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投稿者 | スレッド |
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webadm | 投稿日時: 2007-9-24 8:27 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題46:充電済みコンデンサの並列接続(その2) 今度は予め充電されている電荷が判明している2つの異なるコンデンサを並列接続した場合に失われる静電エネルギーの式を導くもの。
著者の解法と違うやり方で。基本的には前の問題45で使ったのと同じ考え方。今度は電荷が予めわかっているのでそれから電圧を割り出して2つのコンデンサを直列に接続した状態でその合成容量を持つコンデンサの両端に蓄えられている静電エネルギーを求めれば良い。 (%i1) e1: E1=Q1/C1; (%o1) E1=Q1/C1 (%i2) e2: E2=Q2/C2; (%o2) E2=Q2/C2 (%i3) e3: C=(1/(1/C1+1/C2)); (%o3) C=1/(1/C2+1/C1) (%i4) e4: W=C*(E1-E2)^2/2; (%o4) W=(C*(E1-E2)^2)/2 これをW,C,E1,E2について解くと (%i5) solve([e1,e2,e3,e4],[W,C,E1,E2]); (%o5) [[W=(C1^2*Q2^2-2*C1*C2*Q1*Q2+C2^2*Q1^2)/(2*C1*C2^2+2*C1^2*C2),C=(C1*C2)/(C2+C1),E1=Q1/C1,E2=Q2/C2]] (%i6) factor(%); (%o6) [[W=(C1*Q2-C2*Q1)^2/(2*C1*C2*(C2+C1)),C=(C1*C2)/(C2+C1),E1=Q1/C1,E2=Q2/C2]] ということで著者と同じ解が得られる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-9-23 5:21 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題45:充電済みコンデンサの並列接続 こんどは予め充電済みのコンデンサを並列につないだときに失われる静電エネルギーを求めるというもの。
これはいろいろ解き方があると思われる。いつものようにひねくれた解き方をやってみる。 まだ並列につないでいない状態の2つのコンデンサはそれぞれ蓄えられた電荷が移動せずに均衡を保っている。 並列に接続するということは合成容量Cのコンデンサに蓄えられていた電荷を一気に短絡させて失わせることを意味する。ということで合成容量Cのコンデンサに蓄えれていた静電エネルギーがコンデンサを並列に接続した際に短絡によって失われると考えることが出来る。 図から方程式を立てると (%i23) e1: C=(1/(1/C1+1/C2)); (%o23) C=1/(1/C2+1/C1) (%i24) e2: Q=C*(E2-E1); (%o24) Q=C*(E2-E1) (%i32) e3: W=Q*(E2-E1)/2; (%o32) W=((E2-E1)*Q)/2 これらの方程式からC,Q,Wを解くと (%i33) solve([e1,e2,e3],[C,Q,W]); (%o33) [[C=(C1*C2)/(C2+C1),Q=(C1*C2*(E2-E1))/(C2+C1),W=(C1*C2*(E2^2-2*E1*E2+E1^2))/(2*C2+2*C1)]] 因数分解すると (%i34) factor(%); (%o34) [[C=(C1*C2)/(C2+C1),Q=(C1*C2*(E2-E1))/(C2+C1),W=(C1*C2*(E2-E1)^2)/(2*(C2+C1))]] E2とE1の差分の式が著者と逆だが2乗するので負号は関係なく結果は一緒になる。 よく考えると問題では接続の向きについては何も書いていない。もし充電された極性が逆向きになるように並列接続したらどうなるのだろうか? その場合、合成容量に蓄えられた電荷Qは (%i50) e2: Q=C*(E1+E2); (%o50) Q=C*(E2+E1) となり、同様に静電エネルギーも (%i51) e3: W=Q*(E2+E1)/2; (%o51) W=((E2+E1)*Q)/2 となる。これでC,Q,Wを解くと (%i52) solve([e1,e2,e3],[C,Q,W]); (%o52) [[C=(C1*C2)/(C2+C1),Q=(C1*C2*(E2+E1))/(C2+C1),W=(C1*C2*(E2^2+2*E1*E2+E1^2))/(2*C2+2*C1)]] 因数分解すると (%i54) factor(%); (%o54) [[C=(C1*C2)/(C2+C1),Q=(C1*C2*(E2+E1))/(C2+C1),W=(C1*C2*(E2+E1)^2)/(2*(C2+C1))]] E1の極性が逆になるだけだということがわかる。 実は(E2-E1)^2は(E1-E2)^2と同じである。MaximaはE2^2-2*E1*E2+E1^2というのを因数分解すると(E2-E1)^2のほうを表示する。E2^2-2*E1*E2+E1^2はE1^2-2*E1*E2+E2^2と書いたのと同じなので(E1-E2)^2にも因数分解できるがこちらはMaximaでは出てこない。 |
webadm | 投稿日時: 2007-9-23 4:42 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題44:コンデンサーのラダー回路 以前に抵抗ラダー回路の問題があったが今度はコンデンサーのラダー回路。
最初の図の合成容量Cadを求めるというもの。 コンデンサの直列・並列混在回路なので式を立てると (%i1) Cad=(C5+1/(1/C4+1/(C3+1/(1/C2+1/C1)))); (%o1) Cad=C5+1/(1/C4+1/(C3+1/(1/C2+1/C1))) (%i2) factor(%); (%o2) Cad=(C2*C4*C5+C1*C4*C5+C2*C3*C5+C1*C3*C5+C1*C2*C5+C2*C3*C4+C1*C3*C4+C1*C2*C4)/(C2*C4+C1*C4+C2*C3+C1*C3+C1*C2) 一見すると著者の解とは似てもにつかぬが、 (%i3) ratsimp(%); (%o3) Cad=(((C2+C1)*C4+(C2+C1)*C3+C1*C2)*C5+((C2+C1)*C3+C1*C2)*C4)/((C2+C1)*C4+(C2+C1)*C3+C1*C2) とすると分子のC5にかかっている式が分母で割り切れることがわかる。 すなわち Cad = R5 + ((C2+C1)*C3+C1*C2)*C4/((C2+C1)*C4+(C2+C1)*C3+C1*C2) ということになり著者の解と同じ式であることがわかる。 同様にラダーが∞に続く場合は、 (%i16) Cinf=C+(1/(1/C+1/Cinf)); (%o16) Cinf=C+1/(1/C+1/Cinf) Cinfについて解くと (%i17) solve(%,Cinf); (%o17) [Cinf=-((sqrt(5)-1)*C)/2,Cinf=((sqrt(5)+1)*C)/2] ということで著者と同じ答えが得られる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-9-23 3:31 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題43:コンデンサのY接続 今度はコンデンサをY接続した回路
これも方程式を立てて解くだけ。 (%i25) e1; (%o25) E1=Q1/C1+E (%i26) e2; (%o26) E2=Q3/C3+E (%i27) e3; (%o27) E=Q2/C2 (%i28) e4; (%o28) -Q3+Q2-Q1=0 が図で成り立つのでQ1,Q2,Q3,Eを解くと。 (%i29) solve([e1,e2,e3,e4],[Q1,Q2,Q3,E]); (%o29) [[Q1=(C1*(C3+C2)*E1-C1*C3*E2)/(C3+C2+C1),Q2=(C2*C3*E2+C1*C2*E1)/(C3+C2+C1),Q3=-(-C2*C3*E2-C1*C3*E2+C1*C3*E1)/(C3+C2+C1),E= (C3*E2+C1*E1)/(C3+C2+C1)]] さっくりと著者と同じ解答が得られた。 連立方程式さえ間違いなく立てられればそれを解くにはMaximaにまかせれば良い。 著者の解答では数学公式集に必ず載っている連立方程式の一般解法である行列式を使って解いているが、ITが一般化した時代ではいささか時代遅れの感がある。こういうのは本当に数式処理システムは得意である。人間が苦手なことに労力を煩わす必要は無い。知っておいて損は無いけど、技量をいつまでも保つのは容易ではない。 連立方程式を回路から立てることができるようになれば回路解析は半分終わったも同然。あとは解くだけ。人間の手でやれば詰まらぬ間違いやミスで正しい解が得られない可能性が大である。 回路シミュレーターもとどのつまり連立微分方程式を解いているようなものなので、回路シミュレーターを使って良いという時代に数式処理システムを使って連立方程式を解いても罪にはなるまい。最初は自分で解いてみる努力は必要だと思うけど。 |
webadm | 投稿日時: 2007-9-22 19:26 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題42:コンデンサの直・並列組み合わせ回路計算 コンデンサの直列と並列接続が混在している回路の計算。
これも連立方程式をたててMaximaで解ける。 (%i1) e1: C=1/(1/C2+1/(C1+C3)+1/C4); (%o1) C=1/(1/C4+1/(C3+C1)+1/C2) (%i2) e2: E=E2+E1+E4; (%o2) E=E4+E2+E1 (%i3) e3: E=E2+E3+E4; (%o3) E=E4+E3+E2 (%i4) e4: E1=Q1/C1; (%o4) E1=Q1/C1 (%i5) e5: E2=Q2/C2; (%o5) E2=Q2/C2 (%i6) e6: E3=Q3/C3; (%o6) E3=Q3/C3 (%i7) e7: E4=Q4/C4; (%o7) E4=Q4/C4 (%i9) e8: Q2=Q; (%o9) Q2=Q (%i10) e9: Q4=Q; (%o10) Q4=Q (%i12) e10: E=Q/C; (%o12) E=Q/C これをMaximaでC,Q,Q1,Q2,Q3,Q4,E1,E2,E3,E4について解くと。 (%i13) solve([e1,e2,e3,e4,e5,e6,e7,e8,e9,e10],[C,Q,Q1,Q2,Q3,Q4,E1,E2,E3,E4]); (%o13) [[C=((C2*C3+C1*C2)*C4)/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2),Q=(C4*(C2*C3*E+C1*C2*E))/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2),Q1=(C1*C2*C4*E)/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2), Q2=(C4*(C2*C3*E+C1*C2*E))/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2),Q3=(C2*C3*C4*E)/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2),Q4=(C4*(C2*C3*E+C1*C2*E))/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2),E1= (C2*C4*E)/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2),E2=(C4*(C3*E+C1*E))/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2),E3=(C2*C4*E)/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2),E4= (C2*C3*E+C1*C2*E)/((C3+C2+C1)*C4+C2*C3+C1*C2)]] となる、C1,C2,C3,C4とEにそれぞれ値を割り当てて計算し直すと。 (%i20) C1: 1*10^-6; (%o20) 1/1000000 (%i21) C2: 2*10^-6; (%o21) 1/500000 (%i22) C3: 3*10^-6; (%o22) 3/1000000 (%i23) C4: 4*10^-6; (%o23) 1/250000 (%i24) E: 100; (%o24) 100 (%i25) solve([e1,e2,e3,e4,e5,e6,e7,e8,e9,e10],[C,Q,Q1,Q2,Q3,Q4,E1,E2,E3,E4]); (%o25) [[C=1/1000000,Q=1/10000,Q1=1/40000,Q2=1/10000,Q3=3/40000,Q4=1/10000,E1=25,E2=50,E3=25, E4=25]] となり実数表現に直すと。 (%i27) float(%); (%o27) floag([[C=9.9999999999999995*10^-7,Q=1.0*10^-4,Q1=2.5000000000000001*10^-5,Q2=1.0* 10^-4,Q3=7.4999999999999993*10^-5,Q4=1.0*10^-4,E1=25.0,E2=50.0,E3=25.0,E4=25.0]]) となり著者の解と同じ結果が得られているのがわかる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-9-22 3:54 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題41:コンデンサの直列接続計算 問題40の応用というか、実際に容量値が与えられた場合のコンデンサの電圧を計算するというもの。
添え字の付いた式をMaximaでどう扱えばよいかわからなかったので問題39と問題40は著者と同じ解き方になってしまったが、今度はコンデンサの個数が有限なのでMaximでも解くことができる。 まず以下の式が成り立つ。 (%i1) e1: C=(1/(1/C1+1/C2)); (%o1) C=1/(1/C2+1/C1) (%i2) e2: Q=C*E; (%o2) Q=C*E (%i6) e6: E1=Q/C1; (%o6) E1=Q/C1 (%i7) e7: E2=Q/C2; (%o7) E2=Q/C2 これらからQ,C,E1,E2の一般解を解くと (%i10) solve([e1,e2,e6,e7],[Q,C,E1,E2]); (%o10) [[Q=(C1*C2*E)/(C2+C1),C=(C1*C2)/(C2+C1),E1=(C2*E)/(C2+C1),E2=(C1*E)/(C2+C1)]] あとはC1,C2,Eを実際の値に置き換えて計算すればよい。 (%i23) C1: 2*10^-6; (%o23) 1/500000 (%i24) C2: 3*10^-6; (%o24) 3/1000000 (%i25) E: 150; (%o25) 150 (%i26) solve([e1,e2,e6,e7],[Q,C,E1,E2]); (%o26) [[Q=9/50000,C=3/2500000,E1=90,E2=60]] (%i27) float([[Q=9/50000,C=3/2500000,E1=90,E2=60]]), numer; (%o27) [[Q=1.8000000000000001*10^-4,C=1.1999999999999999*10^-6,E1=90.0,E2=60.0]] Cの値がfloatできっちり表現できない値なので致し方ないが。 |
webadm | 投稿日時: 2007-9-21 19:53 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題40:キャパシタの直列接続 次ぎはコンデンサの直列接続。
これも深く考えると過渡現象の世界に入り込んでしまうので、定常電流の世界(電流変化が0)だけに限定して他は考えない。コンデンサを直列につないだだけでも、最初に電荷が蓄えられる時はどうなるのだとか想像したら夜も眠れなくなることうけあいだ。 これも合成容量を求める問題なので、最初に直列に接続されたコンデンサをそれらの合成容量をもった単一のコンデンサと考えることにする。とすれば合成容量を持った単一のコンデンサに蓄えられている電荷は Q = C*E となる。 とどのつまり個々のコンデンサはそれぞれ同一の電荷Qを蓄えてそれぞれ均衡を保っているということになる。そうでないと電荷の不均衡によって電流変化が生じてしまう。 著者の解答例ではいきなり説明もなくすべてのコンデンサが等しく電荷Qを持つということで解き始めているがこれはとまどう。 すべてのコンデンサに蓄えられている電荷がQであるとわかればそれぞれのコンデンサの両端の電圧は容量によって異なってくることになる。 Q = C1*E1 = C2*E2 = ... = Cn*En ここでキルヒホッフの法則により直列に接続されたコンデンサの両端の電圧の総和は電源電圧に等しくなることから E = E1 + E2 + ... + En また先の電荷の式から E1 = Q/C1, E2 = Q/C2, ... , En = Q/Cn なのでこれで先のEの式を置き換えると E = (Q/C1 + Q/C2 + ... + Q/Cn) ここで Q = C*E から C = Q/E であるため、Eを先の式で置き換えると合成容量Cは C = Q/(Q/C1 + Q/C2 + ... + Q/Cn) =1/(1/C1 + 1/C2 + ... + 1/Cn) ということになる。 各コンデンサの両端の電圧の比も E1:E2:...:En = Q/C1:Q/C2:...:Q/Cn = 1/C1:1/C2:...:1/Cn ということになる。 つまり直列に接続した場合、容量が少ないコンデンサほど電圧が高くなるということを意味する。容量が少ないのでそれだけ余分に電圧が高く印可された状態でないと電荷が均衡しないとも言える。 |
webadm | 投稿日時: 2007-9-21 19:33 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題39:キャパシタの並列接続 さていよいよ問題も後半に突入(ってまだ後半だよ、まだ半分近く残ってる)
今度はキャパシタに関する問題。 最初はキャパシタを並列にしたら合成キャパシタはいくつになるかという簡単な問題。 しかし疑り深い症のある者にとってこの問題はくせ者である。 実学的には「コンデンサの並列接続=容量の足し算」という既成概念が定着しているので、なんだこんな問題、次ぎいこ次ぎ。 となってしまいがちだが、ここで足を止めて基本に立ち返ろう。 コンデンサの容量とはなんぞや。 電荷(クーロン)の蓄え易さみたいな尺度かな。 コンデンサの両端に電圧Eが発生しているときは、容量(ファラッド)に電圧を乗じただけの電荷が蓄えられているとするというものだったと思う。 肝心なのは常に電荷が蓄えられていること。現実には蓄えるという手順が先に必要だが、コンデンサに最初電荷が蓄えられていない場合には電圧も0、そういうものにいきなり電圧をかけたら∞の電流が流れる計算になるが、すぐに電荷として蓄えられるので時間とともにコンデンサの両端の電圧は上昇して流れる電流も減ってくる、これは過渡現象を扱うことになるので、まだ10年早い。それに実際の回路では電源は内部抵抗を持つし、配線にも抵抗やインダクタンスはあるので∞の電流が流れても逆に∞の電圧降下が発生して電流を制限することになるのでやっかいだ。また電荷が蓄えられたコンデンサを閉回路に挿入すれば電荷が流れて電流が発生する。電荷が流れると蓄えられている電荷が減るのでそれに比例して両端の電圧も減る。これは時間的に減っていくのでやはり過渡現象を扱うことになるのでまだ今は早過ぎる。 直流回路理論では定常電流(電流の時間的変化が0)ということが暗黙の前提である。それで回路を解析しやすくしている。 先のコンデンサの容量の定義からすれば、並列に接続された複数のコンデンサがそれぞれ電荷で満たされている状態では、それらのコンデンサに蓄えられた電荷の総量は以下のようになる。 Q = Q1+Q2+...+Qn それぞれのコンデンサの電荷は Q1 = C1*E, Q2 = C2*E, ... , Qn = Cn*E で表されるので、 Q = (C1 + C2 + ... + Cn)*E ということになる。従って合成容量Cで置き換えると Q = C*E = (C1 + C2 + ... + Cn)*E となり、C = (C1 + C2 + ... + Cn) ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-9-15 19:36 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題38:地絡距離測定 ブリッジ回路の原理を利用して地絡地点までの距離を測定する方法。
例によってMaximaでブリッジが平衡条件の時の連立方程式を解いてみる。 (%i47) e1: E=I1*R1+(I1-Ig)*r*(L-x); (%o47) E=I1*R1+r*(I1-Ig)*(L-x) (%i48) e2: E=(I-I1)*R2+(I-I1+Ig)*r*x; (%o48) E=(I-I1)*R2+r*x*(-I1+I+Ig) (%i49) e3: E=I1*R1+Ig*Rg+(I-I1+Ig)*r*x; (%o49) E=I1*R1+r*x*(-I1+I+Ig)+Ig*Rg (%i50) e4: E=(I-I1)*R2-Ig*Rg+(I1-Ig)*r*(L-x); (%o50) E=(I-I1)*R2+r*(I1-Ig)*(L-x)-Ig*Rg (%i51) e5: I1*R1=(I-I1)*R2; (%o51) I1*R1=(I-I1)*R2 (%i52) solve([e1,e2,e3,e4,e5],[I,I1,Ig,x]); (%o52) [[I=(E*R2^2+2*E*R1*R2+E*R1^2)/(R1*R2^2+(R1^2+r*L*R1)*R2),I1=(E*R2+E*R1)/(R1*R2+R1^2+r*L*R1),Ig=0,x=(L*R2)/(R2+R1)]] ということで著者と同じ解が得られた。 x=(L*R2)/(R2+R1) |
webadm | 投稿日時: 2007-9-15 18:10 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題37:Kelvinのダブルブリッジ Kelvinのダブルブリッジというのは基本系のブリッジ回路の一端に抵抗のΔ接続を挿入した形になっている。
著者の解ではΔ接続をY接続に置換して基本形のブリッジ回路に簡略化してから式を立てている。 Maximaがあればどんな複雑な回路でもたちどころに解けるので、そのままの回路で方程式をたててみて解いてみることにする。 まずキルヒホッフの法則により以下の5つの式が成り立つ。 (%i1) e1: E=I1*R1+(I1-Ig)*R2; (%o1) E=(I1-Ig)*R2+I1*R1 (%i2) e2: E=(I-I1)*Rx+(I-I1-I4)*R6+(I-I1+Ig)*R3; (%o2) E=(-I4-I1+I)*R6+(-I1+I+Ig)*R3+Rx*(I-I1) (%i3) e3: E=I1*R1+Ig*Rg+(I4+Ig)*R5+(I-I1+Ig)*R3; (%o3) E=(I4+Ig)*R5+(-I1+I+Ig)*R3+I1*R1+Ig*Rg (%i4) e4: E=(I-I1)*Rx+I4*R4+(I4+Ig)*R5+(I-I1+Ig)*R3; (%o4) E=(I4+Ig)*R5+I4*R4+(-I1+I+Ig)*R3+Rx*(I-I1) (%i5) e5: E=(I-I1)*Rx+I4*R4-Ig*Rg+(I1-Ig)*R2; (%o5) E=I4*R4+(I1-Ig)*R2+Rx*(I-I1)-Ig*Rg 上記の式からI,I1,I4,Ig,Rxに関する一般解を解くことができるが、問題ではさらにブリッジが平衡状態にある場合に限定しているので、以下の式を加える必要がある。 (%i8) e6: I1*R1=(I-I1)*Rx+I4*R4; (%o8) I1*R1=I4*R4+Rx*(I-I1) これらの6つの式からI,I1,I4,Ig,Rxを解くと、 (%i9) solve([e1,e2,e3,e4,e5,e6],[I,I1,I4,Ig,Rx]); (%o9) [[I=((E*R5+E*R3+E*R2)*R6+(E*R3+E*R2)*R5+(E*R3+E*R2)*R4)/(((R2+R1)*R5+(R2+R1)*R3)*R6+(R2+R1)*R3*R5+(R2+R1)*R3*R4),I1=E/(R2+R1),I4= (E*R2*R6)/(((R2+R1)*R5+(R2+R1)*R3)*R6+(R2+R1)*R3*R5+(R2+R1)*R3*R4),Ig=0,Rx=((R1*R5-R2*R4+R1*R3)*R6+R1*R3*R5+R1*R3*R4)/(R2*R6+R2*R5+R2*R4)] ] という具合に瞬時に答えが出る。Ig=0になっているので平衡状態であることは確か。しかしRxの式が以下の著者の解に比べて複雑である。 Rx=R1*R3/R2+(R1/R2-R4/R5)*R5*R6/(R4+R5+R6) はたして R1*R3/R2+(R1/R2-R4/R5)*R5*R6/(R4+R5+R6)=((R1*R5-R2*R4+R1*R3)*R6+R1*R3*R5+R1*R3*R4)/(R2*R6+R2*R5+R2*R4) であるかが問題である。これもMaximaで確認してみよう。 (%i10) R1*R3/R2+(R1/R2-R4/R5)*R5*R6/(R4+R5+R6); (%o10) ((R1/R2-R4/R5)*R5*R6)/(R6+R5+R4)+(R1*R3)/R2 (%i11) factor(%); (%o11) (R1*R5*R6-R2*R4*R6+R1*R3*R6+R1*R3*R5+R1*R3*R4)/(R2*(R6+R5+R4)) (%i12) expand(%); (%o12) (R1*R5*R6)/(R2*R6+R2*R5+R2*R4)-(R2*R4*R6)/(R2*R6+R2*R5+R2*R4)+(R1*R3*R6)/(R2*R6+R2*R5+R2*R4)+(R1*R3*R5)/(R2*R6+R2*R5+R2*R4)+(R1*R3*R4)/(R2*R6+R2*R5+R2*R4) ということで一見してまったく違うように見える著者の式とMaximaが出した式は同じものだったということが確認できた。 残る問題はR6の値によらずブリッジが平衡であるためのその他の抵抗値の関係を求めるというもの。これは著者と同じようにブリッジが平衡状態の時のRxの関係式でR6の値によらず式が成立するための条件を見いだすことによって行う。元となるRxの式はMaximaが出力した Rx=((R1*R5-R2*R4+R1*R3)*R6+R1*R3*R5+R1*R3*R4)/(R2*R6+R2*R5+R2*R4) を使用する。著者と同様にR6の項を整理すると、 (Rx*R2-(R1*R5-R2*R4+R1*R3))*R6=(R5+R4)*R1*R3-(R5+R4)*Rx*R2 この式がR6の値によらず成り立つには Rx*R2-(R1*R5-R2*R4+R1*R3)=0 かつ (R5+R4)*R1*R3-(R5+R4)*Rx*R2=0 である必要がある。 最後の式の両辺を(R5+R4)で割ると R1*R3-Rx*R2=0 すなわち R1*R3=Rx*R2 ∴R1/R2=Rx/R3 上記のRxとR1,R2,R3の関係式でもう片方の条件式を置き換えると Rx=R1*R3/R2 Rx*R2-(R1*R5-R2*R4+R1*R3)=(R1*R3/R2)*R2-(R1*R5-R2*R4+R1*R3)=R1*R3-R1*R5+R2*R4-R1*R3=-R1*R5+R2*R4=0 すなわち R2*R4=R1*R5 ∴R4/R5=R1/R2 従って R1/R2=Rx/R3=R4/R5 という著者と同じ結果が得られた。 |
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