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webadm | 投稿日時: 2012-10-17 5:55 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3086 |
漏洩線路 次はなんと呼んだらよいのか、漏洩するだけの直流線路なので漏洩線路とでもしよう。
単位長さ当たりの抵抗がR, 大地への漏洩コンダクタンスがGなる長さlの線路がある。いま電圧Eの直流電源を下図のよううに接続するとき、電源から流れ出る電流はいくらか、ただし電源の他端の接地抵抗をReとする。 というもの。 線路いってもこれまで出てきたように、一本の線路が大地と平行に走っているだけだが、これも線路と言えるのだろうか。 大地側はそれなりの抵抗が分布しているように思えるのだが。 それと何の説明もなく接地抵抗という用語が登場するがそれはなにを意味するのか。 接地というと子供の頃に受信用にアンテナだけでなくアースもとると良いと知ったので、自宅の側に何本か銅線を埋めて並列につないでアースをとったことがある。受信感度が良くなったのかはわからないが、商用コンセントとの片方とアースの間をテスターで電圧測定するとAC100Vあるのを発見。試しに電球をつないでみたら光った。これはいいのだろうか、電力メーターには積算されるのかどうか。電柱のトランスで中点が接地されているのを知っていたので、一種の漏電なんだと理解していた。当時は実家のブレーカーはそれまで旧式のフューズボックスで、黒いブレーカーになったのは大分後である。つまりそれまでは漏電があっても検出していなかったということになる。 なんの話しだっけ。ああ、漏洩線路ね。 いつも参考にしているドイツの理論電気学の本を見ると、この問題はどうやら架空接地線と送電線の間の漏洩問題を簡略化したもののように見える。 架空接地線というのは、送電線の真上を通り送電塔を通じて接地されている鋼線のことである。送電線への落雷を防止する役目を負っている。送電線の真上を平行に沿っているので、その間に漏洩電流が流れるというものである。 図に書いてみると こんな感じだろうか。これの等価回路が最初の図になるというもの。 そういうことだと思ってしまおう。 接地抵抗は電源を接地した場所と最寄りの送電塔との間の電気抵抗である。接地抵抗計という測定器で測定する。あとは平行線路なので分布定数回路として扱えるというわけである。 最初の等価回路で以下の関係が成り立つ ここでIは送電端に流れる漏洩電流、ERは受電端と架空接地線の間の電圧。この2つが未知数である。 上記の関係式よりI,ERについて解くと ということになる。 ここで直流回路(ω=0)なので を代入して整理すると ということになる。 おそらくこの問題は送電線を建設した際に最後に架空接地線と送電線の間の漏洩電流を測定するという試験が行われると思われるので、送電網を設計時点で予め予測した値と著しい相違があれば、どっか断線しているとか、地落しているとかの可能性が疑われる。 その設計目標値を計算する基本的な考え方を題材としたものだと思われる。 |
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