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webadm | 投稿日時: 2009-9-30 5:53 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3084 |
【65】方形パルスのFourier変換 次ぎの問題は以下の様な方形パルスのFourier変換を求めるもの。
T=1及び0.1usecの場合のスペクトルを示せというもの。 題意より入力波形は y(t)=A (-T<t<T) =0 (-T≧t≧T) これをFourier変換すると F(ω)=∫y(t)*exp(-jωt)dt (t=-∞,∞) =∫A*exp(-jωt)dt (t=-T,T) =A*((j*exp(-jωT))/ω-(j*exp(jωT))/ω) =A*(j*(cos(ωT)-j*sin(ωT))/ω-j*(cos(ωT)+j*sin(ωT))/ω) =2*A*sin(ωT)/ω ということになる。 T=1と0.1usecについてA=1と置いてプロットしてみると。 wxplot2d([(2*sin(x*10^-6))/x], [x,-5*10^6*%pi,5*10^6*%pi])$ wxplot2d([(2*sin(x*10^-7))/x], [x,-5*10^7*%pi,5*10^7*%pi])$ ω=0の時のピークがTの値によって変わっているのがわかる。 これは典型的なsinc関数の波形で、以下のように式を書き直すことができる F(ω)=2*A*sin(ωT)/ω =2*A*T*sin(ωt)/ωT =2*A*T*sinc(ωT) ここでsinc(0)の極限値は sinc(0)=sin(0)/0=0/0 となってしまって不確定なのだが、どうすんだこれ? これに関してはL'Hopital's rule(ロピタルの定理と呼ばれるが、実際に発見したのはその個人教師だったベルヌーイらしい)というのがあって lim f(x)/g(x) (x->0) の極限値は lim f'(x)/g'(x)=L (x->0)なる極限値が存在する場合にはそれと同じになる。 従って f(ω)=sin(ωT) g(ω)=ωT とすると f'(ω)=T*cos(ωT) g'(ω)=T となって lim f(ω)/g(ω) = lim sin(ωT)/ωT = lim f'(ω)/g'(ω) = lim T*cos(ωT)/T = lim cos(ωT)/1 (ω->0) = cos(0)/1 = 1/1 = 1 ということになる。従って lim F(ω) = 2*A*T*sinc(ωT) (ω->0) =2*A*T ということになる。このへんはほとんど解説が省略されて結果だけが示されていることが多いので難儀した。手元にある共立出版の数学公式集にはこんな極限に関する法則載っていないし。高木貞治の解析概論にも載っていない。古い解析学の本には載っていないようだ。日本では学習指導要領に含まれていないので入試問題でこのような極限値を求める際にロピタルの定理を使用して解くと逆に減点されるらしい。ロピタルの定理は教えてはいけないことになっているので、知っていることは許されないらしい。なんだそれは。 P.S 方形パルスの幅Tを∞に引き延ばすとそのFourier変換はデルタ関数に近づくのは容易にわかる。 |
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