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webadm
投稿日時: 2007-8-13 20:38
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
基準周波数発振器のジッター
ジッターカウンターにはオーブン型の高安定基準発振器が備えられている。

テストモードではその基準発振器のジッターを計測することができる。

30分以上稼働させた後に計測すると周期変動の分布範囲は400ps内に収まる。それでも意外に大きい。高安定基準発振器が高安定なのは長い時間や周囲温度変化による周波数ドリフトが少ないということであってジッターが少ないわけではない。

水晶発振器は水晶という分子バネをその固有共振周波数で電気的に振動させる電気機械的な部品である。なので分子レベルでの気まぐれというのが避けられずランダムに振動の周期は変動するが、だいたい正規分布に従うので平均値は温度や経年変化で形状が変わらない限り安定ということになる。

ちなみに高安定でない10MHzの基準周波数を測定してみると周期の変動分布範囲は倍以上の1nsに広がる。使用している水晶のタイプや発振回路の性能にもよる。オーブン型でないので動作温度の変化によって発振周期はドリフトしていく。

低周波でジッター測定結果があてにならないのは周期測定のMin値が時々ノイズとかで数桁違いで短いものが現れるためである。これはカウンターのエッジ検出の感度が高いために変化が緩慢な低周波の正弦波波形ではあり得る現象である。立ち上がりが速い矩形波とかであればまだ誤測定の頻度は低いのかもしれないが。

低周波のジッターを計測するにはシュミットトリガー等で矩形波に直してから測定するのが良いのかもしれない。

手元にある3つのカウンターのうちTR5835ジッターカウンター内蔵の高安定基準発振器が一番ジッターが少なかった。TR5823HもオーブンでないTR5822とジッター性能はほぼ同じ。
webadm
投稿日時: 2007-8-16 0:43
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
ジッターと周波数安定度
どうも勘違いをしていたようだ。

ジッターと周波数安定度はまったく独立した概念だった。

どちらも安定度の指標ではあるが。

ジッターは周期ジッターとかパルス幅ジッターとか共に短期間の時間軸上での揺らぎ分布を測るもの。

周波数安定度は長期間に渡る誤差の積算を測るもの。やはりジッターとはまったく異なる。

周波数というと周期の逆数と思うので周波数安定度すなわち時間軸上の揺らぎの尺度と勝手に思いこんでしまった。

例えば10MHzの発振器の出力を1日カウントした場合に本当は864,000,000,000回になるべきだが周波数ドリフトとかジッター分布の偏りとかでずれが出てくる。それが周波数安定度を測る目安となる。一日1カウント誤差が出る場合には、1/864,000,000,000すなわち1.16x10^-12ということになる。

普通に周波数安定度や偏差といった場合にはppmが単位として使われる。1ppmは百万分の1、1/1,000,000である。従って10MHzで一日1カウントしか違わない場合には、0.00000116ppmという驚くべき安定度が必要となる。一般的な水晶発振器は周波数偏差や安定度は数十ppmもあるのでその10^7倍ぐらいは狂いが生じるということである。それはだいたい10MHzで時計を作ったとして一日1秒狂いが生じる程である。

1.16x10^-12程の周波数安定度というとセシウム原子時計ベースのGPS基準発振器がそれに違い安定度を提供する。

オーディオマニアとかではデジタルサンプリングされた音源の再生に高安定度のルビジウム基準発振器とかGPS基準発振器を使うらしい。これは10^11程度の安定度。

一番安定度の良いのは水素メザー発振器らしいがルビジウムとかと一緒で装置に寿命があるらしいのが難点。1x10^-14ぐらいの安定度を誇るとか。セシウム基準発振器は安定度が5x10^-14ぐらいで寿命が長いので現在の周波数及び時間の原器となっている。

いずれの場合でも短期的に見れば周期の揺らぎ(ジッター)は避けられない。

これであってると思うが。
webadm
投稿日時: 2007-8-16 21:40
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
歪み率計も買ってしまった
低歪みオシレーターを手にいれた以上歪み率も測定できなければということで手頃な歪み率計を落札。



松下の古いステレオアンプ用歪み率計。レベルメーター機能も持っている。

レベルメーターで0dBmの出力を確認して歪み率測定モードにして計測。

原理的にはノッチフィルターで基本スペクトル以外のパワーを測定する方式。なのでフィルター選択で400Hzと1kHzがある。良くを言えばHPの全自動歪み率計が欲しいところだが、人気が高くて手が出ないのでどうせそんな超低歪みなオシレーターは持ち合わせていないのでこの程度で十分。

測定してみたら400Hzで0.03%(-70dB)未満ということが判明。たぶんなかなか当時としては優れていたのだろう。もう一桁良くなるとこれではもう測定できない。

この歪み率計もご多分に漏れず製造年が古いのでレンジ切り替えスイッチの接触不良で動作中にガリが出て測定表示が不安定になることがある。後日オーバーホールとスイッチ接点の洗浄をしよう。

NFのオシレーターの方も低歪みモードと高安定モードの切り替えスイッチが接触不良気味なのでこれも洗浄しないと。

ちなみに高安定モードでも歪み率はそんなに悪くなく0.04%程度ある。オシレーター基板の調整をすればもっと低くなるのかもしれないが体調の良い時にやってみることにしよう。一般に言われているように出力を下げれば歪み率が下がるというのはこのオシレーターの場合はあてはまらなかった。0dBの時が一番歪み率が低いようだ。

後ほど他の低周波オシレーターも測定してみよう。
webadm
投稿日時: 2007-8-16 22:31
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
Re: 歪み率計も買ってしまった
他のオシレーターを試してみた

・HP4204A oscillator 0.04%
・Wavetek/Rockland synthesizar 5100 0.04%
・HP8116A pulse/function generator 0.2%

ということで普通の低周波オシレーターやシンセサイザーはそれなりに低歪みである。

ファンクションジェネレーターは元々三角波を整形して正弦波を得ているので一桁歪みが多いということが明らか。それでもHP8116Aの仕様は高調波歪み率1%未満とうたっているので校正範囲内に収まっている。

元々の発振器の出力は低歪みでも最終段のレベルアンプやアッテネーターの経年変化や故障でノイズが混入して出力がランダムに歪むというのもあり得る。
webadm
投稿日時: 2007-8-17 20:10
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
Re: 歪み率計も買ってしまった
歪み計の中も開けてみた。



外装は年式なりにくたびれているけど中は新品同様。部品の製造年からして90年に製造されたものらしい。まだ20年もたっていない。

見えるのは片チャネル分の回路。その裏側の底板側にもう片チャネルの基板が背中合わせについている。押しボタンスイッチと電源部を除いてはまったく同じ構成の回路が2セットあることになる。

回路はFET,バイポーラートランジスタ、オペアンプ混成で新しい。もともとは真空管時代の頃と精度を除いては仕組みは一緒だと思われる。

しかし保守用のテストピンとかのたぐいは全く存在しない。修理はしないという方針だろうか。基板ごとごっそり交換ということだろう。そういう割り切りもありなのかもしれない。

押しボタンスイッチが共通なので各チャネルの基板で松下お得意の小型リレーで回路を切り替えている。

片方のメーターが時々オーバースケール時に右側に張り付いてしまう傾向がある以外は両チャネルともほぼ同じ測定結果が得られる。

最近のオペアンプとかはこうした古い歪み率計では測れない0.001未満の歪み率になっているので、そういうのはどうやって測るんだろう。

オーディオアンプの場合は歪み率を測定して意味があるのはプリアンプぐらいまでで、パワーアンプとかなるとスピーカーという歪み率の大きいエネルギー変換装置が相手なので単なる出力電圧レベルでの歪み率を観測しても意味が無い。普通に部屋で音を鳴らせば反射や反響で音も変わってしまうし。

直接聴覚神経にインプットすればいいのかもしれないが。
webadm
投稿日時: 2007-8-19 0:49
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
シュミットトリガー入力で計測してみた
トランジスタ2石の簡単なシュミットトリガーバッファーをブレッドボード上にこしらえて、それにNFのオシレーターの正弦波を入力として与え、出力されてくる立ち上がり及び立ち下がりの急峻な矩形波のジッターを測定してみた。



シュミットトリガー回路の性能は問題なく、オシロで見ても立ち上がりと立ち下がりが急峻過ぎて表示されない。これなら誤判定はなくなるはず。入力がトランジスタ入力回路の非直線性で少し歪んでいるが周期変動だけが測定対象なので無視してよい。

実際にジッターカウンターで測定すると周期のMIN,MAX共に約1msを表示し数百ns以下の桁が変化している程度。予想よりも周期自体は安定している。周期の分布範囲も100ns未満と予想よりも狭い。sigmaは10ns未満と優秀。意外に安定している。

これは分解能が100psのTR5835で測定した場合で、分解能が1nsのTR5834だとsigmaが10ns台と少し大きめになる。いずれにせよCR発振器としては優秀な性能だ。

実際の正弦波出力は小刻みにレベルが変動しているのは明らかである。これは電球という非線形素子を使ったレベルコントロールの欠点ではある。振動を与えても影響が出る。発振器の筐体を手で揺さぶるだけで分布範囲が倍に広がる。正弦波で観測すれば、ぼよん、ぼよんと振幅が変動しているはずである。

webadm
投稿日時: 2007-8-20 3:12
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
他のオシレーターのジッター特性
特に低歪みも高安定もうたっていないHP4204A低周波オシレーターを同様にシュミットトリガー入力で測定してみた。

分布範囲は300nsと大きい。sigmaも100ns未満だがNFのと比べると一桁安定度は低い。

次ぎにWavetek/Rockland 5100だが、これはPLLシンセサイザーなのでさぞや安定度は高いだろうと思いきやびっくり仰天。

分布範囲が3uS近い。周期のMINが0.9991xxxでMAXが1.001xxxxなので致し方ない。sigmaは約1us。かなり良くないので中を調べてみる必要がある。普通のCRオシレーターの10倍も安定度が悪い。

webadm
投稿日時: 2007-8-20 4:56
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
Wavetek/Rockland 5100のジッター特性
一定時間暖気運転すると分布範囲は2uS程度、sigmaは500ns程度に改善されたが依然として特性は良くない。

基準周波数出力を観測してみると、これがどうも不安定だ。

周期が500ns前後なので2MHzなのだろうけども、基準周波数にしては変動範囲が80ns程度と大きい。sigmaもその半分の40ns。普通の高安定基準発振器は分布範囲が数百ps、sigmaは数十psなので3桁も桁違いに悪い。周期が500nsなのに変動が数十nsはさすがに無いだろうと。これではPLLもくそもあったものではない。

さすがにおかしいと思って基準周波数出力をオシロで観測してみた。なんだこれは?



単現象のはずが正弦波が2つ表示されているように見える。しかも周波数は50Hz。掃引速度を上げるとデジタルオシロで良くあるようなエイリアスのような表示が現れる、更に掃引速度を上げて1us/DIVぐらいになると本来の出力波形が見えてくる。



1MHzの矩形波だが、50Hzの低周波でオフセットが上下しているのでMAX及びMINレベルが変動している。こんな波形は初めてみた。トリガーレベルの設定によってはオフセット電圧が一番高い時の矩形波と、一番低い時の矩形波が綺麗に見える。

中を開けてみてみた。



ほとんどがデジタル回路で74シリーズのノーマルタイプが使われている。右上にオーブンタイプの高安定基準発振器が見える。



やはり出力にハムが乗っている。これは酷い。



こちらは8MHzの出力が出ているがオフセットが50Hzで変動している。これではまともな安定した周波数は出ないだろう。

もともと使われている高安定基準発振器のピン仕様が不明だが、電圧を測ってもどうも釈然としない値を示す。電源のリップルが多いのだろうか? もともと直流電源なのかどうかも謎だ。

これが周波数の安定度が悪い原因だろう。

クリスタルオシレーターのピンを調べるとどうやら+15Vと-15VとそのCOMMONのピンはわかるが、出力ピン以外のもう1ピンの電圧がどうも釈然としない。ロジックレベルにしては低すぎる電圧である。もともとハムが乗っているのは+15Vの電源ピンがリップルが観測されるものの綺麗なハムではない。

となるとどこかで誘導されているのだろうか。左端に大きな電源トランスと二次タップの出力が基板に接続されているのが気になる。これはアナログ電源用だろうか。本来の5V電源は裏側のタップから出てくるものをブリッジダイオードで整流して平滑したのちレギュレーター回路を通してロジックICに供給されている。



これはたまたま基板上で見つけた出力周波数まで分周されたデジタル出力。ゆがんでいるのはカメラのせいではなく、出力電圧が50Hzで振れているのである。

何故だ。と思ってもう一度クリスタルオシレーターのアナログ電源のCOMMONをグランドとしてオシレーターの出力を観測してみた。今度はハムは乗っていない。綺麗な矩形波が観測された。

とするとリファレンスクロック出力の波形ななんだったのか。

原因が判明した。筐体が電源グランドと絶縁されていたのである。BNCコネクタのグランドは筐体に接続されはおらず絶縁されていたのである。

となるとそもそも安定度が悪いのはやはりクリスタルオシレーターの性能だったということになる。もっとまともな安定度のオシレーターにすれば良くなるのかもしれない。ということで諦めよう。

と思ったのだが、諦めずに調べてみると、ジッターカウンターに基準クロック出力を接続するとインピーダンス不整合により波形が汚くなることを発見。ジッターカウンターのトリガーレベルをヒゲが出るあたりを避けて設定すると誤った短い周期とかが計測されることはなくなりだいたい1MHzの周期で安定する。

その時点での分布は2ns未満でありオーブン型のクリスタルオシレーターとしてはまあまあなところ。sigmaも200ps前後と良くなり、これなら致し方ないかという程度。

このWavetekのシンセサイザーはPLLなのか疑問になってきた。単純に8MHzを分周して低周波パルスを生成し、それを整形してフィルターにかけて正弦波として出力しているような気がする。というのもVCOに相当するものが見あたらないのでそういう結論に達する。だとすると分周による誤差が蓄積して1kHzの時に2uSの変動があってもおかしくはない気がしてきた。1MHzの基準クロックの変動分布が2ns程度だとすれば、それを1000分周した1kHzで1000倍の変動範囲である2uS程度の分布が生じるのは当然である。
webadm
投稿日時: 2007-8-22 2:01
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
Re: Wavetek/Rockland 5100のジッター特性
1kHzの出力のジッター分布範囲が2uSもあるWavetek/Rockland 5100低周波シンセサイザーであるが、周波数を高くするとジッター範囲がそれに比例して狭まる。

10kHzでは20ns前後と小さくなる。100kHzでは2ns前後と10分の1になる。

どうも1kHzだけ大きいと思って出力レベルとかを変更してみたらどうやら2uSというのは間違いだった。ジッターカウンター側の入力端子の50Ω終端をONにしていたためにレベルが極端に落ちてしまっていた。

もう一度適正な条件で計測してみたところ1kHzで200ns前後だった。

これならば基準周波数のジッターが分周された分積算されて比例して大きくなる理屈と合う。
webadm
投稿日時: 2007-8-22 2:16
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3095
Wavetek/Rockland 5100の仕組みの謎
実際にどうやって8MHzの基準クロックから1.999MHz〜1mHzまでの広範囲な周波数の正弦波を生成しているのか仕組みが検討がつかないが、出力される波形は見事なまでに正弦波である。

オシロとかで1Hz以下の波形を見るともう、輝点が人魂のように飛び交う姿しか見えない。デジタルオシロならトレースが残るのでどういう波形になっているかわかるが。

基板上にはダイオードや抵抗が沢山載った小基板があるので、たぶんそれで矩形波から正弦波に整形していると思われる。HP8116Aにも似たような仕組みの回路があるが、これよりはもっと簡易でダイオードの数も最小限しかない、その分歪み率も大きい。これはCR発振器でないのにCR発振器波の歪み率を達成しているのはすばらしい点かもしれない。正弦波に整形した後に大きなLPFを通して出力しているため高調波はこれで取り除かれる。

暇が出来たら仕組みを解析してみたいものである。
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