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webadm | 投稿日時: 2007-12-8 11:50 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
問題50:RC直列回路の抵抗値とキャパシタンスを求める(その2) 問題48と同様に直前の問題で導いた式を使って与えられた2つの電圧実効値と周波数と電流実効値を代入して抵抗値とキャパシタンスを計算する問題。
|E1|=|E2|=100V, F1=50, F2=60, |I1|=1.7, |I2|=1.8をそれぞれ以下の式に代入すると C=(|I1|*|I2|/(2π*F1*F2))*sqrt((F1^2-F2^2)/(|E2|^2*|I1|^2-|E1|^2*|I2|^2)) R=sqrt((F1^2*(|E1|^2/|I1|^2)-F2^2*(|E2|^2/|I2|^2))/(F1^2-F2^2)) C=(1.7*1.8/(2*π*50*60))*sqrt((50^2-60^2)/(100^2*1.7^2-100^2*1.8^2)) (%i1) C=(1.7*1.8/(2*%pi*50*60))*sqrt((50^2-60^2)/(100^2*1.7^2-100^2*1.8^2)); (%o1) C=(2.8591207439650765*10^-4)/%pi (%i2) float(%), numer; (%o2) C=9.1008639859723847*10^-5 ∴C=91 [uF] R=sqrt((50^2*(100^2/1.7^2)-60^2*(100^2/1.8^2))/(50^2-60^2)) (%i3) R=sqrt((50^2*(100^2/1.7^2)-60^2*(100^2/1.8^2))/(50^2-60^2)); (%o3) R=47.29589718866878 ∴R=47.3 [Ω] む、著者の解答と値が違うぞ。 どっか間違えたか? いや間違えてはいない、前の問題49の著者の解答とRの式はまったく同じである。 よくよく著者の解答を精査するとやはり驚愕の事実が発覚! 著者の解は R=(|E|/(|I1||I2|))*sqrt((|I2|^2*f1^2-|I1|^2*f2^2)/(f1^2-f2^2)) =(100/(1.7*1.8))*sqrt((1.7^2*50^2-1.8^2*60^2)/(50^2-60^2)) =65.6 Ω としているが、実はI2の項にI1=1.7をI1の項にI2=1.8を間違えて代入するという重大なミスを犯している。 本来は R=(|E|/(|I1||I2|))*sqrt((|I2|^2*f1^2-|I1|^2*f2^2)/(f1^2-f2^2)) =(100/(1.7*1.8))*sqrt((1.8^2*50^2-1.7^2*60^2)/(50^2-60^2)) =47.3 Ω である。 かんべんしてよ(;´Д`) |
webadm | 投稿日時: 2007-12-8 12:17 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
問題51:RLC直列回路の共振条件 次ぎの問題はRLC直列回路に関する少しひねった問題。
電源の実効値と周波数それにRLC直列回路のR,Lが定められている状態でCを可変してLの両端の電圧降下を最大にするためにはCをいくらにすれば良いかというのと、最大になった時のLの電圧降下実効値を計算せよというもの。 最大値を求める問題というと、すぐにLの電圧降下の瞬時値を求める式をCに関して微分して微分係数が0(電圧瞬時値の傾きが0)になる条件を求めればよさそうな気がするが、極めて('A`)マンドクセ よく考えれば直列回路の素子の電圧降下は電流に比例するはずなので、電流が最大に流れるCの条件を見つければよいことになる。 またRLC直列回路の電流が最大になるのは、インピーダンスが最小になることを意味するので、RLC直列回路が電源周波数に共振している時がインピーダンスが最小になることを既に学んでいる。それを利用すれば簡単である。 RLC直列回路のインピーダンスは |Z|=sqrt(R^2+(XL-XC)^2) =sqrt(R^2+(ωL-1/(ωC))^2) =sqrt(R^2+(2πfL-1/(2πfC))^2) 見たとおり|Z|が最小になるのは 2πfL-1/(2πfC)=0 となる時である。これは|Z|の式をCで微分して (%i8) diff(sqrt(R^2+(2*%pi*f*L-1/(2*%pi*f*C))^2),C); (%o8) (2*%pi*f*L-1/(2*%pi*f*C))/(2*%pi*f*C^2*sqrt(R^2+(2*%pi*f*L-1/(2*%pi*f*C))^2)) dZ/dC=(2πfL-1/(2πfC))/(2πfC^2*sqrt(R^2+(2πfL-1/(2πfC))^2)) dZ/dCが0になるには分子が0になれば良いので 2πfL-1/(2πfC)=0 である。 従って上の条件式からCを解くと C=1/((2πf)^2*L) となる。与えられた定数を代入すると C=1/((2*π*50)^2*50*10^-3) (%i9) C=1/((2*%pi*50)^2*50*10^-3); (%o9) C=1/(500*%pi^2) (%i10) float(%), numer; (%o10) C=2.0264236728467555*10^-4 ∴C=203 [uF] このときのLの電圧降下は |EL|=XL*|I|=ωL*|E|/|Z|=2πfL*|E|/sqrt(R^2+(2πfL-1/(2πfC))^2) =2*π*50*50*10^-3*100/sqrt(5^2+(2*π*50*50*10^-3-1/(2*π*50*203*10^-6))^2) (%i11) EL=2*%pi*50*50*10^-3*100/sqrt(5^2+(2*%pi*50*50*10^-3-1/(2*%pi*50*203*10^-6))^2); (%o11) EL=(500*%pi)/sqrt((5*%pi-10000/(203*%pi))^2+25) (%i12) float(%), numer; (%o12) EL=314.1544537309152 ∴|EL|=314 [V] ということになる。 P.S よく見ると電源電圧の数倍にもなる電圧が回路内で発生しているように見える。これは直列共振特有の現象であるが、これについては後に学ぶことになる。まるで増幅しているような得したような動作だが瞬時的にはキャパシタンス側でまったく正反対の電圧降下が発生しているので回路的には相殺されてしまう。 並列共振回路の場合はこれと逆だがインダクタンスとキャパシタンスの間では常に充電と放電がシーソーのように繰り返されているのでその間では予想外に大きな電流が流れる。 アマチュア無線とかで送信機の出力段によくタンク回路と称される並列共振回路がおかれる。大げさに太い線材で空芯コイルを巻き大げさな規格のコンデンサを並列につないであるのが特徴的。それは想像以上に大きな高周波電流がコイルとコンデンサの間に常時流れるためである。大出力の送信ファイナルとかでは油断するとタンク回路の配線のちょっとした接触抵抗で配線が加熱溶融したりすることが起きる。大変危険である。そうした理屈も交流回路を勉強すれば理解できるようになる。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-8 12:32 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
問題52:RLC直列回路とRLC並列回路 次ぎの問題は同じ素子を使ってRLC直列回路とRLC並列回路を構成した場合に、直列回路での抵抗値と電流値がわかっている場合、並列回路での電流を予測しろというもの。
Rは予めわかっているがLとCが未知数であるので簡単にはいかな思うのがひっかけ問題。 電源電圧の実効値が50Vで直列回路にした時に10A流れると問題文にはあり、しかも抵抗値は5Ωとしている。 電圧の実効値と電流の実効値から直列回路のインピーダンスを求めると |Zs|=|E|/|I|=50/10=5 [Ω] なんと抵抗値と同じである。 ということは直列回路は電源の周波数に共振していてインピーダンスが最小値である抵抗値と等しくなっているということを意味する。 すなわち未知のLとCには ωL=1/ωC という関係が成立していることを意味する。 一方RLC並列回路のインピーダンスは |Zp|=1/sqrt((1/R)^2+(1/XC-1/XL)^2) =1/sqrt((1/R)^2+(ωC-1/ωL)^2) ここで先ほどのLとCの関係から |Zp|=1/sqrt((1/R)^2)=R ということになる。 従ってRLC並列回路に流れる電流は |Ip|=|E|/|Zp|=50/10=5 [A] となんのことはないRLC直列回路と同じ電流である。 すなわちLCが共振条件にある場合には直列でも並列でも共振条件になるということである。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-8 13:22 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
問題53:インピーダンスの測定 次ぎの問題は大変興味深い問題。
未知のインピーダンスを持つ回路に直列に抵抗を接続してそれぞれの電圧降下を測定して未知のインピーダンスの抵抗値とリアクタンス値を求めよという問題。 はたして未知のインピーダンスを測ることができるのだろうか? 直流回路ならば簡単にできるが交流回路だとなんともはや。 少なくとも直列に接続したR0の電圧降下を測定すれば回路に流れる電流の実効値は以下の関係式から求めることができる。 |Eab|=R0*|I| ∴|I|=|Eab|/R0 次ぎに未知のインピーダンス|Z|は回路に流れる電流の実効値と電圧降下の関係から求めることができる |Ebc|=|Z|*|I| 問題はインピーダンスを構成する抵抗値とリアクタンス値をどうやって導くかである。未知のインピーダンスが直列回路だと仮定すると |Z|=sqrt(R^2+X^2) から |Ebc|=sqrt(R^2+X^2)*|I|=sqrt(R^2+X^2)*|Eab|/R0 が成り立つ。 ここにRとXの2つの未知数があるのでこれを解くにはもうひとつ方程式を必要とする。 そこで直列に加えた抵抗R0を含む合成インピーダンスを考える。 |Z0|=sqrt((R+R0)^2+X^2) すると新に以下の式が成り立つ |E|=|Z0|*|I|=|Z0|*|Eab|/R0=sqrt((R+R0)^2+X^2)*|Eab|/R0 従って |Ebc|=sqrt(R^2+X^2)*|Eab|/R0 |E|=sqrt((R+R0)^2+X^2)*|Eab|/R0 この2つの方程式からRとXを解けば良い。 Maximaはこの方程式の形では解けないので平方根を無くすために二乗すると |Ebc|^2=(R^2+X^2)*|Eab|^2/R0^2 |E|^2=((R+R0)^2+X^2)*|Eab|^2/R0^2 これを解くと (%i17) e1: Ebc^2=(R^2+X^2)*Eab^2/R0^2; (%o17) Ebc^2=(Eab^2*(X^2+R^2))/R0^2 (%i18) e2: E^2=((R+R0)^2+X^2)*Eab^2/R0^2; (%o18) E^2=(Eab^2*(X^2+(R0+R)^2))/R0^2 (%i19) solve([e1,e2],[R,X]); (%o19) [[R=((E^2-Ebc^2-Eab^2)*R0)/(2*Eab^2),X=-(sqrt(-E^4+2*Ebc^2*E^2+2*Eab^2*E^2-Ebc^4+2*Eab^2*Ebc^2-Eab^4)*R0)/(2*Eab^2)],[R= ((E^2-Ebc^2-Eab^2)*R0)/(2*Eab^2),X=(sqrt(-E^4+2*Ebc^2*E^2+2*Eab^2*E^2-Ebc^4+2*Eab^2*Ebc^2-Eab^4)*R0)/(2*Eab^2)]] どうやら R=((|E|^2-|Ebc|^2-|Eab|^2)*R0/(2*|Eab|^2) であることは確か。 Xは正なので X=(sqrt(-|E|^4+2*|Ebc|^2*|E|^2+2*|Eab|^2*|E|^2-|Ebc|^4+2*|Eab|^2*|Ebc|^2-|Eab|^4)*R0)/(2*|Eab|^2)) ということになるが、著者の解とはちょっと違うように見える。 因数分解のこつが要りそうだ。 Rの式の分子にある (|E|^2-|Ebc|^2-|Eab|^2) を二乗すると (%i48) (E^2-Ebc^2-Eab^2)^2; (%o48) (E^2-Ebc^2-Eab^2)^2 (%i49) expand(%); (%o49) E^4-2*Ebc^2*E^2-2*Eab^2*E^2+Ebc^4+2*Eab^2*Ebc^2+Eab^4 とXの式にある平方根の中にある式と良く似ている。 上の式に負号を付けると (%i51) -(E^2-Ebc^2-Eab^2)^2; (%o51) -(E^2-Ebc^2-Eab^2)^2 (%i52) expand(%); (%o52) -E^4+2*Ebc^2*E^2+2*Eab^2*E^2-Ebc^4-2*Eab^2*Ebc^2-Eab^4 下の式と見比べてみると一致している部分はよくわかる X=(sqrt(-|E|^4+2*|Ebc|^2*|E|^2+2*|Eab|^2*|E|^2-|Ebc|^4+2*|Eab|^2*|Ebc|^2-|Eab|^4)*R0)/(2*|Eab|^2)) 上の式を整理すると X=(sqrt((4*|Eab|^2*|Ebc|^2-(|E|^2-|Ebc|^2-|Eab|^2)^2)*R0/(2*|Eab|^2)) =(R0/|Eab|)*sqrt(|Ebc|^2-(|E|^2-|Ebc|^2-|Eab|^2)/(4*|Eab|^2)) となり著者の解と同じであることが確認された。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-9 4:52 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
問題54:RLC並列回路の電流 残りの問題はあと少し。次ぎの問題は既に基本回路のインピーダンスとアドミッタンスでやってしまったRLC並列回路を流れる電流の式を導くものなのでパス。
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webadm | 投稿日時: 2007-12-9 5:35 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
問題55:RL直列回路とRC直列回路の並列接続 あと残り3問。次ぎの問題はかなりひねった難問。
RL直列回路とRC直列回路を並列に接続した回路でそれぞれの直列回路に同じ電流が流れている場合に、その位相差がπ/2になるR,L,Cの条件は何かというもの。 なんですと? 並列に接続されているので電圧は同位相。電流はRL直列回路ではφ1だけ遅れ、RC直列回路ではφ2だけ進む。その差はφ1+φ2ということになる。 φ1=atan(ωL/R) φ2=atan((1/ωC)/R)=atan(R/ωC) 従って φ1+φ2=atan(ωL/R)+atan(R/ωC)=π/2 という関係が成り立つ場合にR,L,Cの関係は? この式の意味はどうイメージすればいいのだろう? つまりφ1+φ2=π/2ということでRL直列回路とRC直列回路のインピーダンスを2辺としLとCのリアクタンスの和を底辺とする高さRの直角三角形の関係を意味する。 すると以下の式が成り立つ ωL+(1/ωC)=sqrt(sqrt(R^2+(ωL)^2)^2+sqrt(R^2+(1/ωC)^2)^2) =sqrt(R^2+(ωL)^2+R^2+(1/ωC)^2) =sqrt(2*R^2+(ωL)^2+(1/ωC)^2) 両辺を二乗すると (ωL+(1/ωC))^2=(ωL)^2+2*(ωL)*(1/ωC)+(1/ωC)^2 =2*R^2+(ωL)^2+(1/ωC)^2 両辺で同じ項を相殺すると (ωL)*(1/ωC)=R^2 という式が得られる。 従って R=sqrt(ωL/ωC)=sqrt(L/C) という関係であればφ1+φ2がπ/2になる。 またそれぞれの直列回路を流れる電流が等しいことからインピーダンスも等しいと言えるので sqrt(R^2+(ωL)^2)=sqrt(R^2+(1/ωC)^2) 両辺を二乗すると R^2+(ωL)^2=R^2+(1/ωC)^2 両辺の共通項を相殺すると ωL=1/ωC という関係が得られる。従って R=sqrt(L/C)=1/ωC=ωL という関係が得られる。つまり抵抗値、容量性リアクタンス、誘導性リアクタンスがそれぞれ等しい関係と言える。 先ほどの図形でイメージすれば直角二等辺三角形の定規を2つもってきて、短い辺をぴったり合わせて上限対称に並べて大きな三角形を形作ると出来た三角形も直角二等辺三角形になるという理屈である。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-9 14:44 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
問題56:RL直列回路と抵抗の並列回路 残り2問。そのひとつは既に学んでいるRL直列回路と並列に抵抗をつないだ回路に流れる電流とインピーダンスを導くもの。
電源が e=Em*sin(ωt+θ) で表されるとすると キルヒホッフの法則により i=i1+i2 i1=e/R1=(Em/R1)*sin(ωt+θ) RL直列回路を流れる電流は i2=(Em/sqrt(R2^2+(ωL)^2))*sin(ωt+θ-φ) φ=atan(ωL/R2) 従って i=(Em/R1)*sin(ωt+θ)+(Em/sqrt(R2^2+(ωL)^2))*sin(ωt+θ-φ) =Em*((1/R1)*sin(ωt+θ)+(1/sqrt(R2^2+(ωL)^2))*sin(ωt+θ-φ)) =Em*((1/R1)*sin(ωt+θ)+(1/sqrt(R2^2+(ωL)^2))*(sin(ωt+θ)*cos(φ)-cos(ωt+θ)*sin(φ))) =Em*((1/R1+cos(φ)/sqrt(R2^2+(ωL)^2))*sin(ωt+θ)-(sin(φ)/sqrt(R2^2+(ωL)^2))*cos(ωt+θ)) ここで sin(φ)=ωL/sqrt(R2^2+(ωL)^2) cos(φ)=R2/sqrt(R2^2+(ωL)^2) であるので代入すると i=Em*((1/R1+R2/(R2^2+(ωL)^2))*sin(ωt+θ)-(ωL/(R2^2+(ωL)^2))*cos(ωt+θ) ここで |Y|=sqrt((1/R1+R2/(R2^2+(ωL)^2))^2+(ωL/(R2^2+(ωL)^2))^2) =sqrt(1/R1^2+2*R2/(R1*(R2^2+(ωL)^2))+R2^2/(R2^2+(ωL)^2)^2+(ωL)^2/(R2^2+(ωL)^2)) =sqrt(1/R1^2+2*R2/(R1*(R2^2+(ωL)^2))+1/(R2^2+(ωL)^2) sin(φ1)=(ωL/(R2^2+(ωL)^2))/|Y| cos(φ1)=(1/R1+R2/(R2^2+(ωL)^2))/|Y| tan(φ1)=(ωL/(R2^2+(ωL)^2))/(1/R1+R2/(R2^2+(ωL)^2)) と置くと i=Em*|Y|*(sin(ωt+θ)*cos(φ1)-cos(ωt+θ)*sin(φ1)) =Em*|Y|*sin(ωt+θ-φ1) φ1=atan(ωL/(R2^2+(ωL)^2))/(1/R1+R2/(R2^2+(ωL)^2)) (%i7) (o*L/(R2^2+(o*L)^2))/(1/R1+R2/(R2^2+(o*L)^2)); (%o7) (o*L)/((R2^2+o^2*L^2)*(R2/(R2^2+o^2*L^2)+1/R1)) (%i8) factor(%); (%o8) (o*L*R1)/(R2^2+R1*R2+o^2*L^2) φ1=atan(ωL*R1/(R2^2+R1*R2+(ωL)^2) また Im=Em*|Y|=Em*sqrt(1/R1^2+2*R2/(R1*(R2^2+(ωL)^2))+1/(R2^2+(ωL)^2) なので i=Im*sin(ωt+θ-φ1) と表すことができる。 またインピーダンスは |Z|=1/|Y| なので |Z|=1/sqrt(1/R1^2+2*R2/(R1*(R2^2+(ωL)^2))+1/(R2^2+(ωL)^2) と表すことができる。 著者の以下の解とでは平方根の中の一部の項の符号が違う。 |Z|=Em/Im={sqrt(1/R1^2+1/(R2^2+ω^2*L^2)-2*R2/(R1*(R2^2+ω^2*L^2))}^-1 著者は(2.5),(2.7)の正弦波の合成の式を使っていると書いてあるが、θ1-θ2の値が正であろうと負であろうと、元の正弦波の合成が加算であれば負の項は出てこないのだが著者のミスだろうか。 |
webadm | 投稿日時: 2007-12-9 16:08 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3092 |
問題57:RL直列回路と抵抗の並列回路(その2) 最後の問題は全問で導いた式を用いて与えられた条件で電流の式と合成インピーダンス値を計算するもの。
しかし求めた式が著者のものと自分のは決定的に違っているところがあるので著者の解とは当然ながら違う結果になってしまうのは容易に予想がつく。ここは自分を信じよう。 R1=2[Ω],R2=10[Ω],L2=50[mH]で電圧が以下の式で与えられるとすると e=100sin(100πt) Em=100[V] ω=100π θ=0 なので式にそれぞれ代入すると i1=(Em/R1)*sin(ωt+θ)=(100/2)*sin(100πt)=50*sin(100πt) i2=(Em/sqrt(R2^2+(ωL2)^2))*sin(ωt+θ-φ) =(100/sqrt(10^2+(100π*50*10^-3)^2)*sin(100πt-φ) (%i63) (100/sqrt(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2)); (%o63) 100/sqrt(25*%pi^2+100) (%i64) float(%), numer; (%o64) 5.370292721463151 i2=5.37*sin(100πt-φ) φ=atan(ωL2/R2)=atan(100π*50*10^-3/10) (%i73) atan(100*%pi*50*10^-3/10); (%o73) atan(%pi/2) (%i74) float(%), numer; (%o74) 1.003884821853887 ∴i2=5.37*sin(100πt-1) i=Em*sqrt(1/R1^2+2*R2/(R1*(R2^2+(ωL)^2))+1/(R2^2+(ωL)^2)) *sin(ωt+θ-φ1) =100*sqrt(1/2^2+2*10/(2*(10^2+(100π*50*10^-3)^2))+1/(10^2+(100π*50*10^-3)^2))*sin(100π*t-φ1) (%i86) 100*sqrt(1/2^2+2*10/(2*(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2))+1/(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2)); (%o86) 100*sqrt(11/(25*%pi^2+100)+1/4) (%i87) float(%), numer; (%o87) 53.07768347484846 i=53.1*sin(100π*t-φ1) φ1=atan(ωL*R1/(R2^2+R1*R2+(ωL)^2)) =atan(100π*50*10^-3*2/(10^2+2*10+(100π*50*10^-3)^2)) (%i88) atan(100*%pi*50*10^-3*2/(10^2+2*10+(100*%pi*50*10^-3)^2)); (%o88) atan((10*%pi)/(25*%pi^2+120)) (%i89) float(%), numer; (%o89) 0.085454025808837 ∴i=53.1*sin(100π*t-0.085) ということになる。 これは著者の解 i=47.3sin(100πt-atan(0.0857)) と振幅値が大きく異なっている。i1の振幅が50なのにi1+i2がそれより電流が減るというのは誰が見てもおかしい。 ここでそろそろどちらの解が正しいか決着をつけるべきだろう。 元々のi1とi2の波形と、それを加算した波形と自分で解いた式による合成電流の式と著者の解の合成電流の式をプロットして比較してみることにしよう。 plot2d([(100/2)*sin(100*%pi*t),(100/sqrt(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2))*sin(100*%pi*t -atan(100*%pi*50*10^-3/10)),(100/2)*sin(100*%pi*t)+(100/sqrt(10^2+(100*%pi*50*10^ -3)^2))*sin(100*%pi*t-atan(100*%pi*50*10^-3/10)),53.1*sin(100*%pi*t-0.085),47.3*sin(100*%pi*t -atan(0.0857))],[t,0,1/50]); みてわかる通り、自分の解いた式による解は、i1+i2のグラフとぴったり重なっているのに対して、著者の解による式は、著者が合成インピーダンスの式を導く際の誤りによってインピーダンスが実際より大きい値になる式になっており結果振幅がi1よりも小さいという矛盾を来たし明らかに間違いだとわかる。 インピーダンスは |Z|=1/sqrt(1/R1^2+2*R2/(R1*(R2^2+(ωL)^2))+1/(R2^2+(ωL)^2)) =1/sqrt(1/2^2+2*10/(2*(10^2+(100π*50*10^-3)^2))+1/(10^2+(100π*50*10^-3)^2)) (%i96) 1/sqrt(1/2^2+2*10/(2*(20^2+(100*%pi*50*10^-3)^2))+1/(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2)); (%o96) 1/sqrt(10/(25*%pi^2+400)+1/(25*%pi^2+100)+1/4) (%i97) float(%), numer; (%o97) 1.930422197499455 |Z|=1.93 [Ω] 著者の解は前問で導いた式が誤っており、値が大きくなってしまう。R1が2ΩなのにそれにRL直列回路を並列につないだら誰が考えてもR1の抵抗値よりもインピーダンスは下がるのだが平気でそれよりも大きな値を解として示している。 著者はもう演習問題の最後で酷く疲れていて明らかにミスだとわかる数値を見逃していたに違いない。たぶんもっと多くの演習問題を準備していたと思われるが、並列回路については最後の問題のみにとどめ割愛したのだろう。それ故に直流回路の時と勘違いして電流が減ってもおかしいとは思わなかったのかもしれない。普通並列に回路をつないでいけば合成電流は個々の電流よりも増えるはずである。 これで正弦波交流回路の演習終わり。 |
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