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webadm | 投稿日時: 2007-12-7 11:22 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題40:皮相電力、消費電力、無効電力、力率 次ぎの問題は電圧と電流の瞬時値が数式で与えられていて、それから皮相電力、消費電力、無効電力、力率をそれぞれ計算せよというもの。
e(t)=50*sin(ωt+θ) i(t)=4*sin(ωt+θ-30°) この式で与えられているのは電圧と電流のそれぞれの振幅と位相差である。したがって、 P0=|E||I|=Em*Im/2=50*4/2=100 [VA] Pa=|E||I|cosφ=(Em*Im/2)*cos(30°)=100*cos(π/6) (%i3) 100*cos(%pi/6); (%o3) 50*sqrt(3) (%i4) float(%), numer; (%o4) 86.60254037844386 Pa=86.6 [W] Pr=|E||I|sinφ=(Em*Im/2)*sin(30°)=100*sin(π/6) (%i5) 100*sin(%pi/6); (%o5) 50 Pr=50 [Var] cosφ=Pa/P0=86.6/100=0.866 力率は86.6% |
webadm | 投稿日時: 2007-12-7 11:58 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題41:力率、インピーダンス、抵抗、リアクタンス 次ぎの問題は電圧と電流の実効値と消費電力がわかっている回路の力率とインピーダンス、抵抗値、誘導性リアクタンス値を計算せよというもの。
電圧と電流の実効値からインピーダンスと皮相電力が、皮相電力と消費電力から力率が、インピーダンスと力率から抵抗値とリアクタンスをそれぞれ計算することができる。 力率とインピーダンスはそれぞれ cosφ=Pa/P0=Pa/(|E||I|) |Z|=|E|/|I| で計算できる。 問題文では抵抗とインダクタンスがどう接続されているか不明だがRL直列回路だと仮定すると cosφ=R/|Z| から抵抗値、誘導性リアクタンスは R=|Z|cosφ XL=sqrt(|Z|^2-R^2) と表すことができる。 で求めることができる。 それぞれ与えられた電圧と電流の実効値と消費電力を代入すると cosφ=1600/(100*20)=16/20=4/5=0.8 従って力率cosφ=0.8 (80%) |Z|=100/20=5 インピーダンス|Z|=5 [Ω] R=|Z|cosφ=5*0.8=4 抵抗値R=4 [Ω] XL=sqrt(5^2-4^2)=sqrt(25-16)=sqrt(9)=3 誘導性リアクタンスXL=3 [Ω] と求めることができる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-7 12:05 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題42:消費電力と無効電力から皮相電力と力率を計算 次ぎの問題も皮相電力、消費電力、無効電力と力率の関係の理解を確認するもの。
消費電力と無効電力が与えられている場合、皮相電力と力率を計算せよというもの。 皮相電力は消費電力と無効電力との関係で P0=sqrt(Pa^2+Pr^2) から導くことができる。 力率は cosφ=Pa/P0 から求めることができる。 従って与えられた消費電力と無効電力の値を代入すれば P0=sqrt(80^2+60^2)=sqrt(6400+3600)=sqrt(10000)=100 皮相電力P0=100 [VA] 従って力率は cosφ=80/100=0.8 力率cosφ=0.8 (80%) ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-7 12:59 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題43:RL直列回路の電流、電力 次ぎの問題は与えられた抵抗値と誘導性リアクタンスを持つRL直列回路に与えられた電圧実効値と周波数の正弦波交流電源をつないだ場合の電流と電力の瞬時値を数式で示し、電圧と電流と電力の瞬時値のグラフを描けというもの。
電圧の瞬時値を e(t)=sqrt(2)*|E|*sin(ωt) とした場合 RL直列回路に流れる電流の瞬時値は i(t)=sqrt(2)*|I|*sin(ωt-φ) で表される。ここでRL直列回路のインピーダンスを|Z|とし電源電圧の実効値を|E|とすると i(t)=sqrt(2)*(|E|/|Z|)*sin(ωt-φ) =sqrt(2)*(|E|/sqrt(R^2+XL^2))*sin(ωt-φ) と書き直すことができる。 従って電力の瞬時値は p(t)=i(t)*e(t)=sqrt(2)*(|E|/|Z|)*sin(ωt-φ)*sqrt(2)*|E|*sin(ωt) =2*(|E|^2/|Z|)*sin(ωt-φ)*sin(ωt) =(|E|^2/|Z|)*(cos(φ)-cos(2ωt-φ)) =(|E|^2/sqrt(R^2+XL^2))*(cos(φ)-cos(2ωt-φ)) で表され 位相差φは tanφ=XL/R から φ=atan(XL/R) と表すことができる。 φ=atan(40/40)=atan(1) =π/4 [rad] 従って電流と電力は i(t)=sqrt(2)*(120/60)*sin(ωt-π/4) =sqrt(2)*(120/sqrt(40^2+40^2))*sin(2*π*50*t-π/4) =3*sin(100πt-π/4) p(t)==(120^2/sqrt(40^2+40^2))*(cos(π/4)-cos(2ωt-π/4)) =180*sqrt(2)*(1/sqrt(2)-cos(2*2*π*50*t-π/4)) =180-180*sqrt(2)*cos(200πt-π/4) で表される。 これをグラフで描くと 電流のグラフが他の波形とスケールが桁が違うのでほとんど波形が変化していないように見えるがこれが正しい。 著者のグラフは電流の波形だけスケールを他と変えている。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-7 13:22 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題44:RL直列回路の計算 しつこくRL直列回路の計算問題が続く。
今度は定数が与えられたRL直列回路に与えられた実効値電圧と周波数の正弦波交流電圧を加えた場合の、電流、力率、皮相電力、有効電力、無効電力、それにRとLそれぞれの電圧降下を計算せよというもの。 RL直列回路に流れる電流の実効値は |I|=|E|/|Z|=|E|/sqrt(R^2+XL^2)=|E|/sqrt(R^2+(ωL)^2) =|E|/sqrt(R^2+(2πf*L)^2) 与えられた電圧実効値、定数を代入すると |I|=130/sqrt(12^2+(2*π*60*13.3*10^-3)^2) (%i33) I=130/sqrt(12^2+(2*%pi*60*13.3*10^-3)^2); (%o33) I=130/sqrt(2.547216*%pi^2+144) (%i34) float(%), numer; (%o34) I=9.995860138929061 従って|I|=10 [A] 力率は cosφ=R/|Z|=R/sqrt(R^2+XL^2)=R/sqrt(R^2+(ωL)^2) =R/sqrt(R^2+(2πf*L)^2) 与えられた定数を代入すると cosφ=12/sqrt(12^2+(2*π*60*13.3*10^-3)^2) (%i35) cosp=12/sqrt(12^2+(2*%pi*60*13.3*10^-3)^2); (%o35) cosp=12/sqrt(2.547216*%pi^2+144) (%i36) float(%), numer; (%o36) cosp=0.92269478205499 従って力率cosφ=0.923 (92.3%) 皮相電力は P0=|E||I|=130*10=1300 [VA] ということに。 有効電力は Pa=|E||I|cosφ=1300*0.923=1200 [W] 無効電力は Pr=sqrt(P0^2-Pa^2)=sqrt(1300^2-1200^2)=500 [Var] Rの電圧降下は |VR|=R*|I|=12*10=120 [V] Lの電圧降下は |VL|=XL*|I|=ωL*|I|=2πf*L*|I|=2*π*60*13.3*10^-3*10 =50.1 [V] ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-7 13:37 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題45:RC直列回路の計算 次ぎはRC直列回路で全問と似たような計算
RC直列回路に流れる電流は同様に |I|=|E|/|Z|=|E|/sqrt(R^2+XC^2)=|E|/sqrt(R^2+(1/ωC)^2) =|E|/sqrt(R^2+(1/2πfC)^2) 与えられた定数を代入すると |I|=150/sqrt(6^2+(1/(2*π*60*590*10^-6))^2) (%i45) I=150/sqrt(6^2+(1/(2*%pi*60*590*10^-6))^2); (%o45) I=150/sqrt(6250000/(31329*%pi^2)+36) (%i46) float(%), numer; (%o46) I=20.00655648206105 従って電流|I|=20 [A] 力率は cosφ=R/|Z|=R/sqrt(R^2+XC^2)=R/sqrt(R^2+(1/ωC)^2) =R/sqrt(R^2+(1/2πfC)^2) 定数を代入すると cosφ=12/sqrt(12^2+(1/(2*π*60*590*10^-6))^2) (%i51) cosp=6/sqrt(6^2+(1/(2*%pi*60*590*10^-6))^2); (%o51) cosp=6/sqrt(6250000/(31329*%pi^2)+36) (%i52) float(%), numer; (%o52) cosp=0.80026225928244 従って力率cosφ=0.8 (80%) 皮相電力は P0=|E||I|=150*20=3000 [VA] 有効電力は Pa=|E||I|cosφ=3000*0.8=2400 [W] 無効電力は Pr=sqrt(P0^2-Pa^2)=sqrt(3000^2-2400^2)=1800 従って無効電力Pr=1800 [Var] Rの電圧降下は |VR|=R*|I|=6*20=120 [V] Cの電圧降下は |VC|=XC*|I|=(1/ωC)*|I|=(1/2πfC)*|I|=(1/(2*π*60*590*10^-6))*20 (%i56) VC=(1/(2*%pi*60*590*10^-6))*20; (%o56) VC=50000/(177*%pi) (%i57) float(%), numer; (%o57) VC=89.91804694457365 |VC|=90 [V] ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-7 14:12 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題46:RLC直列回路の計算 お次はRLC直列回路で全問と同様の計算を行うもの。
RLC直列回路に流れる電流は |I|=|E|/|Z|=|E|/sqrt(R^2+(XL-XC)^2) =|E|/sqrt(R^2+(ωL-1/ωC)^2) =|E|/sqrt(R^2+(2πfL-1/2πfC)^2) それぞれ与えられた定数を代入すると |I|=100/sqrt(4^2+(2*π*50*32*10^-3-1/(2*π*50*455*10^-6))^2) (%i62) I=100/sqrt(4^2+(2*%pi*50*32*10^-3-1/(2*%pi*50*455*10^-6))^2); (%o62) I=100/sqrt(((16*%pi)/5-2000/(91*%pi))^2+16) (%i63) float(%), numer; (%o63) I=19.86265609413074 |I|=20 [A] 力率は cosφ=R/|Z|=R/sqrt(R^2+(2πfL-1/2πfC)^2) =4/sqrt(4^2+(2*π*50*32*10^-3-1/(2*π*50*455*10^-6))^2) (%i64) cosp=4/sqrt(4^2+(2*%pi*50*32*10^-3-1/(2*%pi*50*455*10^-6))^2); (%o64) cosp=4/sqrt(((16*%pi)/5-2000/(91*%pi))^2+16) (%i65) float(%), numer; (%o65) cosp=0.79450624376523 cosφ=0.8 (80%) 皮相電力は P0=|E||I|=100*20=2000 [VA] 有効電力は Pa=|E||I|cosφ=2000*0.8=1600 [W] 無効電力は Pr=sqrt(P0^2-Pa^2)=sqrt(2000^2-1600^2) =1200 [Var] Rの電圧降下は |VR|=R*|I|=4*20=80 [V] Lの電圧降下は |VL|=XL*|I|=2πfL*|I|=2*π*50*32*10^-3*20 =200 [V] Cの電圧降下は |VC|=XC*|I|=(1/2πfC)*|I|=(1/(2*π*50*455*10^-6))*20 =140 [V] ということになる。 各素子の電圧降下を合計したものと電源電圧が一致しないが、各瞬時値の合計は電源の瞬時値電圧と一致する。RLC直列回路での各素子の実効電圧の関係は以下のようになる。 |E|=sqrt(|VR|^2+(|VL|-|VC|)^2) 実際に計算してみると |E|=sqrt(80^2+(200-140)^2)=sqrt(80^2+60^2)=sqrt(6400+3600) =sqrt(10000) =100 [V] となる。直列回路とは言え、直流回路と違って、各素子の両端の電圧の実効値を単純に足したものが全体に加わる電圧の実効値とはならないことに注意しなければならない。これはテスターとかで測っても同じことである。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-7 15:24 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題47:RL直列回路の抵抗値とインダクタンスを求める 次ぎの問題はRL直列回路に、2つの異なる実効値電圧と周波数の電圧を加えた場合の電流をそれぞれ測定して、その結果から回路の抵抗値とインダクタンスを求めよというもの。
回路に未知数が二つあるので2つの回路方程式をたてて、連立方程式を解けば良い。 |I1|=|E1|/|Z|=|E1|/sqrt(R^2+(2πF1*L)^2) |I2|=|E2|/|Z|=|E2|/sqrt(R^2+(2πF2*L)^2) がしかしMaximaではこれはさすがに解けないらしい。 なので手でやるしかない。 2つの式をそれぞれ両辺を二乗すると |I1|^2=|E1|^2/(R^2+(2πF1*L)^2) |I2|^2=|E2|^2/(R^2+(2πF2*L)^2) 最初の式をRの式に直すと R=sqrt(|E1|^2/|I1|^2-(2πF1*L)^2) =sqrt(|E1|^2/|I1|^2-(2π)^2*F1^2*L^2) これを2番目の式に代入すると |I2|^2=|E2|^2/(|E1|^2/|I1|^2-(2π)^2*F1^2*L^2+(2π)^2*F2^2*L^2) =|E2|^2/(|E1|^2/|I1|^2+(2π)^2*(F2^2-F1^2)*L^2) これをLに関する式に直すと L=sqrt((|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/((2π)^2*(F2^2-F1^2))) =(1/2π)*sqrt((|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/(F2^2-F1^2)) 従って R=sqrt(|E1|^2/|I1|^2-(2π)^2*F1^2*((1/2π)*sqrt((|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/(F2^2-F1^2)))^2) =sqrt(|E1|^2/|I1|^2-F1^2*(|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/(F2^2-F1^2)) =sqrt((|E1|^2/|I1|^2)*(1+F1^2/(F2^2-F1^2)-F1^2*(|E2|^2/|I2|^2)/(F2^2-F1^2)) =sqrt(F2^2*|E1|^2/|I1|^2)/(F2^2-F1^2)-F1^2*(|E2|^2/|I2|^2)/(F2^2-F1^2)) =sqrt((F2^2*|E1|^2/|I1|^2-F1^2*|E2|^2/|I2|^2)/(F2^2-F1^2)) ということになる。 著者の解と比べるとE1とE2、I1とI2それにF1とF2がそれぞれ逆になっている以外は同じである。 Maximaでも以下の方程式で与えると解けるには解けるが (%i99) e2: (I2)^2=(E2/sqrt(R^2+(2*%pi*f2*L)^2))^2; (%o99) I2^2=E2^2/(R^2+4*%pi^2*f2^2*L^2) (%i100) e1: I1^2=E1^2/(R^2+(2*%pi*f1*L)^2); (%o100) I1^2=E1^2/(R^2+4*%pi^2*f1^2*L^2) (%i101) solve([e1,e2],[R,L]); (%o101) [[R=-sqrt((f2^2*E1^2*I2^2)/(f2^2-f1^2)-(f1^2*E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(I1*I2),L=-sqrt((E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2)-(E1^2*I2^2)/(f2^2-f1^2))/(2*%pi*I1*I2)],[R=-sqrt((f2^2*E1^2*I2^2)/(f2^2-f1^2)-(f1^2*E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(I1*I2),L= sqrt((E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2)-(E1^2*I2^2)/(f2^2-f1^2))/(2*%pi*I1*I2)],[R=sqrt((f2^2*E1^2*I2^2)/(f2^2-f1^2)-(f1^2*E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(I1*I2),L=-sqrt((E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2)-(E1^2*I2^2)/(f2^2-f1^2))/(2*%pi*I1*I2)],[R=sqrt((f2^2*E1^2*I2^2)/(f2^2-f1^2)-(f1^2*E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(I1*I2), L=sqrt((E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2)-(E1^2*I2^2)/(f2^2-f1^2))/(2*%pi*I1*I2)]] (%i102) factor(%); (%o102) [[R=-sqrt((f2^2*E1^2*I2^2-f1^2*E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(I1*I2),L=-sqrt(-(E1^2*I2^2-E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(2*%pi*I1*I2)],[R=-sqrt((f2^2*E1^2*I2^2-f1^2*E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(I1*I2),L= sqrt(-(E1^2*I2^2-E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(2*%pi*I1*I2)],[R=sqrt((f2^2*E1^2*I2^2-f1^2*E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(I1*I2),L=-sqrt(-(E1^2*I2^2-E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(2*%pi*I1*I2)],[R=sqrt((f2^2*E1^2*I2^2-f1^2*E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(I1*I2),L= sqrt(-(E1^2*I2^2-E2^2*I1^2)/(f2^2-f1^2))/(2*%pi*I1*I2)]] なんか余計な因数分解をしていたり、四次方程式の根になっていたりする。これはちょっとだめだろう。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-7 16:04 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題48:RL直列回路の抵抗値とインダクタンスを求める(その2) 次ぎは前問の式を使って与えられた条件でRとLを計算する問題。
R=sqrt((F2^2*|E1|^2/|I1|^2-F1^2*|E2|^2/|I2|^2)/(F2^2-F1^2)) L=(1/2π)*sqrt((|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/(F2^2-F1^2)) にそれぞれ与えられた条件E1=100,F1=50,I1=1,E2=100,F2=60,I2=1.6を代入すると R=sqrt((60^2*100^2/1^2-50^2*100^2/1.6^2)/(60^2-50^2)) (%i113) R=sqrt((60^2*100^2/1^2-50^2*100^2/1.6^2)/(60^2-50^2)); (%o113) R=154.4326125472914 R=154.4 [Ω] L=(1/2π)*sqrt((100^2/1.6^2-100^2/1^2)/(60^2-50^2)) (%i128) L=(1/(2*%pi))*sqrt((100^2/1.6^2-100^2/1^2)/(60^2-50^2)); (%o128) L=(2.353672179228179*%i+1.4411609527488948*10^-16)/(2*%pi) (%i129) float(%), numer; (%o129) L=0.1591549430919*(2.353672179228179*%i+1.4411609527488948*10^-16) む虚数、なんだこれは? 著者の式とは等価なはずだが著者の解はどちらも実数だ。 しかし著者の解をよくよく精査すると驚愕のインチキを発見! 著者の解ではインダクタンスLを以下のように計算している L=(|E|/(2π|I1||I2|))*sqrt((|I2|^2-|I1|^2)/(f1^2-f2^2)) =(100/(2π*1*1.6))*sqrt((1^2-1.6^2)/(50^2-60^2)) =0.375=375 [mH] しかしここで著者は重大なミスを犯している。問題文ではI1=1,I2=1.6と与えられているのだから本来は以下のようになるはず。 L=(|E|/(2π|I1||I2|))*sqrt((|I2|^2-|I1|^2)/(f1^2-f2^2)) =(100/(2π*1*1.6))*sqrt((1.6^2-1^2)/(50^2-60^2)) これをMaximaで計算するとやはり平方根の中は負になるので (%i132) (100/(2*%pi*1*1.6))*sqrt((1.6^2-1^2)/(50^2-60^2)); (%o132) (31.25*(0.037658754867651*%i+2.3058575243982319*10^-18))/%pi (%i133) float(%), numer; (%o133) 9.947183943243459*(0.037658754867651*%i+2.3058575243982319*10^-18) という複素数になってしまう。 いずれにせよおかしいし、著者は何か間違えている。 問題を良くみるとRL直列回路なのに周波数が高い方が電流が多く流れている。F1=50でI1=1なのがF2=60でI2=1.6と増えている。これはおかしい。問題文が間違っているとしか言いようがない。RL直列回路は周波数が上がるにつれインピーダンスが高くなるので電流の実効値は減るはずだ。 試しに周波数の値を逆にして計算し直してみよう。 R=sqrt((50^2*100^2/1^2-60^2*100^2/1.6^2)/(50^2-60^2)) (%i141) R=sqrt((60^2*100^2/1.6^2-50^2*100^2/1^2)/(60^2-50^2)); (%o141) R=99.71550440218324*%i+6.1056120132758418*10^-15 あら、今度は抵抗値が複素数になってしまう。 どうも電流の値がインチキくさい。 試しに著者の解で出ている抵抗値とインダクタンス値を使って電流の実効値を検算してみよう。 |Z|=sqrt(R^2+XL^2)=sqrt(R^2+(2πfL)^2) R=154.4,L=375*10^-3,f=50の時の回路のインピーダンスは |Z1|=sqrt(154.4^2+(2*%pi*50*275*10^-3)^2) (%i156) Z1=sqrt(154.4^2+(2*%pi*50*375*10^-3)^2); (%o156) Z1=sqrt((5625*%pi^2)/4+23839.36) (%i157) float(%), numer; (%o157) Z1=194.2124897863984 |Z1|=194 [Ω] と計算できる。 次ぎにf=60の時の同じ回路のインピーダンスは |Z2|=sqrt(154.4^2+(2*%pi*60*275*10^-3)^2) (%i158) Z2=sqrt(154.4^2+(2*%pi*60*375*10^-3)^2); (%o158) Z2=sqrt(2025*%pi^2+23839.36) (%i159) float(%), numer; (%o159) Z2=209.3449519625586 |Z2|=209 [Ω] ということに、従ってインピーダンスは周波数が高くなれば当然大きくなる。 このインピーダンス値を使ってそれぞれの電流の実効値を検算すると |I1|=|E1|/|Z1|=100/194 (%i160) I1=100/194; (%o160) I1=50/97 (%i161) float(%), numer; (%o161) I1=0.51546391752577 全然ちがうじゃん(;´Д`) 問題文では1Aになってるし。 |I2|=|E2|/|Z2|=100/209 (%i162) I2=100/209; (%o162) I2=100/209 (%i163) float(%), numer; (%o163) I2=0.47846889952153 これも当然問題文の条件と合わない。問題文では1.6Aと増えてるし。 問題文の電流値1Aと1.6Aがまったくのでたらめであるのは間違い無い。 これはあまりにも酷すぎだ。初版の時からこの状態で56回も重版してきたというのは信じられない。 だめすぎ(;´Д`) ちなみに検算で算出した電流値を使ってRとLを計算し直してみると。 R=sqrt((F2^2*|E1|^2/|I1|^2-F1^2*|E2|^2/|I2|^2)/(F2^2-F1^2)) =sqrt((60^2*100^2/(100/194)^2-50^2*100^2/(100/209)^2)/(60^2-50^2)) (%i164) R=sqrt((60^2*100^2/(100/194)^2-50^2*100^2/(100/209)^2)/(60^2-50^2)); (%o164) R=(47*sqrt(119))/sqrt(11) (%i165) float(%), numer; (%o165) R=154.587721492891 まああっている。 L=(1/2π)*sqrt((|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/(F2^2-F1^2)) =(1/2π)*sqrt((100^2/(100/209)^2-100^2/(100/194)^2)/(60^2-50^2)) (%i166) L=(1/(2*%pi))*sqrt((100^2/(100/209)^2-100^2/(100/194)^2)/(60^2-50^2)); (%o166) L=sqrt(1209)/(4*sqrt(55)*%pi) (%i167) float(%), numer; (%o167) L=0.37309715865915 これもまああっている。インピーダンス値が有効桁数で丸めているので多少の違いはしかたがない。ちなみに電圧が100Vで50Hzの時電流が1.6Aで60Hzの時電流が1Aだとすると一体いくつのRとLになるのだろうかMaximaで解いてみた。 (%i1) e1: 1.6^2=100^2/(R^2+(2*%pi*50*L)^2); (%o1) 2.560000000000001=10000/(R^2+10000*%pi^2*L^2) (%i2) e2: 1^2=100^2/(R^2+(2*%pi*60*L)^2); (%o2) 1=10000/(R^2+14400*%pi^2*L^2) (%i3) solve([e1,e2],[R,L]); `rat' replaced 2.560000000000001 by 64/25 = 2.56 (%o3) [[R=-(125*sqrt(7)*%i)/sqrt(11),L=-(5*sqrt(39))/(8*sqrt(11)*%pi)],[R=-(125*sqrt(7)*%i)/sqrt(11),L=(5*sqrt(39))/(8*sqrt(11)*%pi)],[R=(125*sqrt(7)*%i)/sqrt(11),L=-(5*sqrt(39))/(8*sqrt(11)*%pi)] ,[R=(125*sqrt(7)*%i)/sqrt(11),L=(5*sqrt(39))/(8*sqrt(11)*%pi)]] (%i4) float(%), numer; (%o4) [[R=-99.71550440218321*%i,L=-0.37459856174204],[R=-99.71550440218321*%i,L= 0.37459856174204],[R=99.71550440218321*%i,L=-0.37459856174204],[R=99.71550440218321* %i,L=0.37459856174204]] ということで根は4つあって、その中でR,L共に実数なのはひとつもないという結果に。 電流を先ほど求めた0.515Aと0.478Aで計算すると (%i5) e1: 0.515^2=100^2/(R^2+(2*%pi*50*L)^2); (%o5) 0.265225=10000/(R^2+10000*%pi^2*L^2) (%i6) e2: 0.478^2=100^2/(R^2+(2*%pi*60*L)^2); (%o6) 0.228484=10000/(R^2+14400*%pi^2*L^2) (%i7) solve([e1,e2],[R,L]); `rat' replaced 0.265225 by 1668/6289 = 0.26522499602481 `rat' replaced 0.228484 by 1792/7843 = 0.22848399846997 (%o7) [[R=-(25*sqrt(6555239))/(4*sqrt(10703)),L=-(5*sqrt(453059))/(16*sqrt(32109)*%pi)],[R=-(25*sqrt(6555239))/(4*sqrt(10703)),L=(5*sqrt(453059))/(16*sqrt(32109)*%pi)],[R=(25*sqrt(6555239))/(4*sqrt(10703)), L=-(5*sqrt(453059))/(16*sqrt(32109)*%pi)],[R=(25*sqrt(6555239))/(4*sqrt(10703)),L=(5*sqrt(453059))/(16*sqrt(32109)*%pi)]] (%i8) float(%), numer; (%o8) [[R=-154.675496887307,L=-0.37364927158105],[R=-154.675496887307,L= 0.37364927158105],[R=154.675496887307,L=-0.37364927158105],[R=154.675496887307,L= 0.37364927158105]] どちらも正の実数のまともな根が一組得られている。だいたい数値もあっている。 ということで前の問題で導いた式そのものは正しくて、問題47の設問で与えられている電流値がでたらめだったという結論が得られた。 そもそも著者の解答の抵抗値154.4Ωが直列につながった回路に100Vを加えても1Aなんて流れないということは容易に気づきそうなものだが。375mHのインダクタンスも50Hzでのリアクタンスが118Ωぐらいになるのでインダクタンスだけの回路でも1Aは流れない。従ってその両方を直列につないで1A流れるという事事態が虚偽である。著者は問題を作るにあたってどうやって電流の値を選んだのだろうか。永遠の謎である。 次の次ぎの問題も似たような設定の問題なので同じインチキを書いている疑いは濃厚である。 P.S 実はRL直列回路ではなく、RL並列回路だと話は違ってくる。 E=100,F1=50,R=154.4,L=375*10^-3とした場合のRL並列回路のインピーダンスを計算してみると |Z1|=1/sqrt(1/154.4^2+1/(2*%pi*50*375*10^-3)^2) (%i32) 1/sqrt(1/154.4^2+(1/(2*%pi*50*375*10^-3)^2)); (%o32) 1/sqrt(4/(5625*%pi^2)+4.1947434830465244*10^-5) (%i33) float(%), numer; (%o33) 93.65938042548495 |Z1|=94 [Ω] という1A流れそうなインピーダンス値となった。 ただしF2=60の場合は当然インピーダンスは上昇するので電流が増える問題文は間違っていうのは揺るがない。 著者はRL並列回路の問題文を用意していたか、原稿と別に用意した問題文の内容をRL直列回路と並列回路を混同して結果的にでたらめな問題文をこしらえてしまったのかもしれない。それでも解答を作成する際にミスに十分気づいたはずだが、I2とI1の代入を反対にしてしまったと誤った解釈をして結果的に解答も虚偽となってしまった。 確かにこの手の計算は簡単そうだが項目が多いので間違えやすい。実際に自分でやった計算は最初必ず間違えてしまっていて、著者の解答の値とこっそり見比べてみて初めてミスがあったのに気づくという始末。 本当は正解が与えられなくても答えに間違いが無いというのを自分で検定できるまでやらないといけない。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-8 11:28 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
問題49:RC直列回路の抵抗値とキャパシタンスを求める 問題47と同様に今度はRC直列回路の抵抗値とキャパシタンスを求めるもの。
電圧実効値|E1|,周波数F1の電源に接続した際の電流実効値|I1|と電圧実効値|E2|,周波数F2の電源に接続した際の電流実効値|I2|からRC直列回路の抵抗値とキャパシタンスを計算する。 以下の方程式がたてられる |I1|=|E1|/|Z|=|E1|/sqrt(R^2+XC^2)=|E1|/sqrt(R^2+(1/ω1C)^2) =|E1|/sqrt(R^2+(1/(2πF1*C))^2) |I2|=|E2|/|Z|=|E2|/sqrt(R^2+XC^2)=|E2|/sqrt(R^2+(1/ω2C)^2) =|E2|/sqrt(R^2+(1/(2πF2*C))^2) 最初の式を両辺二乗して |I1|^2=|E1|^2/(R^2+(1/(2πF1*C))^2) Rを左辺にもっていくと R^2=|E1|^2/|I1|^2-(1/(2πF1*C))^2 ∴R=sqrt(|E1|^2/|I1|^2-(1/(2πF1*C))^2) これをもう一つの式に代入すると |I2|=|E2|/sqrt(|E1|^2/|I1|^2-(1/(2πF1*C))^2+(1/(2πF2*C))^2) 両辺を二乗すると |I2|^2=|E2|^2/(|E1|^2/|I1|^2-(1/(2πF1*C))^2+(1/(2πF2*C))^2) Cの項を左辺に移動すると (1/(2πF2*C))^2-(1/(2πF1*C))^2=|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2 左辺を因数分解すると (1/(2π))^2*(1/C)^2*(1/F2^2-1/F1^2)=|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2 左辺をCだけにすると (1/C)^2=(2π)^2*(|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/(1/F2^2-1/F1^2) ∴C=(1/2π)*sqrt((1/F2^2-1/F1^2)/(|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)) =(1/2π)*sqrt(((F1^2-F2^2)/(F1^2*F2^2))/((|E2|^2*|I1|^2-|E1|^2*|I2|^2)/(|I1|^2*|I2|^2))) =(|I1|*|I2|/(2π*F1*F2))*sqrt((F1^2-F2^2)/(|E2|^2*|I1|^2-|E1|^2*|I2|^2)) これを最初のRの式に代入すると R=sqrt(|E1|^2/|I1|^2-(1/(2πF1*(|I1|*|I2|/(2πF1*F2))*sqrt((F1^2-F2^2)/(|E2|^2*|I1|^2-|E1|^2*|I2|^2)))^2) =sqrt(|E1|^2/|I1|^2-1/((|I1|^2*|I2|^2/F2^2)*((F1^2-F2^2)/(|E2|^2*|I1|^2-|E1|^2*|I2|^2)))) =sqrt(|E1|^2/|I1|^2-1/((F1^2/F2^2-1)/(|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2))) =sqrt(|E1|^2/|I1|^2-(|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/(F1^2/F2^2-1)) =sqrt(|E1|^2/|I1|^2-(|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/((F1^2-F2^2)/F2^2)) =sqrt(|E1|^2/|I1|^2-F2^2*(|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2)/(F1^2-F2^2)) =sqrt(((F1^2-F2^2)*(|E1|^2/|I1|^2)-F2^2*(|E2|^2/|I2|^2-|E1|^2/|I1|^2))/(F1^2-F2^2)) =sqrt((F1^2*(|E1|^2/|I1|^2)-F2^2*(|E2|^2/|I2|^2))/(F1^2-F2^2)) 従って C=(|I1|*|I2|/(2π*F1*F2))*sqrt((F1^2-F2^2)/(|E2|^2*|I1|^2-|E1|^2*|I2|^2)) R=sqrt((F1^2*(|E1|^2/|I1|^2)-F2^2*(|E2|^2/|I2|^2))/(F1^2-F2^2)) ということになる。 |
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