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webadm | 投稿日時: 2008-8-28 13:04 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3085 |
【63】相互誘導回路(その27) 次ぎの問題は一次側と二次側が共に共振回路を構成し、共振周波数がω0で同一の場合、結合係数を変化させて二次側に流れる電流が最も大きくなる結合係数とその時の電流の式を導けというもの。
これも等価回路に置き換えて解いてみよう。 全体のインピーダンスは Z=R1-j/(ωC1)+jω*(L1-M)+1/(1/(jωM)+1/(jω*(L2-M)+R2-j/(ωC2))) =R1+j*(ω*(L1-M)-1/(ωC1))+jωM*(R2+j*(ω*(L2-M)-1/(ωC2)))/(R2+j*(ωL2-1/(ωC2))) =R1+j*(ω*(L1-M)-1/(ωC1))+jωM*(1-jωM/(R2+j*(ωL2-1/(ωC2)))) =R1+j*(ωL1-1/(ωC1))+ω^2*M^2/(R2+j*(ωL2-1/(ωC2))) =R1+j*(ωL1-1/(ωC1))+ω^2*M^2*(R2-j*(ωL2-1/(ωC2)))/(R2^2+(ωL2-1/(ωC2))^2) =R1+ω^2*M^2*R2/(R2^2+(ωL2-1/(ωC2))^2)+j*(ωL1-1/(ωC1)-ω^2*M^2*(ωL2-1/(ωC2))/(R2^2+(ωL2-1/(ωC2))^2)) ここで共振角周波数ω0では ω0=1/sqrt(C1*L1) ∴ω0*L1-1/(ω0*C1)=0 ω0=1/sqrt(C2*L2) ∴ω0*L2-1/(ω0*C2)=0 を適用すると Z0=R1+ω0^2*M^2/R2 従って一次側を流れる電流I1は I1=E/Z0 =E/(R1+ω0^2*M^2/R2) =E*R2/(R1*R2+ω0^2*M^2) 実効値は |I1|=E*R2/(R1*R2+ω0^2*M^2) また二次側を流れる電流I2は分流則により I2=(jωM/(jω(L2-M)+R2-j/(ωC2)+jωM))*I1 =(jωM/(R2+j*(ωL2-1/(ωC2))))*I1 ω0の時はω0*L2-1/(ω0*C2)=0なので I2=(jω0*M/R2)*I1 従って実効値は |I2|=(ω0*M/R2)*|I1| |I1|の式を代入すると |I2|=(ω0*M/R2)*E*R2/(R1*R2+ω0^2*M^2) =E*ω0*M/(R1*R2+ω0^2*M^2) ということになる。 ここで誘導係数の定義 M=k*sqrt(L1*L2) を代入すると |I2|=E*ω0*k*sqrt(L1*L2)/(R1*R2+ω0^2*k^2*L1*L2) |I2|が最大になる誘導係数を求めるにはkで微分すると (%i69) diff(o0*k*sqrt(L1*L2)/(R1*R2+o0^2*k^2*L1*L2),k); (%o69) (o0*sqrt(L1*L2))/(R1*R2+k^2*o0^2*L1*L2)-(2*k^2*o0^3*L1*L2*sqrt(L1*L2))/(R1*R2+k^2*o0^2*L1*L2)^2 (%i70) factor(%); (%o70) (o0*sqrt(L1*L2)*(R1*R2-k^2*o0^2*L1*L2))/(R1*R2+k^2*o0^2*L1*L2)^2 従って微分係数が0となる条件は R1*R2-k^2*ω0^2*L1*L2=0 これをkについて解くと (%i71) solve([R1*R2-k^2*o0^2*L1*L2], [k]); (%o71) [k=-sqrt((R1*R2)/(L1*L2))/o0,k=sqrt((R1*R2)/(L1*L2))/o0] kは正の値でなければならないので|I2|が最大値を取るkは kmax=sqrt(R1*R2/L1*L2)/ω0 これを|I2|の式に代入すると (%i80) subst(sqrt(R1*R2/(L1*L2))/o0, k, (k*o0*E*sqrt(L1*L2))/(R1*R2+k^2*o0^2*L1*L2)); (%o80) (E*sqrt(L1*L2)*sqrt((R1*R2)/(L1*L2)))/(2*R1*R2) またしてもMaximaの因数分解は中途半端だ |I2max|=E*sqrt(L1*L2)*sqrt((R1*R2)/(L1*L2))/(2*R1*R2) =E*sqrt(R1*R2)/(2*R1*R2) =E/(2*sqrt(R1*R2)) ということになる。結果的にL1,L2は消え、L1,L2,C1,C2に無関係にR1,R2のみによって定まる。すなわち最大電流値がコイルの導体抵抗値のみによって決まるということになる。 実際には共振点は誘導結合が無い時に一緒でも、誘導結合し始めると前前問の解の式よりR1,R2が無視できる程小さい場合には ω0と ω0'=ω0*sqrt((1+k)/(1-k)) の2つの山に分かれることになる。 上のプロットではR1,R2を1としているので結合係数が大きくなると片方の山が少し低い周波数へゆっくり移動していく。 |
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