが一種のスピードアップコンデンサの役割を果たしていてVbe変化時に大きな電流を流していたというのが急峻な立ち上がり性能を示していた原因だった。 従ってこれはアバランシェ増幅効果とかではまったく無かったということが判明。シミュレーションではlow入力時にベース電流がわずかに振動しているがコレクタ電位はなだらかに変化しているだけである。実際の回路ではこのベース電流に比例してコレクタ電位も変化しており半ば発振しているような状態となっていた。2SC1815ではFtが80MHzと低いのでシミュレーションと同じようになだらかな波形となるがBCY59IXはFt=200MHzなので小刻みに振動を起こしてしまうようだ。実用化は難しいかもしれない。 それにしてもおもしろいので何か使えないだろうか。 |
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