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webadm | 投稿日時: 2007-5-26 1:11 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
TR5835レストア完了 結局タクトスイッチは一切交換せずに直してしまった。その顛末を記しておく。
交換用の新品タクトスイッチの入手のめどが無くなったので (1)代わりになりそうなタクトスイッチを見つける (2)現状のタクトスイッチを分解掃除する のどちらかしか手はなくなった。(1)についてはやはり使えそうなものは見あたらず。(2)については改善されたという報告もあるが課題はどうやってスイッチを分解するかという点 とりあえずフロントパネル裏についているサービス用の隠しスイッチを取り外して分解方法を探ってみることにした。 外形寸法は先日2度ほどヤフオクに売りに出ていたものとまったく同じ。スペアナと同じ仕様のものがカウンターにも使われていた。 底部を見るとメーカー名とおぼしきものが見える。TOKOとあるので東光だろうか。現在はタクトスイッチはまったく提供していない、もともとはインダクタとかトランス、フィルタとかで有名だ。これで懲りてタクトスイッチは撤退したのだろうか。 いろいろ単体で導通をチェックしながら押していると段々と接触抵抗が下がってくるのを発見。ずっと使われない間にすっかり接触が悪くなっていたものが接触させるたびに改善しているらしい。とすると分解して接触面を掃除すればもっと良くなるのではないかと思われる。しかし爪でロックされていて容易には分解できない。ロッドとケースの間から洗浄剤をスプレーしてやるとかなり良くなる。 基板についている残りのスイッチについてもボタン部分を引っこ抜いて洗浄剤をスプレーしていくと、あるスイッチでボタンと一緒にロッドが抜けてしまった。ロッドを強引に引っ張れば爪が外れて中身が出てくるというのが判明。 内部は意外に単純だった。底部に金メッキされた接点部分があってそこにロッド底部にはめ込まれた導電性ゴムが押されて接触抵抗が下がることでONとなる仕組みである。 導電性ゴムの中央に設けられた突起と周辺との間のフランジ部分がバネになって押した時に弾力が生じるようになっている。反面これが接触面の応力を緩和するため導電性ゴムが経年変化で固くなると接触が悪くなるという結果をもたらしていたようだ。 中には経年変化でとうとう中央の突起と周囲との間をつなぐフランジ部分が破断してバネの役割を果たさなくなったものがあった。これでは接触する部分が少なくなってしまうのでほとんどスイッチが効かない。 そこで考えたのが元々は突起部分が底の接点部分を向くようになっているが、実はそれだと接点との接触面積が狭くある方向に偏った力を与えて押した時だけ接触抵抗が一番下がるという状況を生んでいるが、裏返すと導電性ゴムの接触面積がもっと広がるので接触抵抗がぐんと下がることを見つけた。ただしそうすると弾性が無くなって、ペタペタするような感触になるがまったく効かないよりはそれでも効いた方が良い。 それと接点は金メッキしてあるものの導電性ゴム側も接点も長い間に経年変化で表面が汚れている。洗浄剤を吹き付けてぐりぐりとロッドを押しながら導電性ゴムを接点に押しつけてしごいてやるとテスターで抵抗を測っているとぐんぐんと抵抗値が下がって数百Ωぐらいまで下がる。これなら十分である。 接点と導電性ゴムの間の接触抵抗を良くなるように洗浄して導電性ゴムをひっくり返して接触面積を広くすると改善されるものはそのようにすることでやっと全スイッチが実用上困らない程度に押せば応答するようになってくれた。元通りにケースに納めて、操作してみるとちゃんと使える。それまで効かなかった機能も使えるようになった。 同じ要領でTR5823Hの効かないスイッチも直せるかもしれない。 それとTR5823HやTR5822の押しボタンスイッチはTR5835のように弾力が無い。ペタペタしている。それまでの持ち主がスイッチにそうした問題があったので応急対策として導電性ゴムを上下ひっくり返して使うという処置が施されているのかもしれない。 またひとつ誰も知らなかった真の不具合の原因にたどりついてしまったようだ。 |
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