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webadm | 投稿日時: 2007-4-26 0:30 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
「定本トランジスタ回路の設計」のだめな点 これから沢山の新人さんが「定本トランジスタ回路の設計」を手にして読み始めるとおもうけど、わかり難い本であるとも言われている。
その原因のひとつがわかった。 図表の採番と参照がまるでだめである。 先般話題にしたベース接地回路のところでインピーダンスを測定するというのが出てくるが、そこでいきなりどの図にも出てこないVsとかやRsとかの記号が使われていて、それは図14に書いてある通りとだけ説明してある。同じ章に図14は確かにあるが記号とかは書いてない。なんだこれは。 と疑問に思って他の章とかを見るとやはり似たような感じで図14とだけあるが同じ章の図14はまるで違う回路。 ずっとずっとさかのぼって最初の章を見ると一番最初のインピーダンスを測定に関する記述を見つけた、そこにはちゃんと図14として説明と一致する図が載っていた。これのことだったのか。 普通は図表にはユニークな番号を割り当てるものだけど、たぶん執筆が章単位で連載していたものを一冊にまとめただけなので採番をし直すとか参照記述の仕方を変えるとかの配慮を欠いていたと思われる。連載を単行本にする時は要注意な点が守られていなかったと思われる(関係ないけど)。もともと技術書を出版する会社じゃないから編集もいい加減なのは仕方がない。北米とかだときっちりとしたTechincal Writingの決まりがあるからそれを守らないと書評で笑いものになるだけ。 普通は図14じゃなくて、何章の図14とするか、図番をユニークにするために章番号でプリフィクスするか(図1.14とか)なんだろうけどね。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-27 9:26 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
カウンタの電源電圧を変えてみたら どうも手持ちの1GHzまでカウントできるカウンタの挙動がHP8640Bでも760MHzを超えたあたりからおかしくなるのでカウンタ側に問題がある可能性を疑っていた。
もっと良いちゃんとしたカウンタが手に入ればいいのだが、最近は業者とかが良いカウンターはどんどん高額落札していくので手に入りにくい。 となれば手持ちのカウンタをなんとかだましだまし使うしかない。 手持ちの1GHzのカウンタは電池での動作が可能である。中を見てみるとACアダプタの場合には5v出力の三端子レギュレータとダイオードを介して電源として供給されている。 電池側の配線を追ってみると7Ωの抵抗を介して電源スイッチを介して電源として供給されている。電池は4本で6Vを抵抗で電圧降下させているようだなんといいかげんな。 実際6vを電池ボックスの端子に安定化電源から供給して動作させてみると驚いたことに以前よりもカウントできる最大周波数が落ちてしまう。 もしや電源電圧が高いのかと安定化電源の電圧を下げていくと5vぐらいで以前と同じような状態になる。 更に下げていくともっと高い周波数までカウントできるようになることを新に発見。 なんと電池ボックス側の電圧を4.1vあたりまで落とすと一番性能が良くなり898MHzぐらいまでカウントできる。 しかしそれ以上になるともうそれよりも低い周波数しか表示しなくなり安定しない。 もともとSMLUのバンド7の発振トランジスタが劣化しているので発振は不安定であるが、カウンタのプリスケーラーの動作電圧を調整すればもっと計測性能が上がるということを発見した。 ちゃんとしたカウンタであればこうした不安定な信号でも自動適応して本来の周波数をカウントすることができるのだがこの簡易型のカウンタにはそうしたものを望んではいけない。 なのでもっとちゃんとしたカウンタで計測すればバンド7の高い方の領域でもそれなりに発振はしているのを確認できるかもしれない。オシロで見た限りではかなりうねっているので低い周波数成分が重なって居るように見える。実際カウンタの電源電圧をいろいろ変えていくと、低い周波数で安定して一定の周波数がカウントされる領域がある。これがいくつかあるうねりの一つかもしれない。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-27 9:41 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
HP8640Bの持病が悪化 電源電圧調整したカウンタで以前760MHz以上になるとカウント値が不確定になっていた現象が改善されるか確かめるためにHP8640Bで確認しようとしたところ512-1024MHzのバンドに切り替えると周波数表示がいきなり数MHzになってしまう。
以前にバンド切り替えスイッチの接点が接触不良気味なのはわかっていたが、512-1024MHzバンドは問題なかったはずだ。 ゴニョゴニョ無理矢理ロータリースイッチをこじったのが症状を悪化させたのかもしれない。 カウンタの表示は違うバンドの時の値になっているが発振周波数は正常のようだ、ただ以前確認した時は働いていた内部doublerが動作していないようで2倍の周波数が出ていない。 内部のdoublerを入れるかどうかはバンド切り替えローターリースイッチで制御されているのでこれも接触不良を起こしてしまったのかもしれない。もしくは接点がとうとう壊れてしまっているのかも。よくあるらしい。 次の機会はHP8640Bをオーバーホールすることになりそう...orz |
webadm | 投稿日時: 2007-4-27 23:27 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
sabtronicsのカウンター 今回安定化電源から電源を供給していろんな電圧で動作状況の変化を調べた際にわかったこと。
・結構電流が流れる(300mA前後) ・動作中の負荷変動が激しい(LEDのダイナミック点灯) ・内部基板にいくつか電解コンデンサが見え隠れしている(容量抜けしている可能性大) 回路設計的に電池動作の際に抵抗で電圧降下させていたりかなり手抜き設計なので電源のレギュレーションはもともと悪いようだ。ACアダプタ側の電源回路も7805で5v定電圧化しているけどそのあとダイオードで電圧降下しているので実際どれぐらいの電圧で動くように設計されているかは測定してみないとわからない。7805の代わりに最近の小さなLDOを使った回路に置き換えればレギュレーションは良くなり放熱板も要らなくなるかもしれない。 製造された当時はもっとましだったかもしれないけど、おそらく作りからして10年以上は経過しているので電解コンデンサは交換したほうが良いだろう(またしてもリストアネタが) 交換するには付属の化粧板をはずさないといけないが、つまみが六角穴のボルトで固定されている。手元には六角ボルトレンチが無いのでこれもリストアの7つ道具のひとつとして購入しておいたほうが良いだろう。 どんどんリストア対象機器が貯まるいっぽう。 趣味が電子機器のリストアになってしまった。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-29 14:35 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
Re: BCY59IXは今も売っている もしやと思ってMouserのカタログを探してみたらSTMicroで今も製造しているらしくカタログに載っていた。こちらは安い。
http://www.mouser.com/catalog/624/359.pdf 未だに使われている程性能が良いのは確か。 2SC1815とかとFt以外は似たような感じだけどNFが断然良い。 先日AM変調のLPF回路のBCY59IXを試しに2SC1815に換えて波形をオシロで観測した際にBCY59IXの時には無かったノイズが目立っていたのがすぐにわかった。そのためまた後でBCY59IXに戻したのだが。 やはりFtが高いトランジスタはNFも低いのだろうか。 それとも実験用に使ってのを付けたので既に劣化していたのかもしれず。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-29 16:28 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
500-1000MHzのVCOチップ ちょうどバンド7の周波数レンジと同じ500-1000MHzのVCOチップが今売られている。
だいたい動作電圧や制御電圧範囲はSMLUのVCOと一緒なのでオリジナルを維持とはいかないが、VCO回路をVCOチップに置き換えることで機能及び性能的にはリストアすることができそうではある。 実際のところバンド7のVCOの不具合がトランジスタの劣化なのかそれともバリキャップの劣化なのかは切り分けできていない。どちらにしても交換部品が見あたらないので今のところ現状あるがままにしておくしかない。 もう少しちゃんと測定なり評価できる環境が整ったら部品を取り外して見ることはできる。その際最悪元に戻せなくなる可能性があるためVCOチップによる置き換えを考えておいたほうが良いかもしれない。 といってもそこまでしてこのSMLUに手を加える程価値があるかというとそういうわけではない。オリジナルのままの方が価値があるとも言える。 別の観点で考えると、もう少し手頃な値段で1GHzぐらいまでレンジを備えたSSGが作れないかというのに興味がある。USB接続にしてユーザーインタフェースはPC上のGUIにしてしまって常時稼働することの無いパーツを大幅に減らすことも可能だ。これはたぶん誰も手がけていないような気がする、自分の知っている範囲では。PLLシンセサイザーとかなると敷居が高いのでSMLU的に複数のVCOを切り替えてゴニョゴニョというのが割と易しそうだ。 夏休みの宿題としておこう。といっても昨年の冬休みの宿題も忘れたままなので当てにしないでほしい。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-30 4:14 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
Re: sabtronicsのカウンター インチサイズの六角レンチを購入してきた。242円と半端な値段だった。
肝心の六角ボルトが2カ所あるのを知らずに一個だけゆるめてノブが取れないので無理矢理引っこ抜いたら根っこの可変抵抗器のシャフトがすっぽ抜けた(´Д`;) 壊れたかと思ったらそういう構造らしく無理矢理ひっこ抜くとシャフトと可変抵抗器内の可動部とのはめ込み部分の爪が外れて抜けるようになっていた。もう一個の六角ボルトをゆるめてシャフトとノブを分離しシャフトだけ可変抵抗器の元の根本に差し込んだら元通りになった。よかった。 ということは六角ボルトをゆるめなくても無理矢理引っこ抜けばよかったということになる。 これでフロントの化粧板がはずれるようになったので部品面に着けられている電解コンデンサを見てみた。10V 100uFが3つある。 オシロで電源の波形を観測してみるとかなりリップルが乗っている。5Vのレンジで見て明らかにわかる程。500mVぐらい波打っている。 以前の持ち主の誰かが(複数の人を転々としてきた様子が裏側にアマチュア無線のコールサインが複数刻まれていることからうかがわれる)リップルを抑えようと16V 2200uFのルビコンを半田面に後付している。そのコンデンサの容量抜けかと思って手持ちの1500uFのものを並列に接続しても一向に変わらない。 ACアダプタ側の電圧波形を観測してみると、驚くべきことに3Vものリップルが残っている。さすがに7805がいくら定電圧制御をしようとしても一次側にそれだけの変動があると二次側にも出てしまうらしい。一応一次側には16V 10uFのタンタルコンデンサが接続されているがさすがにリップルに強いタンタルコンデンサでも容量がたったの10uFでは数百mAも負荷電流が流れる条件ではデカップリングしきれないだろう。 試しに一次側のタンタルコンデンサと並列に1500uFの電解コンデンサを付けてみたらぴったりと二次側のリップルは治まった。 使用するACアダプタの性能にもよるのだろうけど、このACアダプタはオリジナルのものではなく、ちょうど電源プラグが普通と異なる中心が−で周囲が+のもので適当な電圧出力のものを見つけてきたものと想像される。その際に誰かが接続極性が逆の普通のACアダプタをつないで大電流が流れて内部の電源配線コードが熱で溶けている跡がある。それなら電源ジャックの配線を逆にすればいいのにと思うのだが。間違って別のACアダプタをつないだりしたら災いの元である。 7805はLDOではないので一次側にかなり高い電圧を供給する必要がある。今日ではそうしなくても5V出力のACアダプタ形状の小型スイッチング電源があるのでそれを使えば良いのにと思う。 リップルは無くなったものの動作としては以前と変わらず、相変わらずSMLUはバンド7が750MHzを超えると出力がおかしくなる。今回はセンスレベルを調整すると半分の370MHz台が安定してカウントされる。波形がうなっていて2分の1の期間だけカウントされているのかもしれない。しかしそれも790MHzを超えたあたりで観測不能になる。これは電池電圧を4.1Vにすると790MHzまでは計測できたことと同じことである。 他のバンドはRF出力を最小限にしぼっても全範囲計測できるが、バンド7だけはセンスレベルを目一杯に上げても750MHzどまり。他のバンドでは問題ない低めのセンスレベルではバンド7の場合RF出力レベルを上げないとカウントできなかった。もともとバンド7は最大出力レベルが他のバンドよりも3dBm低いのでしかたがない。 バンド7も低い方の周波数はそれなりに出力が出るのでHP8640Bのカウンタを使用して周波数をカウントすることができる。かなり安定している。しかしHP8640Bはいくつまでカウントできるか不確かだが612MHzあたりから上に行くと逆にカウント値が著しく減っていって最後には0.000MHzとかになってしまう。これももともと外部入力のカウントは512MHzまでしか保証されていないのでしかたがない。 さて今度はHP8640Bのオーバーホールを始めるとするか。 |
webadm | 投稿日時: 2007-4-30 14:28 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
HP8640Bのリストア予備調査 HP8640Bはサービスマニュアルもあるのでとりあえず具合の悪いレンジ切り替えのロータリスイッチ部分の状態を確認するために中を開けてみることにした。
まずは上板を外してみると、そこにはアルミダイキャストで出来た大きなモジュールがいくつか見えた。それらのモジュールの蓋にはそれぞれの分解の仕方が説明書きされている。さすがHPだ。 手順はサービスマニュアルに書いてある通り。 ・筐体の底板を取り外す。 中央に見えるのが発振回路の心臓部品であるキャビティーである。精密機械であると同時に内部に発振用トランジスタが組み込まれている大変デリケートな部品だ。扱う際には絶対にキャビティの中心軸を垂直に向けてはいけないらしい。中心軸には機械グリスが塗布されていてそれが内部に流れ込み発振用トランジスタにまで及んでしまうらしい。そしたらこの装置の終わりである。 すぐ側に問題のロータリスイッチ部分が見える。 この状態でロータリスイッチ部分に指が届くので本体の電源を入れて試しに接触具合を調べてみることにした。 レンジを512-1024MHzに設定するとカウンターの表示もおかしいし出力周波数も逓倍されない256-512MHzが出てきてしまう。その状態でロータリスイッチ部分の円盤を軽く指で押さえるとどっかでリレーが動く音がして最初の頃の様に逓倍した周波数がカウンターに表示されRF出力もカウンターで見る限り2倍が出ている。やっぱり接触不良だった。 指で押さえつけないとやはりどうにもならなくなってしまっている。なんとかならないかと円盤をいじっていたら事件が起きた。 レンジスイッチを切り替えてもカウンターが正しい周波数をまったく表示しなくなってしまったのである。どうしたことだ。さっきまでは問題なかったのに。 円盤部分を良く見ると接点部分の爪が3種類あるはずが2個しか残っていない。一個どっかに行ってしまったのか。もしかしたら円盤を少し浮かしたりした時に外れて落ちてしまったのかもしれない。そうこうするうちにすぐ下に小さな金属片が落ちているのが見つかった。 どうやらかろうじて今まで脱落せずに済んでいただけらしい。ここまで来ると以前にHP8640Bで検索した時に見つけた北米のアマチュア無線家のHP8640B修理記の内容とまったく同じ状態になってしまったことに気づいた。 EB5AGV's Hewlett Packard HP-8640B Page 幸いにして脱落した接点部分はまだ手元にあるだけましかもしれない。輸送中の振動とかでいつ脱落しても不思議ではなかったはずだ。 さてどうにか元に戻さないと。それにはスイッチ部分を取り外す必要がある。 一瞬どうやったら取り出せるのだろうかと思ったがサービスマニュアルの通りにやるしかない。 ・FM変調幅と発振周波数レンジのノブをどちらみ逆時計方向に回しきる ・2つのノブを外す(六角レンチでネジをゆるめればすぐはずれた) ・シャフトの付け根にあるナットを外す(ラジオペンチでつまんで回せば簡単に回った、何度か分解された形跡がある機体ではある) ・フラットケーブルを本体から引き抜く ・スイッチユニットを慎重に外へ傾けるように引き抜く 無事取り出せた。問題のレンジ選択のロータリスイッチ部分を良く見てみると確かに3つあるはずの爪が2つしか残っていない。 脱落した爪を良く拡大して観察してみると元々は円盤から出ている2つの樹脂の小さな突起部分が貫く形で取り付けられていたことがうかがわれる。その樹脂の突起が2つともロータリースイッチが回転するたびに接点の接触抵抗によって常に応力がかかり経年変化による硬化もあったのかクラックが入って破断したようだ。おそらく手元に来た時は片方の樹脂は破断していなくて片肺でつながっていた感じだったのかもしれない。それを無理矢理ゴニョゴニョとノブをよじったことによって残った一個の突起を破断させてしまったと思われる。 それでも私が円盤を浮かすようなことをするまでは円盤と基板との間に挟まれる形でかろうじて部分的に機能していたのだろう。 とりあえずこれを修理するには円盤に脱落した接点を瞬間接着剤とかでくっつけてしまうしかない。それにはスイッチユニットを分解しなければならない。これがやっかいだ。 よく見ると一度このユニットは分解を試みられたことがあったらしく、基板を束ねるネジがひとつ元通りに締め付けられていないところがあって、下を向けたとたんにそのネジが床へ抜け落ちた。 いずれこれは修理するとして、あと電解コンデンサがどれだけ使われているか見てみた。 上蓋を開けた際にすぐさま大きな電源平滑用の電解コンデンサの数々が姿を現した。見るからに製造時のままのようだ。最初基板に半田付けされているのかと思い、交換は容易でないなと諦めたが、裏側を見てそうではないことが判明。 見るとネジ止めタイプのものが逆さに基板側に取り付けられている。これなら簡単に外して同じ形状のものであれば交換が可能である。良くできている。よく見るとかなり余裕を見て設計されているようで長い年月で容量抜けしても十分な平滑能力が残るようになっているようだ。交換はしなくても良いかもしれない。後で念のため外して容量だけを測定してみることにしよう。 HP8640Bは設計された年代はR&SのSMLUよりも後だということは容易に想像できる。しかし作りからして筐体や主要なシールドボックスは専用のアルミダイキャスト製だしまるで高級乗用車の作りと一緒だ。新品で何百万もするだけの作りである。 それとプリント基板が今なら当たり前のRHoS対応かと思わせる全金メッキである。当時半田メッキが普通だったと思われるがあえて出来るだけ長い年月経っても性能が衰えないように配慮された上での贅沢な作りである。 また驚くのはアルミ電解コンデンサが使われているのは電源用の平滑コンデンサだけで、その他は一切使われていない。その代わりアルミ電解コンデンサよりも寿命が長いハーメチックシール型の湿式タンタルコンデンサが随所で使用されている。これも廉価だが寿命の短いアルミ電解コンデンサを避けて高価だが寿命の長い湿式タンタルコンデンサを選択したと思われる。当時の湿式タンタルコンデンサはケースに銀が使われるなど大変高価なものがあった。これはどうだろうか、現在の湿式タンタルコンデンサはケースもタンタルになっているため値段は昔よりも安いが電解コンデンサよりも高いのは同じ。 ということで交換するとなると電源の大容量ブロックコンデンサをということになる。さすがこの頃のHPは高級志向だったのがうなずける。 P.S 更にレンジ選択ロータリスイッチ接点部分を拡大して観察したら驚愕の真実が明らかに。 残っている2つの爪のもう一つが既に根本の樹脂の突起が破断して接点が浮いているのが見える。もういつ脱落しても不思議ではない状態だ。これがカウンターが正常に切り替わらなくなった原因である。残りの1つは発振周波数レンジの選択でこれは機能している。 |
webadm | 投稿日時: 2007-5-1 11:51 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
やはり750MHzぐらいまでしかカウントできない 電源のレギュレーションを良くしたsabtronicsのカウンターで512-1024MHzをもう一度試しに計測してみたらやはり750MHzを超えたところから突然計測不能になる。
たぶん安定化電源で少し電圧を下げて供給してやればSMLUの時のようにもう少し上まで測れるのかもしれない。 どうもプリスケーラーの性能が劣化しているのかもしれない。計測不能になる直前の周波数でセンスレベルを調整するとほんとうにわずかな範囲でしか安定してカウントができない。 センスレベルはプリスケーラーの出力を方形波に変換するコンパレーターのスレッショルド値を決めていると思われる。MAXにするとスレッショルド値が0になるのでちょっとでも信号が入ればカウントされる。しかしMAXにしてもカウントされないということはどういうことだろう。 後日プリスケーラー基板の回路を起こして調べてみよう。 ちゃんとしたメーカーのカウンターがあればいいのだが、定番の測定器だけあって人気が高く値段もつり上がりぎみ。といっても以前よりはだいぶ下がっているけど。 アルバイトの成功報酬でも入らない限りしばらくは測定器購入は自粛...orz |
webadm | 投稿日時: 2007-5-1 16:34 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
Sabtronicsのカウンターのプリスケーラー動作波形 プリスケーラー動作時の入出力波形を観測してみた。
まずはAdvantestのTR5822の基準周波数出力である10MHzを与えてみてプリスケーラー基板の出力と比較してみたのが以下の画面。 予想通り1/10のプリスケール動作をしている。この動作も微妙でセンスレベルを変更していくと不安定な表示になる領域がある。大抵はプリスケール動作が不安定になって正しい分周結果が得られていないことが以下の例でもわかる。 この時はちなみに20.000MHzが表示されている。ゲートタイム内での積算パルス数が一定であるからだと思われる。 今度はSMLUのRF出力を与えてプリスケーラーの出力だけを観測してみた。まず全範囲で周波数が正しく計測できているバンド6の場合、340MHzを与えるとその1/10の周波数のパルスが出ている。 次が同じバンド6で最大の600MHzを与えた場合、これも1/10の60MHzの波形が出ている。 実はこの時最小から最大まで周波数を変化させた時にSMLUの出力が出なくなる周波数があることに気づいた。530MHzまでは良く550MHzあたりから上も問題ない、その間に急激な谷間が有るという感じ。バンド6の発振回路の問題だろうか。新たな持病がまたひとつ。 今度は同じ周波数600MHzをバンド7で出力させて与えてみる、これも正常に計測できていることが波形からも明白である。 次は問題の測定が安定して出来る上限の750MHzを与えてみる。がしかしオシロのプローブをプリスケーラの出力につないだ状態ではそうしなければ測定できているはずの周波数でも安定して測定がまったくできないことが判明。プローブを外すと正常に計測できるのでプローブを接続することで出力信号品質が悪化して正常にカウントできなくなったと思われる。既に70MHz以上の信号なので無理もない。 それとプローブをつないでない安定して計測できていると思われている状態でもフロントパネルのRF入力コネクタの根本部分を日本の指で挟むと測定周波数が変化する。プリスケーラー基板とか信号ケーブルとかに手を触れても関係ないのに外側のコネクタの根本を指で挟むだけで変化するのも謎だ。 そうした意味ではかなりこのカウンターは作りがいい加減である。というのもプリスケーラーの出力信号は一旦スライドスイッチに接続されてそこからレンジ選択によって3つのうちどれかの入力源がカウンターICへの入力として選択されるようになっている。スライドスイッチにしている時点でだめだろうという気がしないでもない。本当にこれはもともとちゃんと1000MHzまでカウントできているのかどうかも怪しい。ちゃんとした信号源を持っていないのが悔しい。 しかし方法があった、HP16500Bの2Gsのオシロなら低容量のプローブなので問題ないかもしれないと思ってやってみた。プローブをつないでもカウントは正常にできている。周波数も698MHzぐらいなのでプリスケーラーもここまでは意図した通りに働いている。 しかしそれでも750MHzあたりになるとプローブをつないでいるとカウントがされない。波形としてはそれなりにだが細かいノイズが乗っているのが影響しているのかもしれない。 このあたりの上限周波数はカウンタ基板に供給する電源電圧を4.1Vまで下げると改善されることからかなり微妙である。少し改良すれば良くなるのかもしれない。 プロービングも簡単でいい加減なのが影響しているのは確かだが作りそのものもかなりいい加減ではある。 あとは使用されているプリスケーラーのICとかの仕様や回路を調べてみてからということで。もしかしたらSMLU自身は問題なかったりする可能性を期待していたりする。 と思って電源電圧を調整しても正常にカウントできない900MHzあたりを入力してみてプリスケーラーの出力波形を観測してみたところ正常に1/10されていることが判明した。カウントされない理由はLowレベルがTTLのスレッショルドまで達していない点である。 比較のために同じオシロの設定で正常にカウントされる600MHzの時のプリスケーラーの出力をみるとちゃんとLowレベル時にスレッショルド以下まで達している。 これで正常にカウントできる場合とそうでない場合の違いが判明した。 900MHz以上になるとプリスケーラーの出力は正しくない低い周波数の波形となり不安定になっていく。これはSMLUのRF出力がそうなのかプリスケーラーの問題なのかはわからない。もしかしたらSMLUは悪くなくてプリスケーラーが悪いのかもしれない。 ちゃんとしたカウンタが欲しくなった。この続きはまた今度にしよう。 |
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