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webadm
投稿日時: 2007-12-2 14:16
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題20:尖塔がクリップされた正弦波電流の実効値
今度は正弦波電流で最大電流がクリップされた場合の実効値を求めよというもの。

与えられた電流は正弦波電流の実効値までは正弦波と同じだが、そこから電流が制限されて尖塔がクリップされるというもの。

クリップされる電流値は正弦波で言うところの実効値に相当する値Im/sqrt(2)である。

波形は正弦波と同じ特徴を持っていて、一周期内の4象限は極性や変化の方向は違っていても形は対称的で二乗平均値は同一である。従って二乗平均を求めるのは一象限分だけで良いことになる。まあこれは正弦波交流の場合も同じことが言えるのだが。

クリップ電流に達するまでの区間は正弦波と同じなので問題は一象限内でどこからクリップするかという点。

クリップ電流に達した時の時間をtとすると

Im*sin(ωt)=Im/sqrt(2)

∴sin(ωt)=1/sqrt(2)

ωt=arcsin(1/sqrt(2))=π/4

従って問題の波形の瞬時値は

(ωt mod 2π)が

0〜π/4の間i(t)=Im*sin(ωt)
π/4〜π/2の間i(t)=Im/sqrt(2)

となり、残り3象限の二乗平均は同じなので。

|I|=sqrt((1/(π/2))*(∫(Im*sin(ωt))^2dωt+∫(Im/sqrt(2))^2dωt))

(%i40)
sqrt((1/(%pi/2))*(integrate((Im*sin(ot))^2,ot,0,%pi/4)+integrate((Im/sqrt(2))^2,ot,%pi/4,%pi/2)));
(%o40) (sqrt(2)*sqrt((%pi*Im^2)/8+((%pi-2)*Im^2)/8))/sqrt(%pi)
(%i41) factor(%);
(%o41) (sqrt(2)*sqrt(%pi-1)*abs(Im))/(2*sqrt(%pi))

(%i48) float((sqrt(2)*sqrt(%pi-1)*abs(Im))/(2*sqrt(%pi))), numer;
(%o48) 0.58381937010355*abs(Im)

|E|=0.584*Im

と求められる。
webadm
投稿日時: 2007-12-2 14:28
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題21:正方向にバイアスされた正弦波電流の実効値
今度は波形的には正弦波だがプラス側方向に完全に直流バイアスのかかった電流の実効値を求めるというもの。

与えられた電流は振幅が10Aで、最大が20A、最小が0Aである。従って以下の式で瞬時値を表すことが出来る。

i=10*(1+sin(ωt))

これも厳密には正弦波ではないので一周期の間の二乗平均を計算する必要がある。

|I|=sqrt((1/2π)*∫(10*(1+sin(ωt))^2dωt)

(%i49) sqrt((1/(2*%pi))*integrate((10*(1+sin(ot)))^2,ot,0,2*%pi));
(%o49) 5*sqrt(6)
(%i50) float(%), numer;
(%o50) 12.24744871391589

|I|=12.25 [A]

ちなみにこれを直流10Aと振幅10Aの正弦波交流電流が重ねあわさっていると見なして計算しても同じ結果が得られる

|I|=sqrt((1/2π)*(∫10^2dwt+∫(10*sin(ωt))^2dωt))

(%i51) sqrt((1/(2*%pi))*(integrate((10*(sin(ot)))^2,ot,0,2*%pi)+integrate(10^2,ot,0,2*%pi)));
(%o51) 5*sqrt(6)
(%i52) float(%), numer;
(%o52) 12.24744871391589

著者の解法を見ると二乗の式を展開してsinやcosの項は積分すると0になることから定数項のみを計算して求めている。でもちょっと式の操作で省略されている部分があってわかりづらいが試験問題を解くには使えそうなテクニックである。

著者の方法を真似て10Aの直流電流と10Aの振幅の正弦波電流が重ねあわさっているとして式を操作してみると

|E|=sqrt((1/2π)*(∫(10)^2dωt+∫(10*sin(ωt))^2dωt))
=sqrt((1/2π)*(∫(100)dωt+∫(100*sin(ωt)^2)dωt)

ここで三角関数の公式

cos2A=1-sinA^2

により

sinA^2=(1-cos2A)/2

で書き換えると

|E|=sqrt((1/2π)*(∫(100)dωt+∫(100*(1-cos(2ωt))/2)dωt)
=sqrt((1/2π)*(∫(100)dωt+∫(50-50*cos(2ωt))dωt)
=sqrt((1/2π)*(100*(2π)+50*(2π)))
=sqrt(150)
=5*sqrt(6)
=12.25

と手計算でも同じ結果が得られる。

webadm
投稿日時: 2007-12-2 15:41
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題22:リアクタンスと周波数の関係
この問題は既に知っているリアクタンスの関係式からある容量を持つキャパシタが特定のリアクタンスを持つようになる周波数を求めよというもの。

リアクタンスは容量と角速度との関係で

Xc=1/ωC

と表されるのは既に知っている。

しかし問題は一ひねりしてあって、リアクタンスを求めるのではなく、容量とリアクタンスが与えられて、それを満たす周波数を導けというもの。

従って上の式を周波数との関係式に書き換える必要がある。角速度ωと周期Tそれに周波数の関係は

ω=2π/T
f=1/T

なので

ω=2πf

これを先のリアクタンスの式に代入すると

Xc=1/2πfC

と表すことが出来る。これを周波数fを求める式に直すと

f=1/2π*C*Xc

ということになる。C=3uF,Xc=50Ωと与えられているのでそれぞれ代入すると

f=1/2π*3*10^-6*50

(%i56) f=1/(2*%pi*3*10^-6*50);
(%o56) f=10000/(3*%pi)
(%i57) float(%), numer;
(%o57) f=1061.032953945969

f=1061 [Hz]

ということになる。
webadm
投稿日時: 2007-12-2 15:51
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題23:誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスの関係
今度もリアクタンスに関する問題だが、ひとひねりしてある。

ある周波数とインダクタンス値が与えられている時の誘導性リアクタンス値と同じ値を持つ容量性リアクタンスの容量はいくつかという問い。

誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスはそれぞれ

XL=ωL
XC=1/ωC

であるが、角速度ではなく周波数との関係式に書き換えると

XL=2πfL
XC=1/2πfC

題意からXL=XCとなるためには

2πfL=1/2πfC

という関係が成り立てば良い。

これを容量Cを求める式に整理すると

C=1/((2πf)*(2πfL))
=1/(4*π^2*f^2*L)

となる。ここでf=1000Hz,L=5mHと与えられているので代入すると

C=1/(4*π^2*1000^2*5*10^-3)

(%i63) C=1/(4*%pi^2*1000^2*5*10^-3);
(%o63) C=1/(20000*%pi^2)
(%i64) float(%), numer;
(%o64) C=5.0660591821168889*10^-6

C=5.07uF

ということになる。
webadm
投稿日時: 2007-12-2 16:13
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題24:合成キャパシタンス回路を流れる電流
続いてキャパシタだけで構成された回路に流れる電流の式を導けというもの。



見たとおりキャパシタが直並列混在している回路。まだ合成インピーダンスとか習っていないのにと動揺する必要はなかった。

キャパシタンスだけで構成されているので全体から見れば合成された一つのキャパシタと扱うことができる。個々のキャパシタに流れる電流の式を導けと言われているわけではないので安心である。

単一のキャパシタに正弦波電源を接続した場合に流れる電流は電圧の変化に比例する

i=C*de/dt

ここで

e=Em*sin(ωt+θ)
de/dv=ω*Em*cos(ωt+θ)

と置けば

i=C*ω*Em*cos(ωt+θ)

回路の合成キャパシタの計算はちょっと忘れたが以前に直流回路の演習でやったのを思い出す。抵抗の時と同じようにやってはまった。キャパシタの場合は並列は足し算、直列は割り算である。

C=1/(1/C1+1/(C2+C3))
=1/((C2+C3)/C1*(C2+C3)+C1/C1*(C2+C3))
=1/((C1+C2+C3)/C1*(C2+C3))
=C1*(C2+C3)/(C1+C2+C3)

となる。

従って電流の式は

i=(C1*(C2+C3)/(C1+C2+C3))*ω*Em*cos(ωt+θ)

となる。
webadm
投稿日時: 2007-12-3 1:25
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題25:誘導性リアクタンスと磁気エネルギー
次ぎの問題は与えられた正弦波交流電源に与えられた大きさのインダクタンスを接続した際に流れる電流の実効値と蓄えられる磁気エネルギーの平均値を求めよというもの。

正弦波交流電源の実効値|E|と周波数f、それにインダクタンス値Lが与えられているので、誘導性リアクタンスが求められ、それによって回路のインピーダンスが決定するので電圧実効値とインピーダンスと電流実効値の関係より流れる電流の実効値はすぐに求められる。

XL=ωL=2πfL
|Z|=sqrt(R^2+X^2)=sqrt(0^2+XL^2)=sqrt((2πfL)^2)=2πfL
|I|=|E|/|Z|=|E|/2πfL

|E|=50V
f=50Hz
L=20mH

をそれぞれ代入すると

|I|=50/(2*π*50*20*10^-3)

(%i65) I=50/(2*%pi*50*20*10^-3);
(%o65) I=25/%pi
(%i66) float(%), numer;
(%o66) I=7.957747154594768

|I|=7.96A

ということになる。

平均磁気エネルギーは公式

WL=(1/2)*L*|I|^2

を用いて

WL=(1/2)*50*10^-3*7.96^2

(%i68) WL=(1/2)*20*10^-3*7.96^2;
(%o68) WL=0.633616

WL=0.634 [J]

となる。
webadm
投稿日時: 2007-12-3 1:40
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題26:複数の正弦波から成る電源と静電エネルギー
今度はキャパシタンスに蓄えられる平均静電エネルギーを求める問題だがひねってある。

電源が複数の正弦波交流の合成から成るというもの。

e=Σ(Emk*sin(ωk*t+θk) (k=1,2,...,K)

一方キャパシタンスに蓄えられる平均静電エネルギーはキャパシタンスに加わる正弦波交流の実効値|E|と容量Cの関係で

WC=(1/2)*C*|E|^2

で表されることは既に学んでいる。

問題は複数の正弦波交流を合成した場合にその電圧の実効値はどうなるかという点。

これも既に以前の問題でどんな周波数や位相の違う正弦波をいくつ合成したとしても、最終的には個々の電圧ベクトルの合成で得られるということが判明しているので、それを応用する。

問題ではそれぞれの正弦波の振幅Emkだけが与えられているのでそれぞれの実効値を|Ek|とすると

|E|=sqrt(Σ|Ek|^2)=sqrt(Σ(Emk/sqrt(2))^2)
=sqrt(ΣEmk^2)/sqrt(2)

と表すことができる。

これを静電エネルギーの公式

WC=(1/2)*C*|E|^2

に代入すると

WC=(1/2)*C*(sqrt(ΣEmk^2)/sqrt(2))^2
=(1/2)*C*(ΣEmk^2)/2
=(1/4)*C*ΣEmk^2 (k=1,2,...,K)

と表すことができる。

webadm
投稿日時: 2007-12-3 1:59
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題27:周波数とインピーダンスの相関関係
次ぎの問題は周波数とインピーダンス値の相関関係の理解度を試すもの。

RL直列、RC直列、RL並列、RC並列の4つの回路のうち周波数の増加と共にインピーダンス|Z|が増加するものと、減少するものに分類せよというもの。

インピーダンスは抵抗とリアクタンスのベクトルの合成から成り、周波数によって値が変わるのはリアクタンスである。従ってリアクタンスが周波数によって増加するものと、減少するものを見分ければ良い。

ただし直列と並列とではインピーダンスの式は以下のように違う

|Z|=sqrt(R^2+X^2)  (直列)

|Z|=1/|Y|=1/sqrt(G^2+B^2)=1/sqrt((1/R)^2+(1/X)^2) (並列)

LとCのリアクタンスはそれぞれ

XL=ωL
XC=1/ωC

と表されるので、直列回路ではRL直列が周波数と共にリアクタンスが増加することによりインピーダンスが増加し、RC直列回路は逆にリアクタンスが減少するのでインピーダンスが減少する。

並列回路ではリアクタンスの逆数であるサセプタンスが減少すると程インピーダンスは増加する。すなわちリアクタンスが増加するとサセプタンスは減少しインピーダンスは増加すると言える。この性質は直列回路と同じである。

従って並列回路ではRL並列が周波数と共にインピーダンスが増加し、RC並列回路は減少すると言える。

webadm
投稿日時: 2007-12-3 2:00
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題28:RL直列回路のインピーダンス
この問題はRL直列回路に正弦波交流電圧が印可された際のインピーダンス|Z|を代数的に求めよというもの。

これは既に理論の時にやってしまったので割愛。

著者の解は微分方程式の定常解のみを解く方法で得ている。
webadm
投稿日時: 2007-12-3 2:19
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3092
問題29:RL直列回路を流れる電流の瞬時値
次ぎの問題は与えられた抵抗値とリアクタンスから構成されるRL直列回路に与えられた振幅と周波数の正弦波交流を加えた場合に流れる電流の瞬時値の式を導けというもの。

e=Em*sin(ωt+θ)

を電源の瞬時値電圧とするとRL直列回路に流れる電流の瞬時値の式は

i=Im*sin(ωt+θ+φ)

で表される。

ここで

ω=2π/T=2πf
Im=Em/|Z|
|Z|=sqrt(R^2+(XL)^2)
φ=-arctan(XL/R)

であるのでそれぞれ与えられた定数を代入すると

ω=2*π*60

(%i71) o=2*%pi*60;
(%o71) o=120*%pi
(%i72) float(%), numer;
(%o72) o=376.9911184307752

ω=377 [rad/s]

|Z|=sqrt(30^2+40^2)

(%i77) Z=sqrt(30^2+40^2);
(%o77) Z=50

|Z|=50 [Ω]

Im=Em/|Z|=141/50

(%i78) Im=141/50;
(%o78) Im=141/50
(%i79) float(%), numer;
(%o79) Im=2.82

Im=2.82 [A]

φ=-arctan(40/30)

(%i80) p=-atan(40/30);
(%o80) p=-atan(4/3)
(%i81) float(%), numer;
(%o81) p=-0.92729521800161

φ=-0.93 [rad]

従って

i=2.82*sin(ωt+θ-0.93)

と表すことができる。

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