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webadm
投稿日時: 2007-8-1 20:44
Webmaster
登録日: 2004-11-7
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投稿: 2980
洋子ちゃん
母方の姪にみんなから洋子(仮名)ちゃんと呼ばれているひとが居る。

私が物心つく前から既に頬を大きなガーゼが痛々しく覆っている顔が印象的である。

大きなガーゼの下は皮膚が赤黒く変色し大きなケロイドが覆っていて慢性的に炎症を起こしていたらしい。

古い人なら記憶がある、昔茶の間のテレビで人気のあったドラマ、「愛と死をみつめて」に登場するヒロインは目に痛々しいガーゼをあてて毎回登場していたけど、洋子ちゃんは目ではなく頬にガーゼをあてていた。合うたびにドラマのそのヒロインを思い出さざるを得なかった。「まこ、甘えてばかりいて、ごめんね、...」あの歌がどことなく流れてきそうな感じ。

頬の病巣を除けば親戚の中でも一番の美人の部類に入り誰よりも茶目っ気があって陽気な人だった。

聞くところによると洋子ちゃんは生まれながらにして頬に赤い痣を持って生まれてきたらしい。といっても赤ん坊の時の痣は大人になれば薄く広がり気にする程ではなくなるというのが一般的である。しかし洋子ちゃんの母親は、可愛い子が年頃になった時のことを気にして大学病院に痣が取れないか相談しに行ったらしい。

リンゴ農園を営んでいた洋子ちゃん家は保険のきかない整形手術にお金を払う経済的な余裕があったのがあだになった。

大学病院の若い先生は、おそらく皮膚の腫瘍とかの治療用に導入した高額な放射線照射装置を使って痣を取り除くという処方を始めた。

今ではどの病院でもそんな暴挙はしないだろうが、当時は放射線治療方法も確立しておらず臨床実験が始まったばかり。どんな副作用が生じるかもわからなかった時代だ。

治療を始めると普通は悪性の腫瘍細胞に照射すべき強力な放射線を良性で色素が沈着しただけの健康な細胞に照射するのだから敏感で高い活性のある少女の皮膚の細胞はたちまち炎症を起こし始めた。

炎症を起こしたのは皮膚の細胞だけでは無く、骨細胞と血管細胞にも悪影響を与えたちまち血管腫瘍ができはじめた。

綺麗で透明な頬の皮膚は赤く爛れふくれあがり壊死し始めた。

放射線治療は中止したが炎症部位は改善する気配がなかった。

骨まで放射線で高度の火傷を負ってしまったため皮膚の自己再生能力が著しく失われてしまった。それが判明したため、壊死したために窪んでしまった頬に体の他の部位の皮膚を移植するという処置がとられた。

しかし臀部の皮膚が頬にうまく移植されずやはり壊死してしまった。

結果として皮膚の再生はあきらめ、今も愚図ついている血管腫と皮膚の炎症を抑えるという治療を続けることになった。

今そんなことがあったら医療訴訟に発展しかねない事件である。

結局この医療過誤によって洋子ちゃんは一生涯頬に大きなケロイドと未だに癒えぬ血管腫の痛みにさいなまれ続ける送らなければならなくなった。

年頃になってもその頬の状態と入退院を繰り返す生活のため結婚も諦めざるを得なかった。本人は最後まで結婚を夢見ていた、頬の件以外は特に悪いところはなかったのだから。

病院側も訴訟を恐れてか、実験台になってくれれば医療費はいらないという条件で治療を続けてくれることになったらしい。

くれぐれも我が子、特に可愛い女の子の顔に痣があっても悪性でなければそのままにしておいた方が良いと思います。大人になって痣が薄く広がってしまえば気にならない程度になるか、レーザー治療で簡単に除去できるからです。
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