スレッド表示 | 古いものから | 前のトピック | 次のトピック | 下へ |
投稿者 | スレッド |
---|---|
webadm | 投稿日時: 2010-5-27 3:18 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
4端子定数 次ぎも4端子定数に関する問題。
題意はFパラメータ条件(出力開放:I2=0,出力短絡:E2=0)における未知の回路の解析結果を元に4端子定数を求めよというもの。 既に何度も出てきたFパラメータの定義を知っていればなんのことは無い。 題意では 従って4端子定数は ということになる。 題意ではE2=0の条件でのI1が与えられていないので、直接パラメータDを求めることができないが、線形回路ではAD-BC=1が成り立つので、既に得られているA,B,CからDを割り出すというのがこの問題のミソ。 (続く) |
webadm | 投稿日時: 2010-5-26 15:14 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
T形回路の伝送行列 次ぎも伝送行列の問題。
T形回路の伝送行列を導いて、AD-BC=1であること対称回路ではA=Dが成り立つことを確認し、与えられた回路の伝送行列を求めよというもの。 前問と同様にFパラメータ条件(出力端開放:I2=0,出力端短絡:E2=0)で解析すると 従ってFパラメータは ということになる。 従ってAD-BCは ということになる。 また対称回路ではZ1=Z3となることから ということになる。 以下の回路について伝送行列を求めると を先のF行列に代入すると ということになる。 同様に次ぎの回路も を先のF行列に代入すると ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2010-5-26 14:34 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
伝送行列 次ぎは伝送行列の問題。
以下の基本回路に対する伝送行列を求めよというもの。 伝送行列(F行列)の定義を再掲すると 上記のFパラメータ条件を題意の回路に適用すればよいわけである。 最初の回路の場合端子対2を開放(I2=0)と短絡(E2=0)について調べると この関係をFパラメータの条件式に適用すると ということになる。 二番目の回路の場合端子対2を開放(I2=0)と短絡(E2=0)について調べると この関係をFパラメータの条件式に適用すると ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2010-5-26 11:41 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
アドミッタンスパラメータと4端子定数 次ぎはアドミッタンスパラメータと4端子定数の間の変換式を導く問題。
アドミッタンスパラメータ(Y行列)とはなにか思い出すと 上記の回路で が成り立つことを表す。 一方で4端子対定数(F行列)は 上記の回路で が成り立つことを意味する。 2つの回路ではI2の向きが逆なので注意しながらYパラメータの条件(E2=0,E1=0)をF行列表現の式に適用すると これらの関係からYパラメータは とFパラメータ要素で表される。 同様にFパラメータの条件でFパラメータをYパラメータで書き直しても良いが、上記の関係式をFパラメータに付いて解くと ということになる。 P.S 最初同じ要領でFパラメータをYパラメータで表すことを試みたらどうも結果がおかしいので、先に導いたYパラメータをFパラメータで表した関係から逆に導いたのだが、よく見たら理論の時のFパラメータ条件をI2=0ではなくI1=0と誤記していたのが原因だった。それで矛盾が生じたというわけである。なのでFパラメータの条件(I2=0とE2=0)をYパラメータの回路に当てはめてI2の極性に注意すれば同じ結果が得られるはずである。 あと、線形代数をうまく使って同じ結果が得られると思うのだが、これも読者の課題としよう(´∀` ) P.S 後の問題でここの解を利用したらおかしな結果にしかならないので、良くみたら式の途中で痛恨の転記ミス発見(;´Д`) (2010/05/30) Y-F変換の導出過程でCの最初の式に転記ミスがあったのを今更修正 2012/11/4) |
webadm | 投稿日時: 2010-5-24 17:53 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
ハイブリッドパラメータ 次ぎはハイブリッドパラメータ(H行列)に関する問題。
いきなりエミッタ接地のトランジスタ等価回路ですよ。寝込みそう(;´Д`) 数式モデルというのは慣れてしまうまでが大変で、慣れてもしばらく遠ざかると違和感が復活するというやっかいない代物。よく数学が苦手とかいう人は、その人の中に既に数学があるからだというのは頷ける。その人が納得のいくやり方でやればいいわけで。そういう自由は本来数学にもあるはず。先人の見方や考え方にその人がシンクロできないだけで、時間はかかるけど自分でゼロから考え直してもいいはず。学校だと時間制限があるからそうはいかないけど、独学なら許される。 そういう意味では既存のテキストで独学するには、どうしてもそれを書いた人や最初にそれを考えた人の思考回路のコピーを自分の頭の中に作り上げる必要があるわけで、これが苦痛なだけ。 なんの話しだったっけ。ああ、トランジスタ等価回路ね。 とりあえず問題の意味を自分なりにゼロから考え直してみよう。 1959年に出版されたドイツの理論電気学の教科書にも二端子対回路(Hパラメータ)でトランジスタの等価回路が既に説明されている。この当時既にPNPやNPNトランジスタ、ベース接地やエミッタ接地回路などが知られていた。それ以前には真空管があったわけだがトランジスタとは動作が異なるので別のモデルをこしらえる必要があったのは自明である。 今時真空管から考える人は居ないので、歴史的な経緯をすっ飛ばしてトランジスタから入るわけである。 バイポーラトランジスタの場合、図の様にエミッタ接地回路の場合はベース電流(Ib)に比例してコレクタ電流(Ic)が増大する電流増幅効果を発揮する。しかしながら能動素子と称しながらもトランジスタは電圧をかけないと何の機能もしない。従って回路上は入力及び出力端子対ともに電源が必要である。やっかいなことにバイポーラトランジスタは印可する電圧や流れる電流によって特性が変わる非線形素子である。従って予め与えられた動作点(電圧と電流)の近傍でのみ小信号を扱う限り線形素子と見なせる。そうした前提条件の上にトランジスタ等価回路を考えることになる。 真空管もトランジスタも動作させるにはバイアス電圧を印可してある程度バイアス電流が流れている動作点でないと線形動作を得ることができない。それには以下の図にあるように出力を電圧として取り出すために負荷抵抗を電源と直列に接続して増幅された電流変化を電圧に変換する必要がある。 これである程度解析に必要な数式モデルは立てられるが問題がある。実際に二端子対回路として縦続接続したり並列接続すると動作点(バイアス電圧やバイアス電流)が変化してしまう。 この場合には二端子対回路の時に学んだ通りに、以下の通り理想変成器を端子対に挿入することでトランジスタの動作点を一定に保ったまま外部回路と自在に接続できる。ただしDC領域と周波数領域の振る舞いは対象外とする。入力と出力は供に動作範囲内の周波数スペクトルのみを持つ交流信号に限定される。 理想変成器を挿入することで直流的にはアイソレートされているが交流的には直結と見なせる都合の良いモデルが得られる。 これが題意の等価回路の意味するところであるが、T形回路になっている点とかの理由についてはここでは詳しく触れない。実際に自分の手でトランジスタの動作特性を実験で観測し電子回路や半導体素子理論を学ぶことをお勧めする。トランジスタそのものは当初理論的に意図して作られた素子ではなく、偶然他の目的の素子(三極ダイオード)を実験中に観測された現象である。現象を説明するためや意図した性能を備えた素子を作るために後追いで理論が構築された歴史的経緯がある。これはトランジスタに限らずよくあることなのだが。 上記の等価回路では入力端子対の電流I1(ベース電流:Ib)に相互レジスタンス(rm)に比例した内部の等価電源の起電力が発生し出力端子対に電圧が発生する。出力端子対に外部回路を負荷として接続するとループを形成して出力端子対の電流I2(コレクタ電流:Ic)が決まることになる。 そこでこの等価回路のハイブリッドパラメータを導いてみることにする。 ハイブリッド行列で上記の二端子対回路を表すとすれば EbとIb,Ecの関係は回路より重ね合わせの理で 同様にIcとIb,Ecの関係も重ね合わせの理で 従ってハイブリッド行列表記では ということになる。 有効性うんぬんについては先に触れた通りに ・理想変圧器を必要とするので現実の回路の設計には使えない ・直流増幅器やレベルシフト回路には使えない という具合に悪口ばっかり目立ってしまう。それでも有効性としてあげれば ・動作点やバイアスは内部で閉じているので外部では配慮する必要がない ・トランジスタを使用する上での動作点やバイアスに関する回路内部の設計と外部インタフェース仕様を分離して考えることができる などがあげられる。 先の欠点は、理想変圧器の代わりに直流をブロックし交流信号だけ通過させるカップリングコンデンサを端子対に挿入する方法で緩和することが古くから行われている。よくトランジスタの初歩の回路に登場するやつである。実際オーディオ帯域の交流信号ではうまくゆく。回路の意味については一般のトランジスタ回路の参考書に譲る。 しかし理想変圧器と違ってキャパシタンスを用いる関係上、周波数が低くなるとインピーダンスが高くなり交流信号が流れにくくなる。低域で利得を落とさないためにはできるだけ容量の大きなコンデンサを使う必要があるが、これがオーディオアンプでは災いの元である。安易に非線形特性(電圧係数や誘電体吸収)が大きいコンデンサをカップリング用に使用すると、信号が歪んでしまうことになる。所謂忠実度が低下するというやつである。 それと定常状態では理論上はうまくいっても電源投入直後は充電電流が流れ込むためにトランジスタが一辺にオンして、オーディオパワーアンプでは異常な出力が出てスピーカーが破れてしまうことになりかねない。この過渡現象の問題は定常状態だけ考えていてもどうにもならないので、高級なオーディオアンプは電源投入直後は出力をミュートするなどなんらかの回避策が施されている。 それと依然として直流増幅はできない。例えば微少な直流電圧を測定するような電圧計を作ろうとした場合、直流をブロックしてしまってはなんにもならない。これにはやはり別途DC領域まで対応した回路を考える必要がある。 またトランジスタが登場した直後から既に集積回路への応用もはじまっていた。しかしながら、オーディオアンプを集積回路化しようとした場合、カップリングコンデンサを含んだ個別部品で組んでいた増幅回路をそのままシリコンダイ上に載せることは不可能である。なぜなら集積回路上には大容量のコンデンサを実装することができないからである。集積回路では個別部品による増幅回路の設計がまったく通用しない。これも直流的に結合した回路を考えないといけなくなる。 ということで、基礎的な理論を理解をする上ではシンプルで扱い易く都合が良いものの、実務ではhパラメータはほとんど使う機会は無いということになる。 まあそういうことが解っただけでももうけものである。 |
webadm | 投稿日時: 2010-5-23 17:58 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
Zobel変換 次ぎの問題は今まで登場してきたT形回路とπ形回路をそれぞれ等価変換(Zobel変換)する問題。ただしL1C1=L2C3が成り立つものとする。
これも以前の問題の結果を利用して著者とは別解でやってみよう。 最初に見通しがよくなるようにT形回路とπ形回路を以下のように表す。 T形回路のインピーダンス行列は以前の問題の解より 同様にπ形回路のアドミッタンス行列も以前の問題の解より 一方各回路をそれぞれのパラメータで表すと 次にT形回路のアドミッタンス行列をZ1,Z2,Z3で表すと 従ってπ形回路のYa,Yb,Ycを等価なT形回路のZ1,Z2,Z3で表すと ここで題意よりT形回路のZ1,Z2,Z3は これを先のYa,Yb,Ycの式にそれぞれ代入するとL1C1=L2C3が成り立つ場合 従って等価なπ形回路は ということになる。 今度は逆にπ形回路のインピーダンス行列をYa,Yb,Ycで表すと 従ってT形回路のインピーダンスZ1,Z2,Z3をπ形回路のYa,Yb,Ycで表すと 題意よりπ形回路のYa,Yb,Ycは これを先のZ1,Z2,Z3の式に代入するとL1C1=L2C3が成り立つ場合 ということになる。 ちなみにC'3の値が著者の解答とは違っているが、こちらが正しい。著者の解はL2/L1をL1/L2と転記ミスしている。 それぞれ回路図に表すと と言う結果になる。 P.S. ふう、ほとんどが計算で大変だった。最初T形回路とπ形回路の素子定数の添字を一緒にして混乱したので、改めてπ形回路由来はa,b,cでT形回路由来は1,2,3とした。途中の式の操作はMaximaを使って確認するも、入力ミスがあったりして更に頭が混乱してしまった。最後に著者の解答に驚愕の誤記があるというどんでん返しで寝込むかと思った。結局CならCだけから、LならLだけから成るように式を整えるのは人間が意図的にやらないとどうしようもなかった。 そういえばZobel変換というのは検索してもまったくひっかからない。おそらくΔ-Y等価変換と同じだと思われるが、Valkenburgによると1899年に既にA.E.KennelyがElectric World and Engineering誌の記事"The equivalence of triangles and three-point stars in conducting networks"で示しているのでZobel由来と言う人はほとんど居ないのだろう。Zobelが二端子対回路で同じことを示したのはそれからずっと後のことだし。 |
webadm | 投稿日時: 2010-5-23 17:20 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
π形回路 次ぎは基本のπ形回路のアドミッタンスパラメータを求める問題。
ストラテジーとして前の問題で出てきたような以下の2つの二端子対回路が並列接続されたものと等価であると考える この回路のアドミッタンスパラメータは以前の問題の解より これも以前の問題の解より 従って上記2つの二端子対回路を並列接続した時のアドミッタンス行列は ということになる。 なんだ簡単じゃないか(´∀` ) |
webadm | 投稿日時: 2010-5-23 16:33 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
続:T形回路 次ぎは前問の応用問題。と書いてしまうとネタバレなのだが、もともとそうなのだから良しとしよう。
以下の回路のインピーダンスパラメータを求めよというもの。 まともに回路解析すると大変だが、よく見ると前問のT形回路とZ1,Z2,Z3をそれぞれ以下の様に置けば等価である。 従ってインピーダンスパラメータは ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2010-5-23 16:25 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
T形回路 次ぎは少し複雑だが基本的なT形回路のインピーダンス行列とアドミッタンス行列を求める問題。
重ね合わせの理で回路方程式をたてると 従ってインピーダンス行列で表すと ということになる。これには逆行列があり、アドミッタンス行列は ということになる。 |
webadm | 投稿日時: 2010-5-23 10:12 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3095 |
インピーダンス行列とアドミッタンス行列 次ぎは以下に示す回路のインピーダンス行列とアドミッタンス行列を求めよという問題。
2つの端子対は内部でストレートで結ばれていてインピーダンスZだけのshunt回路。 端子対に流れる電流I1,I2はそれぞれ独立で、端子対の電圧E1,E2は常に同一でI1,I2とZによって以下の通り定まる 従ってインピーダンス行列で表すと ということになる。 アドミッタンス行列はインピーダンスの逆行列なので、それで求めようとすると、この回路のインピーダンス行列は行列式の値が0となってしまうので逆行列が存在しない。 というのも先に書いた通りに、E1,E2は独立な値は取り得ない(端子同士が内部で直結しているので常に同じ電圧しか取り得ない)ためだ。敢えて関係式を書くとすると 強いて行列表現すれば しかしこれも逆行列は存在しない。 以下の表現は一見すると逆行列を持ちそうにみえるが しかしこの逆行列は先に導いたインピーダンス行列とは異なる。 従ってこの回路にはインピーダンス行列と等価なアドミッタンス行列は存在しないということになる。 次ぎは端子対間の一方にインピーダンスZが直列に挿入されている回路。 一つの閉ループしか存在しないのでI1,I2が一次独立では無い時点で破綻している。ちょうど前の設問の逆である。 一方アドミッタンス行列としてはE1,E2は独立なので重ね合わせの理で という関係が成り立ち、行列で表すと ということになる。これも逆行列は存在しない。 最後の回路はE1,E2,I1,I2とも独立だが、E1,I1とE2,I2の間にまったく線形的な結合が無い。従って という関係が成り立ち、インピーダンス行列で表すと ということになる。これは逆行列であるアドミッタンス行列が存在し ということになる。 |
« 1 ... 3 4 5 (6) 7 » |
スレッド表示 | 古いものから | 前のトピック | 次のトピック | トップ |
投稿するにはまず登録を | |