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webadm | 投稿日時: 2010-8-17 7:05 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
夏の11MHz帯 平壌放送、正しくは"朝鮮(チョソン)の声放送"なのかもしれないが、平壌(ピョンヤン)から届けられているので平壌放送と呼んでいる。
最近は日本人リスナーに優しい放送内容になっているような気がする。 やはり国内での授業料無料化の対象として朝鮮学校が含まれるか否か審査がされている時期と重なるためだろうか。 南朝鮮(韓国)を徹底的に非難する放送内容は相変わらずだが、日本への避難はほとんど無いかあってもソフトで遠回しである。 放送時間帯が朝と夜ということで、朝目が覚めて出かける前に寝床で聞くのと、夜帰宅してまた聞くということでここしばらく平壌放送を良く聞く。 他にも11MHz帯ではイランイスラム共和国の日本語放送とかあるけど、こちらは最近かなりやばい感じがする。国の名前にイスラムとあるぐらいだからイスラム教一色である。各国が制裁を加えているので、噂では戦争勃発の可能性が今一番高いと言われている。昔聞いていた時のソフトなイスラム教の世界を日本に紹介する放送とはちょっと雰囲気が違ってきている。残念である。 それと韓国KBSの国際放送も同じバンドで聞ける。こちらは韓国の最新事情が良くわかる内容である。韓国と言えばハングル文字だけど、最近はハングル文字以前に常用されていた漢字を支持する声もおおいらしい。確かにハングルは表音文字で戦前まで使われていた漢字の音読みに過ぎない。韓国の言語のルーツは未だに漢字にあることは揺るぎない事実なのである。そういうことで漢字復活を叫ぶ声も当然である。日本人にもすぐ漢字が思い浮かぶ韓国語も多い。 しかしながら戦前の漢字文化は日本に併合されていた時代の記憶を蘇らせるため屈辱的であることも理解できる。そうした二重の意味で韓国はアイデンティティを失っている。 話しを平壌放送に戻そう。 毎日楽しみなのは、金日成の回顧録というコーナーである。今では知るよしもない日本が韓国を併合していた時代と終戦で武装放棄した後に北米参戦で勃発した朝鮮戦争前の秘話である。最初の頃は抗日戦争の準備段階の秘話で金日成らがどのように武装化し戦い抜いたか知ることができた。 また昨今の歴史研究で朝鮮戦争が北朝鮮単独ではなくソ連と中国の後押しによるものだという報告を裏付ける記述もちらほら紹介されている。金日成はソ連と中国とのつながりがあったことを否定していないが、あくまで独立性を保つことを主張し両国の理解を得たとある。それが両国の関与が表に出なかった最大の理由かもしれない。 最近の回顧録の内容はその後の日本軍(関東軍)が連合国に無条件降伏したことによって武装放棄した頃までの金日成と有名な革命同志の出会いから別れまでのエピソードが続く。これらの物語は実に良く出来ていて、思わず最後まで聞き入ってしまう。物語中に抗日、アメリカ帝国主義とか出てくるけど、それはもう聞き慣れた言葉だ。 唯一そのまま受け取れないのは、朝鮮戦争で米国に北朝鮮が勝利したと繰り返される主張。朝鮮戦争はまだ終わっていない、停戦しているだけである。史実からすれば、一時は朝鮮半島のほぼすべてを手中にした朝鮮解放戦線(旧抗日戦線)は、北米の参戦によって現在の境界線までに後退させられたのである。 その1点を除けば、金日成の回顧禄は手に入るものであれば一度全部読んでみたい本のひとつである。毎日の放送は待ちきれない。 それとは別に最近、金正日の著作も朗読されているが、こちらは父親とはうってかわって、誰か他のゴーストライターが書いたものとしか思えないほど単なるプロパガンダだけのつまらない内容だ。 もし金正日が回顧録を残すとすれば、一体何が書けるのかという疑問もうかぶ。外国人拉致作戦の秘話や、航空機テロ作戦の秘話、偽米ドル紙幣偽造作戦、麻薬製造作成など堂々と書けるわけがない。そういう意味では、父親は偉大だが、息子はそれと正反対である。果たして将来誇れるのだろうか。 先日までは祖国統一をテーマにした金正日の著作が朗読されていたが、内容はまったく記憶に残らない気持ちがこもっていない第三者の作文である。本当に統一など考えているのだろうか。また境界線を越えて攻めて朝鮮半島全部を占領しようとしているのではないだろうか。 統一への唯一の現実的な道は、朝鮮戦争に北朝鮮が全面降伏することかもしれない。そうすれば平和的な統一の道がすぐに開けるだろう。誰もが同じ民族が分断されていて良いとは思わないのだから。 ただ東ドイツと西ドイツの統一の時のようにギクシャクした問題は残るかもしれない。経済システムがまったく違っていたのだから致し方が無い。 朝鮮半島が一国に統一すると、周辺諸国は脅威かもしれない。先端技術にひでた南とハングリーで安い労働力の北が力を合わせるのだから、ベトナムはもうやばいかもしれない。 日本は再び今度は経済的に朝鮮半島を併合しなければならなくなるかもしれない。なにせ次ぎにやばいのは日本だから。 P.S そういえば書き忘れたが、平壌放送は音楽を流すのがかなりの割合を占める。昔はオーケストラと声楽というのが定番だったけど、最近は先進国ではあたりまえの電子音楽(たぶんシーケンサ打ち込みのシンセサイザー音楽)もちらほら見えている。北朝鮮の音楽家は昔ソ連やヨーロッパで学んだ優秀な作曲家が多いので、どれも優れた曲で内容は抗日的でも純粋に音楽としてはすばらしいものばかりである。打ち込みの音楽はおそらく若手の作品かもしれないが、南の放送とかを聞いていればイヤでもそれに負けないぞという気持ちがわくのはわかるような気がする。でも今のところクラッシクな作品と比べると生彩を欠くのは致し方ない。現代ポップスで抗日音楽をといっても無理だろうし。 やはり中国CRIや韓国KBSの音楽番組を聞いていると、もう先進諸国と変わりない点が北の若手作曲家に影響を与えているのは確かだろう。意外に統一への突破口を開く力を持っているのは音楽かもしれない。 |
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