フラット表示 | 前のトピック | 次のトピック |
投稿者 | スレッド |
---|---|
webadm | 投稿日時: 2007-11-16 10:10 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3089 |
瞬時電力、最大電力および平均電力 正弦波交流回路の電圧と電流の瞬時値が以下の様に表されるとすると
e=Em*sin(ωt+θ)=sqrt(2)*|E|*sin(ωt+θ) i=Im*sin(ωt+θ+φ)=sqrt(2)*|I|*sin(ωt+θ+φ) 瞬時電力は p=e*i=Em*Im*sin(ωt+θ)*sin(ωt+θ+φ)=2*|E|*|I|*sin(ωt+θ)*sin(ωt+θ+φ) と表すことができる。 ここで三角関数の公式 2*sin(A)*sin(B)=cos(A-B)-cos(A+B) より p=e*i=Em*Im*sin(ωt+θ)*sin(ωt+θ+φ)=Em*Im*(cos(φ)-cos(2ωt+2θ+φ))/2=|E|*|I|*(cos(φ)-cos(2ωt+2θ+φ)) と書き換えることができる。 これは瞬時電力がcos(φ)で決まる定数要素とcos(2ωt+2θ+φ)できまる高調波要素から成ることを示す。 cos(φ)が0、すなわちφがπ/2,-π/2のインダクタンスやキャパシタンス場合には瞬時電力の平均はゼロとなる。 また瞬時電力が最大値を取るのは、cos(2ωt+2θ+φ)が-1を取るときすなわち2ωt+2θ+φが(2n-1)πの時ということになる。従って最大電力は Pm=Em*Im*(cos(φ)+1)/2=|E|*|I|*(cos(φ)+1) 平均電力は Pa=(1/T)*Integral(Em*Im*(cos(φ)-cos(2ωt+2θ+φ))/2,t,0,T) =Em*Im*cos(φ)/2=(1/T)*Integral(|E|*|I|*(cos(φ)-cos(2ωt+2θ+φ)),t,0,T)=|E|*|I|*cos(φ) と導かれる。 この平均電力は有効電力もしくは消費電力とも呼ばれる。 正弦波交流回路の消費電力は実効電圧と実効電流のcos(φ)の積で決まる。cos(φ)は力率と呼ばれる。 電圧と電流の実効値の積 P0=|E|*|I| は皮相電力と呼ばれる。 また Pr=|E|*|I|*sin(φ) は無効電力と呼ばれる。 有効電力は負荷で本当に消費される電力だが、無効電力は負荷側に蓄えられた後消費されずに電源側に返される電力である。 従って無効電力が多いと無駄に電源と負荷の間に電流が流れることになる。力率が高ければ高い程、無駄に行き来する電流が減り電源から供給された電力が負荷で消費される割合が高くなる。 皮相電力と有効電力それに無効電力の関係をベクトルで表すと という感じになるのだろうか。 またインダクタンス、キャパシタンスの瞬間電力pL,pCとすると、φはそれぞれ-π/2、π/2となり pL=2*|E|*|I|*sin(ωt+θ)*sin(ωt+θ-π/2)=2*|E|*|I|*sin(ωt+θ)*(-cos(ωt+θ))=-|E|*|I|*sin(2ωt+2θ)=-(1/2)*Em*Im*sin(2ωt+2θ)=-(1/2)*Em^2*sin(2ωt+2θ)/(ω*L) pC=2*|E|*|I|*sin(ωt+θ)*sin(ωt+θ+π/2)=2*|E|*|I|*sin(ωt+θ)*cos(ωt+θ)=|E|*|I|*sin(2ωt+2θ)=(1/2)*Em^2*ω*C*sin(2ωt+2θ) それぞれの最大電力PmL,PmCはそれぞれsin(2ωt+2θ)が-1,1となる点で PmL=(1/2)*Em^2/(ω*L)=(1/2)*ω*L*Im^2 PmC=(1/2)*Em^2*ω*C=(1/2)*Im^2/(ω*C) となる。 |
フラット表示 | 前のトピック | 次のトピック |
題名 | 投稿者 | 日時 |
---|---|---|
» 瞬時電力、最大電力および平均電力 | webadm | 2007-11-16 10:10 |
投稿するにはまず登録を | |