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webadm
投稿日時: 2012-8-2 22:14
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
相互誘導回路
だいぶ前問で足止めされてしまったが、先へ進もう。

今度は相互誘導回路の過渡現象解析。

以下の回路の一次側にe=Em sin(ωt+θ)なる電圧をt=0で加えた場合、解法されている二次側に誘起される電圧e2を求めよ。



これは以下等価回路に置き換えて考えることができる



以下の関係式が成り立つ



これをHeaviside演算子とベクトルで書き直すと



これを演算子法で解くと



ということになる。

ちなみに著者の解は、図にあるL1を最初から最後までLと誤記している。L2は最初から念頭になかったのだろう。

P.S

式から明らかのように、θ-φ=0、すなわちθ=φとすれば過渡項は消滅し定常解と同じになる。つまり、電源を入れたときのぶーんというソレノイド音を無くすことができる(コイルに流れる最大電流を定常時と同じに押さえることができる)。
webadm
投稿日時: 2012-8-4 14:52
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
続:相互誘導回路
次も相互誘導回路の問題。少し捻ってある。

相互誘導回路の一次側に一定の正弦波電圧eが加わっているとき、二次側のスイッチを急に短絡する。短絡時の電圧の瞬時値が(1)最大(2)0であるときの、それぞれの場合の電流の最大値を比較せよ。



というもの。

問題文が曖昧だが、短絡時の電圧の瞬時値というのが、電源電圧eであると解釈し、同時に電流というのは二次側の電流を指していると解釈しよう。

これも以下の等価回路で考えるのがよさそうである。



一次側はずっと電源がつながれたままの状態であるため、スイッチをONするまで十分な時間が経過していると考えてよく、定常状態でスイッチをON条件を満たした時刻をt=0と考えるのがよさそうである。

t=0でスイッチを短絡した場合以下の関係式が成り立つ



これをHeaviside演算子とベクトルで書き直すと



これを演算子法で解くと



ということになる。

ここでt=0で電源電圧が(1)最大になる条件はθ=π/2であるので、スイッチに流れる電流i2は



従って、i2が最大値をとるのは、sin(ωt)=1の時(t=π/2)で



ということになる。

一方、t=0で電源電圧eが(2)0となる条件はθ=0であるので、スイッチに流れる電流i2は



従って、i2が最大値を取るのはcos(ωt)=-1となるt=πで



ということになる。つまり電源電圧が最大値でスイッチを閉じる場合と比べ、電源電圧eが0でスイッチを閉じる方が最大電流が2倍になるという驚愕の事実が明らかとなる。

著者の解は、(1)と(2)のそれぞれについて初期値問題としてi2を解いて最大電流を求めている。なお、著者の立式ではi2の方向が回路図に示された矢印とは逆方向になっている点に注意。

演算子法なら初期条件は最初から与えられているので、後は代数的に係数を置き換えればよいことになる。
webadm
投稿日時: 2012-8-4 17:55
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
続々:相互誘導回路
次も相互誘導回路の問題。

相互インダクタンスMで結合されている回路がある。いまt=0で一次側に電圧e=Em sin(ωt+θ)を加えた。一次側および二次側を流れる電流i1,i2を求めよ。



というもの。

これも以下の等価回路で考える。



スイッチを閉じた状態で以下の関係式が成り立つ



これをHeaviside演算子とベクトルで書き直すと



これを演算子法で解くと



ということになる。

著者の解は以前の問題と同様に定常解を交流回路の定常解析手法で求め、解の一歩手前を確認した後、過渡解を常微分方程式の一般解の公式から連立方程式をたてて解いている。しかし回路図中にあるRは何故かR1として登場している点に注意。

演算子法を使うとストレートに解が得られることが確認できた。

P.S

これもθ-φ=0すなわちθ=φとなるようにスイッチ投入タイミングを決めれば過渡項は消滅し、定常状態と同じとなることが判る。
webadm
投稿日時: 2012-8-6 12:08
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
線型性
残すところあと数問。ここから先はここから先への発展性(電子回路とかへ向けて)を考えた著者の意図が現れている問題。

キャパシタンスCの初期電圧E0であるとき、RLC直列回路に電圧e(t)を加えたときに流れる電流をi(t)とすと、一般には次の関係がある。この回路が線型であるためにはどのような条件が必要か。



というもの。

いきなり数学的な命題が現れてとまどうかもしれない。ここまでは一貫して線型受動素子からなる回路を前提としてきたので、今になって線型性うんぬんの問題が出るとは予想もしなかった。

線型性とはなんだったのかを思い出す必要がある。

まず最初に思い浮かぶのは、重ね合わせの理が成り立つということである。

あとひとつは相反性があるということ。

これはいずれも回路が線型であることから導かれるのだが、線型性とは一般に写像に関して

・加法性
・同次性

が成り立つことを意味する。同次性は実は加法性から導かれるので、加法性(重ね合わせの理)が成り立てば線型と言える。

問題の回路にe1(t)とe2(t)をそれぞれ独立に加えた場合に流れる電流をi1(t),i2(t)とすると、e(t)=e1(t)+e2(t)を加えた場合に、流れる電流はi(t)=i1(t)+i2(t)となれば線型であると言える。

電圧e1(t)を加えた際の素子定数をそれぞれL1,C1,R1とし、e2(t)を加えた際の素子定数をL2,C2,R2とすると、題意により以下の関係が成り立つ



従って線型であれば以下の関係が成り立つ



従って、上記が成り立つにはL1=L2=L,C1=C2=L,R1=R2=R,E01=E02=E0=0でなければならない。

すなわち素子定数L,C,Rが条件によらず常に一定の定数でキャパシタンスの初期電圧が0であるとき、かつそのときに限り線型である。

この問題で著者が言わんとしているのは

・現実の電気回路は線型ではない(キャパシタンスには初期電荷がある、素子定数は動作条件によって大なり小なり変化する)
・電子回路は線型ではない(能動素子の特性は動作条件によって大きく変化する)

高い周波数の交流を扱う高周波回路も集中定数回路としては扱えなくなるので、ある意味線型ではない。
webadm
投稿日時: 2012-8-7 22:41
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
非線型素子回路
次はちょっと難しい非線型素子を伴った回路の問題。

図の様な回路に最初に電流Iが流れているものとし、スイッチを開いて抵抗Rに切り替えるものとする。スイッチを切り換えてから抵抗Rを流れる電流が0となるまでの時間を求めよ。ただし、この抵抗を流れる電流と抵抗値Rの関係は次式で与えられるものとする。

(K,aは正の実数)



というもの。

いかにも回路図が手抜きすぎるので、以下のように定電流源を使って現実的な回路で考えることにする。



スイッチを閉じている間は電流Iが流れていて、スイッチが開くと、Lに蓄えられたエネルギーがRに流れ込むことになる。それまでは定常状態であると考えればLにのみ電流Iが流れ、Rには電流が流れていなかったということになる。

とここまではいいが、問題は抵抗Rとそこに流れる電流の奇妙な関係式が与えられていることである。抵抗Rは流れる電流が大きくなればなるほど小さくなり、電流が小さくなると大きくなる。

スイッチを開いた後以下の関係が成り立つ



一見すると非線形微分方程式のように見えるが、これは有名なBernoulliの微分方程式の一種であり、意図的に一階定係数微分方程式に書き直すことが出来る。



と置いて両辺をtで微分すると



先の微分方程式の両辺にi(t)^(a-1)を乗じると



これは変数分離形の一階定数係数微分方程式となるので



両辺をそれぞれ積分すると



未定積分定数Cは初期条件t=0でi(0)=Iを与えると



従って微分方程式の特解は



ということになる。これは無理に陽関数の形にしなくてもよい。題意で問われているのは、電流iが0になるtである。

t=Tの時にi(T)=0となるためには



が成り立たなければならないのでTに関して解くと



ということになる。

Bernoulliの方程式とわかれば話しは早い。そうでなく強引になんでも演算子法でやろうとしたら躓く。ちなみに演算子法でこれを解く方法はやはり変数変換し初期磁束が右辺に現れる積分方程式の形に書き直す必要がある。これは演算子法が意図するストレートな解法からは大分遠回りな道になる。読者の課題としよう( ´∀`)

P.S

この微分方程式の解である電流は確かにt=Tで0になるが、それ以降はどうなるのだろうか?

べき根の中が負になるので複素数になってしまうのだが...

もし現実にこの回路を作ったら流れる電流はt>Tでどうなるのだろうか?

こういうあまのじゃく抵抗は能動素子を使うと出来そうであるが、その場合、回路に流れる電流が複素数になるということは何を意味するのだろうか?

ああ、わがんね(´Д`;)

そうだ読者の課題としよう( ´∀`)
webadm
投稿日時: 2012-8-8 0:30
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
微分回路
次の問題は微分回路に関するもの。

以下のRL直列回路の時定数τ=L/Rが十分に小さいときは、この回路は微分回路となることを示せ。



というもの。

以下の関係式が成り立つ



第一の両辺をRで割り、L/R→0と極限操作を行うと



両辺をtで微分すると



これを最初の第二式に代入するとe2は



ということになり、e2はe1の微分に比例することになる。
webadm
投稿日時: 2012-8-11 11:51
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
積分回路
次は積分回路に関する問題。

以下のRC直列回路の時定数τ=RCが十分大きいときは、この回路は積分回路になることを示せ。



というもの。

以下の関係が成り立つ



第一式の両辺をRで割って極限をとると



これを第二式に代入してe2について解くと



ということになる。

従ってRCが十分大きいとe2はe1の積分に比例することになる。
webadm
投稿日時: 2012-8-11 13:35
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
パルス回路
残りあと3問である。がんばらないように続けよう。

次の問題はパルス回路設計ごっこみたいなもの。

図(a)のようなRC回路に、図(b)のような継続時間T,電圧Eなる単一パルスを入力すると、出力には図(c)のような波形eが現れるが、このとき図中のサグ(sag)をx[%]以下にするには時定数τ=RCをどのように選べばよいか。



というもの。

Cの初期電荷が0とすると、パルスが加わった瞬間はCの両端の電圧は0のため入力電圧がそのままRに加わり、出力に出てくる。その後Rに電流が流れるについれCに電荷が溜まり、Cの両端の電圧が上昇する、それに伴って入力電圧はCとRとで分圧され出力電圧は目減りしていき0に近づいていく。その前に入力電圧が0になるので、今度はCに蓄えられた電荷が放出され逆向きの電流が流れる。電荷を放出するにつれCの両端の電圧は0に近づくにつれ、電流も0に近づいていく。

サグ(sag)の定義があいまいだが、パルス入力開始時の出力電圧e(0)と終了時の出力電圧e(t)の差のパルス入力開始時の出力電圧e(0)に占める割合(百分率)としよう。

ストラテジーとしては、パルス入力を加えてからT秒後の出力電圧e(T)を求め、e(0)との差分e(0)-e(T)を求め、それをe(0)で割った百分率としてx[%]を求める。xの関係式から時定数RCの関係式を導く。

e(T)を求めるには厳密に過渡解を求める必要はなく、RC直列回路に電圧Eをステップ入力した際のT秒後のRの両端の電圧を求めればよい

以下の関係が成り立つ



これをHeaviside演算子とベクトルで書き直すと



これを演算子法で解くと



ということになる。

従ってt=Tの出力電圧は



ということになる。

従って、サグは



ということになる。

CRがより大きくなれば、xはより小さくなるのが直感的にわかる。

従ってサグがxになる境界条件は上の式をCRについて解けば良く



CRがこれ以上の値であればサグはx[%]以下になるので



ということになる。

どうも不等式が不慣れなので、直感に頼ってしまったが、著者のように最初から不等式で表すのが数学的かもしれない。でも判り難いことはこの上ない。
webadm
投稿日時: 2012-8-11 14:00
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
交流ブリッジ回路
あと残り2問である。カウントダウン開始。

次は交流ブリッジに関する問題。

以下のブリッジ回路でt=0でスイッチを閉じたときキャパシタンスCを流れる電流iをTheveninの定理を用いて解け



というもの。

普通のブリッジ回路なので回路方程式をたてて解けばいいのだがTheveninの定理を使わなければならないとある。

最初にTheveninの定理を思い出す必要がある。Theveninの定理は出力端の開放電圧と短絡電流が既知の回路網を等価電圧源e0と内部インピーダンスZ0が直列に接続された等価電圧源回路に置き換えることができるというもので。その等価電圧源回路を用いて出力端に負荷Zを接続した場合に流れる電流を簡単に求められる。

問題のブリッジ回路もRC直列回路のブリッジ部分を負荷とした等価電圧源回路に置き換えることができる。

それにはまず出力端の開放電圧(等価電圧源e0)と内部インピーダンスZ0を求める必要がある。

出力端の開放電圧はR1とR3の直列回路による分圧と、R2とR4の直列回路の分圧の差になるので



ということになる。

一方内部インピーダンスZ0は電圧源を短絡した場合の出力端から見たインピーダンスであるので、R1とR3の並列回路とR2とR4の並列回路を直列接続したものと等価である。



従って問題のブリッジ回路は以下の回路と等価である



なるほどこれなら簡単である。

以下の関係式が成り立つ



これをHeaviside演算子を使って作用素方程式に書き直すと



これを演算子法で解くと




ということになる。

電圧源の極性のとりかたによって解の極性が異なる。

なお著者の解は過渡項にもあるはずの共通係数(R1R4-R2R4)が抜けてしまっており、おそらく括弧でくくるのを忘れてしまった誤記であると思われるので注意しておく。
webadm
投稿日時: 2012-8-11 18:28
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 2958
最後のRL直列回路
いよいよ最終問である、やっとここまできたよ(ノД`)ママン

RL直列回路にe=Em t e^-atなる電圧を加えるとき流れる電流iを求めよ

というもの。

今までのRL直列回路の過渡解析と異なるのは、入力電圧がちょっと変わった関数で与えられている点である。

以下の関係が成り立つ



これをHeaviside演算子と作用素方程式で書き直すと



これを演算子法で解くと



ということになる。

この問題ではt e^{-at}をp^2/(p+a)^2に置き換えて部分分数に分解しようとすると重根があるので展開定理が使えない。かつてこの問題はそれを理解するためのものであったと思われるが、演算子法の時代では無くなってしまって意味が薄らいでいる。

さて次の章に進む前に一度Heavisideの演算子法について別途まとめておく機会を設けることにしよう。この問題のように注意点が必要だが、三角関数、双曲線関数、指数関数の各種公式を活用する良い練習になるし、それ以上の数学の知識も要求しないため今でも有用である。ただ学校によってはもう教えないところもあるので、教えない方法で試験答案を出したら点数がもらえるかどうかは定かではない。一応初等的な微分方程式の解法はぜんぶ押さえておいたほうがよい。

これにて過渡現象の演習問題を終了。
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