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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2007-2-12 5:14
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
dBとか
まだ出てくるのは先だけど電気の世界ではdBという単位がある。

信号レベルの減衰や増幅率を扱うのに倍数ではなくdBが使われる。同様に電力でもdBWとかdBmWとか。

電気の世界では扱う値のスケールが広範囲過ぎるので増幅器や減衰器を連結した際に回路全体としての増幅率や減衰率を得るのにかけ算ではなく足し算で済むように対数が使用される。元々はベル(B)が単位でdBはその10分の1でデシベルだったはず。

対数の利点は昔から使われていて、学生時代に使ったヘンミ計算尺などもかけ算に使うメモリは対数目盛だった。

そのほかコンピューターが現れるまでは対数表を応用した計算表というのがあった。2つのパラメータから結果を求める方程式は解くのが面倒である。ところが対数グラフを使うと直線を描くだけで解が得られたりする。面倒な設計計算とかでいろいろ応用できる。機械や電気設計とかではそれほど有効数字も要らないのでこうした計算表が当時は沢山使われていた。図書館にいけばいまでも沢山の応用例を紹介する参考書があるはず。

といっても実際にdBの数値が何倍あるいは何分の1になるのかまったく知らないというおそまつな現状。
webadm
投稿日時: 2007-2-13 11:02
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
早くも躓く
この教科書の演習問題は著者の解答がすぐ後に書いてあるのでどうしてもそちらを先に読んでしまって理解した気分になってしまう。実際にはまったく理解していないのだが。

そこで著者前書きにもあるように自分で解いてみる。

格子状に接続された抵抗ワイヤーの回路の合成抵抗を求める問題で早くも躓いた。

A B
+R+R+
R R R
+R+R+
R R R
+R+R+

という具合の回路のAB間の合成抵抗を求めるというものだ。

しかし今までのような4つ未満の抵抗で構成された回路と違って簡単に数式に置き換えることができない。まるでマッチ棒を並べて2個だけ動かしてどうのこうのというクイズに似ている。

この場合躓くのはちょうどABの中点同士が接続されている点。これさえ無ければ解けるのだが。

良くみると直感的に中点では電位がどこも同じになるのでそれらの間に何をつないでも回路にはまったく影響が無いはずである。

これはあくまで予測にすぎないが予測が正しいと仮定して中点をつなくワイヤーを除外した以下の回路を考える

A B
+R+R+
R R
+R+R+
R R
+R+R+

AB間の合成抵抗は2xRと4xRが並列になった回路に2xRが直列に入ったものと2xRが並列に接続されているので以下のようにして求められる。

Rab = 1/(1/(R+R)+1/(1/(1/(R+R)+1/(R+R+R+R))+R+R))
= 1/(1/2R+1/(1/(1/2R+1/4R))+2R))
= 1/(1/2R+1/(1/(3/4R)+2R))
= 1/(1/2R+1/(4R/3+2R))
= 1/(1/2R+1/(10R/3))
= 1/(1/2R+3/10R)
= 1/(5/10R+3/10R)
= 1/(8/10R)
= 10R/8
= 5R/4

ふう、頭の中ではとても扱えきれないほど面倒な計算。
紙に書いてようやく著者の解答と同じ結果が得られた。
もう一回白紙状態で同じ計算ができるか自信はない。

ただしこれで出来たと思ったら詰めが甘い。最初の予測についてなんら証明がされていない。感と経験でなんとやらの世界ならこれで十分なんだけどね。

著者の解き方はこんな面倒なことはせずに、最初から予測していた点について結論を出してから予想もしないほどあっけなく同じ結果を得ている。もう数学的な論法の世界である。電気のことを勉強しているのではなく数学の応用問題を解いているような感じだ。もっとも厳密に電気回路の振る舞いを予測してり計算しようとすると数式モデルに頼らざるを得なくなる。

趣味の電子工作とか低速なデジタル回路とかであればそうした電気回路理論とかを知らなくてもオームの法則とかコンデンサの性質とかインダクタンスやトランスの性質とかを観念的に理解していれば済んでしまうというのも経験上わかる気がする。

デジタル回路の設計特に論理設計やRTL設計とかは電子機器でありながら今思うと電気回路理論とは領域が明らかに違う分野であるという気がしてきた。ソフトウェアなどはコンピューターという電子回路の固まりを扱いながら電気回路理論とかは深く知らなくてもそれなりに仕事が出来てしまう。これもエレクトロニクス分野の中でも村八部に近い分野だろう。

まだまだ序の口で躓いていては仕方がない。

これからもっと昔習ったはずの数式を使った世界が待っている。
webadm
投稿日時: 2007-2-15 3:51
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
まだ11ページしか進んでいない
前回に引き続き格子状抵抗ワイヤーの合成抵抗の問題を解く。

前回は格子の隣接する2つの角の間の合成抵抗を求めるものだったが、今度は対角の角の間の合成抵抗。

これも直感的に中央の十字節が回路の中点だということがわかる。それと対角線の左右で回路は対象なので中央で接続されていようとなかろうと無関係であることが予想がつく。

+-R-+-R-+
A---R---+ +---R---C
+-R-+-R-+

という回路が2つAC間に並列につながっているというのと一緒である。これなら簡単に合成抵抗は

Rac = 1/(1/(R+1/(1/(R+R)+1/(R+R))+R)+1/(R+1/(1/(R+R)+1/(R+R))+R))
= 1/(1/(R+1/(1/R)+R)+1/(R+1/(1/R)+R))
= 1/(1/3R+1/3R)
= 1/(2/3R)
= 3R/2

ということで著者の解答の結果と同じ値が得られた。

違いは解き方だけなんだけどね。私のは小学生レベル。
著者の解答のように数学的にエレガントに解を得るのが正解らしい。着眼点はあっているんだけどアプローチが違っていた。

ふと考えたけどこれが長さが同じで抵抗値も同じワイヤーだからいいものの、任意の抵抗値の格子状ネットワークだったら解けるのだろうかと。

たぶんSpiceとか回路シミュレーターにネットリスト入れて回路に電圧を与えて流れる電流値をシミュレーションで求めれば合成抵抗は逆算できるだろうけどそれでは意味が無い。

抵抗4つぐらいまではなんとか接続の組み合わせは限られるのでなんとかなるにしても5つ以上になると単純な並列接続とか直列接続とかで扱えない回路が出来てしまう。

教科書の直流回路の演習の後の方に当然そういった問題を扱うところが出てくる。

実はこの辺の解の求め方は今でも研究されている先端分野なのかもしれない。電気だけでなく、抵抗をバネとか熱抵抗とかに置き換えると振動工学とか熱力学とかいう分野の問題になる。

あと格子状ネットワークを見て思い出したのが、昔コンピューターが普及し始めた頃に発達した有限要素法という技術。応用力学とかの分野で任意の複雑な形状(実際の機械部品は必ずしも円や四角形など単純ではない)に力が加わった場合に各部位に発生する応力をコンピューターで計算する方法である。学生の時に助手だった先生がこれをいち早く研究していて非破壊検査の分野に応用しようとしていた。当時学校のミニコンピューターはメモリは最大実装しているけどそれでも32Kワードとかちっぽけなので、少ない要素数でとりあえず学内でデバッグして本番のデータは東北大学の大型計算機センターを借りてやっていたようだ。有限要素法の場合、応力などを計算するには実際の材料の剛性に近い性質の3角形状の梁を組み合わせて面や立体を構成する。三角形なので3辺の長さは場所によってまちまちで、形状の変化が急な部分は小さな三角形を沢山組み合わせて緻密に、そうでないところは大きな三角形であっさりと構成する。特に高い近似精度を出すためにはなるべく小さな三角形を使用すればいいのだがそうすると計算する要素数が多くなり当時の大型計算機でも限界があった。

今にしてみれば8bitか16bitのマイコンでそれをやっていたような時代である。

今はPCで当時では出来ないような規模と密度の有限要素解析ができて当然になってしまった。その応用範囲は知らない間に結構広く行き渡っていると思われる。

格子状でなく対角線にワイヤーが入った三角形の集合体だったらちょっと演習としては難しすぎる。

たぶんこういった電磁気だけでなく応力や熱とかのが伝搬する任意のネットワークを解く方法は数学的に既にあるのだろう。北米ならそうしたアルゴリズムだけでも特許になっていそうである。
webadm
投稿日時: 2007-2-15 5:09
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
そのほか考慮すべき点
実験をやってみるといろいろ些細な事実が気にとまる。

まず2つの測定器を使って同じ抵抗の抵抗値を測定すると微妙に違う。どちらを信じたらいいのか。

それと電源の出力電圧は常に一定で変わらないという前提で実験を進めたが、実際に電源電圧を測定している間にもゆっくりと出力電圧が変化しているのに気づく。ごくわずかだが厳密にぴったり計算通り帳尻があわせるためには無視できない変化である。電圧が変化すると当然回路に流れる電流も比例して変化する。

それと教科書には温度係数という概念が出てくる。狭い範囲で温度が変化した場合、温度係数に比例して抵抗値とかの特性が変化するというものである。狭い範囲に限定しているのは、実際には抵抗とかは立体構造なので温度が変わると体積や断面積も変化する、そうすると二次曲線や三次曲線で変化することになる。しかしいずれの場合でもごく小さな温度変化の範囲であれば直線として近似できるためだ。

当然電流を多く流すと抵抗による電圧降下に電流を乗じただけの電力を消費しジュール熱が発生する。それによって抵抗の温度が上昇し抵抗値も変化する。これはもう微少な温度変化ではないので環境とタイミングによっては測定結果が異なる。

電源の出力電圧が変化するのはもっと複雑な事情がからんでいる。

実験を行うにはそうした変化にも目を配る必要がある。

測定器などはそうした温度特性を考慮して少なくとも測定開始の30分間前には電源を入れてウオーミングアップしておくことが普通である。それによって装置内の素子は或程度一定の温度に収束することになるのでそれからは変動は少ないはずである。

発振回路なども温度に敏感に影響を受ける。基準周波数を発信する回路とかは温度の変化による影響を最小限にするために様々な工夫が施されている。私が社会人になって最初に実習に行かされたのが水晶発振器を製造している部門だった。一応研究所での実習ということだったが、実質は子会社化した高安定基準発振器(TXO)や水晶発振子のメーカーだった。高安定基準発振器は技術者による手作りだった。私も何個か作った。内部の回路は金属ケース内に納められなおかつ最後にモールドが充填されて秘密のベールに隠されてしまう。そのノウハウは内緒だが少し教えてもらった。なんの変哲もない普通の発振回路だけど温度係数が互いに正反対の2つの部品を組み合わせて回路を構成することで温度係数を相殺し更に温度変化による影響を受けにくくしているらしい。実習の最後の日にちょうど人口水晶の製造釜を開けるらしく記念に人口水晶の固まりがもらえるという話で楽しみにしていた。しかしちょうどそ日に風邪で高熱を出して休んでしまったので私はもらい損ねてしまった。もう一人同僚にもらった大きな人口水晶を見せてもらってがっくりした思い出がある。

いわゆる測定器にオプションでつけられる高安定基準発振器、通商オーブン(中に電熱ヒーターが入っていて一定の温度にサーモスタットとかで制御している)は時々ヤフオクでも見かける。もっと高安定なのはルビジウムとかを用いたものだけどこちらは中にルビジウムの希ガスが入った電球のようなものが入っていて光学系の仕組みで特定の波長の光がルビジウムガスによって吸収される性質を用いて基準周波数を生成している。なので物理的にデリケートである。ただし原子時計に似た原理なのでちゃんと保守されているものであれば安定度は抜群である。これも時々ヤフオクで見かける。ルビジウムはカリウムなどと周期表では同族で実際自然界に沢山存在する。植物とかカリウムを吸収する際にルビジウムも同じように吸収される。自然界にあるルビジウムの3割は放射性同位元素であるためカリウムを摂取しているとルビジウムも摂取することは避けられない。なので一定の放射線源は人間の体からも植物からも土壌や海水の中にも含まれているという。

基準周波数源には他にGPSなどを利用したものもある。GPSの測位にはGPS衛星が使用しているのと同じ精度の時計を使用して計算しなければならない。GPSにはそうした基準時計をあわせる仕組みがあるのでそれを利用して正確な基準周波数を作ることができる。アンテナが別に必要で衛星が見えない時間帯や場所だと難有りだが時々ヤフオクでも見かけた。

他に電圧計とか電流計、LCRメーターとかも基準器を使用すればどれだけ狂っているかは確認できる。それらは一般には特種で測定器の校正を専門にやっている業者や部門には必ずあるもののヤフオクとかでは今ではめったに見ない。測定器の修理とかを廃業する人が手放す程度。
webadm
投稿日時: 2007-2-22 6:56
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
実学と理論
今取り組んでいる教科書の最後には関連する数学公式のサマリーが付録として記述されている。どれも学生時代に講義を受けた記憶があるものだが、ほとんどそれが何のために生み出されたかとか必要になるかとかは一度たりとも教えられたことが無い。そのため真剣に取り組んだことは無かった。

学生時代に新入クラスの担当だったのが数学の講師の人だった。自己紹介の時に真空管の話をしたらやけに突っ込まれた。担任の趣味はアマチュア無線だった。当時独身でほとんどの時間とお金を趣味のアマチュア無線に費やしていたらしい。

ほどなくして学校の近くにアマチュア無線ショップがあることを知り、パーツとかを物色しに行ったところ奥で担任の先生が椅子にゆったり座りながら英文のアンテナ工学らしき分厚い本を読みふけっていた。店長と親しい間柄でアマチュア無線仲間だということは店長と担任の先生の会話を聞いていてすぐわかった。

たぶん今もそうだと思うけど工業系の学校のカリキュラムは数学が一般教養ということで工学とかの専門課程と分離されてしまっているため、関連する数学知識を必要とする時にそれが必要とする専門課程の講義はまだ数年先にならないと現れないとか、逆にまだ必要な数学を教わってないのにそれをベースにした専門課程の理論を学ばされるという理不尽なプログラムが当たり前になってしまっている。詰め込みカリキュラムの典型だろう。

結果的に一般教養、専門課程どちらも難解でうわべだけの受講と試験答案ということになってしまう。

まだ機械工学とかであればすべての数学とかを駆使する必要がないのだが、電気工学は学校で習う数学のすべてを駆使するのでどちらかを欠くと両方の理解を欠くという結果になりかねない。まだ電気回路理論なら機械工学と大差無い範囲の初等数学で済むものの、電磁気学となると数学の応用問題のおさらいみたいなので数学が理解できないと皆目理解できないのではないかと思う。そういう意味では若い頃に電気工学の道をそれてしまったのは幸いだったかもしれない。

結局そうやって大事な勉学の機会を誰もが逸するわけであるが、ほとんどの実務のケースでは電気のうわべの理解だけで事が済んでしまうことが多い。何か回路を設計するのでも先人が残した似たような回路を真似したり、そうした先人が後生の人に伝えるために書いた実用書などを読めば真似できる常識やノウハウが得られる。特に実際の設計の現場ではノウハウの蓄積と使い回しと言ってもいいかもしれない。それほど新しいものでなければ誰もが同じことをやっているとも言える。

真空管回路の設計やトランジスタ回路の設計などもエレクトロニクスの歴史の中では最も新しい部分であり、氷山の一角でもある。誰もが取り組んでいるので既に答えを見いだした人が沢山いるはずだし、自分で0から答えを導き出す必要もないことがほとんど。

しかしそうやっていてもすべてがうまく行くわけではなく。現実には理論と実際の差異からいろんな問題が発生する。それらの原因や理由を知り解決するにはやはりうわべだけの実学的な理解ではなくそれらを生み出した先人達の発見や思考過程を追体験しその継承者の一人となることが不可欠である。

そのあたりが業界のもぐりなのかそうでないかという違いになる。

学生時代に電磁気学とかにまじめに取り組んで自分のものにした人達は尊敬に値する。難解で抽象的な講義に耐え、いきなりなんたらの式を導けとかいう数学的な命題みたいな試験の試練に耐えるだけも大変だと想像する。
webadm
投稿日時: 2007-2-24 22:47
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
網目電流法の演習
先の格子状回路の2問は自前の小学生レベルの解き方と著者による解法の両方を習得。やはり格子状になると網目電流法による解析が不可欠だと認識。

以降の問題でそれが明確になる。以前のものより格子が2つ横に増え、求める合成抵抗も対角の角の間となっている。

この場合も回路の中点がどこになるかは直感的にわかるが、それが中央のワイヤーの真ん中であることから、以前の問題のように電流が流れない部分を切り離して枝電流法で解くということは不可能。しっかりどのワイヤーも節も電流が流れているので切り離しては考えられない。

設問の図にはあらかじめ著者が網目電流法で解けるようにと代数でもって各ワイヤーを流れる電流の配分が分析されている。回路には対象性があるのと、途中電流が流れる3つの経路があるところではその合計値は全体を流れる電流と等しくなるはずだというキルヒホッフの法則を適用すれば自分でも設問を見なくても同じ分析は出来た。

問題は合成抵抗を求める段になって以前の問題のようには簡単にいかない。未知の電流が多いためである。所詮中学校レベルの連立方程式を解くだけなのだがすっかり忘れている。

webadm
投稿日時: 2007-2-28 21:21
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
やっと解けた
連立方程式を解くだけなのだが小学生で習う分数計算で計算ミスが多発し何度やり直しても同じ答えが出ないという地獄。

結局計算用紙何枚かに渡って手書きでところ狭しと余白を余すところなく式を書いていってようやく著者の解答と同じ結果が得られた。

後で考えると答えを求めるにはもう少し楽が出来たらしい。

求めるべき合成抵抗の電圧降下は以下の通り

E = (i1+i2+2i3+I-i1)R

これを見るとi1は相殺されるので

E = (i2+2i3+I)R

となる。全体を流れる電流はIなので合成抵抗は電圧降下を電流で割れば出てくる

R0 = E/I = ((i2+2i3+I)/I)R

すなわち

R0 = (i2/I+2i3/I+1)R

となるのであとはi2とi3とIだけの関係を連立方程式から求めればよい。i1は求めなくてもよかった。

連立方程式は少なくとも3つ立てる必要がある。i1,i2,i3のそれぞれのIとの関係を導くため、格子状回路の各節点では異なる経路からの電圧降下がそれぞれ等しい(接続されているので電位差は生じないはず)ということを利用する。

異なる経路の電流が合流する節点は4つほど考えられる。最後の1つは先に出た合成抵抗の端であるので除くとして残った3つの節点で合流する2つの経路のそれぞれの電圧降下が等しいとする式をたてる。

(i1+(i1-i2))R=((I-i1)+(I-i1-i3))R
(i1+i2+(i2-i3))R=((I-i1)+(I-i1-i3)+(I-2i2))R
(I1+i2+2i3)R=((I-i1)+(I-i1-i3)+(I-2i2)+(I-i1-i3))R

それぞれ整理すると

4i1-i2+i3=2I
3i1+4i2=4I
4i1+3i2+4i3=4I

2番目の式から i1=I-(4/3)i2
これで1番目の式のi1を置き換えると

4(I-(4/3)i2)-i2+i3=2I
4I-(16/3)i2-i2+i3=2I
4I-(19/3)i2+i3=2I
-(19/3)i2=-(2I+i3)
i2=(6/19)I+(3/19)i3

なのでi1は、

i1=I-(4/3)((6/19)I+(3/19)i3)
=I-((8/19)I+(4/19)i3)
=(11/19)I-(4/19)i3

上記のi1とi2を使って3番目の式を書き換えると

4((11/19)I-(4/19)i3)+3((6/19)I+(3/19)i3)+4i3=4I

4で両辺を割って

(11/19)I-(4/19)i3+(3/4)((6/19)I+(3/19)i3)+i3=I
(11/19)I-(4/19)i3+(18/76)I+(9/76)i3+i3=I
(44/76)I-(16/76)i3+(18/76)I+(9/76)i3+(76/76)i3=I
(62/76)I-(69/76)i3=I
(69/76)i3=I-(62/76)I
(69/76)i3=(76/76)I-(62/76)I
(69/76)i3=(14/76)I
i3=(76/69)(14/76)I
i3=(14/69)I

これでi2=(6/19)I+(3/19)i3のi3を置き換えると

i2=(6/19)I+(3/19)(14/69)I
i2=(69x6/19x69)I+(3x14/19x69)I
i2=(414/19x69)I+(42/19x69)I
i2=(456/19x69)I
i2=(24/69)I

先の合成抵抗の式のi2,i3をIとの関係式で置き換えると

R0 = (i2/I+2i3/I+1)R
R0 = ((24/69)+2(14/69)+1)R
R0 = ((24/69)+(28/69)+(69/69))R
R0 = (121/69)R

ということになる。

自分の分数計算能力やかけ算の九九の記憶が怪しいのを実感。

しかしこうやってみると格子状ワイヤー回路では抵抗値が一定の分数比になるという不思議がある。

格子状ワイヤーモデルはマイクロウェーブとかで格子状抵抗アッテネーターというのがあるらしい。その布石だろうか。
webadm
投稿日時: 2007-3-2 0:13
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
黒板かホワイトボードが欲しい
演習問題を解くためには手書きでガシガシ式をこねくりまわす必要があるのでメモ用紙があっという間に無くなってしまう。

昔から数式をこねくり回すには黒板かホワイトボードが一番。

特に複数の人であれこれこねくり回す時には重宝する。

学校に黒板があるのは単に先生が書いたもののコピーを見るためではなく、いろいろとアイデアをこねくり回すためにある。

口頭の会話だけでは互いに記憶できる情報の量も限られているし間違いや誤解も多い。黒板に書けば共通で確実に同じ情報を共有できる。

昔某大手電気メーカーの人達と一緒に仕事をする機会があって、最初の打ち合わせがもうけられた。その席で先方はまだパワーポイントとか無い時代にOHPシートとプロジェクターを使ってあらかじめ用意してあった資料を延々と説明していた。ついにこちらの提案を説明する段階になって、何も資料の準備をしていない私がおもむろにホワイトボードを引っ張り出して提案の趣旨を書き殴り始めた。これはカルチャーの違いを示した顕著な例でもある。先方はパソコンメーカーだしUNIXワークステーションも作ってる大メーカー。OHPもワークステーション上でLaTexやFigを使ってこしらえたものに見える。こちらはただの電機メーカー、パソコンなど無い。ワープロも職場で1台共通設備でしかない。そういう状況では今の様に事前にパソコンで資料を作成なんてのはできない。設計書もプログラムのコーディングも全部手書きでやっていたのだから。

ある意味カルチャーショックを受けた先方は、次回からは黒板で議論するという大変ライトウェイトなスタイルに変わった。結構こちらの方が見かけ倒しやごまかしがきかない。相手が書いたことや言っていることが即時に理解したり疑問を浴びせることができないと議論が進行しないからである。互いに実力を遺憾なく発揮できるのも黒板方式の良い点である。

昔インターネット以前に電話線モデムとかを介して電子上の黒板を共有したりするシステムがあった。研究開発とか黒板を使って議論するのが当たり前のところでは需要があったらしいが、或程度のまとまった情報をあらかじめ文書にまとめた段階で仕事を進める設計の現場では使えない代物だった。むしろファイル転送ソフトとかの方がまとまった資料を送ることができるので重宝された。

設計の現場でも難解な問題解決とかを議論するにはやはり研究開発と同じに黒板が重宝する。資料を先に準備している余裕などないからである。とにかくアイデアと解法を先に見つけて文書はその後である。

設計の現場にも黒板は必要である。私は昔、自分の席の脇にホワイトボードか黒板をいつも置いておいて、緊急の相談が来た時にはそれを取り出して筆談をしていた。会話が熱を帯びると周囲に迷惑がかかり生産性が落ちたり鬱になったりする人が現れるからである。重大な問題とか機密が会話内容から不用意に漏れないようにする効果もある。

自宅にホワイトボードを買ってこようかな。
webadm
投稿日時: 2007-3-3 3:53
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
やっとp12問題9
やっと次のページへ進んだ。

問題9は前のと同様に今度は正6角形の各節をワイヤーで結んだネットワークの最遠端間の合成抵抗を求めるというもの。それまでは正四角形の格子状ワイヤーだったが今回は正三角形の網。

直感的に中央の接点は上下の間で電位差が無いため電流は流れない。なので切り離しても回路的には等価である。それだと簡単な枝電流法で解けてしまう。

上下の回路は R+(1/(1/R+1/2R))+R
中央は2R
それら3つが並列につながっているのと同じと考えると
R0= 1/(1/(R+(1/(1/R+1/2R))+R)+1/2R+1/(R+(1/(1/R+1/2R))+R))
=1/(1/(2R+(1/(3/2R)))+1/2R+1/(2R+(1/(3/2R))))
=1/(1/(2R+2R/3)+1/2R+1/(2R+2R/3))
=1/(3/8R+1/2R+3/8R)
=1/(10/8R)
=8R/10
=4R/5

と著者の解答と同じ結果が得られる。

もちろん本来は網目電流法で解くのだが、一度試みたがやはり途中分数計算を間違えてしまってまたしても同じ結果が得られない。

慎重に計算はやる必要がある。そうでないと時間が無駄に。
webadm
投稿日時: 2007-3-4 3:44
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
問題9完了
回路の中点で2つの経路の電圧降下が等しいことから

(i1+(i1-i3))R=i2R

回路の両端での異なる2つの経路での電圧降下が等しいことから

(i1+i3+i1)R=2i2R

それぞれ整理すると

2i1-i3=i2
2i1+i3=2i2

この2つの式をそれぞれ加えるとi3が相殺されて消える

4i1=3i2

従って

i1=(3/4)i2

これで片方の式のi1を置き換えると

2(3/4)i2-i3=i2
(2/4)i2=i3

従って

i2=2i3

先のi1とi2の関係式から

i1=(3/4)2i3

従って

i1=(3/2)i3

全体を流れる電流Iは回路の始点で

I=2i1+i2

なのでi1をi2の関係で置き換えると

I=2(3/4)i2+i2
I=(3/2)i2+(2/2)i2
I=(5/2)i2

従って

i2=(2/5)I

回路の両端の電圧降下を全体の電流Iで割れば合成抵抗が得られるので

R0=E/I=2i2R/I=2(2/5)IR/I=(4/5)R

著者の解答を見たら後半に別解として最初に回路を分断して並列抵抗を求めるやりかたが解説されていた。

だいぶ分数は慣れてきた。このレベルだと小学生からでも学べるかもしれない。
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