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webadm | 投稿日時: 2024-2-23 10:25 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3090 |
n重同心球殻 互いに絶縁された半径r1,r2,...,rn(r1<r2<...<rn)のn個の同心球殻があり、各球殻に電荷Q1,Q2,...,Qnを与えた場合の各球殻の電位V1,V2,...,Vnを求めよ。
これは最初の二重同心球殻問題を一般化したものだな。 予め各球殻には最も中心に近いものから順にQ1,Q2,Q3,...,Qnの電荷が帯電していて、球殻の半径はr1,r2,r3,...,rnという具合になっている場合、 (1) 最も中心に近い球殻の内部の電界は0 (2) 球殻の隣接するすぐ外側の球殻には静電誘導によって内面には内球の逆極性の電荷が表面にはそれを打ち消す内球と同じ電荷が加わる (3)上記の連鎖で最も外側の外球には全内球に予め与えられていた電荷の総和の逆極性の電荷が、表面には全内球に予め与えられていた電荷の総和が静電誘導で加わる ということになる。 問題は各球殻の電位を求めよという点。 電界なら各球殻表面の電荷から決定できるけど、電位はどうすんだ? 電界を積分すると無限遠点の電位が積分定数として出てきてしまうし。 幸いにして一番外側の球殻が作り出す電界は表面からの距離の二乗に反比例するので無限遠の距離では電界は0となり、表面の電位は表面の電荷で決まる。 一番外側の球殻の電位が既知となれば隣接する内側の球殻との電位差は内側の球殻の電荷と距離によって定まるので、外側の球殻の電位から電位差を差し引けば隣接する内側の球殻の電位となる。 上記を順次内側の球殻に関して電位を計算し、最終的に中心に一番近い球殻表面の電位が求められる。 それを式で整理すると、 同じように隣接する内球殻の電位は、 ということになる。 従って任意のn重同心球殻の各球殻電位は、 ということになる。 ここでは前節の電界の強さと電位の解説に出てきた、電界内の2点間の電位差の考え方、 を思い出す必要があった。 P.S 前節を読み返すと初版と最新版とでは数式の記述が等価ながらまったく異なっていることが判明。最新版は平易な記号と表現を使用するように改訂されているのがわかる。 |
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