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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2008-1-6 5:36
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題65:RLC混成回路の位相角(難問)
次ぎの問題はふたひねりぐらいしてあるRLC混成回路の位相角の問題。



同じ容量のインダクタンスXと抵抗Rの直列回路を並列に接続した回路で一方の回路にR0とキャパシタンスXcを直列に挿入し2つのRL直列回路に流れる電流の大きさを等しくかつ位相差が90°になるなるR0とXcの値を求めよというもの。

今度は電源電圧との位相差ではなく、回路内の2つの電流の間の位相差である点に注意。

もともと同じような回路を並列に並べたものなのでR0とXcがなければ二つの電流は位相差は0である。R0を加えることで若干位相が進むがそれだけでは90°の差は生じない。Xcを入れることでインピーダンスを容量性に転じることで誘導性のままの方とで90°の位相差を作り出すことができる。この関係をベクトル図で表すと



なんとなくヒントが見えてくる。ちょうどI2を時計方向に90°回転させた形になる。

つまりI2の実数部がI1の虚数部にI2の虚数部がI1の実数部と等しくなる。

すなわち

R+R0=X
-(X-Xc)=R

なる関係が成立する。
この2つをR0とXcに関する連立方程式として解くと

(%i21) solve([R+R0=X,-(X-Xc)=R],[R0,Xc]);
(%o21) [[R0=X-R,Xc=X+R]]

従って

R0=X-R
Xc=X+R

とすれば良い。

またR0は正の値でなければならないので

R0=X-R > 0でなければならない

すなわち

X > R であることが条件である。

最初ベクトル図を描く際にXをRよりも小さくとっていてどうにも描けなかったのはこのためである。

著者の解はI2と90°の位相差のある二つの解を検討しそのうちひとつのみ適切な解としている。不適切な解は、ベクトルが直交座標の原点から左半分に存在する。これは実効抵抗が負であることを意味しており題意と異なり不適切である。実効抵抗が負であるのは受動素子ではなく電源や真空管、トランジスタのような能動素子となってしまう。このことを更に研究するとおもしろいかもしれない。





P.S

ちなみにキャパシタを挿入してもう片方の回路と電流の位相を90°変える回路は単相誘導モーターで使われている。古い洗濯機に使われているものとかがそうである。子供の頃に古い洗濯機を分解して出てきたモーターを調べたことがある。コンデンサが片方の巻き線に直列に入っていたのを憶えている。ただそれだけで鉄の回転子が回りだすのである。実際にはキャパシタを挿入した方の巻き線は挿入していない方の巻き線よりも内部抵抗が高くなるようになっている。それによって90°の位相差を作り出している。
webadm
投稿日時: 2008-1-6 21:28
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題66:RLC混成回路の位相差(その2)
次ぎの問題もふたひねりぐらいしてある。



RC直列回路で構成される容量性負荷と直列にRL直列回路を接続し電源と負荷の電圧が同一かつ位相差が60°となるようにするRL直列回路の条件を導けというもの。

電圧を求めるのは簡単なのだが、その位相差を扱う問題ははじめてである。イメージが良くつかめない。

電源電圧を基準にするとどうしても実軸を中心に上下対象な菱形になってしまう。それもありかもしれないがそれは合成インピーダンスが無誘導性の場合でしかない。一般的には合成インピーダンスは誘導性か容量性のどちらかになると考える方が自然だ。そうすると電源電圧を基準にというより、電流を基準に考えた方が良い。



この図に行き着くまで丸2日かかった。結局座標の回転についてよく解っていなかったというのが真相だった。

虚軸を基準にαの正の傾きを持つZ1の座標とβだけ反時計方向に回転した時の新しい座標が解っているので|Z|=|Z1|かつβ=60°=π/3と与えられていれば

X1*cos(π/3)-R1*sin(π/3)=-(X0-X1)

R1*cos(π/3)+X1*sin(π/3)=(R0+R1)

という関係が成り立つ。便宜上虚軸の負の方向を座標軸の正の方向としている。そうでないと反時計回りの回転でなくなってしまう。

これをR0,X0について解くと

(%i14) e1: X1*cos(%pi/3)-R1*sin(%pi/3)=-(X0-X1);
(%o14) X1/2-(sqrt(3)*R1)/2=X1-X0
(%i15) e2: R1*cos(%pi/3)+X1*sin(%pi/3)=(R0+R1);
(%o15) (sqrt(3)*X1)/2+R1/2=R1+R0
(%i16) solve([e1,e2],[R0,X0]);
(%o16) [[R0=(sqrt(3)*X1-R1)/2,X0=(X1+sqrt(3)*R1)/2]]

R0=(sqrt(3)*X1-R1)/2

X0=(X1+sqrt(3)*R1)/2

ということになる。

これは幾何学的に解いたのでベクトル記号法で解いたわけではないが、これがイメージできれば複素平面上での座標の回転ということになるので以下と等価になる

|Z|=|Z1|∠60°

(R0+R1)+j(X0-X1)=(R1-jX1)*exp(jπ/3)
=(R1-jX1)*(cos(π/3)+j*sin(π/3))
=R1*cos(π/3)+X1*sin(π/3)+j(R1*sin(π/3)-X1*cos(π/3))

実数部と虚数部がそれぞれ等しいので

R1*cos(π/3)+X1*sin(π/3)=(R0+R1)

R1*sin(π/3)-X1*cos(π/3)=(X0-X1)

ということになり幾何学的に導いたのと等価な式が得られる。

なんだ簡単じゃないか。

座標の回転を良く理解していないという盲点を突かれた問題だった。

著者の解は回路から連立方程式をたてる結局電流は共通のため式から削除されインピーダンス間の位相差の式に結論づけられてやはり上の方法で解いている。

別の解き方としてZ0を時計方向に回転してもZと等しくなるという条件からもう一つの方程式をたててZ1とZの関係から求めた式とあわせて連立方程式としてR0,X0を解くというのが思いつくが、Maximaでやってみるとこれが解けないんだな。実は両方同じ式になってしまうのだ。ちゃんちゃん。
webadm
投稿日時: 2008-1-9 6:54
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題67:容量性負荷の位相調整
危うく前問で躓いてお終いかと思ったがなんとか克服。次ぎも似たような位相制御の問題。



今度は容量性負荷の電圧降下をRC直列回路を挿入して電源の半分かつ位相が45°進むようにせよというもの。

前問では誘導性負荷にRL直列回路を挿入していたが今度は容量性。

念のためにベクトル図を描いてみよう。



前問の場合は電源電圧の方が負荷電圧よりも位相が進んでいたが今度は逆の関係。また電圧の比も1/2になっている。

回路全体のインピーダンスはRとC直列回路のため容量性となるのは明らか。実際に与えられた条件に合致するベクトル図を描くのは非常に難しい。かなり条件が限られるのがわかる。位相差が45°というと2等辺直角三角形がすぐ思いつくがそれだと短辺と長辺の長さの比が1:√2となる少し長辺が足らない。従って実際には少し歪な三角形を構成することになる。更にもう一片の傾きも容量性であるために第4象限内になければならない。そんなことを考慮しながらたどり着いた図。

結局これがイメージできれば、あとは前問と同じように式を立てればよい。

Z1=(Z/2)∠45°
=R1-jX1
=(((R0+R1)-j(X0+X1))/2)*(cos(45°)+j*sin(45°))
=((R0+R1)/2-j(X0+X1)/2)*(1/√2+j/√2)
=((R0+R1)/2√2+j(R0+R1)/2√2-j(X0+X1)/2√2+(X0+X1)/2√2
=((R0+R1)+(X0+X1)-j((X0+X1)-(R0+R1))/2√2

実数部と虚数部はそれぞれ両辺で等しいので

R1=((R0+R1)+(X0+X1))/2√2

X1=((X0+X1)-(R0+R1)/2√2

なる関係が成り立つR0,X0を解けば良い

(%i11) e1:R1=((R0+R1)+(X0+X1))/(2*sqrt(2));
(%o11) R1=(X1+X0+R1+R0)/(2*sqrt(2))
(%i12) e2:X1=((X0+X1)-(R0+R1))/(2*sqrt(2));
(%o12) X1=(X1+X0-R1-R0)/(2*sqrt(2))
(%i13) solve([e1,e2],[R0,X0]);
(%o13) [[R0=(sqrt(2)-1)*R1-sqrt(2)*X1,X0=(sqrt(2)-1)*X1+sqrt(2)*R1]]

R0=(√2-1)*R1-√2*X1

X0=(√2-1)*X1+√2*R1

ということになる。この結果が図から直感的にわかったら天才だ。

ただしR0 > 0, X0 > 0でなければならないので

(√2-1)*R1-√2*X1 > 0

すなわち

R1 > √2*X1/(√2-1)
= √2*(√2+1)*X1/((√2-1)*(√2+1))
= (2+√2)*X1

R1 > (2+√2)*X1

という条件付きになる。

著者の解では逆にE1を時計方向に回転して2倍すればE0と等しくなるという関係を利用して式を立てている。

回路は見た目簡単なのだが、少しでも式を間違えるだけでも正しい結果は得られない。今回はイメージはつかんだが式を立てた時点でいくつかミスを犯し著者と同じ結果が得られなくて悩んだ。
webadm
投稿日時: 2008-1-9 8:32
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題68:RとCによる電流位相調整
次ぎの問題は問題65と似ているが位相差が60°となっている。



基本は誘導性負荷が二つ並列に接続されていて片方にRC直列回路を挿入することによって進相調整をするというもの。

Z2はRL直列回路なので誘導性インピーダンスとなり電流は電圧よりも遅れる。

Z1はRL直列回路に位相調整用にRC直列回路が挿入されていて誘導性から容量性のインピーダンスを取り得る。

従ってベクトル図を描くとZ2はZ1より第二象限により近くZ1はZ2より第4象限により近いことになる。



従ってZ1を反時計方向に60°回転させるとZ2と等しくなることから

Z2=Z1∠60°
=R2+jX2
=((R1+R)+j(X1-X))*(cos(60°)+j*sin(60°))
=((R1+R)+j(X1-X))*(1/2+j√3/2)
=((R1+R)/2+j(X1-X)/2+j(R1+R)√3/2-(X1-X)√3/2)
=((R1+R)-(X1-X)√3)/2+j((X1-X)+(R1+R)√3)/2

両辺の実数部と虚数部は等しくなることから

R2=((R1+R)-(X1-X)√3)/2

X2=((X1-X)+(R1+R)√3)/2

これをR,Xについて解くと

(%i26) e1: R2=(R1+R)/2-(sqrt(3)*(X1-X))/2;
(%o26) R2=(R1+R)/2-(sqrt(3)*(X1-X))/2
(%i27) e2: X2=((X1-X)/2+(sqrt(3)*(R1+R))/2);
(%o27) X2=(X1-X)/2+(sqrt(3)*(R1+R))/2
(%i28) solve([e1,e2],[R,X]);
(%o28) [[R=(sqrt(3)*X2+R2-2*R1)/2,X=(-X2+2*X1+sqrt(3)*R2)/2]]

R=(sqrt(3)*X2+R2-2*R1)/2

X=(sqrt(3)*R2-X2+2*X1)/2

ということになる。

ただしR > 0, X > 0でなければならないので

sqrt(3)*X2+R2-2*R1 > 0

sqrt(3)*R2-X2+2*X1 > 0

従って

R1 < (sqrt(3)*X2+R2)/2

X2 < sqrt(3)*R2+2*X1

という条件付きとなる。

著者の解はI1を60°時計方向に回転するとI2と等しくなることから式をたてて解いている。そちらの方がより自然である。インピーダンスの位相角で解くと流れる電流の位相が進むのは位相角が減る(より容量性になる)方向になるため回転が逆方向になる。意味的には同一である。これを間違えるとまったく異なる結果になってしまうので注意。



webadm
投稿日時: 2008-1-9 9:23
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題69:Boucherotの回路
次ぎは何度かこれまでお目にかかっている回路



Z2,Z3に流れる電流I2,I3をそれぞれ求めるのと、Z2=-Z1の時にI3がZ3に無関係になることを証明せよというもの。

全体を流れる電流をI1とすると

I1=I2+I3

E=Z1*I1+Z2*I2

Z2*I2=Z3*I3


が成り立つのでI1,I2,I3について解くと

(%i39) e1: I1=I2+I3;
(%o39) I1=I3+I2
(%i40) e2: E=Z1*I1+Z2*I2;
(%o40) E=I2*Z2+I1*Z1
(%i41) e3: Z2*I2=Z3*I3;
(%o41) I2*Z2=I3*Z3
(%i42) solve([e1,e2,e3],[I1,I2,I3]);
(%o42) [[I1=(E*Z3+E*Z2)/(Z2*(Z3+Z1)+Z1*Z3),I2=(E*Z3)/(Z2*(Z3+Z1)+Z1*Z3),I3=(E*Z2)/(Z2*(Z3+Z1)+Z1*Z3)]]

I2=(E*Z3)/(Z2*(Z3+Z1)+Z1*Z3)

I3=(E*Z2)/(Z2*(Z3+Z1)+Z1*Z3)

ということになる。またZ2=-Z1を代入すると

(%i43)
subst(-Z1, Z2, [[I1=(E*Z3+E*Z2)/(Z2*(Z3+Z1)+Z1*Z3),I2=(E*Z3)/(Z2*(Z3+Z1)+Z1*Z3),I3=(E*Z2)/(Z2*(Z3
+Z1)+Z1*Z3)]]);
(%o43) [[I1=(E*Z3-E*Z1)/(Z1*Z3-Z1*(Z3+Z1)),I2=(E*Z3)/(Z1*Z3-Z1*(Z3+Z1)),I3=-(E*Z1)/(Z1*Z3-Z1*(Z3+Z1))]]
(%i44) factor(%);
(%o44) [[I1=-(E*(Z3-Z1))/Z1^2,I2=-(E*Z3)/Z1^2,I3=E/Z1]]

I3=E/Z1

となりZ3に無関係になることが証明される。

著者によればこの回路はBoucherotの回路と呼ばれているようだが検索しても国内のサイトではまったく見つからない。かろうじて英語のWikipediaにPaul BoucherotのエントリがあるがそこにはBoucherot cellというのは解説されているがZobel cellとも呼ばれるスピーカーに用いられるネットワーク回路らしい。スピーカーのボイスコイルはインダクタンスそのものなため周波数が高くなるとインピーダンスが増加する。それで無誘導性にするためにネットワーク回路を追加することが良く行われている。
webadm
投稿日時: 2008-1-9 10:28
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題70:交流格子回路もしくはブリッジ回路
次ぎの問題もインピーダンスのネットワークに関するもの。



格子形回路とか言われるが目新しいものではなく直流回路を学んだ時に出てきたブリッジ回路そのものである。ややこしくなっているのは、子供の頃に憶えのあるあやとりの原理で、ブリッジの中央の2点をつまみ出しただけである。

ブリッジの一端を短絡した場合の合成インピーダンスZs、開放した場合の合成インピーダンスZf、インピーダンスZ=sqrt(Zs*Zf)を接続した場合の合成インピーダンスZ0をそれぞれ求めよというもの。

まずCD端を短絡した状態での合成インピーダンスZsはZ1とZ2が並列接続されたものが2つ直列につながることから

Zs=1/(1/Z1+1/Z2)+1/(1/Z1+1/Z2)
=Z1*Z2/(Z1+Z2)+Z1*Z2/(Z1+Z2)
=2*Z1*Z2/(Z1+Z2)

ということになる。

次ぎにCD端を解法した状態での合成インピーダンスZfはZ1とZ2が直列に接続されたものが2つ並列につながることから

Zf=1/(1/(Z1+Z2)+1/(Z1+Z2))
=(Z1+Z2)/2

ということになる。

最後CD端にインピーダンスZ=sqrt(Zs*Zf)をつないだ場合の合成インピーダンスZ0はちょっと難しい。回路方程式をたてて合成インピーダンスを求める必要がある。



枝電流法で回路方程式をたてると

I1*Z1+I2*Z2=E

I1*Z1=I2*Z2+I*Z

I1+I=I2

Z0=E/(I1+I2)

の4元連立方程式からI,I1,I2,Z0を解くと

(%i6) e1: I1*Z1+I2*Z2=E;
(%o6) I2*Z2+I1*Z1=E
(%i7) e2: I1*Z1=I2*Z2+I*Z;
(%o7) I1*Z1=I2*Z2+I*Z
(%i8) e3:I1+I=I2;
(%o8) I1+I=I2
(%i9) e4:Z0=E/(I1+I2);
(%o9) Z0=E/(I2+I1)
(%i10) solve([e1,e2,e3,e4],[I,I1,I2,Z0]);
(%o10) [[I=-(E*Z2-E*Z1)/((2*Z1+Z)*Z2+Z*Z1),I1=(E*Z2+E*Z)/((2*Z1+Z)*Z2+Z*Z1),I2=(E*Z1+E*Z)/((2*Z1+Z)*Z2+Z*Z1),Z0=((2*Z1+Z)*Z2+Z*Z1)/(Z2+Z1+2*Z)]]
(%i11) factor(%);
(%o11) [[I=-(E*(Z2-Z1))/(2*Z1*Z2+Z*Z2+Z*Z1),I1=(E*(Z2+Z))/(2*Z1*Z2+Z*Z2+Z*Z1),I2=(E*(Z1+Z))/(2*Z1*Z2+Z*Z2+Z*Z1),Z0=(2*Z1*Z2+Z*Z2+Z*Z1)/(Z2+Z1+2*Z)]]

従って

Z0=(2*Z1*Z2+Z*(Z2+Z1))/(Z2+Z1+2*Z)

ということになる。ここで

Z=sqrt(Zs*Zf)
=sqrt((2*Z1*Z2/(Z1+Z2))*(Z1+Z2)/2)
=sqrt(Z1*Z2)

これをZ0の式に代入すると

(%i23) subst(sqrt(Z1*Z2), Z, Z0=(2*Z1*Z2+Z*Z2+Z*Z1)/(Z2+Z1+2*Z));
(%o23) Z0=(Z2*sqrt(Z1*Z2)+Z1*sqrt(Z1*Z2)+2*Z1*Z2)/(2*sqrt(Z1*Z2)+Z2+Z1)
(%i24) radcan(%);
(%o24) Z0=sqrt(Z1)*sqrt(Z2)

すなわち

Z0=sqrt(Z1*Z2)=Z

ということになる。

この回路は回路方程式を必要とする最も簡単なネットワークなので後々回路網理論等でたびたび引き合いに出される重要なものである。
webadm
投稿日時: 2008-1-9 21:37
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題71:Boucherotの回路(その2)
再びBoucherotの回路登場。



今度は回路定数は固定で負荷Z0に流れる電流がZ0の値に無関係になる電源の周波数を求めよというもの。

全体を流れる電流をI,負荷Z0を流れる電流をI0とすると

E=jωL*I+Z0*I0

(I-I0)/jωC=Z0*I0

が成り立つのでI,I0について解くと

(%i3) e1: E=%i*o*L*I+Z0*I0;
(%o3) E=I0*Z0+%i*o*I*L
(%i4) e2: (I-I0)/(%i*o*C)=Z0*I0;
(%o4) -(%i*(I-I0))/(o*C)=I0*Z0
(%i9) solve([e1,e2],[I,I0]);
(%o9) [[I=(o*C*E*Z0-%i*E)/((%i*o^2*C*L-%i)*Z0+o*L),I0=-(%i*E)/((%i*o^2*C*L-%i)*Z0+o*L)]]
(%i10) abs(%);
(%o10) [[abs(I)=
sqrt((-(o^3*C^2*E*L*Z0^2)/((o^2*C*L*Z0-Z0)^2+o^2*L^2)+(o*C*E*Z0^2)/((o^2*C*L*Z0-Z0)^2+o^2*L^2)-(o*E*L)/((o^2*C*L*Z0-Z0)^2+o^2*L^2))^2+(E^2*Z0^2)/((o^2*C*L*Z0-Z0)^2+o^2*L^2)^2),abs(I0)=
sqrt((E^2*(o^2*C*L*Z0-Z0)^2)/((o^2*C*L*Z0-Z0)^2+o^2*L^2)^2+(o^2*E^2*L^2)/((o^2*C*L*Z0-Z0)^2+o^2*L^2)^2)]]
(%i11) factor(%);
(%o11) [[abs(I)=(abs(E)*sqrt(o^2*C^2*Z0^2+1))/sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*Z0^2+o^2*L^2),abs(I0)=abs(E)/sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*Z0^2+o^2*L^2)]]

整理すると

|I0|=|E|/sqrt((ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*Z0^2+ω^2*L^2)
=|E|/sqrt((ω^2*C*L-1)^2*Z0^2+ω^2*L^2)

従って

ω^2*C*L-1=0

の時にI0はZ0に無関係に決まる。

この条件からその時のω及び周波数を解くと

ω=1/sqrt(C*L)

ここで

ω=2πf

なので

f=1/(2π*sqrt(C*L))

ということになる。

著者の解は例によって回路の合成インピーダンスと電源電圧から全体を流れる電流を求め、分流則によって負荷に流れる電流の式を導いている。簡単な直並列混在回路ではこの方が簡単である。
webadm
投稿日時: 2008-1-9 22:15
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3086
問題72:Boucherotの回路(その3)
次ぎもBoucherot回路。



周波数に無関係にAB間のインピーダンスが一定になるR,L,Cの関係を導けというもの。

合成インピーダンスの式を導くと

Z=1/(1/jωL+1/R)+1/(jωC+1/R)

(%i12) Z=1/(1/(%i*o*L)+1/R)+1/(%i*o*C+1/R);
(%o12) Z=1/(1/R-%i/(o*L))+1/(1/R+%i*o*C)
(%i16) abs(%);
(%o16) abs(Z)=sqrt(((o^3*C^2*L*R^4)/(o^2*C^2*R^4+o^4*C^2*L^2*R^2+R^2+o^2*L^2)-(o*C*R^4)/(o^2*C^2*R^4+o^4*C^2*L^2*R^2+R^2+o^2*L^2)-
(o^3*C*L^2*R^2)/(o^2*C^2*R^4+o^4*C^2*L^2*R^2+R^2+o^2*L^2)+(o*L*R^2)/(o^2*C^2*R^4+o^4*C^2*L^2*R^2+R^2+o^2*L^2))^(2)+
((o^4*C^2*L^2*R^3)/(o^2*C^2*R^4+o^4*C^2*L^2*R^2+R^2+o^2*L^2)+R^3/(o^2*C^2*R^4+o^4*C^2*L^2*R^2+R^2+o^2*L^2)+(2*o^2*L^2*R)/(o^2*C^2*R^4+o^4*C^2*L^2*R^2+R^2+o^2*L^2))^2)
(%i17) factor(%);
(%o17) abs(Z)=(sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+4*o^2*L^2)*abs(R))/sqrt(o^2*C^2*R^4+(o^4*C^2*L^2+1)*R^2+o^2*L^2)

整理すると

|Z|=R*sqrt((ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2+4*ω^2*L^2)/sqrt(ω^2*C^2*R^4+(ω^4*C^2*L^2+1)*R^2+ω^2*L^2)
=R*sqrt((ω^2*C*L-1)^2*R^2+4*ω^2*L^2)/sqrt((ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2+1)*R^2+ω^2*L^2)

ということになる。周波数に無関係に

Z=R

となるには

sqrt((ω^2*C*L-1)^2*R^2+4*ω^2*L^2)/sqrt((ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2+1)*R^2+ω^2*L^2)=1

でなければならない。従って

sqrt((ω^2*C*L-1)^2*R^2+4*ω^2*L^2)=sqrt((ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2+1)*R^2+ω^2*L^2)

両辺を二乗すると

(ω^2*C*L-1)^2*R^2+4*ω^2*L^2=(ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2+1)*R^2+ω^2*L^2

整理すると

(ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2+1-(ω^2*C*L-1)^2)*R^2+ω^2*L^2-4*ω^2*L^2
=(ω^2*C^2*R^2+ω^4*C^2*L^2+1-ω^4*C^2*L^2+2*ω^2*C*L-1)*R^2-3*ω^2*L^2
=(ω^2*C^2*R^2+2*ω^2*C*L)*R^2-3*ω^2*L^2
=ω^2*((C^2*R^2+2*C*L)*R^2-3*L^2)
=0

従って

(C^2*R^2+2*C*L)*R^2-3*L^2=0

を満たすL,C,Rの関係を解けば良い。Lについて解くと

(%i18) solve((C^2*R^2+2*C*L)*R^2-3*L^2=0,L);
(%o18) [L=-(C*R^2)/3,L=C*R^2]

L > 0なので

L=C*R^2

ということになる。

著者の解はインピーダンスの虚数部が0となり、実数部が周波数によらず一定になる条件からL,C,Rの関係を導いている。

この回路はLをオーディオスピーカーのボイスコイルとした場合、通常スピーカーのみだと周波数に比例してインピーダンスが上昇するため負荷が周波数によらず一定であることを前提として設計されたオーディオアンプにつないでも設計通りの性能が出ないことになる。そのためHiFiオーディオスピーカーユニット内部にはこうしたネットワーク回路が組み込まれオーディオパワーアンプ側から見て周波数によらず負荷が一定のインピーダンスを持つようにすることが行われている。高級なスピーカーユニットでは更に広帯域にするために高音(高い周波数)専用スピーカーとかを並列につなぎかつアンプからは周波数によらずインピーダンスがフラットにするための複雑なフィルターネットワーク回路が組み込まれている。そこからはオーディオマニアの領域に足を踏み入れるので止めておこう。
webadm
投稿日時: 2008-1-9 23:34
Webmaster
登録日: 2004-11-7
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投稿: 3086
問題73:Boucherotの回路(その4)
次ぎもまたBoucherotの回路ネタ



これも周波数によらず合成インピーダンスが一定になるR,L,Cの関係を求めよというもの。

簡単に見えてこれがずいぶんと難しいのだな。

RL直列回路は周波数が上がればアドミッタンスは下がる。逆にRC直列回路は周波数が上がるとアドミッタンスが上がる。したがってその2つの和が常に一定であれば周波数によらないということになる。

合成アドミッタンスは

Y=1/(R+1/jωC)+1/(R+jωL)

(%i27) Y=1/(R+%i*o*L)+1/(R-%i/(o*C));
(%o27) Y=1/(R+%i*o*L)+1/(R-%i/(o*C))
(%i28) rectform(%);
(%o28) Y=%i*(1/(o*C*(R^2+1/(o^2*C^2)))-(o*L)/(R^2+o^2*L^2))+R/(R^2+o^2*L^2)+R/(R^2+1/(o^2*C^2))

Y=R/(R^2+ω^2*L^2)+R/(R^2+1/(ω^2*C^2))+j(1/(ωC*(R^2+1/(ω^2*C^2)))-(ωL)/(R^2+ω^2*L^2))

ここで周波数によらないので実効サセプタンスは常に0にならなければならないことから

1/(ωC*(R^2+1/(ω^2*C^2)))-(ωL)/(R^2+ω^2*L^2)=0

でなければならない。これをLに関して解くと

(%i29) solve([1/(o*C*(R^2+1/(o^2*C^2)))-(o*L)/(R^2+o^2*L^2)], [L]);
(%o29) [L=C*R^2,L=1/(o^2*C)]

Lは定数なので

L=C*R^2

ということになる。なんだ簡単じゃないか。

この時もとの回路のインピーダンスは

Z=1/(1/R+1/(R+1/jωC)+1/(R+jωL))

(%i30) Z=1/(1/R+1/(R+1/(%i*o*C))+1/(R+%i*o*L));
(%o30) Z=1/(1/(R+%i*o*L)+1/(R-%i/(o*C))+1/R)
(%i31) subst(C*R^2, L, Z=1/(1/(R+%i*o*L)+1/(R-%i/(o*C))+1/R));
(%o31) Z=1/(1/(%i*o*C*R^2+R)+1/(R-%i/(o*C))+1/R)
(%i32) factor(%);
(%o32) Z=(R*(o*C*R-%i)*(%i*o*C*R+1))/(2*(%i*o^2*C^2*R^2+2*o*C*R-%i))
(%i33) rectform(%);
(%o33) Z=(R*(o*C*R*(2*o*C*R-o*C*R*(1-o^2*C^2*R^2))+o^2*C^2*R^2+1))/(2*((o^2*C^2*R^2-1)^2+4*o^2*C^2*R^2))+(%i*R*(o*C*R*(o^2*C^2*R^2+1)+o*C*R*(1-o^2*C^2*R^2)-2*o*C*R))/(2*((o^2*C^2*R^2-1)^2+4*o^2*C^2*R^2))
(%i34) factor(%);
(%o34) Z=R/2


Z=R/2

ということになる。

著者の解もRL直列回路とRC直列回路の並列部分のアドミッタンスにだけ着目してR,L,Cの関係を導いている。
webadm
投稿日時: 2008-1-10 10:52
Webmaster
登録日: 2004-11-7
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投稿: 3086
問題74:RCネットワーク回路
次ぎの問題はRCだけの回路



良くみないと題意を取り違えかねない。それではまった。

題意の電流Iは全体を流れる電流ではなく電源と反対側の短絡された出力端に流れる電流であることに注意。

回路はT字形のRCRとCRxC回路を並列に接続し出力端を短絡した形で、出力電流が0になる周波数とRxを求めよというもの。回路全体には当然電流は流れ続ける。出力端での電位差がなければ当然出力電流は流れない。

これも簡単そうで実は難しい。簡単そうに見えるのは罠である。



図の様に書き直してみると、上下は実は独立した回路であることがわかる。回路から方程式をたてると

E=I01*R+I1*R

E=I01+(I01-I1)/jωC

E=I02/jωC+I2/jωC

E=I02/jωC+(I02-I2)*Rx

I=I1+I2

この5元連立方程式をI01,I02,I1,I2,Iについて解くと

(%i81) e1:E=I01*R+I1*R;
(%o81) E=I1*R+I01*R
(%i82) e2:E=I01*R+(I01-I1)/(%i*o*C);
(%o82) E=I01*R-(%i*(I01-I1))/(o*C)
(%i83) e3:E=I02/(%i*o*C)+I2/(%i*o*C);
(%o83) E=-(%i*I2)/(o*C)-(%i*I02)/(o*C)
(%i84) e4:E=I02/(%i*o*C)+(I02-I2)*Rx;
(%o84) E=Rx*(I02-I2)-(%i*I02)/(o*C)
(%i85) e5:I=I1+I2;
(%o85) I=I2+I1
(%i86) solve([e1,e2,e3,e4,e5],[I01,I02,I1,I2,I]);
(%o86) [[I01=((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*E*R+(2*o*Rx*C-%i)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R),I02=-((o^3*Rx*C^3-%i*o^2*C^2)*E*R+(-2*%i*o^2*Rx*C^2-2*o*C)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R+4*o*Rx*C-2*%i)
,I1=((2*o*Rx*C-%i)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R),I2=-(o^3*Rx*C^3*E*R-2*%i*o^2*Rx*C^2*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R+4*o*Rx*C-2*%i),I=-
(o^3*Rx*C^3*E*R^2-2*%i*o^2*Rx*C^2*E*R+(%i-2*o*Rx*C)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R)]]
(%i91) rectform(%);
(%o91) [[I01=((o*C*E*R+2*o*Rx*C*E)*(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)-(2*o^2*Rx*C^2*E*R-E)*(2*R-2*o^2*Rx*C^2*R^2))/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+
(%i*((o*C*E*R+2*o*Rx*C*E)*(2*R-2*o^2*Rx*C^2*R^2)+(2*o^2*Rx*C^2*E*R-E)*(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)))/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2),I02=-
(%i*((2-2*o^2*Rx*C^2*R)*(o^3*Rx*C^3*E*R-2*o*C*E)+(o*C*R+4*o*Rx*C)*(-o^2*C^2*E*R-2*o^2*Rx*C^2*E)))/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2)-
((o*C*R+4*o*Rx*C)*(o^3*Rx*C^3*E*R-2*o*C*E)-(2-2*o^2*Rx*C^2*R)*(-o^2*C^2*E*R-2*o^2*Rx*C^2*E))/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2),I1=
(%i*E*(2*o*Rx*C*(2*R-2*o^2*Rx*C^2*R^2)-o*C*R^2-4*o*Rx*C*R))/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+(E*(2*o*Rx*C*(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)-2*o^2*Rx*C^2*R^2+2*R))/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2),I2=-
(%i*(o^3*Rx*C^3*E*R*(2-2*o^2*Rx*C^2*R)-2*o^2*Rx*C^2*E*(o*C*R+4*o*Rx*C)))/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2)-
(2*o^2*Rx*C^2*E*(2-2*o^2*Rx*C^2*R)+o^3*Rx*C^3*E*R*(o*C*R+4*o*Rx*C))/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2),I=-
(%i*((2*R-2*o^2*Rx*C^2*R^2)*(o^3*Rx*C^3*E*R^2-2*o*Rx*C*E)+(E-2*o^2*Rx*C^2*E*R)*(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)))/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)-
((o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)*(o^3*Rx*C^3*E*R^2-2*o*Rx*C*E)-(E-2*o^2*Rx*C^2*E*R)*(2*R-2*o^2*Rx*C^2*R^2))/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)]]

従ってI=0となるにはその虚数部と実数部の分子が共に0でなる条件

((2*R-2*ω^2*Rx*C^2*R^2)*(ω^3*Rx*C^3*E*R^2-2*ω*Rx*C*E)+(E-2*ω^2*Rx*C^2*E*R)*(ω*C*R^2+4*ω*Rx*C*R))=0

((ω*C*R^2+4*ω*Rx*C*R)*(ω^3*Rx*C^3*E*R^2-2*ω*Rx*C*E)-(E-2*ω^2*Rx*C^2*E*R)*(2*R-2*ω^2*Rx*C^2*R^2))=0

を2元連立方程式をωとRxに関して解けば良い

(%i92)
solve([(2*R-2*o^2*Rx*C^2*R^2)*(o^3*Rx*C^3*E*R^2-2*o*Rx*C*E)+(E-2*o^2*Rx*C^2*E*R)*(o*C*R^2
+4*o*Rx*C*R)=0,(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)*(o^3*Rx*C^3*E*R^2-2*o*Rx*C*E)-(E-2*o^2*Rx*C^2*E*R)*(2*R
-2*o^2*Rx*C^2*R^2)=0],[o,Rx]);
(%o92) [[o=-sqrt(2)/(C*R),Rx=R/4],[o=sqrt(2)/(C*R),Rx=R/4],[o=-(2*%i)/(C*R),Rx=R/4],[o=(2*%i)/(C*R),Rx=R/4],[o=-(2*%i)/(C*R),Rx
=-R/4],[o=(2*%i)/(C*R),Rx=-R/4]]

ω と Rx は共に正の実数でなければならないので

ω=sqrt(2)/(C*R)

Rx=R/4

が解となる。

著者の解も元になる式が整理されているかの違いはあるが同じ方法によって解いている。Maximaでもうまく使うと著者と似たような解き方が出来る。

(%i120) solve([e1,e2,e3,e4,e5],[I01,I02,I1,I2,I]);
(%o120) [[I01=((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*E*R+(2*o*Rx*C-%i)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R),I02=-
((o^3*Rx*C^3-%i*o^2*C^2)*E*R+(-2*%i*o^2*Rx*C^2-2*o*C)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R+4*o*Rx*C-2*%i),I1=((2*o*Rx*C-%i)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R),I2=-
(o^3*Rx*C^3*E*R-2*%i*o^2*Rx*C^2*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R+4*o*Rx*C-2*%i),I=-(o^3*Rx*C^3*E*R^2-2*%i*o^2*Rx*C^2*E*R+(%i-2*o*Rx*C)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R)]]
(%i121) gfactor(%);
(%o121) [[I01=(E*(o*C*R-%i))/(R*(o*C*R-2*%i)),I02=(%i*o*C*(o*Rx*C-%i)*E)/(2*o*Rx*C-%i),I1=-(%i*E)/(R*(o*C*R-2*%i)),I2=(%i*o^2*Rx*C^2*E)/(2*o*Rx*C-%i),I=
(%i*E*(o^3*Rx*C^3*R^2-2*%i*o^2*Rx*C^2*R-2*o*Rx*C+%i))/((2*o*Rx*C-%i)*R*(o*C*R-2*%i))]]

I1=-jE/(R*(ωC*R-j2)
=E/(2R+jωC*R^2)

I2=jω^2*Rx*C^2*E/(2*ω*Rx*C-j)
=-ω^2*Rx*C^2*E/(1+j2*ω*Rx*C)

I=I1+I2
=E/(2R+jωC*R^2)-ω^2*Rx*C^2*E/(1+j2*ω*Rx*C)
=E*(1/(2R+jωC*R^2)-ω^2*Rx*C^2/(1+j2*ω*Rx*C))
=E*((1+j2*ω*Rx*C)-ω^2*Rx*C^2*(2R+jωC*R^2))/((2R+j2*ω*Rx*C)*(2R+jωC*R^2))
=0

∴1-2*ω^2*Rx*C^2*R+j(2*ω*Rx*C-ω^3*Rx*R^2*C^3)
=1-2*ω^2*Rx*C^2*R+jωC*Rx*(2-ω^2*R^2*C^2)=0

実数部と虚数部が共に0になる条件式

1-2*ω^2*Rx*C^2*R=0

2-ω^2*R^2*C^2=0

をω,Rxに関する方程式として解けば

(%i123) solve([1-2*o^2*Rx*C^2*R=0,2-o^2*R^2*C^2=0],[o,Rx]);
(%o123) [[o=-sqrt(2)/(C*R),Rx=R/4],[o=sqrt(2)/(C*R),Rx=R/4]]

ω=sqrt(2)/(C*R)

Rx=R/4

となり著者の解と同じ式が得られる。


最初Iの実効値の式から解けるかと思ったが分子の式がωとRxが混じった単一の式になってしまって解けないことが判明。瞬時値の式で虚数部と実数部から2元連立方程式をたててωとRxについて解くという解法に行き着いた。

P.S

実は出来るはずだと思ってやってみたら実効値の式からも解くことができた。

(%i124) solve([e1,e2,e3,e4,e5],[I01,I02,I1,I2,I]);
(%o124) [[I01=((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*E*R+(2*o*Rx*C-%i)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R),I02=-
((o^3*Rx*C^3-%i*o^2*C^2)*E*R+(-2*%i*o^2*Rx*C^2-2*o*C)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R+4*o*Rx*C-2*%i),I1=((2*o*Rx*C-%i)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R),I2=-
(o^3*Rx*C^3*E*R-2*%i*o^2*Rx*C^2*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R+4*o*Rx*C-2*%i),I=-(o^3*Rx*C^3*E*R^2-2*%i*o^2*Rx*C^2*E*R+(%i-2*o*Rx*C)*E)/((2*%i*o^2*Rx*C^2+o*C)*R^2+(4*o*Rx*C-2*%i)*R)]]
(%i125) abs(%);
(%o125) [[abs(I01)=sqrt(((4*o^4*Rx^2*C^4*E*R^3)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+(o^2*C^2*E*R^3)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+
(8*o^2*Rx^2*C^2*E*R)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+(2*E*R)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2))^(2)+
((4*o^3*Rx^2*C^3*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+(o*C*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2))^2),abs(I02)=sqrt((
(2*o^5*Rx^2*C^5*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2)+(o^3*C^3*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2)+(8*o^3*Rx^2*C^3*E)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2)+
(4*o*C*E)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2))^(2)+
((o^4*Rx*C^4*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2)+(4*o^2*Rx*C^2*E)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2))^2),abs(I1)=sqrt(
(-(4*o^3*Rx^2*C^3*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)-(o*C*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2))^2+
((8*o^2*Rx^2*C^2*E*R)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+(2*E*R)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2))^2),abs(I2)=sqrt(
((2*o^5*Rx^2*C^5*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2)+(8*o^3*Rx^2*C^3*E)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2))^2+
(-(o^4*Rx*C^4*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2)-(4*o^2*Rx*C^2*E)/((2*o^2*Rx*C^2*R-2)^2+(o*C*R+4*o*Rx*C)^2))^2),abs(I)=sqrt((
(2*o^5*Rx^2*C^5*E*R^4)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+(4*o^3*Rx^2*C^3*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)-
(o*C*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2))^(2)+(-(o^4*Rx*C^4*E*R^4)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)-
(4*o^2*Rx*C^2*E*R^2)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+(8*o^2*Rx^2*C^2*E*R)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2)+
(2*E*R)/((2*o^2*Rx*C^2*R^2-2*R)^2+(o*C*R^2+4*o*Rx*C*R)^2))^(2))]]
(%i126) factor(%);
(%o126) [[abs(I01)=(abs(E)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1))/(sqrt(o^2*C^2*R^2+4)*abs(R)),abs(I02)=(abs(o)*sqrt(o^2*Rx^2*C^2+1)*abs(C)*abs(E))/sqrt(4*o^2*Rx^2*C^2+1),abs(I1)=abs(E)/(sqrt(o^2*C^2*R^2+4)*abs(R)),abs(I2)=(o^2*abs(Rx)*C^2*abs(E))/sqrt(4*o^2*Rx^2*C^2+1)
,abs(I)=(abs(E)*sqrt(o^6*Rx^2*C^6*R^4-4*o^2*Rx*C^2*R+4*o^2*Rx^2*C^2+1))/(sqrt(4*o^2*Rx^2*C^2+1)*sqrt(o^2*C^2*R^2+4)*abs(R))]]

|I|=|E|*sqrt(ω^6*Rx^2*C^6*R^4-4*ω^2*Rx*C^2*R+4*ω^2*Rx^2*C^2+1))/(sqrt(4*ω^2*Rx^2*C^2+1)*sqrt(ω^2*C^2*R^2+4)*R)

|I|=0になるためには分子の式が

ω^6*Rx^2*C^6*R^4-4*ω^2*Rx*C^2*R+4*ω^2*Rx^2*C^2+1=0

を満たす必要がある。今まではここで挫折していたが、複素数でなら因数分解できることを発見

(%i129) gfactor(%);
(%o129) (o^3*Rx*C^3*R^2-2*%i*o^2*Rx*C^2*R-2*o*Rx*C+%i)*(o^3*Rx*C^3*R^2+2*%i*o^2*Rx*C^2*R-2*o*Rx*C-%i)

2つの項が共に0となる条件を満たすω,Rxを解くと

(%i131)
solve([o^3*Rx*C^3*R^2-2*%i*o^2*Rx*C^2*R-2*o*Rx*C+%i=0,o^3*Rx*C^3*R^2+2*%i*o^2*Rx*C^2*R
-2*o*Rx*C-%i=0],[o,Rx]);
(%o131) [[o=-sqrt(2)/(C*R),Rx=R/4],[o=sqrt(2)/(C*R),Rx=R/4]]

ω=sqrt(2)/(C*R)

Rx=R/4

という答えが得られた。やれば出来るじゃないか。
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