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webadm | 投稿日時: 2010-4-22 12:29 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3068 |
【21】続:インピーダンス関数 しばらくインピーダンス関数に関わる問題が続く。
与えられた関数がインピーダンスとして実現できるか否かを判定し、実現できるものについては二種類の受動素子だけで実現できるかどうかを調べよというもの。 これは零点と極がいずれも一位で虚軸上に存在するため正実関数の必要条件を満たすものの、リアクタンス関数の必要条件である零点と極が交互に並ぶ条件を満たしていない。実際に部分分数展開してみるとはっきりする。 負の留数を持つので正実関数の必要条件を満たしておらず2種類の受動素子では実現できない。 これは零点と極がいずれも実軸上で左半面にあり正実関数の必要条件を満たしているが、零点と極が交互に並んでないため十分ではない。これも部分分数に展開してみると 負の留数を伴うため二種類の受動素子だけでは実現できない。 これは零点と極が実軸上にあり、交互に現れることからよさそうである。部分分数展開してみると 従って2つのLR直列回路が並列に接続された回路で実現できることになる。 分子の多項式が因数分解されていないが、零点と極がいずれも一位で虚軸上にのみ現れるので正実関数かつリアクタンス関数である。部分分数展開すると 従って2つのLC並列回路の直列接続で実現できる。 ここだけの話だが分子の式を最初書き写し間違えてs^3がs^2になっていて次数が一つ足らず零点が実軸上に現れてしまう変な式になってしまって焦ったのは内緒だ。 これは零点が虚軸上に極が実軸上にあるので正実関数のように見えるがs=jωとして正実関数であるためには を満足しなければならないが、 2<ω^2<6 の範囲では条件を満たさないので正実関数ではないということになる。 これは零点と極が一位で実軸上かつ左半面にのみ存在し、零点と極が交互に位置しているのでよさそうである。s=jωと置いて実数部を確かめてみると が成り立つので正実関数である。部分分数に展開すると ということで2つのRC並列回路とひとつの抵抗の直列接続で実現できる。 これは一見すると有理関数の形をしていないのと分子の係数に負の値があるので正実関数でないように見えるが、s=jωとして実数部を調べてみると が成立するので正実関数である。部分分数展開すると ということで2つのRC並列回路とひとつのRL並列回路の直列接続が必要となり、2種類の素子だけでは実現できないということになる。 これはなんだか判らないけど、s=jωとして実数部を調べてみると が成り立つので正実関数である。部分分数展開してみると ということで3つのRL直列回路の並列接続で実現できるため2種類の素子で実現可能。 最後のは零点が複素共役対で極が実軸上でそれぞれ左半面にあるがどうだろう。s=jωとして実数部を調べてみると が成り立つので正実関数ではあるが、零点と極が交互に現れないので受動素子だけでは実現できない。部分分数展開してみても という具合に負の留数を持つため受動素子だけでは実現できないことになる。 こうしてみると複素共役対の特異点を持つ関数も正実関数であるものの、負の留数を持つため受動素子だけでは実現できないが、負のインダクタンスやキャパシタンス、負の抵抗は真空管やトランジスタのような能動素子を使用すれば実現できる。特に複素平面上の楕円曲線上に複素共役対として複数の特異点を持つ楕円有理関数はフィルターとして良好な周波数特性を備える。後々これら楕円関数フィルターに関して学ぶにも基礎となる二端子回路の理論を知っておく必要がある。 |
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