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webadm | 投稿日時: 2010-4-13 10:40 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3084 |
【9】続々:正実関数 次ぎも正実関数に関する問題。今度は定数付きの回路図が示されており、それが受動素子(正の定数)のみで実現できるならそれを示せというもの。
これまでの問題でもリアクタンス関数以外では正実関数でありながらもFoster展開するために部分分数展開すると負の係数が分子に現れるという例を目にしてきた。もちろん正実関数でなければ受動素子では実現できないので、これも結局は駆動点インピーダンス関数が正実関数かどうか判定する問題に帰着する。 上記回路の駆動点インピーダンス関数を導出してみると ということになり正実関数で以下の様な受動素子回路で実現できる。 逆に言えば、上図の様な受動素子回路と等価な機能を持った回路が能動素子(真空管やトランジスタ)を使っても実現できるということを意味する。 上記回路の駆動点インピーダンス関数を導出してみると 従って右半面上に特異点を持つため問題の駆動点インピーダンス関数は正実関数ではない。従って受動素子のみでは実現できない。 P.S Oliver Heavisideは生前に既に負の抵抗に言及していたらしい。もちろん複素数で考えれば実数部に負の定数が現れる。まだ真空管も発明されていない時代にそうした自由な考え方があったのは驚きである。真空管やトランジスタのような能動素子は共通して相互コンダクタンス(gm)という負性抵抗を持つ。受動素子からなる回路は伝達関数が正実関数であるので常に安定した応答特性を持つが、能動素子(負性抵抗)を伴う回路は必ずしも安定ではなく、正実関数でない伝達関数を持つ回路は条件によって自己増大振動(発振)を起こす。真空管の登場によってそれまで高周波を発生させるためにダイナモ(発電機)を必要としていたのが、自己発振回路で置き換えが可能になった。これが無線通信を飛躍的に発展させた。 |
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