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webadm
投稿日時: 2007-2-15 3:51
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
まだ11ページしか進んでいない
前回に引き続き格子状抵抗ワイヤーの合成抵抗の問題を解く。

前回は格子の隣接する2つの角の間の合成抵抗を求めるものだったが、今度は対角の角の間の合成抵抗。

これも直感的に中央の十字節が回路の中点だということがわかる。それと対角線の左右で回路は対象なので中央で接続されていようとなかろうと無関係であることが予想がつく。

+-R-+-R-+
A---R---+ +---R---C
+-R-+-R-+

という回路が2つAC間に並列につながっているというのと一緒である。これなら簡単に合成抵抗は

Rac = 1/(1/(R+1/(1/(R+R)+1/(R+R))+R)+1/(R+1/(1/(R+R)+1/(R+R))+R))
= 1/(1/(R+1/(1/R)+R)+1/(R+1/(1/R)+R))
= 1/(1/3R+1/3R)
= 1/(2/3R)
= 3R/2

ということで著者の解答の結果と同じ値が得られた。

違いは解き方だけなんだけどね。私のは小学生レベル。
著者の解答のように数学的にエレガントに解を得るのが正解らしい。着眼点はあっているんだけどアプローチが違っていた。

ふと考えたけどこれが長さが同じで抵抗値も同じワイヤーだからいいものの、任意の抵抗値の格子状ネットワークだったら解けるのだろうかと。

たぶんSpiceとか回路シミュレーターにネットリスト入れて回路に電圧を与えて流れる電流値をシミュレーションで求めれば合成抵抗は逆算できるだろうけどそれでは意味が無い。

抵抗4つぐらいまではなんとか接続の組み合わせは限られるのでなんとかなるにしても5つ以上になると単純な並列接続とか直列接続とかで扱えない回路が出来てしまう。

教科書の直流回路の演習の後の方に当然そういった問題を扱うところが出てくる。

実はこの辺の解の求め方は今でも研究されている先端分野なのかもしれない。電気だけでなく、抵抗をバネとか熱抵抗とかに置き換えると振動工学とか熱力学とかいう分野の問題になる。

あと格子状ネットワークを見て思い出したのが、昔コンピューターが普及し始めた頃に発達した有限要素法という技術。応用力学とかの分野で任意の複雑な形状(実際の機械部品は必ずしも円や四角形など単純ではない)に力が加わった場合に各部位に発生する応力をコンピューターで計算する方法である。学生の時に助手だった先生がこれをいち早く研究していて非破壊検査の分野に応用しようとしていた。当時学校のミニコンピューターはメモリは最大実装しているけどそれでも32Kワードとかちっぽけなので、少ない要素数でとりあえず学内でデバッグして本番のデータは東北大学の大型計算機センターを借りてやっていたようだ。有限要素法の場合、応力などを計算するには実際の材料の剛性に近い性質の3角形状の梁を組み合わせて面や立体を構成する。三角形なので3辺の長さは場所によってまちまちで、形状の変化が急な部分は小さな三角形を沢山組み合わせて緻密に、そうでないところは大きな三角形であっさりと構成する。特に高い近似精度を出すためにはなるべく小さな三角形を使用すればいいのだがそうすると計算する要素数が多くなり当時の大型計算機でも限界があった。

今にしてみれば8bitか16bitのマイコンでそれをやっていたような時代である。

今はPCで当時では出来ないような規模と密度の有限要素解析ができて当然になってしまった。その応用範囲は知らない間に結構広く行き渡っていると思われる。

格子状でなく対角線にワイヤーが入った三角形の集合体だったらちょっと演習としては難しすぎる。

たぶんこういった電磁気だけでなく応力や熱とかのが伝搬する任意のネットワークを解く方法は数学的に既にあるのだろう。北米ならそうしたアルゴリズムだけでも特許になっていそうである。
webadm
投稿日時: 2007-2-13 11:02
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
早くも躓く
この教科書の演習問題は著者の解答がすぐ後に書いてあるのでどうしてもそちらを先に読んでしまって理解した気分になってしまう。実際にはまったく理解していないのだが。

そこで著者前書きにもあるように自分で解いてみる。

格子状に接続された抵抗ワイヤーの回路の合成抵抗を求める問題で早くも躓いた。

A B
+R+R+
R R R
+R+R+
R R R
+R+R+

という具合の回路のAB間の合成抵抗を求めるというものだ。

しかし今までのような4つ未満の抵抗で構成された回路と違って簡単に数式に置き換えることができない。まるでマッチ棒を並べて2個だけ動かしてどうのこうのというクイズに似ている。

この場合躓くのはちょうどABの中点同士が接続されている点。これさえ無ければ解けるのだが。

良くみると直感的に中点では電位がどこも同じになるのでそれらの間に何をつないでも回路にはまったく影響が無いはずである。

これはあくまで予測にすぎないが予測が正しいと仮定して中点をつなくワイヤーを除外した以下の回路を考える

A B
+R+R+
R R
+R+R+
R R
+R+R+

AB間の合成抵抗は2xRと4xRが並列になった回路に2xRが直列に入ったものと2xRが並列に接続されているので以下のようにして求められる。

Rab = 1/(1/(R+R)+1/(1/(1/(R+R)+1/(R+R+R+R))+R+R))
= 1/(1/2R+1/(1/(1/2R+1/4R))+2R))
= 1/(1/2R+1/(1/(3/4R)+2R))
= 1/(1/2R+1/(4R/3+2R))
= 1/(1/2R+1/(10R/3))
= 1/(1/2R+3/10R)
= 1/(5/10R+3/10R)
= 1/(8/10R)
= 10R/8
= 5R/4

ふう、頭の中ではとても扱えきれないほど面倒な計算。
紙に書いてようやく著者の解答と同じ結果が得られた。
もう一回白紙状態で同じ計算ができるか自信はない。

ただしこれで出来たと思ったら詰めが甘い。最初の予測についてなんら証明がされていない。感と経験でなんとやらの世界ならこれで十分なんだけどね。

著者の解き方はこんな面倒なことはせずに、最初から予測していた点について結論を出してから予想もしないほどあっけなく同じ結果を得ている。もう数学的な論法の世界である。電気のことを勉強しているのではなく数学の応用問題を解いているような感じだ。もっとも厳密に電気回路の振る舞いを予測してり計算しようとすると数式モデルに頼らざるを得なくなる。

趣味の電子工作とか低速なデジタル回路とかであればそうした電気回路理論とかを知らなくてもオームの法則とかコンデンサの性質とかインダクタンスやトランスの性質とかを観念的に理解していれば済んでしまうというのも経験上わかる気がする。

デジタル回路の設計特に論理設計やRTL設計とかは電子機器でありながら今思うと電気回路理論とは領域が明らかに違う分野であるという気がしてきた。ソフトウェアなどはコンピューターという電子回路の固まりを扱いながら電気回路理論とかは深く知らなくてもそれなりに仕事が出来てしまう。これもエレクトロニクス分野の中でも村八部に近い分野だろう。

まだまだ序の口で躓いていては仕方がない。

これからもっと昔習ったはずの数式を使った世界が待っている。
webadm
投稿日時: 2007-2-12 5:14
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
dBとか
まだ出てくるのは先だけど電気の世界ではdBという単位がある。

信号レベルの減衰や増幅率を扱うのに倍数ではなくdBが使われる。同様に電力でもdBWとかdBmWとか。

電気の世界では扱う値のスケールが広範囲過ぎるので増幅器や減衰器を連結した際に回路全体としての増幅率や減衰率を得るのにかけ算ではなく足し算で済むように対数が使用される。元々はベル(B)が単位でdBはその10分の1でデシベルだったはず。

対数の利点は昔から使われていて、学生時代に使ったヘンミ計算尺などもかけ算に使うメモリは対数目盛だった。

そのほかコンピューターが現れるまでは対数表を応用した計算表というのがあった。2つのパラメータから結果を求める方程式は解くのが面倒である。ところが対数グラフを使うと直線を描くだけで解が得られたりする。面倒な設計計算とかでいろいろ応用できる。機械や電気設計とかではそれほど有効数字も要らないのでこうした計算表が当時は沢山使われていた。図書館にいけばいまでも沢山の応用例を紹介する参考書があるはず。

といっても実際にdBの数値が何倍あるいは何分の1になるのかまったく知らないというおそまつな現状。
webadm
投稿日時: 2007-2-11 23:25
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
インピーダンスの思い出
まだ延々と続く直流回路の演習問題を突破できていなかったり。

以前勤務していた職場で伝送信号が規格外の時に開発した装置がどういう挙動をするか検証したいと社内で相談した。

手持ちの環境では規格内でしか試験ができない。なので「伝送路に抵抗いれるとかでだめなの?」と聞いてみたらすぐさまハードウェア担当課長からダメだしが出た。理由はと聞くと「インピーダンスが変わってしまうからだめ」だそうだ。じゃどうすればというアドバイスも無くダメの一点張り。結局その試験はやらないことになってしまった。

今でもそれを覚えているのは「インピーダンス」という言葉をまるで印籠のようにだして「おまえらソフト屋にはそれすら理解できんだろう」と言っているような気がしてならなかった。

今から思えばアッテネーターを挟めばいいだけで、定数が半端なので作るのは面倒だけど扱う周波数帯が192kHzとかなので自作でもなんとかなったはず。時の担当課長はたぶんそこまで見通して、どうせハード屋が作らされるはめになるから知らんぷりしよう、ということだったのだろう。まったくもって酷い職場だった、今は業績低迷して地を這いずっていると人づてに聞く。

厳密なアッテネーターでなくても元々特性インピーダンスが低い伝送路であれば低抵抗を直列につなぐだけでも十分だったはず。ただ厳密にどれだけ減衰するのか計算で求めるとなるとやっかいではある。

本来は直流回路理論は簡単に済ませて現実の回路に近い交流回路や過渡現象とかを扱う理論へさっさと進みたいところだが、直流回路理論は回路の電流値が変化しない安定状態を前提としているが、交流回路も所詮定常波が現れている安定した状態を前提にしているので基本は同じである。実際の回路では電源投入時の過渡現象から、パルス信号とかめまぐるしく回路電流や電位が変化する世界であるので道は遠い。

本当は中学卒業した頃にこうしたことを順番に学んでいけばよかったのだが、それが出来なかった。そうした悔しさもあってもう人生の後半になってから思い返したように独学を始めた次第。

マイペースでゆっくり進もう。
webadm
投稿日時: 2007-2-4 21:13
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
格子状抵抗ネットワークの意味
同一抵抗値のワイヤーが格子状につながった回路を解析する問題の意図がなんとなくわかってきた。

平面や立体状の導体に電流が流れる時の事を解析する分布定数回路のもうひとつの布石なのだろう。


webadm
投稿日時: 2007-2-4 12:33
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
なんとか出来た
たぶん中学校の時は数学がまるでだめだったので学校の入学試験でも数学の成績がふるわず第一志望の電気工学科には入れずに第二志望の機械工学科に進まざるを得なかった苦い思い出がある。

数学への苦手意識はその後克服し、卒業する頃にはかなり数式を操るのがおもしろくなっていた。卒研では軸流送風機という、一般には扇風機の羽根車やジェットエンジンの中でぐるぐる回っている羽根車を設計するコンピュータープログラムをこしらえてその性能もシミュレーションするということをやった。その時に簡単な数式ですべての羽根車の形状が羽根の外周と根本(ハブと言う)の内周の比で決まるというのに気づいた。当たり前のことだがどの参考書にもそんなことは書いていなかった。いわゆる無次元のパラメータで特性(軸流速度と圧縮率の比率)が決まるという性質を利用して求められる性能仕様から必要な形状を割り出すことが出来るようになった。前年までの卒業生も代々同じテーマに取り組んで来たがコンピューターがまだ無かったので電卓か紙とタイガー計算機を使って徹夜して計算していたらしい。

設計計算をほとんど簡単なコンピュータープログラムで記述できるので、それまで手がけられていなかった性能評価のための流体シミュレーションまで行える余裕が出来た。ちょうど指導教官もその年を最後に退官されたので良い区切りになったらしい。

話をもとにもどそう。無限に続く抵抗ラダーの合成抵抗を求める式

R∞**2 -R2xR∞-R1xR2=0

これを(R∞-R2/2)の二乗が

(R∞-R2/2)**2 = R∞**2 - R2xR∞ +(R2/2)**2

であることを利用して書き換えると

(R∞-R2/2)**2 -(R2/2)**2 - R1xR2 = 0

すなわち

(R∞-R2/2)**2 = (R2/2)**2 + R1xR2

左辺の根を求めると

(R∞-R2/2) = ±SQR((R2/2)**2 + R1xR2)

従って

R∞ = R2/2 ±SQR((R2/2)**2 + R1xR2)

= (R2 ± SQR(R2**2 + 4xR1xR2))/2

ということになる。

なんだ簡単じゃないか。
webadm
投稿日時: 2007-2-4 11:43
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
初等の数学をすっかり忘れている
無限に続く抵抗ラダー回路の合成抵抗を求める問題で行き詰まった。

すぐ側に解答が説明されているのでどうしても目に入ってしまう。読むと理解したつもりになってしまうが、式を自分で書いて解いてみようとするといきなり結果が出ていてその過程が謎である。

R∞**2 -R2xR∞-R1xR2=0

という式からいきなり

R∞ = (R2±SQR(R2**2+4xR1xR2))/2

という式になってしまっている。どっかで見覚えがある公式のような気がするがすっかり忘れてしまっている。中学校で習った覚えがあるがどうやって導きだすのかはすっかり忘れている。
webadm
投稿日時: 2007-2-4 5:12
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
直流回路の演習問題を見て
教科書の演習問題は、ひたすら回路から数式へ変換して解を導くというパターンが続く。

なのでほとんどが数式をこねくり回すテクニックを身につけていないとオームの法則とかキルヒホッフの法則とかを知っていることにならない。あとでもっと難しい式をこねくり回すことになるのでいまのうちに覚悟しておく必要がある。ということで鬼のように演習問題がある。

それと後々最後の頃に登場する分布定数回路の予告の予告みたいな問題が登場する。抵抗ラダー回路である。

電気回路を学ぶと他の学問で出てくる法則ととてもよく似た式が出てくる。例えば熱力学の熱伝導法則とオームの法則の相似性。
熱力学では熱抵抗と熱伝導の概念があって、熱抵抗は熱伝導が発生すると温度降下を生じる、これは電流が抵抗を流れると電圧降下を生じるというのとそっくり同じである。

先の抵抗ラダー回路は、よく見ると再帰的な自己相似性をもったフラクタルに見える。

教科書の著者は後々出てくる分布定数回路の布石のために集中定数回路だけ扱うのではなくこうした抵抗ラダー回路が永久に続く時の抵抗値(フラクタルなので拡散せずに限りなくある値に近づく)を導くことが出来ることを読者に再発見させてくれる。

その他様々な格子や三角形、六角形、立方形に接続された抵抗回路網の合成抵抗値を求めさせられる。これらも後々必要となるなにかの布石だろうか。一部はYとΔ接続回路の互換性を応用すれば簡単に解けるらしい。

真ん中ぐらいに電流計の原理の発見を追体験させる問題が出てくる。

同様にアッテネーター(減衰器)の原理の発見を追体験させる問題も。

これはおもしろい、是非自分で一度は解いてそれらを追体験しておきたいところだ。特にアッテネーターは抵抗のY接続とΔ接続それぞれで同様に構成できるところがおもしろい。

或程度実務をかじってから見ればなんだこれは電流計じゃないかとかアッテネーターじゃないかとか予想がつくが、そうでない若い学生はちんぷんかんぷんかもしれない。そういう意味では社会に出てから学校に戻って勉強をし直す機会がもっとあって良い気がする。





webadm
投稿日時: 2007-2-3 22:41
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
さらなる考察
本来の実験の目的であるオームの法則を検証するために、せっかく実験に使用した電流計と電圧計の内部抵抗値が判明したのを利用して計測時の本来の回路状態を考察してみる。

分流回路では全体を流れる電流を測定する際に直列に6.7Ωの抵抗が入った形になっていた。そのため電源電圧は分圧されて若干目減りしてしまったので理論値よりも少ない電流値が観測されたと推測する。いずれにせよ電源電圧は一定を保たれていたという前提であるが。

すると2つの並列抵抗に加わっていた真の電圧(E)は実測電流(I)と合成抵抗から以下の式で得られる。

E = I x R
  = 76.1(mA) x 13.2 = 1.00V

この値から各抵抗に流れていた枝電流を計算すると以下の通り

I1 = E/R1 = 1.00 / 21.9 = 45.7(mA)
I2 = E/R2 = 1.00 / 33.2 = 30.1(mA)

ということで全体に流れるはずの電流(I)の理論値を算出すると

I = I1 + I2 = 45.7 + 30.1 = 75.8(mA)

という計算になる。これは実測値(76.1mA)に近い。

今回の実験では電流計の内部抵抗値が測定回路に与える影響が大きくなるように低抵抗な回路を使用したが、実験に使用したブレッドボードの接触抵抗や配線材の抵抗も回路の抵抗と比較して無視できない程大きいことからそれらが内部抵抗として更に現実の回路に分布しているため理論値と実測値にわずかな差異が生じたと推測される。

ということで安い簡易な測定器しか無い場合でもその素性や特性をあらかじめ知っていれば最大限に活用することは可能です。ただやはり測定に際して回路に影響を与えないのが望ましいことですが、それは逆に難しく高度で高額な測定器を必要とします。なので貧乏人は安い測定器を賢く使うことが必要になります。
webadm
投稿日時: 2007-2-3 13:47
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
別の測定器でやってみた
いままでの電流、電圧、抵抗の測定にはどれもFLUKE 73IIIというマルチメーターを用いていたがどうも電流測定時に内部抵抗が結構高いようなので別のデッキトップ型マルチメーターHP3468Aを使ってみることにする。

HP2468AでFLUKE 73IIIの電流測定モードでの内部抵抗値を計測すると6.7Ωという結果になる。結構大きい。それで22Ωとか33Ωとかの回路ではかなり影響が出るわけだ。

一方電圧測定時の内部抵抗は11MΩとかなり大きいので数十KΩの回路では影響は出にくい。

一方HP2468Aの電圧測定時の内部抵抗をFLUKE 73IIIで計測しようとしても計測不能なほど抵抗値が高い。また電流測定時の内部抵抗も0.7ΩとFLUKE 73IIIと比べて10分の1と小さい。

デッキトップ型のマルチメーターが厳密な回路測定にもっぱら利用されるのはそうしたことからもうなずける。

分流回路をHP2468Aを使ってやり直してみるとまた違った結果が得られる。

R1 = 22.7Ω
R2 = 33.9Ω
R = 14.0Ω 13.6Ω
E = 1.56V
I = 0.11A   0.115A
I1 = 0.067A 0.069A
I2 = 0.044A 0.046A

かなり計算値との乖離は少ないがやはり電流測定時に内部抵抗が直列に加わるので電流値が計算値よりもわずかに目減りしている。興味深いのは抵抗値が計算から求めたものとだいぶ違っている点である。実は実験に使用したブレッドボードの配線材料はかなりの抵抗成分があり、測定するポイントによっては最大1Ω程度の値が加わってしまう。接触抵抗とかも影響して測定時にかなり値が不安定な時がある。電流を多く流す回路の実験ではブレッドボード自身の配線抵抗も無視できない要素ではある。

一方分圧回路の場合は以下の通り

R1 10.00KΩ
R2 22.00KΩ
R 32.00KΩ 32KΩ
E 8.9538V
I 0.00028A  0.00028A
E1 2.798V 2.8V
E2 6.151V 6.16V

FLUKEよりも電流測定時の内部抵抗が低い分電流値は計算値に近い値が得られている。ただ電流量が少ないので有効数字が少ない。
電圧測定時の内部抵抗はFLUKEよりは十分高いはずだが計算とぴったりは一致しない。特に抵抗値が高いR2の電圧降下を計測する際には内部抵抗が並列接続されるため合成抵抗が下がり電圧配分が目減りしていると思われる。

ここまででわかるのは電流測定時には内部抵抗がいくらあるかによって電流量が大きい回路の測定では影響が出るということ。デッキトップ型のマルチメーターの方がハンディタイプのマルチメーターよりも電流測定時の内部抵抗が低いし、電圧測定時の内部抵抗が高いため回路へ与える影響が少ないと言える。

実験に際しては使用する測定器の性能や特性を良く吟味して適材適所を心がける必要がある。
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