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webadm | 投稿日時: 2008-6-8 20:10 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
【22】コイルの分布容量の測定 次ぎは聞き慣れないコイルの分布容量を求める問題。
理想的なインダクタはインダクタンス成分しか含まないが、現実のインダクタは物理的にコイル状の巻き線で構成されるため、1ターンのコイルが巻き数分隣接してつながっていることになる。それぞれ隣接する1ターンのコイルは隣のターンと容量的に結合しているため巻き線に分布容量がつながっていると考えられる。厳密には分布常数回路になるので今はまだ扱えないが、Lと並列にCxなる容量結合が発生していると単純化する。 こうした分布容量が存在するため実際のコイルはそれ自身だけで並列共振回路を構成するので何もつながなくても共振点が存在することを意味する。これを自己共振点という。同様に理想的なコンデンサはキャパシタンス分しか無いが、現実のコンデンサには導体部分が存在するのでそれ自身が直列にインダクタンスを持ち自己共振点を持つことを意味する。どちらも低い周波数では寄生素子分は無視できるが高い周波数になるにつれ無視できない要素となる。従って高周波回路の解析には実際に使用される素子や線路を分布定数回路としてとらえ実際の周波数特性を良く近似するモデルを用いる必要がある。 はなしを元に戻そう。 図の回路でLに寄生する容量結合Cxが存在する時に並列に接続したCを可変してC1,C2とで共振周波数がf1とf2だった場合にCxはいくらか? C1とC2の時のそれぞれの回路のアドミッタンスは Y1=j(ω1Cx+ω1C1-1/ω1L) Y2=j(ω1Cx+ω2C2-1/ω2L) どちらも共振しているので Y1=Y2=0 従って ω1Cx+ω1C1-1/ω1L=0 ω2Cx+ω2C2-1/ω2L=0 なる関係が成立する。 それぞれLについて解くと L=1/(ω1^2*(Cx+C1)) L=1/(ω2^2*(Cx+C2)) 従って 1/(ω1^2*(Cx+C1))=1/(ω2^2*(Cx+C2)) 両辺の逆数をとってCxについて解くと ω1^2*(Cx+C1)=ω2^2*(Cx+C2) (ω1^2-ω2^2)*Cx=ω2^2*C2-ω1^2*C1 ∴Cx=(ω2^2*C2-ω1^2*C1)/(ω1^2-ω2^2) =((2πf2)^2*C2-(2πf1)^2*C1)/((2πf1)^2-(2πf2)^2) =(f2^2*C2-f1^2*C1)/(f1^2-f2^2) ということになる。 |
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