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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2008-6-8 19:08
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
【20】RLC混成回路(続き)
次ぎは前問の続きでLが与えられていてRが十分小さい時に535kHzから1605kHzのラジオ周波数帯に同調させるにはCはいくらの値を変化すればいいか求めよというもの。

前問の回路でRが十分小さいとなると完全なLC並列共振回路になる。

実際の素子を使った回路ではインダクタには直流抵抗値を合わせもつので例えCを並列に接続してLC並列共振回路を構成したとしてもLに直列に直流抵抗分が加わるため共振点は理想的なLC並列回路から乖離する。

理想的な共振点からの乖離の度合いは前問で導いた共振周波数の式でわかるとおりLのインダクタンス値と直流抵抗分との比率できまる。インダクタンス値が小さい程直流抵抗分の効果が大きくなる。当然同じインダクタンス値では直流抵抗分が大きいと乖離も大きい。

このため実際の回路ではインダクタンス値の小さなコイルはなるべく直流抵抗分を下げるために太い線材が使われることが多い。インダクタンス値を大きくするには巻き数を多くしないといけないのであまり太い線材を使うことができなくなるので直流抵抗分はどうしても増加してしまうがインダクタンス値が大きいのでその影響は幾分緩和される。

話をもとに戻そう。

LC並列共振回路であると考えて良いので共振周波数の式

ω0=1/√(L*C)
=2πf0

二乗してCについて解くと

1/(L*C)=(2πf0)^2

C=1/((2πf0)^2*L)

この式にL=100uHと同調範囲の下限と上限をそれぞれ代入すると

Cmax=1/((2π*535*10^3)^2*100*10^-6)
=8.85*10^-10 [F]
=885 [pF]

Cmin=1/((2π*1605*10^3)^2*100*10^-6)
=9.83*10^-11 [F]
=98.3 [pF]

従って98.3pF〜885pFの範囲を可変できればよいことになる。

著者の解では上限の周波数のCを求める際にCmin/Cmaxが(fmin/fmax)^2であることを利用して求めている。
webadm
投稿日時: 2008-6-8 19:30
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
【21】LC直列共振回路によるCの測定
次ぎはLC直列共振回路を使って未知のCの容量を求める問題。



図の2つの回路がそれぞれ同一周波数で共振する場合にCxを求めよというもの。

それぞれの回路のインピーダンスは

Z1=j(ω0L-1/(ω0Cx)-1/(ω0C1))
=j(ω0L-(C1+Cx)/(ω0CxC1))

Z2=j(ω0L-1/(ω0C2))

このどちらも共振しているということはどちらも実効リアクタンスが0ということなので

Z1=Z2=0

すなわち

ω0L-(C1+Cx)/(ω0CxC1)=0

ω0L-1/(ω0C2)=0

が成り立つということになる。上の式から下の式を差し引くとLが削除されて

1/(ω0C2)-(C1+Cx)/(ω0CxC1)=0

両辺にω0をかけると

1/C2-(C1+Cx)/(Cx*C1)=0

Cxについて解くと

Cx*C1/C2-Cx=C1

Cx(C1/C2-1)=C1

∴Cx=C1/(C1/C2-1)
=C1*C2/(C1-C2)

ということになる。

著者は共振周波数が互いに等しいという関係式から同じ結果を導いている。
webadm
投稿日時: 2008-6-8 20:10
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
【22】コイルの分布容量の測定
次ぎは聞き慣れないコイルの分布容量を求める問題。



理想的なインダクタはインダクタンス成分しか含まないが、現実のインダクタは物理的にコイル状の巻き線で構成されるため、1ターンのコイルが巻き数分隣接してつながっていることになる。それぞれ隣接する1ターンのコイルは隣のターンと容量的に結合しているため巻き線に分布容量がつながっていると考えられる。厳密には分布常数回路になるので今はまだ扱えないが、Lと並列にCxなる容量結合が発生していると単純化する。

こうした分布容量が存在するため実際のコイルはそれ自身だけで並列共振回路を構成するので何もつながなくても共振点が存在することを意味する。これを自己共振点という。同様に理想的なコンデンサはキャパシタンス分しか無いが、現実のコンデンサには導体部分が存在するのでそれ自身が直列にインダクタンスを持ち自己共振点を持つことを意味する。どちらも低い周波数では寄生素子分は無視できるが高い周波数になるにつれ無視できない要素となる。従って高周波回路の解析には実際に使用される素子や線路を分布定数回路としてとらえ実際の周波数特性を良く近似するモデルを用いる必要がある。

はなしを元に戻そう。

図の回路でLに寄生する容量結合Cxが存在する時に並列に接続したCを可変してC1,C2とで共振周波数がf1とf2だった場合にCxはいくらか?

C1とC2の時のそれぞれの回路のアドミッタンスは

Y1=j(ω1Cx+ω1C1-1/ω1L)

Y2=j(ω1Cx+ω2C2-1/ω2L)

どちらも共振しているので

Y1=Y2=0

従って

ω1Cx+ω1C1-1/ω1L=0

ω2Cx+ω2C2-1/ω2L=0

なる関係が成立する。

それぞれLについて解くと

L=1/(ω1^2*(Cx+C1))

L=1/(ω2^2*(Cx+C2))

従って

1/(ω1^2*(Cx+C1))=1/(ω2^2*(Cx+C2))

両辺の逆数をとってCxについて解くと

ω1^2*(Cx+C1)=ω2^2*(Cx+C2)

(ω1^2-ω2^2)*Cx=ω2^2*C2-ω1^2*C1

∴Cx=(ω2^2*C2-ω1^2*C1)/(ω1^2-ω2^2)
=((2πf2)^2*C2-(2πf1)^2*C1)/((2πf1)^2-(2πf2)^2)
=(f2^2*C2-f1^2*C1)/(f1^2-f2^2)

ということになる。
webadm
投稿日時: 2008-6-8 20:38
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
【23】コイルの分布容量の測定(続き)
次ぎは前問の回路でC1の時の共振周波数がf0とした時にC2の時の共振周波数がf0/2だった場合はコイルの分布容量が

Cx=(C2-4*C1)/3

で表されることを示せというもの。

C1とC2の時のそれぞれの回路のアドミッタンスは

Y1=j(ω0Cx+ω0C1-1/ω0L)

Y2=j(ω0Cx/2+ω0C2/2-2/ω0L)

で表すことができる。それぞれ共振しているので

ω0Cx+ω0C1-1/ω0L=0

ω0Cx/2+ω0C2/2-2/ω0L=0

が成立する。

第一の式の両年に2を乗じて第二を差し引いてLの項を消去すると

2*ω0Cx+2*ω0C1-2/ω0L-(ω0Cx/2+ω0C2/2-2/ω0L)=0

Cx*(2*ω0-ω0/2)+2*ω0C1-ω0C2/2=0

両辺に2/ω0を乗じてCxについて解くと

∴Cx=(C2-4*C1)/3

ということになる。
webadm
投稿日時: 2008-6-9 5:40
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
【24】Bouchelotの回路
次ぎはベクトル記号法の演習で度々登場したBouchelotの回路に関する問題。



LとCの関係が

ωL=1/(2ωC)

であればRの値によらず回路に流れる電流が一定となることを証明せよというもの。

回路のインピーダンスは

Z=1/(1/R+jωC)+jωL
=R/(1+jωCR)+jωL
=(R+jωL*(1+jωCR))/(1+jωCR)
=(R-ω^2*L*C*R+jωL)/(1+jωCR)
=((R-ω^2*L*C*R+jωL)*(1-jωCR))/((1+jωCR)*(1-jωCR))
=(R-ω^2*L*C*R+jωL-jωCR^2+jω^3*L*C^2*R^2+ω^2L*C*R)/(1+(ωCR)^2)
=(R+j(ωL-ωCR^2+ω^3*L*C^2*R^2)/(1+(ωCR)^2)
=(R+jω*(L-CR^2+ω^2*L*C^2*R^2)/(1+(ωCR)^2)
=R/(1+(ωCR)^2)+jω*(L-CR^2+ω^2*L*C^2*R^2)/(1+(ωCR)^2)

|Z|=sqrt(R^2/(1+(ωCR)^2)^2+(ω*(L-CR^2+ω^2*L*C^2*R^2))^2/(1+(ωCR)^2)^2)
=sqrt(R^2+(ω*(L-CR^2+ω^2*L*C^2*R^2))^2)/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(R^2+ω^2*(L-CR^2*(1-ω^2*L*C))^2)/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(R^2+ω^2*(L^2-2*L*C*R^2*(1-ω^2*L*C)+C^2*R^4*(1-ω^2*L*C)^2)/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(R^2+ω^2*L^2-2*ω^2*L*C*R^2*(1-ω^2*L*C)+ω^2*C^2*R^4*(1-ω^2*L*C)^2)/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(R^2+ω^2*L^2-2*ω^2*L*C*R^2+2*ω^4*L^2*C^2*R^2+ω^2*C^2*R^4*(1-2*ω^2*L*C+ω^4*L^2*C^2))/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(R^2+ω^2*L^2-2*ω^2*L*C*R^2+2*ω^4*L^2*C^2*R^2+ω^2*C^2*R^4-2*ω^4*L*C^3*R^4+ω^6*L^2*C^4*R^4)/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(ω^2*L^2+R^2*(1-2*ω^2*L*C+2*ω^4*L^2*C^2+ω^2*C^2*R^2-2*ω^4*L*C^3*R^2+ω^6*L^2*C^4*R^2))/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(ω^2*L^2+R^2*(1-2*ω^2*L*C+2*ω^4*L^2*C^2+(ωCR)^2*(1-2*ω^2*L*C+ω^4*L^2*C^2))/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(ω^2*L^2+R^2*((1-ω^2*L*C)^2+(ωCR)^2*(1-ω^2*L*C)^2))/(1+(ωCR)^2)
=sqrt(ω^2*L^2+R^2*(1-ω^2*L*C)^2*(1+(ωCR)^2))/(1+(ωCR)^2)
=sqrt((ω^2*L^2+R^2*(1-ω^2*L*C)^2)/(1+(ωCR)^2))

で表される。この式には分子と分母にそれぞれRの項があるので一見するとRが変化するとインピーダンスが変化して電流が変わるように見える。ここで

ωL=1/2ωC

なる条件を適用すると

ω^2=1/(2LC)

すなわち

ω=1/√(2LC)

をインピーダンスの式に代入すると

|Z|=sqrt((ω^2*L^2+R^2*(1-ω^2*L*C)^2)/(1+(ωCR)^2))
=sqrt((1/sqrt(2*L*C))^2*L^2+R^2*(1-(1/sqrt(2*L*C))^2*L*C)^2)/(1+((1/sqrt(2*L*C))*C*R)^2)
=sqrt((1/(2*L*C))*L^2+R^2*(1-(1/(2*L*C))*L*C)^2)/(1+((1/(2*L*C)*C^2*R^2)
=sqrt(L/(2*C)+R^2*(1-(1/2))^2)/(1+(C*R^2/(2*L)))
=sqrt(L/(2*C)+R^2*(1/2)^2)/(1+(C*R^2/(2*L)))
=sqrt(L/(2*C)+R^2/4)/(1+(C*R^2/(2*L)))
=sqrt(((2*L+C*R^2)/(4*C))/((2*L+C*R^2)/(2*L)))
=sqrt((2*L)/(4*C))
=sqrt(L/(2*C))

|I|=|E|/|Z|
=|E|/sqrt(L/(2*C))

となってRの値によらないLとCで決まる一定の値となることから流れる電流が一定になることが証明された。

著者の解とは最終的な電流の式

|I|=|E|/|Z|=|E|/ωL=2ωC*|E|

と著しく違っているが、ω=1/√(2LC)を代入すれば同じ式であることが確認できる

|I|=|E|/ωL=|E|/((1/√(2LC))*L)
=|E|/sqrt(L/(2*C))

疑問が残るのはωL=1/(2ωC)という条件でこうなるということをどうやって導いたのだろうか。ベクトル記号法の演習ではRに流れる電流を一定にする条件を導く問題はあったがLに流れる電流を一定にする問題はなかったので研究してみると面白いかもしれない。
webadm
投稿日時: 2008-6-10 7:05
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
Re: 【24】Bouchelotの回路
やはり気になって毎日電車通勤中や食事の間に暇さえあればメモ帳を開いてペンを片手に数式をいじくってああでもないこうでもないと

ωL=1/(2ωC)

を導き出す試みをしていたがどうしても分母と分子のどちらもRに依存する式しか得られず壁にぶつかる。

あとは微分してとかあるけど面倒だし、ふとベクトル軌跡を描いてみたらどうかと思ってやってみたらピンポンだった。

問題の回路はRC並列回路と直列にLがつながっている。RC並列回路のアドミッタンス軌跡は実軸に並行で実軸からjωCだけ離れた直線を描くことから、その逆数であるインピーダンスの軌跡は中心が(0,-j/2ωC)で原点を通る円を描くことは既に学んだ通り。それにjωLの固定ベクトルを加算すると円は虚軸の+方向に並行移動することになる。ちょうど円の中心が原点と重なる時(ωL=1/2ωC)ベクトルの大きさはRに依らずLとCで決まる円の半径と同じになる。



なんだ簡単じゃないか。

P.S

ちなみに微分を使ってみると

(%i19) abs(1/(1/R+%i*o*C)+%i*o*L);
(%o19) sqrt(1/((1/R^2+o^2*C^2)^2*R^2)+(o*L-(o*C)/(1/R^2+o^2*C^2))^2)
(%i20) diff(%,R);
(%o20) (-(4*o*C*(o*L-(o*C)/(1/R^2+o^2*C^2)))/((1/R^2+o^2*C^2)^2*R^3)-2/((1/R^2+o^2*C^2)^2*R^3)+4/((1/R^2+o^2*C^2)^3*R^5))/(2*sqrt(1/((1/R^2+o^2*C^2)^2*R^2)+(o*L-(o*C)/(1/R^2+o^2*C^2))^2))
(%i21) factor(%);
(%o21) -((2*o^2*C*L-1)*R)/((o^2*C^2*R^2+1)^(3/2)*sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+o^2*L^2))

d|Z|/dR=-((2ω^2*C*L-1)*R)/((ω^2*C^2*R^2+1)(3/2)*sqrt((ω^4*C^2*L^2-2*ω^2*C*L+1)*R^2+ω^2*L^2))

|Z|がRに依らず一定となるためには微分係数がRに依らず常に0となれば良い。分母の値がRによって変化しても分子が常に0であれば条件を満足するので

2ω^2*C*L-1=0

が成り立てば良い。両辺を2ωCで割って整理すると

ω*L=1/2ωC

となる。

というわけで微分を使っても同じ答えは得られた。
webadm
投稿日時: 2008-6-10 12:25
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3087
【25】RLC混成回路(その2)
次ぎは再びRLC混成回路に関する問題。



図のような回路のインピーダンスが最大値となる条件を導き、その等価回路を示せというもの。

簡単そうに見えて意外に難問。最大のインピーダンスの式さえ導けば、どんなインピーダンスも直交形式で表せば、実効抵抗と実効リアクタンスから成るので抵抗とリアクタンスが直列に接続された回路と等価になる。

あとはインピーダンスの最大点を見つけるだけ。

回路のインピーダンスの式を導いてみると

Z=1/(1/Z1+1/Z2)
=1/(1/(R+j(ωL-1/ωC))+1/(-j/ωC1))
=1/(1/(R+j(ωL-1/ωC))+jωC1)
=(R+j(ωL-1/ωC))/(1+jωC1(R+j(ωL-1/ωC)))
=(R+j(ωL-1/ωC))/(1+jωC1R-ωC1(ωL-1/ωC))
=(R+j(ωL-1/ωC))/(1-ω^2C1L+C1/C+jωC1R)
=(R+j(ωL-1/ωC))*(1-ω^2C1L+C1/C-jωC1R)/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)
=(R-ω^2*C1LR+C1R/C-jωC1R^2+j(ωL-1/ωC)-jω^2C1L(ωL-1/ωC)+jC1(ωL-1/ωC)/C+ωC1R(ωL-1/ωC))/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)
=(R-ω^2*C1LR+C1R/C+ωC1R(ωL-1/ωC)-jωC1R^2+j(ωL-1/ωC)-jω^2C1L(ωL-1/ωC)+jC1(ωL-1/ωC)/C)/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)
=(R-ω^2*C1LR+C1R/C+ω^2C1LR-C1R/C-jωC1R^2+j(ωL-1/ωC)-jω^3C1L^2+jωC1L/C+jωC1L/C-jC1/ωC^2)/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)
=(R-j(ωC1R^2+ωL-1/ωC-ω^3C1L^2+2*ωC1L/C-C1/ωC^2))/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)
=R/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)-j(ωC1R^2+ωL-1/ωC-ω^3C1L^2+2*ωC1L/C-C1/ωC^2)/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)

|Z|=sqrt(R^2/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)^2+(ωC1R^2+ωL-1/ωC-ω^3C1L^2+2*ωC1L/C-C1/ωC^2)^2/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)^2)
=sqrt(R^2+(ωC1R^2+ωL-1/ωC-ω^3C1L^2+2*ωC1L/C-C1/ωC^2)^2)/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)

という複雑な式になる。

ω>0という条件でインピーダンスが最大になる点はどこだろう?

ω=0の時は当然ながらインピーダンスが∞になってしまうのでそれは除外する。

RLC直列回路は共振点があり、そこでインピーダンスの最小点が存在する。一方並列に接続されたC1はωに比例してインピーダンスは直線的に下がっていく。

試しにR=10Ω,L=1mH,C=10uF,C1=1pFとした場合の回路のインピーダンスをプロットしてみると



5MHz付近に鋭いピークが確認される。

同じ定数でシミュレーターでやってみると



低い方の谷間は直列共振点で高い方の山が並列共振点でありその周波数は概ね一致している。

題意としてこの回路の並列共振点を求めてその時の等価回路を示せということになる。

|Z|=sqrt(R^2+(ωC1R^2+ωL-1/ωC-ω^3C1L^2+2*ωC1L/C-C1/ωC^2)^2)/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)

分子と分母をそれぞれω^2で割ると

|Z|=(1/ω^2)*sqrt(R^2+(ωC1R^2+ωL-1/ωC-ω^3C1L^2+2*ωC1L/C-C1/ωC^2)^2)/((1-ω^2C1L+C1/C)^2/ω^2+(C1R)^2)

|Z|が最大値をとるのは分母の式が最小値をとる場合とすれば

((1-ω^2C1L+C1/C)^2/ω^2=0

を満たすωが|Z|が最大になる角周波数すなわち並列共振点である。

ωについて解くと

(%i43) (1-o^2*C1*L+C1/C)^2/o^2;
(%o43) (-o^2*C1*L+C1/C+1)^2/o^2
(%i44) factor(%);
(%o44) (o^2*C*C1*L-C1-C)^2/(o^2*C^2)
(%i45) expand(%);
(%o45) o^2*C1^2*L^2-(2*C1^2*L)/C-2*C1*L+C1^2/(o^2*C^2)+(2*C1)/(o^2*C)+1/o^2
(%i46) solve([o^2*C1^2*L^2-(2*C1^2*L)/C-2*C1*L+C1^2/(o^2*C^2)+(2*C1)/(o^2*C)+1/o^2], [o]);
(%o46) [o=-sqrt(1/(C1*L)+1/(C*L)),o=sqrt(1/(C1*L)+1/(C*L))]
(%i47) factor(%);
(%o47) [o=-sqrt((C1+C)/(C*C1*L)),o=sqrt((C1+C)/(C*C1*L))]

ω>0なので

ω0=sqrt((C1+C)/(C*C1*L))

ということになる。

C1=1pF,C=10uF,L=1mHを適用すると

ω0=2πf0=sqrt(10^-12+10^-5)/(10^-5*10^-12*10^-3))

∴f0=sqrt(10^-12+10^-5)/(10^-5*10^-12*10^-3))/2π
=5.03*10^6 [Hz]
=5.03 [MHz]

グラフと一致している。

ちなみに直列共振点は

ω0'=2πf0'=sqrt(1/(L*C))

∴f0'=sqrt(1/(10^-3*10^-5))/2π
=1591 Hz

これもグラフと良く一致している。

実はMaximaで|Z|の式を以下のように整理し

sqrt(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)/(o*sqrt(o^2*C^2*C1^2*R^2+o^4*C^2*C1^2*L^2+(-2*o^2*C*C1^2-2*o^2*C^2*C1)*L+C1^2+2*C*C1+C^2))

二乗して

(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)/(o^2*(o^2*C^2*C1^2*R^2+o^4*C^2*C1^2*L^2+(-2*o^2*C*C1^2-2*o^2*C^2*C1)*L+C1^2+2*C*C1+C^2))

分子の式をo^2で割ると

(o^2*C^2*R^2+o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)/o^2
=(C^2*R^2+o^2*C^2*L^2-2*C*L+1/o^2)

分子の式が最小になるのは

o^2*C^2*L^2-2*C*L+1/o^2=0

の時なのでこれをoについて解くと

(%i74) o^2*C^2*L^2-2*C*L+1/o^2;
(%o74) o^2*C^2*L^2-2*C*L+1/o^2
(%i75) solve(%,o);
(%o75) [o=-1/sqrt(C*L),o=1/sqrt(C*L)]

ω=1/sqrt(C*L)

と直列共振点が得られる。

同様に分母の式を展開してo^2で割ると

(%i76) o^2*(o^2*C^2*C1^2*R^2+o^4*C^2*C1^2*L^2+(-2*o^2*C*C1^2-2*o^2*C^2*C1)*L+C1^2+2*C*C1
+C^2);
(%o76) o^2*(o^2*C^2*C1^2*R^2+o^4*C^2*C1^2*L^2+(-2*o^2*C*C1^2-2*o^2*C^2*C1)*L+C1^2+2*C*C1+C^2)
(%i77) expand(%);
(%o77) o^4*C^2*C1^2*R^2+o^6*C^2*C1^2*L^2-2*o^4*C*C1^2*L-2*o^4*C^2*C1*L+o^2*C1^2+2*o^2*C*C1+o^2*C^2
(%i78) %/(o^4);
(%o78) (o^4*C^2*C1^2*R^2+o^6*C^2*C1^2*L^2-2*o^4*C*C1^2*L-2*o^4*C^2*C1*L+o^2*C1^2+2*o^2*C*C1+o^2*C^2)/o^4
(%i79) expand(%);
(%o79) C^2*C1^2*R^2+o^2*C^2*C1^2*L^2-2*C*C1^2*L-2*C^2*C1*L+C1^2/o^2+(2*C*C1)/o^2+C^2/o^2

分母が最小値(C^2*C1^2*R^2)をとるのは以下の条件

o^2*C^2*C1^2*L^2-2*C*C1^2*L-2*C^2*C1*L+C1^2/o^2+(2*C*C1)/o^2+C^2/o^2=0

を満たすoの時なのでこれをoに付いて解くと

(%i80) solve([o^2*C^2*C1^2*L^2-2*C*C1^2*L-2*C^2*C1*L+C1^2/o^2+(2*C*C1)/o^2+C^2/o^2], [o]);
(%o80) [o=-sqrt(1/(C1*L)+1/(C*L)),o=sqrt(1/(C1*L)+1/(C*L))]
(%i85) factor(%);
(%o85) [o=-sqrt((C1+C)/(C*C1*L)),o=sqrt((C1+C)/(C*C1*L))]

という具合に同じ結果が得られる。

ベクトル軌跡で考えてみたが、RLC直列回路のアドミッタンスが円を描くところまでは良いが、それとキャパシタのアドミッタンスのベクトルを加算するところで複雑な曲線になってしまうため挫折。微分して極大点をもとめようとしても式が四次以上の高次方程式となるためMaximaでは解けない。

著者も分母が最小となる点を解いているが、実際に様々なC,L,C1,Rの組み合わせを試してグラフをプロットしてみると、Cが小さくなると低域周波数でのインピーダンスが並列共振点のインピーダンスを超えてしまうので厳密には並列共振点が最大のインピーダンスを示すとは限らなくなる。その場合でも式の上では並列共振点は存在する。
Rの値を大きくするとQが低くなるため山と谷がなだらかになる。またC1を大きくしていくとRLC直列回路のインピーダンスよりも常に低くなってしまって並列共振点でインピーダンスのピークが見られなくなる。それでも式の上では並列共振点は存在するのだが。

Maximaでグラフを描く際に横軸のレンジを大きくするとプロット単位が荒くなる影響か谷の位置がずれて見える。実際にはレンジを狭めるとより正確な谷が現れる。

最後に並列共振点の角周波数を複素インピーダンスの式に代入すると

Z=R/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)-j(ωC1R^2+ωL-1/ωC-ω^3C1L^2+2*ωC1L/C-C1/ωC^2)/((1-ω^2C1L+C1/C)^2+(ωC1R)^2)

(%i69) R/((1-o^2*C1*L+C1/C)^2+(o*C1*R)^2)-%i*(o*C1*R^2+o*L-1/(o*C)-o^3*C1*L^2+2*o*C1*L/C
-C1/(o*C^2))/((1-o^2*C1*L+C1/C)^2+(o*C1*R)^2);
(%o69) R/(o^2*C1^2*R^2+(-o^2*C1*L+C1/C+1)^2)-(%i*(o*C1*R^2-o^3*C1*L^2+(2*o*C1*L)/C+o*L-C1/(o*C^2)-1/(o*C)))/(o^2*C1^2*R^2+(-o^2*C1*L+C1/C+1)^2)
(%i70) subst(sqrt((C1+C)/(C1*C*L)), o, R/(o^2*C1^2*R^2+(-o^2*C1*L+C1/C+1)^2)-(%i*(o*C1*R^2
-o^3*C1*L^2+(2*o*C1*L)/C+o*L-C1/(o*C^2)-1/(o*C)))/(o^2*C1^2*R^2+(-o^2*C1*L+C1/C+1)^2));
(%o70) R/((C1*(C1+C)*R^2)/(C*L)+(-(C1+C)/C+C1/C+1)^2)-
(%i*(C1*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*R^2-C1*((C1+C)/(C*C1*L))^(3/2)*L^2+(2*C1*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*L)/C+sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*L-C1/(C^2*sqrt((C1+C)/(C*C1*L)))-1/(C*sqrt((C1+C)/(C*C1*L)))))/((C1*(C1+C)*R^2)/(C*L)+(-(C1+C)/C+C1/C+1)^2)
(%i71) factor(%);
(%o71) -(%i*C1*R+%i*C*R-C*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*L)/(C1*(C1+C)*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*R)
(%i72) rectform(%);
Is C * C1 * (C1+C) * L positive, negative, or zero? p;
(%o72) (C*L)/(C1*(C1+C)*R)-(%i*(C1*R+C*R))/(C1*(C1+C)*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*R)
(%i73) ratsimp(%);
(%o73) -((%i*C1+%i*C)*R-C*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*L)/((C1^2+C*C1)*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*R)
(%i74) factor(%);
(%o74) -(%i*C1*R+%i*C*R-C*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*L)/(C1*(C1+C)*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*R)
(%i75) rectform(%);
Is C * C1 * (C1+C) * L positive, negative, or zero? p;
(%o75) (C*L)/(C1*(C1+C)*R)-(%i*(C1*R+C*R))/(C1*(C1+C)*sqrt((C1+C)/(C*C1*L))*R)

Maximaの因数分解はいつもながら手ぬるい。

Z0=(C*L)/(C1*(C1+C)*R)-j(C1*R+C*R)/(C1*(C1+C)*sqt((C1+C)/(C*C1*L))*R)
=(C*L)/(C1*(C1+C)*R)-j*R*(C1+C)/(C1*(C1+C)*ω0*R)
=(C*L)/(C1*(C1+C)*R)-j/(ω0*C1)

従って実数部が実効抵抗値、虚数部が実効リアクタンスなので




かなり式が複雑なので最初式が間違っていたりして時間を潰してしまった。

この回路は確か水晶発振子かセラミック発振子の等価回路だったと思う。

P.S

やはり水晶振動子の等価回路だった。セラミック振動子の場合は更に並列に抵抗がつながっている等価回路だったように思える。

水晶振動子はセラミック振動子よりもQが高い。セラミック振動子はもともとは意図的に特定の自己共振周波数を持たせたセラミックコンデンサのようなもの。

昔高い周波数の水晶振動子を使う回路でどうしても発振してくれないと本職のハードウェア開発者が悩んでいた。高周波の専門家に見てもらってアドバイスを得たところ、推奨回路で付けるようになっている両端子の微少容量のセラミックコンデンサを取り除いたら嘘のように安定して発振し出した。なんとも高周波回路は目に見えていながら見えてないところがあって難しい。

発振回路をこしらえるとまったく発振してくれなかったり変な周波数でも寄生発振していたり、増幅回路のつもりが発振してしまうとかいうのは良くある。このあたりは制御理論とかで系の安定性を判別すると予め予測できるらしい。

webadm
投稿日時: 2008-6-12 7:04
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【26】RLC混成回路(その3)
次ぎもRLC混成回路の共振点に関する問題。



基本的にはLC直列回路でLとCにそれぞれ並列にRなる抵抗がつながっているというもの。RL並列回路とRC並列回路が直列につながっているともとらえることができる。

題意はこの回路の共振条件を導けというもの。

回路のインピーダンスは

Z=1/(1/R-j/ωL)+1/(1/R+jωC)
=((1/R+jωC)+(1/R-j/ωL))/((1/R-j/ωL)*(1/R+jωC))
=(2/R+j(ωC-1/ωL))/(1/R^2+jωC/R-j/ωLR+C/L)
=(2/R+j(ωC-1/ωL))/(1/R^2+C/L+j(ωC/R-1/ωLR))
=(2/R+j(ωC-1/ωL))*(1/R^2+C/L-j(ωC/R-1/ωLR))/((1/R^2+C/L)^2+(ωC/R-1/ωLR)^2)
=(2/R^3+2C/LR-j(2ωC/R^2-2/ωLR^2)+j(ωC/R^2-1/ωLR^2)+j(ωC^2/L-C/ωL^2)+(ω^2C^2/R-C/LR-C/LR+1/ω^2L^2R))/((1/R^2+C/L)^2+(ωC/R-1/ωLR)^2)
=(2/R^3+C/LR+ω^2C^2/R+1/ω^2L^2R+j(ωC/R^2-1/ωLR^2-2ωC/R^2+2/ωLR^2+ωC^2/L-C/ωL^2))/((1/R^2+C/L)^2+(ωC/R-1/ωLR)^2)
=(2/R^3+C/LR+ω^2C^2/R+1/ω^2L^2R)/((1/R^2+C/L)^2+(ωC/R-1/ωLR)^2)+j(ωC/R^2-1/ωLR^2-2ωC/R^2+2/ωLR^2+ωC^2/L-C/ωL^2)/((1/R^2+C/L)^2+(ωC/R-1/ωLR)^2)

と表すことができる。

共振点は実効リアクタンスが0となる点であるとすれば

ωC/R^2-1/ωLR^2-2ωC/R^2+2/ωLR^2+ωC^2/L-C/ωL^2=0

が成り立つ条件ということになる。

これをωについて解くと

(%i36) o*C/R^2-1/(o*L*R^2)-2*o*C/R^2+2/(o*L*R^2)+o*C^2/L-C/(o*L^2);
(%o36) 1/(o*L*R^2)-(o*C)/R^2+(o*C^2)/L-C/(o*L^2)
(%i37) solve(%,o);
(%o37) [o=-1/sqrt(C*L),o=1/sqrt(C*L)]

ω>0なので

ω0=1/sqrt(C*L)

またRについて解くと

(%i39) solve([1/(o*L*R^2)-(o*C)/R^2+(o*C^2)/L-C/(o*L^2)], [R]);
(%o39) [R=-sqrt(L/C),R=sqrt(L/C)]

R>0なので

R=sqrt(L/C)

と著者と同じ結果が得られた。これらは別解法として共振時にはインピーダンスが最小となることからインピーダンスの絶対値の式を微分して微分係数が0となる条件から導くこともできる。

(%i40) 1/(1/R-%i/(o*L))+1/(1/R+%i*o*C);(%o40) 1/(1/R-%i/(o*L))+1/(1/R+%i*o*C)(%i41) abs(%);(%o41) sqrt((1/(R/(o^2*L^2)+1/R)+1/(o^2*C^2*R+1/R))^2+(1/((o*L)/R^2+1/(o*L))-(o*C)/(1/R^2+o^2*C^2))^2)(%i42) factor(%);(%o42) (sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+4*o^2*L^2)*abs(R))/(sqrt(R^2+o^2*L^2)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1))
(%i43) (sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+4*o^2*L^2)*(R))/(sqrt(R^2+o^2*L^2)*sqrt(o^2*C^2*R^2
+1));(%o43) (R*sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+4*o^2*L^2))/(sqrt(R^2+o^2*L^2)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1))
(%i48) diff(%,o);
(%o48) -(o*L^2*R*sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+4*o^2*L^2))/((R^2+o^2*L^2)^(3/2)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1))-(o*C^2*R^3*sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+4*o^2*L^2))/(sqrt(R^2+o^2*L^2)*(o^2*C^2*R^2+1)^(3/2))+
(R*((4*o^3*C^2*L^2-4*o*C*L)*R^2+8*o*L^2))/(2*sqrt(R^2+o^2*L^2)*sqrt(o^2*C^2*R^2+1)*sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+4*o^2*L^2))
(%i49) factor(%);
(%o49) (o*(o^2*C*L-1)*(o^2*C*L+1)*R^3*(C*R^2-L)*(C*R^2+3*L))/((R^2+o^2*L^2)^(3/2)*(o^2*C^2*R^2+1)^(3/2)*sqrt((o^4*C^2*L^2-2*o^2*C*L+1)*R^2+4*o^2*L^2))

d|Z|/dω=(ω*(ω^2CL-1)*(ω^2CL+1)*R^3*(CR^2-L)*(CR^2+3L))/((R^2+ω^2L^2)^(3/2)*(ω^2C^2R^2+1)^(3/2)*sqrt((ω^4C^2L^2-2ω^2CL+1)*R^2+4ω^4L^2))

従って微分係数が0となるのは

ω=0
ω^2CL-1=0
ω^2CL+1=0
R^3=0
CR^2-L=0
CR^2+3L=0

これらからω>0,R>0であることから

ω^2CL-1=0

をωについて解くと

ω0=1/sqrt(C*L)

また

CR^2-L=0

をRについて解くと

R=sqrt(L/C)

と同時に導き出すことができる。
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投稿: 3087
【27】LC混成回路の共振点
次ぎはLとCだけから成る混成回路の共振点を導く問題。



基本的には2つの異なるLC並列回路がC3をカップリングにして並列につながっている。2つのLC並列回路があることから並列共振点が2つと直列共振点が1つ存在することが予想される。

題意は反共振角周波数を求めよということなので2つの並列共振点を求めれば良いことになる。

並列回路が中心なのでアドミッタンスで考えたほうが式が易しくなる

Y=jωC1-j/ωL1+1/(1/(jωC2-j/ωL2)-j/ωC3)

(%i27) %i*o*C1-%i/(o*L1)+1/(1/(%i*o*C2-%i/(o*L2))-%i/(o*C3));
(%o27) 1/(1/(%i*o*C2-%i/(o*L2))-%i/(o*C3))-%i/(o*L1)+%i*o*C1
(%i28) abs(%);
(%o28) abs(1/(-1/(o*C2-1/(o*L2))-1/(o*C3))+1/(o*L1)-o*C1)
(%i29) factor(%);
(%o29) abs((((o^4*C2+o^4*C1)*C3+o^4*C1*C2)*L1-o^2*C3-o^2*C2)*L2+(-o^2*C3-o^2*C1)*L1+1)/(abs(o)*abs(L1)*abs((o^2*C3+o^2*C2)*L2-1))

|Y|=((((ω^4*C2+ω^4*C1)*C3+ω^4*C1*C2)*L1-ω^2*C3-ω^2*C2)*L2+(-ω^2*C3-ω^2*C1)*L1+1)/(ω*L1*((ω^2*C3+ω^2*C2)*L2-1))
=(ω^4*((C2+C1)*C3+C1*C2)*L1*L2-ω^2*(C3+C2)*L2-ω^2(C3+C1)*L1+1)/(ω*L1*(ω^2*(C3+C2)*L2-1))
=(ω^4*((C2+C1)*C3+C1*C2)*L1*L2-ω^2*((C3+C2)*L2+(C3+C1)*L1)+1)/(ω*L1*(ω^2*(C3+C2)*L2-1))

並列共振時にはアドミッタンスが0になるので分子の式が0となる条件

ω^4*((C2+C1)*C3+C1*C2)*L1*L2-ω^2*((C3+C2)*L2+(C3+C1)*L1)+1=0

をωについて解けば良い。

四次の方程式なのでω^2=yと置いて

y^2*((C2+C1)*C3+C1*C2)*L1*L2-ω^2*((C3+C2)*L2+(C3+C1)*L1)+1=0

をyに関する二次の方程式として解けば

ax^2+bx+c=0

の解は

x=(-b±√(b^2-4ac))/2a

の公式を使って

y=((C3+C2)*L2+(C3+C1)*L1±√(((C3+C2)*L2+(C3+C1)*L1)^2-4*((C2+C1)*C3+C1*C2)*L1*L2))/(2*((C2+C1)*C3+C1*C2)*L1*L2)

ω^2=yなので

ω0=√(((C3+C2)*L2+(C3+C1)*L1±√(((C3+C2)*L2+(C3+C1)*L1)^2-4*((C2+C1)*C3+C1*C2)*L1*L2))/(2*((C2+C1)*C3+C1*C2)*L1*L2))

ということになる。

回路の定数をL1=1mH,L2=100uH,C1=1uF,C2=0.1uF,C3=10uFとした時のAC特性をシミュレーションして見ると



確かに2つのピーク(並列共振点)と1つの谷(直列共振点)が現れている。

ちなみに直列共振点はアドミッタンスが∞になる条件(分母が0となる時)

ω*L1*((ω^2*C3+ω^2*C2)*L2-1)=0

をωについて解くと

(%i13) o*L1*(o^2*(C3+C2)*L2-1);
(%o13) o*L1*(o^2*(C3+C2)*L2-1)
(%i14) solve(%,o);
(%o14) [o=-1/sqrt(C3*L2+C2*L2),o=1/sqrt(C3*L2+C2*L2),o=0]

ω>0なので

ω0s=1/sqrt(C3*L2+C2*L2)

これにC3=10uF,C2=0.1uF,L2=0.1mHを代入すると

ω0s=5008 [Hz]

ということでグラフの谷と一致している。

並列共振点は

ω0p=1458 [Hz]
ω0p'=16.5 [KHz]

とこれらも良く一致している。

Maximaで同じようにアドミッタンスのグラフを描いてみても同様の結果が得られる。

webadm
投稿日時: 2008-6-13 10:05
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【28】RC混成回路
次ぎはRC混成回路の問題。



2つのRC並列回路を直列につないだ簡単な回路。問題は周波数を増していった場合にAO間とBO間の電圧の比はどのような値に近づくかと、直流の場合にどのような値に近づくかを導けというもの。

周波数を増していった場合とは、ω=∞の時の電圧の比の極限値を導くことになり、直流の場合はω=0の時の電圧の比の極限値を導けば良いということになる。

AO間とBO間の電圧の比は全体を流れる電流とそれぞれの間のインピーダンスの積になるので

I=|E|/Z

EAO=I*Z1

EBO=I*Z2

Z1=1/(1/R1+jωC1)

Z2=1/(1/R2+jωC2)

従って|E|と|Z|とは無関係になり

EA0/EB0=I*Z1/(I*Z2)
=Z1/Z2
=(1/(1/R1+jωC1))/(1/(1/R2+jωC2))
=(1/R2+jωC2)/(1/R1+jωC1)
=(1/R2+jωC2)*(1/R1-jωC1)/((1/R1+jωC1)*(1/R1-jωC1))
=(1/(R1*R2)-jωC1/R2+jωC2/R1+ω^2*C1*C2)/(1/R1^2+(ωC1)^2)
=(1/(R1*R2)+ω^2*C1*C2-j(ωC1/R2-ωC2/R1))/(1/R1^2+(ωC1)^2)

分子と分母をそれぞれω^2で割ると

EA0/EB0=(1/(ω^2*(R1*R2)+C1*C2-j(C1/(ω*R2)-C2/(ω*R1))/(1/(ω^2*R1^2)+C1^2)

ω=∞となると分母にωがある項は0に限りなく近づくので

EA0/EB0=(0+C1*C2-j(0-0))/(0+C1^2)
=C2/C1

となる。

一方直流の場合は元のEA0/EB0の式でωが乗数となっている項はω=0となることで0となるので

EA0/EB0=(1/(R1*R2)+0-j(0-0))/(1/R1^2+0)
=R1/R2

となる。

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