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投稿者 スレッド
webadm
投稿日時: 2008-9-27 15:31
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
回路網解析と基本諸定理
さてPoorman's MSM5524プロジェクトが一段落したので(うそ)、いよいよ回路網解析と基本諸定理を学ぶことに。

やっとここまでたどり着いた。このペースだと年内に上巻を終えるのがやっとかも。下巻をやって、それから電磁気学をやるとするとあと何年かかるんだ。大学の電気電子科のカリキュラムを拝見するとこれだけじゃないんだよね、4年間に授業受けるの。全部マスターしたらかなりのものなんだけど、みんな単位取るのが精一杯だよきっと。

それでも電気理論の基礎と電磁気学はマスターした方が良いね。理解すると楽しいし、知識がつながっていくというのと、理論を積み上げてきた先駆者と血脈でつながることになるし。

いままで学んできたのは電気理論の最も底辺で、こっから先を学んで実務に生かすための下準備みたいなもの。特に電気回路設計や電子回路設計、それから高周波回路設計とかやる人には、ここまではしっかりマスターするのと、こっから先の回路網解析の理論を頭にたたき込まないと複数の素子が絡み合ったネットリストのような回路の解析や設計が困難。

もちろん実際の回路素子はこれまで学んだオームの法則やキルヒホッフの法則が適用できるのはごく限られた条件下のみ。現実の素子は抵抗やコンデンサ、コイルのような受動素子でも動作条件によって定数が変化する非線形特性を持っている。また温度係数も厳密に言えば非線形特性である。従って本当に現実の動作を予測するにはそうした非線形特性を考慮しないといけないが、ある限られて条件下では定数は一定であると見なすことができる。これを利用して理想的な条件下での回路解析や設計を行うことが可能であるため有用である。

これまでも一部の理論や演習問題で回路方程式というのをたててそれを解くことで回路の各部位に流れる電流や電圧を求めることができた。例えば、ブリッジ回路に流れる電流を求める場合、



図の様な枝電流法で回路方程式をたてて、未知の電流I1, I2, Igに関する3元連立方程式をたてた。また、それは行列でも表すことも出来ることを知っている。各連立方程式のI1, I2, Igに関する係数の行列をZ、電流I1, I2, Igの行列をIそして右辺の電圧の行列をEとそれぞれ置くと連立方程式は一つの式で表すことができる。

Z*I=E

これはオームの法則の式でありキルヒホッフの法則の式に他ならない。これはどんなに素子が多い複雑な回路でも同じである。

素人考えで見れば、回路に流れる電流は上の式の両辺をZで割れば

I=E/Z

と求めることが出来るのではないかと思える。

しかしある行列を別の行列で割った結果がどうなるかを知らないとどうにもならない。

ここで数学をおさらいする必要が出てくる。著者は既にこれ以前の段階で演習問題のいくつかで行列式を使った連立方程式の解法として知られるクランメールの公式を使っている。大学とかのカリキュラムでは行列と行列式で必ず学ぶ定理であり、それを扱う線形代数も初学年から教わっているということが前提である。

しかしながら今更数学の教科書を開いて線形代数の最初から学ぶと大変な壁にぶつかる。線形代数は様々な代数の概念で四則演算がどう扱われるかやどういう性質を持つかを集大成したものなのでその証明方法とかは数学的に厳密すぎてわけがわからない。時間があったら数学の基礎からやるとして、ここではとりあえず公式の意味をいつでも思い出せるように簡単に理解しておこう。後にデジタル信号処理とかの研究に進む人は線形代数やその応用数学分野についても学ぶ必要がある。なにせデジタル信号処理は数値計算で信号を扱うので量子化誤差は伴うものの完璧に線形であり、非線形性なアナログ電子回路で処理するよりも理想に近い。

アナログ電子回路や高周波回路の動作を解析したり設計するには線形代数を土台とした回路網理論の理解と活用能力が不可欠である。

さて話をクランメールの公式の話に戻すと。行列で表した回路方程式を解くために両辺をZで割れば良いというのは思いついたが、そっから先はどうすればよいか。

ある行列Aの逆数を線形代数では逆行列と呼び

1/A=A^-1

と表される。元の行列にその逆行列を乗じると当然ながら結果は単位行列になる。

A*A^-1=U

単位行列とは行列の列と行が等しい要素がすべて1でそれ以外は0の行列である。単位行列に任意の行列Aを乗じても結果はAであるという性質を持つ。

U=([1, 0 , 0], [0, 1, 0], [0, 0, 1])

従って先の方程式で行列Zで両辺を割ったのは、両辺にZの逆行列を掛けたことと同じことであると言える。

Z^-1*Z*I=Z^-1*E

U*I=Z^-1*E

I=Z^-1*E

またZ^-1はちょうどインピーダンスの逆数であるアドミッタンスと相似なのでYとすると

Z^-1=Y

I=Y*E

と表すことができる。これもまたオームの法則でありキルヒホッフの法則である。

ここで実際に最初の回路方程式を解いてみよう。

(%i1) e1:Z1*I1+Z3*(I1-Ig)=E;
(%o1) (I1-Ig)*Z3+I1*Z1=E
(%i2) e2:Z2*I2+Z4*(I2+Ig)=E;
(%o2) (I2+Ig)*Z4+I2*Z2=E
(%i3) e3:Z1*I1+Z4*(I2+Ig)=E;
(%o3) (I2+Ig)*Z4+I1*Z1=E
(%i4) solve([e1,e2,e3],[I1,I2,Ig]);
(%o4) [[I1=(E*Z2*Z4+E*Z2*Z3)/(Z3*(Z1*(Z4+Z2)+Z2*Z4)+Z1*Z2*Z4),I2=(E*Z1*Z4+E*Z1*Z3)/(Z3*(Z1*(Z4+Z2)+Z2*Z4)+Z1*Z2*Z4),Ig=
(E*Z2*Z3-E*Z1*Z4)/(Z3*(Z1*(Z4+Z2)+Z2*Z4)+Z1*Z2*Z4)]]
(%i5) factor(%);
(%o5) [[I1=(E*Z2*(Z4+Z3))/(Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3),I2=(E*Z1*(Z4+Z3))/(Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3),Ig=-
(E*(Z1*Z4-Z2*Z3))/(Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3)]]

従って

I1=E*Z2*(Z4+Z3)/(Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3)

I2=E*Z1*(Z4+Z3)/(Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3)

Ig=E*(Z1*Z4-Z2*Z3)/(Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3)

どれも共通の分母

Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3

を伴っている。実はこれは行列Zの行列式|Z|である。

(%i11) z: matrix ([Z1+Z3, 0, -Z3],[0, Z2+Z4, Z4],[Z1, Z4, Z4]);
(%o11) matrix([Z3+Z1,0,-Z3],[0,Z4+Z2,Z4],[Z1,Z4,Z4])
(%i12) determinant(z);
(%o12) (Z3+Z1)*(Z4*(Z4+Z2)-Z4^2)+Z1*Z3*(Z4+Z2)
(%i13) factor(%);
(%o13) Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3

|Z|=Z2*Z3*Z4+Z1*Z3*Z4+Z1*Z2*Z4+Z1*Z2*Z3

従って

I1=E*Z2*(Z4+Z3)/|Z|

I2=E*Z1*(Z4+Z3)/|Z|

Ig=E*(Z1*Z4-Z2*Z3)/|Z|

と書き直すことが出来る。従ってY

Y=(Z2*(Z4+Z3)/|Z|, Z1*(Z4+Z3)/|Z|, (Z1*Z4-Z2*Z3)/|Z|)
=(1/|Z|)*(Z2*(Z4+Z3), Z1*(Z4+Z3), Z1*Z4-Z2*Z3)

と表すことが出来る。


これは行列式|Z|のi行j列の余因子を|Zij|とした場合、

Y=(1/|Z|)*(|Z11|+|Z12|+|Z13|, |Z21|+|Z22|+|Z23|,|Z31|+|Z32|+|Z33|)

である。

すなわち回路方程式は

I=Y*E
=(1/|Z|)*([|Z11|,|Z12|,|Z13|],[|Z21|,|Z22|,|Z23|],[|Z31|,|Z32|,|Z33|])*E

Y=(1/|Z|)*([|Z11|,|Z12|,|Z13|],[|Z21|,|Z22|,|Z23|],[|Z31|,|Z32|,|Z33|])

で表される。([|Zk1|,|Zk2|,|Zk3|])*Eはそれぞれ行列式|Z|のk列の余因子Zkなので、各行列のk列に対して


Ik=(1/|Z|)*|Zk|*Ek

が成り立つことになる。少々強引だがこれがクランメールの公式による回路方程式の解法である。これによればどんなに複雑な回路でも同じように扱うことが出来て同じように解けることを意味する。

回路網理論では、行列Zをインピーダンス行列、その逆数であるYをアドミッタンス行列と呼ぶ。

ここまではこれまで扱って来た回路解析の集大成である。これからはこの考えに基づいて、更に一般化した回路網について共通に適用できる定理を学んでいくことになる。

P.S

逆行列を求める別方法には行列の掃き出し法がある。これはZの逆行列をZ^-1、Zと同じ大きさの単位行列をUとした場合

Z^-1*(Z|U)
=(Z^-1*Z|Z^-1*U)
=(U|Z^-1)

という性質を利用し、元の行列Zと単位行列Uをつなぎ合わせた行列に対して元の行列部分が単位行列になるように吐き出し操作を行えば残りの行列部分が逆行列になるというもの。

例えば

Z=([Z11,Z12],[Z21,Z22])

とした場合

Z|U
=([Z11,Z12,1,0],
[Z21,Z22,0,1])

これをZ11,Z12,Z21,Z22部分がそれぞれ1,0,0,1になるように操作するには

1行目をZ11で割る

([1, Z12/Z11, 1/Z11, 0],
[Z21, Z22, 0, 1])

2行目をZ21で割る

([1, Z12/Z11, 1/Z11, 0],
[1, Z22/Z21, 0, 1/Z21])

1列目を掃き出すために2行目から1行目を差し引く

([1, Z12/Z11, 1/Z11, 0],
[0, (Z22*Z11-Z12*Z21)/(Z21*Z11), -1/Z11, 1/Z21])

2行目を(Z22*Z11-Z12*Z21)/(Z21*Z11)で割る

([1, Z12/Z11, 1/Z11, 0],
[0, 1, -Z21/(Z22*Z11-Z12*Z21), Z11/(Z22*Z11-Z12*Z21)])

2行目にZ12/Z11を乗じたものを1行目から差し引く

([1, 0, 1/Z11+Z12*Z21/Z11*(Z22*Z11-Z12*Z21), -Z12/(Z22*Z11-Z12*Z21)],
[0, 1, -Z21/(Z22*Z11-Z12*Z21), Z11/(Z22*Z11-Z12*Z21)])

([1, 0, Z22/(Z22*Z11-Z12*Z21), -Z12/(Z22*Z11-Z12*Z21)],
[0, 1, -Z21/(Z22*Z11-Z12*Z2), Z11/(Z22*Z11-Z12*Z21])

従って

Z^-1
=([Z22/(Z22*Z11-Z12*Z21), -Z12/(Z22,Z11-Z12*Z21)],
[-Z21/(Z22*Z11-Z12*Z2), Z11/(Z22*Z11-Z12*Z21)])
=(1/(Z22*Z11-Z12*Z2))*([Z22,-Z12],[-Z21,Z11])
=(1/|Z|)*([Z22,-Z12],[-Z21,Z11])
=(1/|Z|)*([|Z11|,|Z12|],[|Z21|,|Z22|])

ということになる。
webadm
投稿日時: 2008-9-28 4:55
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
網目解析(mesh analysis)
これまで網目電流法で個別の回路方程式をたてていたが、それを一般化すると以下のような図で表すことができる。



n個の閉回路が存在し、Ziiがi番目の閉回路内のインピーダンスの総和を表す自己インピーダンス、Zijはj番目の回路との相互インピーダンス(相互インダクタンスや2つの閉回路間で共通のインピーダンス)である場合、以下の回路方程式が成り立つ。

Z11*I1+Z12*I2+Z13*I3+...+Z1n*In=E1
Z21*I1+Z22*I2+Z23*I3+...+Z2n*In=E2
...
Zn1*I1+Zn2*I2+Zn3*I3+...+Znn*In=En

電流とその係数であるインピーダンスと回路の電源をそれぞれ行列で表すと

Z=([Z11,Z12,Z13,...,Z1n],[Z21,Z22,Z23,...,Z2n],...,[Zn1,Zn2,Zn3,...,Znn])

I=(I1,I2,I3,...,In)

E=(E1,E2,E3,...,En)

これらから

Z*I=E

なる関係が成り立つ。既に承知の通りZをインピーダンス行列であり、クランメールの公式により閉回路kに流れる電流IkはΔをインピーダンス行列の行列式、Δikをそのi列k行に対する余因子とすると

Δ=Σ(Zik*Δik) (i=1〜n, k=1〜n)

Ik=(1/Δ)*(Δ1k*E1+Δ2k*E2+Δ3k*E3+...+Δnk*En)

で表される。

またインピーダンス行列の行列式のk列に対する余因子をΔkとすると閉回路kのインピーダンス行列Yk

Yk=(1/Δ)*Δk

と表すことが出来る。

従って

Ik=Yk*E

とも表すことができる。

ここで閉回路kのみ電源が供給され、他の閉回路lでは0である場合

Ik=Ykk*Ek

Ykk=Δkk/Δ

Il=Ykl*Ek (k≠l)

Ykl=Δkl/Δ (k≠l)

従ってこのYkkの逆数Δ/Δkkは電源Ekから見た閉回路のインピーダンスを表しており、駆動点インピーダンスと呼ばれる。またYklの逆数Δ/Δklは伝達インピーダンスと呼ばれる。

また任意の網目状回路において以下が成り立つ

独立な閉回路の数=(枝路)-(節点数-1)

webadm
投稿日時: 2008-9-29 0:19
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
節点解析(nodal analysis)
次ぎはこれまで扱ってきた枝電流法を節点解析として一般化する。

著者はいきなり一般化された節点方程式を紹介するだけで半ページも割いていないが、これが実は躓きの種だったりする。実際に元になっている回路を図に描こうとすると無理があることがたちどころにわかる。

実はいろいろ調べると回路網理論の初期の段階からいきなり一般論を説明している参考書は少ない。おそらく海外の教育カリキュラムだと必ずしも回路理論を学ぶ段階で線形代数をマスターしているとは限らないか、むしろ学んでいないということを前提にした教え方がほとんどである。最初から線形代数にこだわった教え方は日本の古い時代の伝統だったらしい。おそらく行列と行列式をニュートンと同じ時代に和算で知られる日本人の関孝和が既に考案していたという誇りからくるのかもしれない。行列と行列式による連立方程式の解法が海外で考案されるずっと前に既に日本人が発見していたが鎖国の時代であったのと和算という特殊な分野であるが故に広く知られるに至らなかったのは残念である。

ここでは著者の一般論に入る前に、現代の回路網理論の教え方で行われているように小規模の回路で考えてみよう。後に学ぶことになるが、現実に扱う回路は集中定数回路であればどれも有限であり、1つか2つの入力と1つか2つの出力端子と共通グランドを持つ程度であり、回路理論のほとんどはそうした回路を有限個連結したものとして扱うことが出来る。なのでいきなり端子がN個ある回路から入る必要はないのである。もちろんすべての有限個の端子を持つ回路が包含されるということを知っておくことは損にはならない。

節点解析は回路の各接点の電圧を一つの共通の節点を基準として定義して、各節点に流れ込む電流と流れ出す電流の総和が0となるキルヒホッフの法則を利用して回路方程式をたてる。これは電子回路で各素子の端子の接続点(節点)の電圧から回路に流れる電流を解析する目的には網目解析よりも適している。実際に有名な電子回路シミュレーターSPICEでは内部で節点解析を行っている。



4つの節点にアドミッタンスが接続された回路で一つの節点を接地し、残りの接点に外部から流れ込む電流をそれぞれI1,I2,I3,節点の電圧をE1,E2,E3とするとキルヒホッフ法則により以下が成り立つ。

I1=Ye*E1+Ya*(E1-E2)

I2=Ya*(E2-E1)+Yb*E2+Yc*(E2-E3)

I3=Yd*E3+Yc*(E3-E2)

これをE1,E2,E3と係数の積の式に整理すると

I1=(Ya+Ye)*E1 -Ya*E2 +0*E3
I2=-Ya*E1 +(Ya+Yb+Yc)*E2 -Yc*E3
I3= 0*E1 -Yc*E2 +(Yc+Yd)*E3

従ってこれは行列で表すと

(I1,I2,I3)=([Ya+Ye,-Ya,0],[-Ya,Ya+Yb+Yc,-Yc],[0,-Yc,Yc+Yd])*(E1,E2,E3)

ということになり、それぞれの行列を

I=(I1,I2,I3)

Y=([Ya+Ye,-Ya,0],[-Ya,Ya+Yb+Yc,-Yc],[0,-Yc,Yc+Yd])

E=(E1,E2,E3)

とおくと

I=Y*E

と表すことができる。

ここでYiiを節点i以外の節点を接地した時の節点からみたアドミッタンスの総和、Yij(i≠j)を節点iとjとの間を接続するアドミッタンスに(-)符号をつけたものとすると

Y11=Ya+Ye
Y12=-Ya
Y13=0
Y21=-Ya
Y22=Ya+Yb+Yc
Y23=-Yc
Y31=0
Y32=-Yc
Y33=Yc+Yd

となるため行列Yは以下の様に表すことができる

Y=([Y11,Y12,Y13],[Y21,Y22,Y23],[Y31,Y32,Y33])

これは容易に任意の節点を持つ回路に適用可能であり、電圧源や電流源の有無の関わらず方程式を立てることができる。

ここでYiiを自己アドミッタンス、Yij(i≠j)を相互アドミッタンスと呼ぶ。

図の例でも明らかのように節点解析で用いる方程式の数は回路の節点の数より一つすくない。これは一つの節点が接地点になるためである。

節点方程式の数=(節点の数)

オペアンプを使用した電子回路の解析にはもっぱらこの節点解析が基本であることは市販の参考書などでは読者の敷居が高くなって売れなくなるため触れられていない。電子回路を学ぼうとする者は節点解析について予め知っていることは至極当然であるという暗黙の了解が業界の掟として存在することは確かである。おそらくそうしたバックグランドを持たずに自分でオペアンプ回路を設計しようと夢みた人のほとんどはこれが躓きとなる。

これから学ぶすべてにおいて線形回路網の理論は重要であり、三相交流回路や電子回路、高周波回路を解析し理解するための土台である。
webadm
投稿日時: 2008-9-29 1:28
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
回路の線形性
入力x1,x2に対する応答がy1,y2の回路がそのK倍の入力K*x1,K*x2を与えた場合に応答がやはりK倍のK*y1,K*y2となる場合、その回路は線形であると言える。



逆に言えば、そうでない回路は非線形回路だと言える。

現実の回路は限られた条件下でのみ線形性を示すに過ぎない。

大きな電流を流すと特性が変化したり温度が上昇して少ない電流の時とは定数が変化してしまう。

電子デバイスは絶対定格がありそれを超えたとたんに故障して意図した通りの動作をしなくなる。そうでなくとも動作電流や電圧には限界がありその絶対定格内の動作であっても飽和状態や熱暴走になれば線形性を失う。

そうした非線形性を扱うのは様々な方法があるが、それらを駆使するためにも基本となる線形回路の扱いをマスターしておくことが先決である。
webadm
投稿日時: 2008-9-29 2:28
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
重ね合わせの理(superposition theorem)
回路方程式を立ててそれを連立方程式として解けば回路解析は出来てしまうが、複数の連立方程式を解くのはクランメールの公式を使うにせよ、手計算だと面倒な行列式の展開が伴い容易ではない。

一方で行列で表した回路方程式

I=Y*E

に着目すると、行列の和の定理により

E=(E1,E2,E3)
=(E1,0,0)+(0,E2,0)+(0,0,E3)

であることから、これで置き換えると

I=Y*((E1,0,0)+(0,E2,0)+(0,0,E3))
=Y*(E1,0,0)+Y*(0,E2,0)+Y*(0,0,E3)

ということになる。従って、E1,E2,E3に関してそれぞれ単独で他は0として計算した結果を足し合わせるだけで同じ結果が得られることは自明である。それぞれの回路は単一の電源に合成インピーダンス回路が接続されたものとなり合成インピーダンスを計算するだけで済む。

これによって小規模の回路であれば、面倒な連立方程式を解かなくても手計算で早く結果が得られる。

しかしながら電力に関しては以下の理由で重ね合わせの理は成り立たない。

あるインピーダンスに電流i1が流れe1の電圧がある場合消費される電力は

P1=(1/T)∫e1*i1*dt

同様に電流i2が流れe2の電圧がある場合

P2=(1/T)∫e2*i2*dt

重ね合わせの理によって電流と電圧の総和は(i1+i2)、(e1+e2)となるので消費される電力は

P=(1/T)∫(e1+e2)*(i1+i2)*dt
=(1/T)∫(e1*i1+e2*i2+e1*i2+e2*i1)*dt
=(1/T)∫e1*i1*dt+(1/T)∫e2*i2*dt+(1/T)∫e1*i2*dt+(1/T)∫e2*i1*dt
=P1+P2+(1/T)∫e1*i2*dt+(1/T)∫e2*i1*dt

となり単純にそれぞれのケースでの消費電力の総和であるP1+P2とは異なる。電源周波数が互いに異なる場合のみ成り立つ。また瞬時値電力に関してはe1*i2,e2*i1の項が残るので周波数が異なっても成り立たない。電力に関しては最終的な電圧と電流から計算する必要がある。

webadm
投稿日時: 2008-9-30 8:55
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
相反定理(reciprocity theorem)
またの呼び名を可逆定理という。検索すると電気回路以外に関するものがいっぱいでてくる。

便宜と接待の関係、もしくは接待と便宜の関係。

ご祝儀と引き出物の関係。

お祝いとお返しの関係。

成果と報酬の関係。

債務と責務の関係。

パーティに招待されたらホストとダンスを踊るとか。

電気回路の相反定理は電磁気学のそれと相似している。どちらかというと電磁気学の方が先なのかもしれない。

著者は詳細記述を省略して結論だけ述べているので何がなんだかわからない。

任意の線形回路があったとして、その岐路に電圧源E1,E2,...,Enが存在してそれぞれの岐路にI1,I2,...,Inがながれているとすると、電圧源がE1',E2',...,En'に変化したとき電流I1',I2',...,In'が流れるものとすると

E=(E1,E2,...,En)

E'=(E1',E2',...,En')

Z=([Z11,Z12,...,Z1n],[Z21,Z22,...,Z2n],...,[Zn1,Zn2,...,Znn])

I=(I1,I2,...,In)

I'=(I1',I2',...,In')

E=Z*I

E'=Z*I'

成る関係が成り立つ。

ここで転置行列の性質を使うと

(E)t=(Z*I)t
=(I)t*(Z)t

ここでZは対称行列なので

Z=(Z)t

従って

(E)t=(I)t*Z

両辺にI'を乗じると

(E)t*I'=(I)t*Z*I'

ここで

E'=Z*I'

なので

(E)t*I'=(I)t*E'

従って行列を展開すると

(E1,E2,...,En)*([I1'],[I2'],...,[In'])=([I1],[I2],...,[In])*(E1',E2',...,En')
=E1*I1'+E2*I2'+...+En*In'
=I1*E1'+I2*E2',...,+In*En'

∴ΣEi*Ii'=ΣEi'*Ii (i=1〜n)

という関係が成り立つ。

これは電磁気学の相反定理とまったく同じである。

電圧源がひとつしか存在しないときは

Ek*Ik'=Ek'*Ik

ということになる。
webadm
投稿日時: 2008-9-30 20:35
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3068
補償定理(compensation theorem)
著者は更にウルトラ短い解説で結論しか書いていないが、これも今までの定理と同様に行列の性質を利用して代数的に証明することができる。

線形回路網中の任意のインピーダンスZに電流Iが流れているということは

I=(I1,...,In)

Z=([Z11,...,Z1n],[Z21,...,Z2n],...,[Zn1,...,Znn])

E=(E1,...,En)

とした場合

I=Z^-1*E

が成り立っていることを意味する。

ここで任意のインピーダンスZがZ+ΔZに変化した場合

ΔZ=([0,...,0],[0,...,0],...,[0,...,ΔZnn])

ΔI=(ΔI1,...,ΔInn)

I+ΔI=(Z+ΔZ)^-1*E

が同様に成り立つ。ΔIは回路各インピーダンスの電流変化である。

従って電流の変化は

ΔI=(Z+ΔZ)^-1*E-I

ここで

I=Z^-1*E

を代入すると

ΔI=(Z+ΔZ)^-1*E-Z^-1*E
=((Z+ΔZ)^-1-Z^-1)*E

単位行列の性質により

U=(Z+ΔZ)^-1*(Z+ΔZ)

従って

Z^-1=U*Z^-1
=(Z+ΔZ)^-1*(Z+ΔZ)*Z^-1

これを代入すると

ΔI=((Z+ΔZ)^-1-Z^-1)*E
=(Z+ΔZ)^-1*(U-(Z+ΔZ)*Z^-1)*E
=(Z+ΔZ)^-1*(U-U-ΔZ*Z^-1)*E
=(Z+ΔZ)^-1*(-ΔZ*Z^-1*E)

ここで再び

I=Z^-1*E

なので

ΔI=(Z+ΔZ)^-1*(-ΔZ*I)

ということになる。

ここで

ΔZ*I=([0,...,0],[0,...,0],...,[0,...,ΔZnn])*(I1,...,Inn)
=(0,...,ΔZnn*Inn)

(Z+ΔZ)^-1=(([Z11,...,Z1n],[Z21,...,Z2n],...,[Zn1,...,Znn])+([0,...,0],[0,...,0],...,[0,...,ΔZnn]))^-1
=(([Z11,...,Z1n],[Z21,...,Z2n],...,[Zn1,...,Znn+ΔZnn])^-1

なので

ΔI=(ΔI1,...,ΔIn)=
(([Z11,...,Z1n],[Z21,...,Z2n],...,[Zn1,...,Znn+Δnn])^-1*([0,...,-ΔZnn*Inn)

従って全体の電流の変化は他の電源をすべて0にしてInnと逆方向の電源-ΔZnn*Innを加えた場合に各部分に流れる電流に等しいということが証明される。

webadm
投稿日時: 2008-9-30 23:12
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テブナンの定理(Thevenin's theorem)
有名で有用な回路網理論の定理だが、いくつか購入した参考書でまともに説明しているのは少なかった。中には完全に代数記号に誤植があり、文面の少なさもあって何がいいたいのかさっぱりわからないという有様。

有名過ぎて説明するまでもないという意識が執筆者の頭にあるのが邪魔をしたのかもしれない。これは躓きの石となる。

もともとの発端は線形回路網の任意の端子間に負荷を接続した場合に負荷に流れる電流をどうやって計算するかという問題である。

テブナンの定理に関してはこれまで学んだ重ね合わせの理や相反定理のように簡明かつ具体的な代数的証明方法を探しても見あたらない。またテブナンが示したオリジナルの証明方法が用いられているものも皆無である。大抵はどう使うかという視点でしか説明されていない。

原点に立ち戻ってテブナンがどうこの問題を解いたか追体験してみよう。



テブナンが解いた問題を図で描くとこんな感じ。n個の電圧源E1,...,Enを持つ任意の線形回路網の任意の端子A,A'間にインピーダンスZを持つワイヤーABA'を接続した場合にワイヤーに流れる電流を求めよというもの。ワイヤーを接続しない状態でA,A'の電位はV,V'、Z0を電圧源をすべて0とした場合のAA'間の内部インピーダンスをZ0とした場合、

i=(V-V')/(Z0+Z)

で計算できるというのが答えである。これが一般にテブナンの定理として紹介されているが、どうやって導くかが問題。

テブナンは重ね合わせの理を応用して解いている。



図の様に負荷と直列に元の端子AA'間の電圧(V-V')と同じ電圧の電圧源を接続した場合、電流は流れないためia=0であることは自明である。

また今度は回路網の電圧源をすべて取り除いた状態で端子AA'間に元の端子電圧(V-V')と逆方向の電圧源を接続した場合の電流をibとすると、この2つの回路を重ね合わせることによって、追加した電圧源は相殺され接続された負荷に流れる電流は重ね合わせの理によってi=ia+ibということになる。

従って

i=ia+ib=(V-V')/(Z0+Z)

E0=V-V'

i=E0/(Z0+Z)

ということになる。

これより任意の線形回路の端子間は解放時の電圧を電圧源として内部インピーダンスZ0を持った等価電圧源として扱うことができる。

これを使うには内部インピーダンスZ0と開放時の端子間電圧を予め計算しておかないといけないのではあるがそれは通常の回路網解析で可能であるので、端子に何か負荷をつないだ時に回路網を拡張して計算し直す必要はないので計算手段が手計算しかない場合に有用ではある。

なんだか簡単なようで狐につままれた気がしないでもない。

テブナンは電信技師で新人の教育担当をしていた26歳の時にこの定理を発見して発表したが、実はテブナンが生まれる4年前にヘルムホルツという人が既に違う分野で同じ定理を発表していたのをマイヤーという人が明らかにした。30年も経て新しい発見とされているのが興味深い。

ヘルムホルツのそれは今日テブナンの定理の説明によく用いられている最も単純な説明である。



まさにこれはあちこちの参考書に載っているテブナンの定理の説明そのものである。

テブナンが生きたのは電信の時代なので直流回路を前提としていた。なのでオリジナルの説明も線形回路網ではあるが抵抗と直流電源のみである。後に日本で交流電気の時代になってから鳳という人が交流回路で同じ定理を証明したらしい。

文献*1によると今日テブナンの定理やノートンの定理と同じ定理として知られる等価電圧源や等価電流源の理論はマイヤーという人が20世紀初頭に整理して発表したもの。それ以降この定理が良く知られるようになったらしい。

他の定理に関しては厳密な線形代数による証明が見受けられるが、ことテブナンの定理に関しては証明のストラテジは説明されているが具体的に代数的な証明は見あたらない。実際に考えてみると結構面倒である、本当はあまりに自明過ぎて証明を示すまでもないのかもしれないけど。

暇さえあれば線形代数でテブナンの定理が一般化された線形回路網で成り立つことを証明する方法を考え中。

どうやらテブナンの定理を証明せよという問題が国家公務員1級試験には出るらしい。正解はいろいろありそうだけど、証明方法は習ってないよという人は落ちる。

*1 Don H. Johnson, "Origins of the Equivalent Circuit Concept"
webadm
投稿日時: 2008-10-2 23:31
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ノートンの定理(Norton theorem)
ノートンの定理は等価電流源の定理と呼ばれテブナンの定理が等価電圧源の定理と呼ばれるのと対称的な関係にある。

昨日たまたまThevenin's theoremで検索したらYouTubeでそれの教材ビデオが引っかかった。実験風景がメインのかなりしょぼい内容だった。

ところがその時出てきた関連動画の中にMITでの講義がOPENCOURSE WAREとして無償で公開されているのがあるのを今頃知った。

Lec 3 | MIT 6.002 Circuits and Electronics, Spring 2007


さすがMITの講義、ポイントを掴んでいる。説明も今日的な代数的な解釈を基本にしている。今まで苦労して参考書やネット上の文献を見て断片的に得ていた知識同士が初めてつながった瞬間を体験して感動した。

この講義で当たり前に出てくる行列(matrix)とか線形代数の初歩を勉強するのに良い講義も発見。

Lec 3 | MIT 6.002 Circuits and Electronics, Spring 2007

線形グラフやベクトルを使った連立方程式の解法の意味を理解するというのは驚きだった。このシリーズの講義を見てから線形代数の独学も夢ではなくなったと確信した。

YouTubeでMIT OPENCOURSEで検索すれば出てくるけど、

Free Online Course Materials MIT OpenCourseWare

こちらが本家。

さて話をノートンの定理に戻そう。

先のテブナンの定理で紹介した文献の内容のヘルムホルツ、テブナン、マイヤー、ノートンの各人物像に関する記述は、手元にある参考書のひとつがコラムとして日本語訳された形で引用されていたのを読んでいた。どっかで読んだ記憶がと思って、調べたら参考文献に同じ文献が載っていた。

その中でノートン自身がノートンの定理に関わった明確な記録はほとんどないらしい。むしろドイツ人のマイヤーという人が20世紀初頭に発表した論文をきっかけにそれらの定理が広まったというのが本当らしい。しかしその後ドイツと米国は敵国になり、ノートンは軍事関係の研究で多くの功績を残したらしい。それまで出典を明らかにせずに教科書で教えていたが、敵国のドイツ人の名を上げるわけにもいかず、苦肉の策としてノートンと同じ年に同じ考えを論文でちらっと示しただけだが大戦時の陰の功労者でもある米国人のノートンを引っ張り出したというのが真相ではないかと誰もが想像するところだろう。

さて話を理論に戻そう(;´Д`)

テブナンの定理もノートンの定理も実は線形回路網が外部から見ると単純な電源回路に等価できるという点で同じである。前者は電圧源、後者が電流源で表すだけの違いである。



先のMITの講義ではもはやテブナンの定理もノートンの定理も定理ではなく手法(method)と呼んでいる。定理は数学的な証明が必要だが、それを厳密にせずに使ってきた歴史的経緯からみて、今日では手法と呼ぶのが相応しいということだろうか。
webadm
投稿日時: 2008-10-4 12:13
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投稿: 3068
Millmanの定理
手元にいくつかある参考書の中ではこのMillmanの定理の記述を省略しているものがある。おそらくさして目新しさが無いというのと、これまで学んだ重ね合わせの理と等価電圧源の定理(テブナンの定理やノートンの定理)を使うと容易に導くことができるためだろう。

国内で出版されている論文や参考書の中には"帆足-Millmanの定理"と呼称しているものがいくつか見受けられる。帆足(Hoashi)という人がMillmanよりも10年先に証明していたらしい。

Millmanという人はロシア生まれのロシア系米国人で、コロンビア大学で教鞭を執っている間に執筆した教科書にこの定理が載っていて1991年に無くなった時にはTime誌に報じられるほど北米では広くしられていた。コロンビア大学時代はまさに第二次世界大戦に重なる。当然ながら敵国だった日本人に名誉を与えるわけにはいかない。米国人の名前を付けるしかなかったと思われる。電気電子の歴史を学ぶと戦争の影響が大きい。ここにも戦争の傷跡が残っている。

ところが日本人だけが呼ぶ"帆足-Millmanの定理"のその帆足という人物は何者かという点については、その呼称を使う参考書においてさえ一切出典が明らかにされていない。帆足という先生は今やインターネットの時代において完全に忘れ去られた人物となってしまっている。これは酷い話だ。名前だけしか残っていないのは戦前の人だからだろう。これも戦争の傷跡だろうか。

さて話をもとに戻そう。

さして重要でなさそうなMillmanの定理であるが、以外にも多くのケースでこの定理が応用できる。それは起電力を有するすべての線形回路の任意の2端子は単一の等価電源回路と見なすことができるというテブナンの定理やノートンの定理があるからである。つまり、それらを並列に接続した場合に端子間の電圧がどうなるかという問題を扱うことは結構多い。

典型的な例として簡単なD/Aコンバーターは、複数の異なる等価電圧源もしくは等価電流源を出力に並列に接続することで任意の電圧もしくは電流を生成する。



図の上が元の回路網で、下が等価回路である。

等価回路の内部アドミッタンスは、重ね合わせの理で上の回路の電源をすべて0(短絡)さればアドミッタンスの総和で表される。

Y0=ΣYi (i=1〜n)

一方回路の出力端を短絡した時に流れる電流も、重ね合わせの理でそれぞれの電圧源から出力端に流れる電流の総和で表される。

Io=ΣYi*Ei (i=1〜n)

従って等価電圧源(出力端を開放した際の出力電圧E0)は

E0=Io/Yo
=ΣYi*Ei/ΣYi

と表すことが出来る。

線形回路網中の電圧源を電流源に置き換えたり、電圧源と電流源の混成としても同様の定理が成り立つ。
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