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webadm | 投稿日時: 2017-2-19 0:49 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3084 |
Re: ピアノ教本 ふう、湿度が適度になって暖かくなったね。
南海の女王の湿った暖かい空気軍団に包囲されているからかな。北の雪の女王の冬将軍様は後退されたのかな。でもまだ安心は出来ないよね、3月に雪が降るかもしれず... さて、以前紹介した「音楽家のためのアレクサンダー・テクニーク入門」をやっと読み終えました。 良く見たら本の題名も以前紹介した時間違っていた...orz 前半は音楽家向けにアレクサンダー・テクニークの教師が用いるレッスンの内容が具体的に紹介されていますが、同時にアレクサンダー・テクニークの基本的な考え方も丁寧に言葉を変え、様々な視点から繰り返し説いています。 登場する重要な用語は数多くあるわけではなく、それはいつも少なすぎると思う程。 ・自己の使い方 ・エンド・ゲイニング ・ミーンズ・ウェアバイ ・プライマリ・コントロール ・ずさんな感覚認識 ・抑制(ノン・ドゥーイング) ・方向性(ディレクション) ・上向き思考 ・モンキーとランジ ・椅子の背に両手を置く ・囁く”アー” ・テーブル・ワーク 最後の4つは代表的なレッスンに使われる方法で単独で解説されてはいるものの、常に最初の方の用語を併用する形で解説が行われている。 後半ではこうした基本的なアレクサンダー・テクニークの考え方と方法論を音楽家の日常的な練習や演奏そして日々の生活に至るまで応用していく。 後半を読み始めて、以下の核心を突いた一文を読んでこの本のすごさに驚愕した。 引用: つまり、正しく演奏することを探求することよりも、正しく生きることを探求するほうが先にあるべきなのである。 この本が書かれた目的はその後に続く文に示されている。 引用: 日々の練習の本来の目的は、あなたの自己(総体)の使い方を探求することによって、あなたをより良い人にしていくことでなければならない。結局はそのことによって、あなたはより良い音楽家(演奏家)になることができる。 これは同時にアレクサンダー・テクニークは直接的に音楽家が抱える問題を解決するのではなく、間接的なアプローチで最終的には問題を引き起こしている抜本原因を解消する術を自らが獲得する手助けをするということを示している。 演奏上の困難や超えられない壁や難治な体の障害を解決するために藁をも掴む気持ちでこの本を読んでも直接的な解決方法はほとんど示されていないが、その代わり今まで気づきもしなかった視点で問題を見つめることが示される。 もちろん誤った練習や自己の使い方で体を痛めてしまった場合、体を休めてそれを治癒するのが優先であり、それに関してはアレクサンダー・テクニークはなんら直接的な解決方法を提供できない。しかし二度とそうした事態にならないように、そうなってしまったずさんな感覚認識に気づき、体に余分で有害な反応を引き起こしているエンド・ゲイニングに気づき、それを抑制する術を獲得し上向き思考と正しい方向性を与え最終的には総合的にバランスのとれた自己の使い方が出来るようにしてくれる。 おそらく著者が本書で伝えたい事柄のほとんどは文章では読者に伝わらず、読者もそれを身につけることは困難だと思われる。それが出来る最良の方法は、実際にアレクサンダー・テクニークの教師からレッスンを受けて、自己の感覚認識のずさんさに気づく体験をしたりすることから始める必要があると思われる。 最近はYoutubeでも国内のアレキサンダー・テクニーク教師がビデオでレッスンの内容を紹介している。 あくまでレッスンはそれを受ける人がアレキサンダー・テクニークを自分が正しく生きることに必要な感覚と術を獲得するためであり、それが間接的に練習や演奏上の困難や問題を解消するのに役立つことになる。 レッスンに興味は無くても、本書に随所に歴代の巨匠の言葉が引用されており、また後半の演奏家向けの応用に関しても斬新な練習方法とかはすぐにでも試して見たくなるかもしれない。ああ、こういう方法もありなのね、まじめに譜面通り弾くだけでなく、こういうアプローチもあったのねという具合に驚きます。 一回読んだだけでは、難しくて細かいところは忘れてしまうので、また時々開いて読み直す必要があり、それだけの価値がある本です。 さて、話は変わってピアノの練習の悩み編(´Д`;) 一応15曲暗譜して目をつぶってインテンポで弾けるようになったけど、悩みが一つだけあります。 それは以前も書いて未解決な問題、それは「丁寧に弾いているように聞こえない」という点。 テンポも拍感覚もちゃんとしているしミスも無いけど、つまらない曲にしか聞こえない(弾いていても、これもう一回弾けと言われたらやだ、という感じがする)。 15曲メドレーで一回だけ弾くという練習方法も、同じ曲を繰り返し弾いて練習するのが嫌だという理由もあり、その原因は自分で聞いていても嫌気がさして来るため。 そろそろこの問題を解決しないと、ゆくゆくは壁になって挫折する可能性大。 毎日ウォークマンとかで録音しているのですが、それを聞くとMP3で圧縮されているためか録音後に聞くと角がとれて聞きやすくはなっています。 デジタルピアノのデジタル(MIDI)録音だと再生すると演奏した時とまったく同じ音が出るので、ささくれた耳に痛い音がして二度と聞くもんかと思っていまう。チェックのため一回だけは通しで聞くけど、それっきり。 原因は何だろうと、Youtubeでいろんな人の演奏を聴くと、幼児や練習し始めの子や大人全般に共通するのは ・棒弾き だということ。 小さい子とかは手や指が柔らかで全身を使って弾いているので可愛さもあって、棒弾きでも聞けちゃうのは不思議。 でも始めたばかりで年配の大人の場合は、手が固いということもあって自分と同じように聞くに堪えない演奏が多いです。 いろいろ分析したところ、大人で聞くに堪えない原因は ・フレーズが耳障り ・左右(伴奏とメロディ)の音量バランスが悪い ということに。 もちろん譜面に書いてあるデュナミーク指示通りに弾いていたとしても上の問題が残る(それは譜面には書いてない) 前者は某弾きの延長上にあるため、ちょっとしたタッチのばらつきによるランダムに発生する音の強弱が一層際立つためと思われる。 後者は伴奏がメロディーと音量で競争して勝ってしまうことで生じると思われる。 もしくは左手の伴奏を基準に右手のメロディーを弾いていたりすると、どうしても右手の音が控えめになる。 Youtubeには教材用に録画された模範演奏があり、以前バイエル58番がペーター版では初版本と違う曲に差し替えられていたエピソードの時に紹介したチャネルがそれで、クラッシックの演奏で許容される範囲内でバイエルの練習曲が持つオリジナルの曲想を一層際立たせる演奏が聴ける。 その中で今練習している曲で他の素人演奏とかとは決定的に違うものを紹介。 特徴的なのは譜面上ではトリルの連続でしかない高音部がちゃんとメロディーとして聞こえるということ。フレーズもしっかり聴き取れる。それにテンポもそれなりに速い。 他にもペーターズ版では初版本から別の曲に差し替えられているものがあるのを確認。いずれもその旨のコメントが視聴者から投稿されている。確かに差し替えられた曲は悪くは無いけど、初版本のを弾いてほしかったというのはある。 他にもユニバーサルレコードからエッシェンバッファがバイエルの44番から106番まで演奏しているCDが出ている。そちらも買って勉強してみようかな。 先のYoutubeのビデオは北米のアイオワ大学のピアノ教育学のビデオ記録プロジェクトのものらしい。 とりあえずプロの先生方に一夜でキャッチアップするなんてことは無理なので、遠回りに歩みよることにしよう。模倣しようとするのはエンド・ゲイニングの最たるものだし。きっぱりそれはノン・ドゥーイングで行こう。 まずは手始めに、棒弾きと決別しないといけない。 それには普段の曲の演奏前に行う予備練習から心がける必要がある。 今は「Pianoprima Excersize」のグレード1とグレード2をやっているけど、今まで棒弾きをしていたので、今度からグラデーションを付けることにする。 最初はピアニッシモから真ん中の折り返し点でフォルテッシモになるようにクレッシェンドし、後半はデクレッシェンドして最後ピアニッシモで終わるように弾く。 これだけでも最初から最後までタッチを丁寧にコントロールする必要があるので今までのように惰性で弾くということが無くなった。 その効果はすぐに現れて、弾いていてもかなり心地が良い。 調子にのってハノンもその要領で弾いてみたら、なんか名曲に聞こえた(´∀` ) ハノンは一曲が長い(演奏時間が1分前後)のでゆっくりグラデーションを付けることができるのでやりやすいかも。 あとは左右の音量のバランスだけど、ハノンとかのようにユニゾンだとわかりにくいので、やはり伴奏とメロディーの旋律が明らかに違う曲がよさげ、これはバイエルの曲でやるしかないかな。 話はまた変わって、前回紹介した動画のバイエル51ばんの歌詞の件。 検索でヒットした唯一バイエルの曲に歌詞が付いたものということで、絶版になっている「うたおうこどものバイエル」全巻を中古で入手してみた。 第一巻には出版社名として「ばるん舎」と「草楽社」の名前が記載されているが、第二巻と第三巻では既に印刷済みだった「草楽社」は黒塗りされて消されている。何があったのだろうか、倒産でもしたのかな。秘められた黒歴史がありそう。 全三巻それぞれ表紙のイラストが異なっており、丁寧な作りなのだが、第一巻には別冊で歌唱譜があったみたいだけど、それは初版だけで、その後の版では省かれて無くなっていまったらしい。確かにそういう別冊が付いた例は他の児童向けの本では珍しい。 手元のは「1986年5月20日 第1版発行、1992年11月10日 第9刷発行」とあるので、6年間の間結構増刷された程売れたようだ。 時期的にはバイエル批判が起こった時期と重なっているので、バイエルが幼児向けのピアノ導入教材として用いられなくなった影響もあって絶版になったのだろうか。 それにしても作詞家の面々はすごい。 片岡 輝 片岡りあ 川崎 洋 木島 始 楠かつのり 阪田寛夫 谷川俊太郎 友部正人 中川ひろたか 中川いつこ 中田幸子 ねじめ正一 ぼく きょんみ まど・みちお 峯 陽 これらの名前は検索するといずれも有名人。 各巻には監修者である音楽家の中田喜直氏と谷川俊太郎氏の序文が巻頭にある。 谷川俊太郎氏が、子供の頃にピアノの先生だった母親からバイエルで手ほどきを受けていたのはこれを読んで初めて知った。バイエルがつまらなくて止めたらしい。企画が持ち込まれた時に子供の頃の記憶を思い出したらしく、自らもバイエルの曲にいくつも詩を付けている。 期待していたバイエル51ばんは、動画のものとは似ても似つかぬことなる歌詞であることから、動画のものは NHKの番組スタッフかその関係者が独自に作詞したものである可能性が高い。 動画のバイエル51ばんは伴奏の編曲もされているものの、編曲者や作詞者のクレジットが一切画面には出てこないことから、番組内部でNHKのためにだけ行われた可能性が高い。 NHKの子供向けの歌の番組はいくつもあって、以前紹介した動画はその中で「うたえゴー!」という小学二年生を対象にした番組だったらしい。当然再放送もNHKアーカイブにも収録されていないので、Youtubeの動画はお宝映像ということになる。 先の「うたおうことものバイエル」そのものは子供向けのバイエル教本そのもので、第一巻、第二巻については譜面の中に歌詞が記載されているものも多かったが、第三巻では純粋に器楽曲がほとんどのため歌詞は巻末にまとめて記載されていて譜面の方はピアノ演奏譜のみ。 まあ手元にバイエル教本が1セット増えたということだけど、バイエル教本収集家になりそうで後が怖い。 さて、「大人のための独習バイエル(下)」のステップ1もグレデーションや左右のバランスが良くなったらOKとして次へ進もう。 んじゃまた |
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題名 | 投稿者 | 日時 |
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ピアノ教本 | webadm | 2016-9-19 5:59 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2016-10-23 22:12 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2016-10-30 8:03 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2016-11-4 6:55 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2016-11-13 11:39 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2016-12-5 2:35 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2016-12-11 23:58 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2016-12-24 1:25 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2016-12-25 22:23 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-1-3 4:45 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-1-22 3:37 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-1-30 9:19 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-2-6 5:06 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-2-12 4:19 |
» Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-2-19 0:49 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-3-21 3:37 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-4-17 21:54 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-5-8 0:06 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-5-28 21:31 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-7-2 21:55 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-8-13 11:11 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-9-20 12:33 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2017-12-2 22:07 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2018-1-12 11:12 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2018-1-29 5:48 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2018-5-5 2:28 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2018-9-9 20:31 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2018-9-30 22:06 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2018-10-7 14:58 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2018-12-23 22:37 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-2-20 10:29 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-4-14 23:51 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-4-21 7:29 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-4-29 12:39 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-5-4 5:01 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-5-4 23:11 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-5-16 12:44 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-5-26 19:33 |
Re: ピアノ教本 | webadm | 2019-7-5 10:32 |
バイエル卒業(´∀` ) | webadm | 2019-8-5 0:50 |
Introducing Pianoprima EXERCISES | webadm | 2020-8-11 6:27 |