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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2007-3-30 19:49
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
問題25:パイ型アッテネーター
T型はわりと簡単に解けたのでパイ型も似たようなものだろうと思って取り組んだのだが、甘かった。



ここで未知数はR1とR2のみ。回路の合成抵抗が負荷抵抗のRLと等しくなり、かつ負荷抵抗に流れる電流が全体の1/nになるようなR1,R2を求めるというもの。

簡単じゃないかと誰しも思うが、やってみるとT型とはまるで違う。

2つの未知数を含む2つ以上の方程式をたてないといけない。

ひとつは合成抵抗がRLになるという式が使える。

もうひとつは負荷抵抗を流れる電流が全体の1/nが成り立つ式を考えればよい。

しかし2つの式は思いついてもそこからR1,R2を導き出すための式の操作が難しい、というか面倒。

3度やって最終的に同じ式にならないという。途中の式の整理の仕方を間違っていたり展開し忘れとか書き写し漏れとか、ひとつでもミスがあると当然正しい結果は得られない。

今まで割と緻密な性格だと信じていたが、こうもおおざっぱだったのか>自分

どっか間違っていると思って著者の解答をちらちら見比べて間違いを探す日々。

しょうもないポカミスばかり。

どっか昔似たような覚えがある。そうだ、昔小さなプログラムを書き始めて期待した結果が全然得られなくてデバッグしていた頃だ。パイを3.14じゃなくてちょっと違って書いてただけだったりとか、信じられないミスを見逃していた。自分を過信しすぎるよね誰でも最初は。

合成抵抗がRLと等しくなる条件の式はなんとか形になったけど、著者はその式からR1の関係式を導出しているけど、その形にどうやったらなるんだというところで躓いている。

著者は途中の過程を省略して導出結果だけを書いている。途中経過を知りたいのだが、たぶん意図してそうしているのだろう。

パイ型アッテネーターは基本中の基本なのであちこちで最終的なR1とR2の式が出ている。正規化した計算表を使えば任意の特性インピーダンス用に任意の減衰率をもったアッテネーターのR1,R2の定数を求めることができる。

その素となる式を導き出す試練。一度追体験する必要がある。そうでないとただの実学だけの知識で終わる、猿真似で終わる。

今度からは少し式を扱うのに慎重になろう。紙がもったいない。
webadm
投稿日時: 2007-3-27 11:19
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
問題24:T型アッテネーター
先の問題はアッテネーターへの布石だった。

今度は本格的なT型アッテネーターが問題。

問題24は問題22の電流計が負荷抵抗Rに置き換わっただけのもの。負荷抵抗に流れる電流を全体の1/nしかつ合成抵抗がRになるようにR1,R2を求め負荷に発生する電圧Erと入力電圧Eの関係を求めるもの。



既知のパラメータはE,Rのみである。未知のパラメータはI,R1,R2

さっそく連立方程式をたてる

E = I・R1 + (I/n)・(R1 + R) = I・R1 + (I - I/n)・R2

(I-I/n)・R2 = (I/n)・(R1 + R)

Er = (I/n)・R = E - I・R1 - (I/n)・R1

R = R1 + 1/(1/R2 + 1/(R1 + R))
= R1 + R2・(R1 + R)/(R2 + R1 + R)

I = E/R

3番目の式と5番目の式から

Er = (E/R/n)・R = E/n

2番目の式から共通項Iを除去すると

(1 - 1/n)・R2 = (1/n)・(R1 + R)

∴R2 = (R1 + R)/(n - 1)

これを4番目の式に適用すると

R = R1 + ((R1 + R)・(R1 + R)/(n -1))/((R1 + R)/(n - 1) + R1 + R)
= R1 + ((R1 + R)・(R1 + R)/(n - 1)/((R1 + R) + (n -1)・R1 + (n - 1)・R)/(n - 1)
= R1 + (R1 + R)・(R1 + R)/((R1 + R) + (n - 1)・(R1 + R))
= R1 + (R1 + R)/(1 + (n - 1))
= R1 + (R1 + R)/n

∴R1 = R・(1 - 1/n)/(1 + 1/n)
= R・((n - 1)/n)/((n + 1)/n)
= R・(n - 1)/(n + 1)

これを最初のR2の式に適用すると

R2 = (R・(n - 1)/(n + 1) + R)/(n - 1)
= R・(1/(n + 1) + 1/(n - 1))
= R・((n - 1) + (n + 1))/(n + 1)・(n - 1)
= R・2・n/(n・n - 1)

著者の解答と同じ結果が得られた。

webadm
投稿日時: 2007-3-26 12:03
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
問題23:電流計と電圧計
問題23では電流計の最大許容電流をIとした場合に、そのm倍の測定レンジを持つ電流計を作るにはどうしたらよいかという問いと、同じ電流計を使用して測定できる電圧測定レンジをn倍にするにはどうすればよいかという問いの2つ。

まず電流計については分流抵抗に全体を流れる最大許容電流のうち電流計の最大許容電流を差し引いた値が流れるように抵抗値を決定すればいいことになる。

電圧測定には全体を流れる最大電流がn倍された印可電圧の場合でも最大Iになるように直列に抵抗を挿入すればよい。



分流抵抗Rmの電圧降下とそれと並列な電流計の電圧降下は等しいので以下がなりたつ

Rm・(m・I - I) = r・I

∴Rm = r/(m - 1)

次に電圧計のほうは、電流計の内部抵抗とそれに直列に接続された分圧抵抗Rnの電圧降下の和は印可電圧に等しいことから以下が成り立つ

n・E = Rn・I + r・I

また

E = r・I

であるので

n・r・I = Rn・I + r・I

∴Rn = n・r - r
= r・(n - 1)

どちらも著者の解答と同じ結果が得られた。
webadm
投稿日時: 2007-3-26 11:39
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
問題22:電流計
問題22は基本的な電流計の原理を題材にしている。

電流計は内部抵抗rを持ち最大流せる許容電流が決まっている。それ以上流すと針が振り切れて壊れてしまう。

より大きな電流を計測するには、小さな電流が測れる電流計があれば外付け抵抗回路で分流して全体を流れる電流を任意の整数分の1にすることで測定可能なレンジを大きくすることができる。

ただレンジが大きくなるにつれ流れる電流が大きくなるので分流抵抗に流れる電流もばかにならなくなる。抵抗の許容損失電力量を超えると加熱して焼損してしまう。よくテスターやマルチメーターの電流測定時には最大許容電流が定められていてそれ以上流すと焼損したりヒューズが切れたりする。

中学校の時に初めて買った三和のテスターをやはり過大電流を流しすぎて内部の抵抗器が焼損してしまった。当時は切手代だけで三和から交換部品の抵抗を取り寄せることができ、それで自分で修理できた。社会人になってからもずっと携えていたが、ある日先輩社員に貸したらやはり同じように抵抗を焼損してしまったというわびが入った。もう古いのでさすがに交換部品の提供も終わっていたので代わりに秋葉原で買ったというSOARのへんてこなアナログ液晶表示テスターをもらった。針の代わりに液晶のバーグラフの表示が伸び縮みするだけでデジタル表示ではない。かなりつかいずらくてがっかりした覚えがある。その後すぐSOARは倒産した。前にもどっかで書いた覚えがある。

さて本題に戻ろう。

問題の趣旨はなんとなくわかるが謎の部分もある。電流計の回路は以下のような感じで構成し、全体の合成抵抗は常に電流計の内部抵抗値とひとしくなるようにし、かつ電流計そのものに流れる電流は全体の1/nにするというもの。つまりn倍のスケールするということ。



たぶん解釈はそれであっていると思う。実際の電流計がはたしてレンジが変わっても挿入抵抗としては一定になっているかは知らない。確かにレンジを大きくしたら回路への挿入抵抗があがるのはまずいし小さいければ小さいほど良いはずだ。

いつものように連立方程式をたてる。既知のパラメータはI,rで未知のパラメータはR1,R2である。

回路の合成抵抗が電流計の内部抵抗値rと等しいことから

r = R1 + 1/(1/R2 + 1/r)
= R1 + R2・r/(r + R2)

が成り立つ

それぞれの枝電流は

R2側がI(1 - 1/n)でr側がI/nということになる。それぞれの電圧降下は等しいことから

R2・I(1 - 1/n) = r・I/n

∴R2 = r/(1 - 1/n)・n
= r/(n - 1)

従ってR1は先の式を書き換えて

r = R1 + R2・r/(r + R2)
= R1 + r・r/(n -1)・(r + r/(n - 1))
= R1 + r/(n - 1)・(1 + 1/(n - 1))
= R1 + r/(n - 1 + 1)
= R1 + r/n

∴R1 = r(1 - 1/n)
= (n - 1)・r/n

ということで著者の解答と同じ結果が得られた。

いずれにせよ電流計の測定レンジを大きくしようとすると外部に電流計の内部抵抗よりも小さな抵抗をつながないといけないことがわかる。電流計の内部抵抗は小さいので大変抵抗値が小さい特注品になる。
webadm
投稿日時: 2007-3-25 13:07
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
誤植発見
大抵の工学書を丹念に読み進めると、ひとつや二つ必ずと行って良いほど誤記や誤植を発見する。

著者も完璧にチェックしているわけではないし、特に複数の第三者に査読を依頼しない限り誤記や誤植は防ぎきれない。編集者とか出版社側は技術的な観点からはチェックしない。

今回も一個発見。

問題18の著者の解答では最初に合成抵抗を求めているが、その求めた結果の単位が[Ω]ではなく[S]になっている。Sはシーメンスでコンダクタンス(抵抗値の逆数)に用いられる単位だ。明らかに間違いである。たぶん著者は初稿時点ではコンダクタンスを求めて電流算出に使用したと思われるが、後であまり用いられないコンダクタンスではなく普通に合成抵抗値を求めるように書き換えた際に単位だけ以前のまま書き直すのを忘れてしまったのだろう。

複雑な式の操作経過とかも誤植を生み易いので普通はあまり記載されることはない。記載されている場合には、どっか誤植が混入している可能性があるので要チェックだ。

これまでも問題を解く際にまだ単純だがかなり面倒くさい式をこねくり回す際にどうしても極性(+、−)を誤って書き写したりして間違った結果になってしまうことが多い。
webadm
投稿日時: 2007-3-25 12:57
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
問題20,21:枝電流法と網目電流法を誤解していた疑い
もしかして今まで網目電流法だと思っていたのは枝電流法の間違いだったと今更気づく。

網目電流とは閉回路内を一周する電流のことを意味する。

今まではどちらかというと一方的に電流が流れる回路を扱ってきたのでそれらは枝電流法が適用される。

問題20は異なる起電力(E1,E2)の電池を並列に接続した際に閉回路内を一周する電流が流れる状態で並列に接続した電池回路の出力電圧Eabを求めるというもの。



キルヒホッフの第2の法則から閉回路内の一方向から見た電圧降下の総和は0となることから

E1 - (E2 + I・(r1 + r2)) = 0

Iを導き出す形に整理すると

I・(r1 + r2) = E2 - E1

∴I = (E2 - E1)/(r1 + r2)

E1 = 1.5v E2 = 2v, r1 = 3Ω, r2 = 4Ωをそれぞれ適用すると

I = (2 - 1.5)/(3 + 4) = 0.5/7

従ってAB間の電圧降下は

Eab = E2 - r2・I = 2 - 4・(0.5/7) = 14/7 - 2/7 = 12/7 = 1.714v

ということで著者の解法と同じ結果が得られた。著者の解法と違うのはE2側の方で求めている点である。この場合電流がE2からE1方向へ流れているのでr2で生じる電圧降下はE2とは逆極性になるため引き算となっている点が要注意。間違えると起電力よりも高い電圧になってしまう。著者はE1側で求めているためr1の電圧降下はE1にプラスする形で働く。

問題21も同様に電源をパラレル接続する抵抗回路網の各抵抗を流れる電流を求めるもの。ひとつはパイ型(Δ接続)抵抗ネットワークを介して2つの電池がパラに接続されているもの、もうひとつは2つのことなるT型(Y接続)抵抗ネットワークが並列に接続された回路に2つの電池がパラに接続されているもの。



今度は電池は内部抵抗を伴わない理想的な電源となっている。従って左の回路では電池と並列に接続された抵抗R1およびR3の電圧降下は電池の起電力と等しくなる、また電流I1, I2も求められる。著者は図の様に抵抗R2を流れる電流が電池を通る様に描かれているがR1,R2,R3で構成される閉回路については言及が無い。よく考えてみれば、ここにもキルヒホッフの第二の法則を適用すると閉回路の電圧降下の総和は0になるということからこの閉回路には網目電流は流れないということがわかる。

すなわち

I1・R1 - I2・R2 - I3・R3 = 0

ということが成り立つ。

ここでI1, I3は

I1 = E1/R1
I3 = E2/R3

これで最初の式を書き換えて整理すると

(E1/R1)・R1 - I2・R2 - (E2/R3)・R3 = E1 - I2・R2 - E2 = 0

従って

I2 = (E1 - E2)/R2

続いて右側の回路を解いてみる。

回路には2つのパラレルに接続されたY接続抵抗網と電池によって4つの閉回路が存在する。それぞれについてキルヒホッフの第二の法則を適用すると

E1 - I1・R1 - I3・R3 = 0
E2 - I2・R2 - I3・R3 = 0
E1 - I4・R4 - I6・R6 = 0
E2 - I5・R5 - I6・R6 = 0

が成り立つ。

またキルヒホッフの第一の法則により

I3 = I1 + I2
I6 = I4 + I5

が成り立つのでこれで先の2つの式を書き換えると

E1 - I1・R1 -(I1 + I2)・R3 = 0
E2 - I2・R2 -(I1 + I2)・R3 = 0
E1 - I4・R4 -(I4 + I5)・R6 = 0
E2 - I5・R5 -(I4 + I5)・R6 = 0

最初の式を整理すると

I1・(R1 + R3) = E1 - I2・R3

∴I1 = E1/(R1 + R3) - I2・R3/(R1 + R3)

これを第二の式に適用すると

E2 - I2・R2 -(I1 + I2)・R3
= E2 - I2・R2 - (E1/(R1 + R3) - I2・R3/(R1 + R3) + I2)・R3
= E2 - I2・R2 -E1・R3/(R1 + R3) + I2・R3・R3/(R1 + R3) - I2・R3
= E2 - I2・(R2 + R3) -E1・R3/(R1 + R3) + I2・R3・R3/(R1 + R2)
= E2 - E1・R3/(R1 + R3) - I2・((R2 + R3)・(R1 + R3) - R3・R3)/(R1 + R3)
= E2 -E1・R3/(R1 + R3) - I2・(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3 + R3・R3 - R3・R3)/(R1 + R3)
= E2 - E1・R3/(R1 + R3) - I2・(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)/(R1 + R3)
= 0

∴I2 = (E2 - E1・R3/(R1 + R3))・((R1 + R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)
= (E2・(R1 + R3) - E1・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)

これを二番目の式に適用してI1を求めると

E2 - I2・R2 - (I1 + I2)・R3
= E2 -I2(R2 + R3) - I1・R3
= E2 - (E2・(R1 + R3) - E1・R3)・(R2 + R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) - I1・R3
= 0

∴I1 = E2/R3 - (E2・(R1/R3 + 1) - E1)・(R2 + R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) - I1
= (E2・(R2・R1/R3 + R1 + R2) - E2・(R1/R3 + 1)・(R2 + R3) + E1・(R2 + R3))/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)
= (E2・R2・R1/R3 + E2・R1 + E2・R2 - E2・R1・R2/R3 - E2・R2 - E2・R1 - E2・R3 + E1・R2 + E1・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)
= (E1・(R2 + R3) - E2・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)

従って

I3 = I1 + I2
= (E1・(R2 + R3) - E2・R3 + E2・(R1 + R3) - E1・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)
= (E1・R2 + E2・R1)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)

同様にI4,I5,I6もR1, R2, R3がそれぞれR4, R5, R6と書き換わるだけなので

I4 = (E1・(R5 + R6) - E2・R6)/(R5・R4 + R6・R4 + R5・R6)
I5 = (E2・(R4 + R6) - E1・R6)/(R5・R4 + R6・R4 + R5・R6)
I6 = (E1・R5 + E2・R4)/(R5・R4 + R6・R4 + R5・R6)

I1を解くのにはもちろん

I1 = E1/(R1 + R3) - I2・R3/(R1 + R3)

のI2を書き換えても出来ます。最初それをやってみて解けなくて半日悩んだものの、一ひねり必要なだけでした。

I1 = E1/(R1 + R3) - (E2・(R1 + R3) - E1・R3)・R3/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)・(R1 + R3)
= (E1・(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3) - E2・(R1 + R3)・R3 + E1・R3・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)・(R1 + R3)
= (E1・(R2 + R3)・(R1 + R3) - E2・(R1 + R3)・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)・(R1 + R3)
= (E1・(R2 + R3) - E2・R3)/(R2・R1 + R3・R1 + R2・R3)

E1の項に関して因数分解する必要があったのでした。
webadm
投稿日時: 2007-3-24 22:55
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
問題17、18、19
問題17はキルヒホッフの法則を覚えているかどうかの確認なので答えは自明。

問題18は分流の法則を覚えているかの確認。

しっかり忘れている。

教科書には結論しか書いてなくどうやって導いたかは説明されていなかったのでいきなり分流値を求めようとすると結局その法則を導き出すはめになる。

おさらいしよう。



これはどうやって導き出されたかをちゃんと理解していないとすぐ忘れてしまう。

連立方程式をたてればいいんだと思うたぶん。

I = i1 + i2

R1・i1 = R2・i2

既知のパラメータはI, R1とR2、未知数はi1,i2。

最初の式をi1の式に直すと

i1 = I - i2

これを2番目の式のi1を置き換える

R1・(I - i2) = R2・i2

i2でくくって整理すると

R1・I = i2・(R1 + R2)

∴i2 = R1・I/(R1 + R2)

これを先のi1の式のi2を置き換えて整理すると

i1 = I - R1・I/(R1 + R2) = I・(1 - R1/(R1 + R2)) = I・((R1 + R2)/(R1 + R2) - R1/(R1 + R2)) = I・R2/(R1 + R2)

ということで導き出された。

では問題19を解いてみよう。著者の解法と同じではやったことにならないので別解法でやってみる。



問題はちょっとひねってあってCD間の電圧降下Ecd=54vとそれぞれの抵抗値が与えられている際にAB間の印可電圧Eabを求めよというもの。

これを求めるにはIとIcを求める必要がある。

Iは全体を流れる電流で未知数であるが、Icは分流の法則によってIと分流回路の抵抗値の関係で現される。

Ic = I・2R/(2R + 3R) = I・(2/5)

Ecdは分流IcとIからそれぞれの抵抗の電圧降下の和となるので

Ecd = Ic・2R + I・R = I・(2/5)・2R + I・R = I・R・(4/5 + 1) = I・R・(9/5)

Ecdは54vと与えられているので電流Iは

I = Ecd/(R・(9/5)) = Ecd・(5/9R) = 54・(5/9R) = 30/R

これで先のIcの式を書き換えると

Ic = I・(2/5) = (30/R)・(2/5) = 12/R

従ってEabは直列に接続された抵抗の電圧降下の和と等しいから

Eab = Ic・(R + 2R) + I・(R + R) = (12/R)・(R + 2R) + (30/R)・(R + R) = (12/R)・3R + (30/R)・2R = 36 + 60 = 96v

となり著者の解法と同じ結果が得られた。
webadm
投稿日時: 2007-3-24 12:40
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
問題16:Δ接続・Y接続
はたしてこのペースで交流理論のページにたどり着けるのだろうか、ヒマラヤ山脈のように延々と続く山岳をひとつひとつ越えていく感じ

先日の問題15は実はもうひとつ別解法があることに気づいた。読者の課題としておこう。

問題16は更に輪をかけて複雑なΔ接続Y接続抵抗回路網。今度は抵抗値と印可電圧が具体的に与えられていて与えられた2つの節点間の電圧降下を求めるもの。



もう具体的にバラバラの抵抗値が与えられているので今までのように方程式を立てて代数的に導くというわけにもいかない。とりあえず抵抗値を代数パラメータに置き換えて式を立てるというのはできるけどかなり複雑になることが予想される。というのも枝が多いのでそれだけ未知の枝電流項が増えるため解くのに必要とされる連立方程式の数も増えるからだ。

素直にΔ接続とY接続の置き換えでやれという著者の意向が見える。

でもへそ曲がりなので著者とは違う置き換えでやってみよう。

著者の解法ではA節とB節に接するそれぞれのΔ接続抵抗回路を等価なY接続抵抗回路に置き換えて回路を単純化している。問題15の場合もそうだけど実は回路にはY接続の部分があり、それを等価なΔ接続に置き換えても回路は単純化できる。

3k,4.8k,2kのY接続と1k,2.7k,3kのY接続をそれぞれ等価なΔ接続に置き換える。赤鉛筆で書き加えたのが以下の図。



ちょっとまだ複雑だけど後でもう一回置き換えればOK

R1 = (3・2 + 2・4.8 + 3・4.8)/2 = 15k
R2 = (3・2 + 2・4.8 + 3・4.8)/4.8 = 6.25k
R3 = (3・2 + 2・4.8 + 3・4.8)/3 = 10k
R4 = (2.7・1 + 1・3 + 3・2.7)/3 = 4.6k
R5 = (2.7・1 + 1・3 + 3・2.7)/2.7 = 5.1k
R6 = (2.7・1 + 1・3 + 3・2.7)/1 = 13.8k

並列接続された合成抵抗で更に置き換える

R2' = 1/(1/R2 + 1/5) = 1/(1/6.25 + 1/5) = 2.78k
R5' = 1/(1/R5 + 1/6) = 1/(1/5.1 + 1/6) = 2.76k
R34 = 1/(1/R3 + 1/R4) = 1/(1/10 + 1/4.6) = 3.15k

これで一度描き直してみよう



更にまだY接続が残っているのでそれを等価なΔ接続に置き換える。



この置き換えで驚くほど回路は単純となる(つくづくアホだ)

R7 = (3.15・13.8 + 13.8・2.76 + 2.76・3.15)/13.8 = 6.54k
R8 = (3.15・13.8 + 13.8・2.76 + 2.76・3.15)/2.76 = 32.7k
R9 = (3.15・13.8 + 13.8・2.76 + 2.76・3.15)/3.15 = 28.7k

並列接続された合成抵抗を計算すると

R7' = 1/(1/R7 + 1/15) = 1/(1/6.54 + 1/15) = 4.55k
R8' = 1/(1/R8 + 1/2.76) = 1/(1/32.7 + 1/2.76) = 2.55k



これでAB間の合成抵抗が簡単に求められる。

Rab = 1/(1/(R7' + R8') + 1/R9) = 1/(1/(4.55 + 2.55) + 1/28.7) = 5.69k

これは著者の解答とよく一致する(途中計算値を四捨五入で有効桁で丸めてあるので0.01k程誤差が出ている)

もはやEafは抵抗4.55kと2.55kの分圧によって求められる。

Eaf = (4.55/(4.55 + 2.55)・114 = 73.0v

ちょっと電圧が高いので抵抗値のわずかな誤差で電圧に誤差が増幅されているが著者の解答とよく一致している。

webadm
投稿日時: 2007-3-23 11:59
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
問題15:アッテネーターぽい回路
問題15もやはりΔ接続抵抗回路を含むアッテネーター様のもの。今までの問題と違うのは負荷抵抗(RL)があってそこの電圧(EL)を求めよというもの。

教科書の解答と同じ方法(Δ接続を等価なY接続回路に置き換えて単純な直・並列抵抗接続回路にして枝電流法で解くもの)では解けるのは自明なので、へそ曲がりに網目電流法で解いてみることにする。

直感的には以下の手書き図の様な電流配分となり、既知のパラメータはE,R,RLで未知数はi1,i2,IL,ELである。



いつも通り同じ接点から始まり異なる経路を通って別の共通の接点に合流する回路のそれぞれの経路の電圧降下は等しくなるという法則に基づいて連立方程式をたてると。

i1・R + (i1 - IL)・R = i2・R

EL = IL・RL = (i1 - IL)・R + (i1 + i2 - IL)・R

E = i2・R + (i1 + i2 - IL)・R = i1・R + EL = i1・R + IL・RL

最初の式の両辺の項を整理すると

2・i1・R - i2・R = IL・R

∴IL = 2・i1 - i2

となりILはi1とi2の関係で現すことが出来ることがわかる。これで先の図を書き直してみる。



ということになり未知数はi1,i2とELだけになる。先の方程式は以下の様に書き換えられる。

EL = (2・i1 - i2)・RL = (i2 - i1)・R + (2・i2 - i1)・R

E = i2・R + (2・i2 - i1)・R = i1・R + EL = i1・R + (2・i1 - i2)・RL

ELの等式を展開すると

2・i1・RL - i2・RL = i2・R - i1・R + 2・i2・R - i1・R

両辺の項をそれぞれi1とi2でくくって整理すると

2・i1・RL + 2・i1・R = 3・i2・R + i2・RL

2・i1・(RL + R) = i2・(3・R + RL)

∴i1 = i2・(3・R + RL)/(2・(RL + R))

またEの等式のi1を上記で置換して整理すると

E = (3・i2 - i1)・R = (3・i2 - i2・(3・R + RL)/(2・(RL + R)))・R = ((3・i2・2・(RL + R) - i2・(3・R + RL))/(2・(RL + R)))・R = ((5・i2・RL + 3・i2・R)/(2・(RL + R)))・R = i2・((5・RL + 3・R)/(2・(RL + R)))・R

∴i2 = 2・(RL + R)・E/((5・RL + 3・R)・R)

これで先のi1の式を置換して整理すると

i1 = (2・(RL + R)・E/((5・RL + 3・R)・R))・((3・R + RL)/(2・(RL + R))) = E・(3・R + RL)/((5・RL + 3・R)・R)

これでi1とi2が完全に解けたので

EL = (2・i1 - i2)・RL

のi1およびi2をそれぞれ置き換えると

EL = (2・(3・R + RL)・E/((5・RL + 3・R)・R) - 2・(RL + R)・E/((5・RL + 3・R)・R))・RL = (2・((3・R + RL)・E - 2・(RL + R)・E)/((5・RL +3・R)・R))・RL = 4・R・E・RL/((5・RL + 3・R)・R) = 4・E・RL/(5・RL + 3・R)

というわけで別解法でも著者と同じ結果が得られた。

ここに居たるまで3日ほど悩んだ。最終的にELがR,RL,Eとの関係式で現されることが最初からわかっているのでそうなるように未知項を消去すれば済むことだったがi1,i2を解く際にEの式をまったく使わずに解けないと頭を抱えていた。我ながら恥ずかしい。

やはりややこしいΔ接続やY接続を伴う回路網の場合は適宜等価な片方の接続に変換した方が計算は易しくなることは確か。
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投稿日時: 2007-3-9 5:54
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登録日: 2004-11-7
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投稿: 3095
問題14:3つのΔ接続ワイヤー網
問題13は既に前にやってしまった抵抗のΔ接続と等価なY接続の抵抗値の関係式を導くもの。

問題14はΔ接続された3つの三角形が接合された回路の頂点間の合成抵抗を求めるもの。

一応網目電流法で解いてみる。一回目、答えが著者の解答と一致せず、もう一度やり直して正解と一致する答えが得られた。

各ワイヤーを流れる電流は4種類になるが実は回路の対称性によってそのうち2つは同じ値の電流が流れるので実質は変数は3つとなる。4つの変数で4つの連立方程式を立ててみると。

全体を流れる電流はi1,i2の二つに分流し合流するので、

I=i1+i2

回路中で複数の電流経路を伴う3つの節点での異なる経路の電圧降下がそれぞれ等しいことを利用して

i1=i2+i4

i2+i2-i3-i4=i1+i4 => 2i2-i3=i1+2i4 => 2i2-i3=i1+2i3
=> 2i2=i1+3i3

2(i2+i4)=2i2+2i3 => 2i4=2i3 => i4=i3

ということでi4とi3は実は回路の対称性から等しいことが裏付けられた。従ってi1=i2+i4は

i1=i2+i3

となる。これで他の式のi1を置き換えてみると

2i2=(i2+i3)+3i3 => i2=4i3

従って

i1=(4i3)+i3=5i3

これらを使ってI=i1+i2を書き換えると

I=5i3+4i3=9i3

∴ i3=(1/9)I

従って

i1=5(1/9I)=(5/9)I
i2=4(1/9I)=(4/9)I

合成抵抗は端点間の電圧降下をIで割った値になるので

R0=E/I=2i1R/I=2(5/9I)R/I=(10/9)R

これは著者の別の解法によるものと同じ結果。

著者の問題の意図はΔ接続を等価なY接続に置き換えることで枝電流法でより簡易に求めるというもの。

Δ接続をY接続に置き換えるとちょうど6角形の亀の子回路が中心に位置する回路となる。それぞれのワイヤーの抵抗値はΔ接続と等価なY接続の抵抗値の関係から簡単に求まり、回路自身も簡単な直・並列接続回路になるのでわかりやすい。

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