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webadm
投稿日時: 2024-2-14 8:02
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
電気力線とGaussの定理演習問題
著者は解説部分は手短にして演習問題で詳しいところに触れるスタイルのようだ。

ざっと演習問題を見ると、既に解説のところで理解を深めるためにやってしまった事も含まれるため、問題を解く段階で内容が重複するかもしれない。

演習問題は全部で26問あって、著者は解説の際に詳細な部分はその解答を参照するようにタグが付けられているものもある。

なるべく完結で安全な解答の導出を試みることにする。
webadm
投稿日時: 2024-2-14 8:10
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
無限に広い平面上の電荷分布の電界
無限に広い平面上に、一様な面密度σで電荷が分布しているときの電界を求めよ。というもの。

これは実は解説のところで答えだけは既出なので、出題者が求めているのはその導出方法であることは明らか。

導出のストラテジーとしては、

(1)無限に広い平面なので、端は存在しないため、電気力線は平面と垂直方向のみとなる
(2)微少平面もしくは単位平面を断面とする平面を貫く円筒もしくは角柱形の閉曲面を考える
(3)上記の円筒もしくは角柱に対してガウスの法則が成り立つことを利用して電界を導く、

無限に広い平面状電荷分布

ガウスの定理を使用して下記の関係式が成り立つ。



ということになる。
webadm
投稿日時: 2024-2-15 1:37
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
二つの並行な無限平面上の電荷が作る電界
面密度+σ、-σで、二つの平行な無限平面上に電荷が分布しているときの電界を求めよ。というもの。

解説で結論が示されているけど、出題者の意図はその導出方法であることは明らか。

これも解説読んだ時に解いてしまったので、それを抜粋して再掲。

並行平面状電荷分布

片方の無限平面状電荷分布は+σ、もう片方は-σなので、前者の作り出す平面に垂直な方向の電界をE1,E1'、後者の作り出す電界をE2,E2'とし、ガウスの法則を利用してそれぞれの電界強度を求める。

+σの無限平面状電荷の電界強度に関して、ガウスの法則で以下が成り立つ。



+σの無限平面状電荷の表(上)と裏(下)側で作り出す電界E1,E1'は電界強度は同じだが互いに逆方向を向いているため、以下の関係が成り立つ



-σの無限平面状電荷が成す電界強度は同様に以下の通りとなる。



同様に-σの無限平面状電荷が成す電界は表(上)と裏(下)で以下の関係が成り立つ。



従って、2つの無限平面状電荷に挟まれた空間の電界強度は以下の通りとなる。



ということになる。

一方で、平面電荷に挟まれていない空間では以下の通りとなる。



著者の解とは電界強度の符号が異なるが、垂直方向で上向きか下向きかで符号を変えないと平面で囲まれた空間以外は電界が0となる説明ができない。電界はベクトルだが、電界強度はベクトルの絶対値であるためベクトルの向きが異なる電界の合成電界の場合には都合が悪い。

著者の解はそのあたりを説明していない。それは読者の課題としよう(´∀` )
webadm
投稿日時: 2024-2-15 2:51
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
二つの並行な無限平面上の電荷が作る電界(一般化)
並行においた二枚の無限に広い導体板に一様な面電荷σ1,σ2で電荷を与えるとき、導体板の表裏に現れる電荷密度と、三つの領域での電界を求めよ。というもの。

これは前問が+σ、-σと正負が逆だたのを任意の電荷σ1,σ2に一般化した問題である。

つまりこれを解けば、σ1=+σ、σ2=-σとおけば前問と同じ結果を得ることができるわけである。

前問の導出方法で問題のあった電界と電界強度の不明瞭さを解消することを試みてみよう。

まずは一様に荷電した無限平面上の電界から求め直してみよう。

electirc field on infinite charged plane

今までは一様に荷電した無限平面上では水平方向の電界成分は0で垂直方向のみでかつ距離によらないということだったけど、距離によらないと平面の裏と表で電界の方向が違うことを示せないのが問題。

本来は平面の上下で方向が変わらないとおかしい。

上の図で面密度σで電荷が一様に分布している平面の表面上の微少平面が平面より離れた点Pに成す微少電界dEは以下の様に表すことができる。



これをθとrで二重積分すれば電界Eが得られるはず。



ということになる。

つまり平面の表(z>0)と裏(z<0)では電界の向きが変わるということになる。距離には依存しないが裏か表で向きが異なるということになる。

電界強度はEの絶対値|E|であるので符号は消えて方向が失われる。

本来は電束Dもベクトルなので、ベクトルの方向に関する情報が含まれているべきだが、どっかで忘れられてしまっている。

この電界に基づいてσ1とσ2の面密度で一様に帯電した2つの無限平面が成す電界を求めてみよう。

electric field on infinite charged parallel plane

面密度σ1、σ2で一様に帯電した無限平面が成す電界をE1,E2は、



2つの平面に囲まれた空間とその外側のオープンな空間における電界、Einner, Eupper, Eunderはそれぞれ重ね合わせの理で、



ということになる。

ちなみに前問のケース(σ1=σ,σ2=-σ)の場合は、



ということになる。

やはり前問の解は合っていたということになる。

著者の解を見ると、電界を問われているのに対して、電界強度(電界の絶対値)を示している点でおかしい。
webadm
投稿日時: 2024-2-20 0:36
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
球内に分布する電荷によって生じる球内外の電界
半径aの球内に電荷Qが一様密度で分布しているとき、その内外に生じる電界を求めよ。というもの。

これはガウスの法則があてはまるし、初期の原子モデルであるトムソンの原子モデルの考え方にもつながる問題。

球外の電界は以前に何度も扱ったので予想はつくけど、球内に関しては初めてだな。

electric field by spherical charge

まずはガウスの法則を用いて球の内外の電界を導出してみよう。

半径aの球内の総電荷がQとあるので、球内の電荷密度ρは、



ということになる。

球の外側(r>a)の電界Eouterはガウスの法則から、



ということになる。

球内の総電荷Qを使った式は、あたかも球の中心に電荷Qの点電荷のみがあるのと同じ式になるのに対して、電荷密度ρを使った式は、今までに出てこなかった分子に3があり、πが消えた不思議な形をしている。こちらの形式を載せているテキストも多数ある。


問題は球体内(r
大抵のテキストは上の説明なしでいきなりガウスの法則を用いて球内の電界Einnerを導出している。




ということになる。

つまるところ一様な電荷で満たされた球内の電界は球の中心から球の表面まで中心からの距離に比例して電界強度が増大し、球の表面から外は球の中心からの距離の二乗に反比例するということになる。

ガウスの法則を使わない導出方法は読者の課題としよう(´∀` )
webadm
投稿日時: 2024-2-20 5:51
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
トムソンの原子モデル
次ぎの問題は予想通りトムソンの原子モデルにちなんだものだった。

正電荷が半径aの球内に空間密度ρで一様に分布しているとき、電子(質量m, 電荷-e)をその中心においたらどのような運動をするか?

というもの。

これはトムソンが水素原子モデルを考える際に水素原子から発せられる光が線スペクトルであることをヒントに水素原子は正電荷が分布した球体内で電子が円環軌道上を円運動することを導いたアイデアに基づいている。

その後ラザフォードによって荷電粒子を原子に向けて打ち込む実験で、正電荷は一様に分布しているのではなく原子の中心にのみ存在することが判明しトムソンの原子モデルは否定されたわけだけど、それまでは最も有効なモデルだった。

さて、どうやって解くのかねが問題(;´Д`)

著者の解答も砂川本も運動方程式とその解としての結果しか掲載していないので、導出方法は解らず仕舞い(;´Д`)

仕方がないので、寺沢本から運動方程式の解法を学んでそれを真似てみた。

まずもって問題では負の電荷-eを正電荷が一様に分布した球体の中心に置くとあるけど、中心だと電界0ということになるからクーロン力は働かないだが。不安定といえば不安定なので、ゆっくりと球体内の中心以外のどっかに置いたと考えよう。

ニュートンの運動方程式、



二階微分方程式になるので、調和関数の解を仮定して置換してみる。



これをsinおよびconsのどちらかが0となるtをそれぞれ選ぶと、



従って得られた2式を連立方程式としてλに関して解くと、



ということになる。

周期Tの振動運動をするということだった。

なんだ簡単じゃないか(´∀` )


P.S

その後気付いたんだが。砂川本にも上の話がトムソンの原子模型という例題で解説されているんだけど、元々トムソンは電子線の発見と、正電荷の分布した球体内に電子が分布しているというモデルを考案したんだけど、電子の軌道とか輝線スペクトルについては何も関与してないんだよな。ラザフォードの事件でトムソンモデルが的外れなことが明らかとなって、それに代わるその後の様々な実験結果を裏付ける新しいモデルが必要になった時と関係している気がする。そもそも出典とか誰も書いてないしな。

そういえば前持ってたラウダウ・リフシッツ本も引っ越しの時に置いてきちゃったので、新しいのを買い直さないと(;´Д`)
webadm
投稿日時: 2024-2-20 18:06
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
球殻に一様に分布した電荷の作る電界
半径aの薄い球殻に電荷Qが一様に分布しているとき内外の電界を求めよ。

というもの。

これは前節にあった問題と同じなんだが、前節ではまだガウスの法則は学んでいないからオーソドックスな積分で導出した記憶があるが、この問題ではガウスの法則を使うことを期待していると思われる。

球殻の外側の電界Eouterは、



ということになる。

球殻表面の総電荷Qが球殻の中心に点電荷として存在する場合と同じ電界になる。

問題は球殻内の電界Einnerなんだが、前節の問題で解いた内容を読み返したらやぶ蛇で式にtypoが見つかったり、cancelパッケージをinstallしていないので取り消し線が表示されていなかったりと不備が見つかった。cancelパッケージはuser contribute packageでtex-live標準ではinstallされないのな。\usepackage{cancel}を挿入する場所もドキュメント本体の最初でないと無視されてしまうことも判明。ようやく直った。これからは取り消し線も使える。

さて何の話だったっけ?

ああ、球殻内の電界ね。

前節で同じ問題を解いた際にはガウスの法則がまだ登場していなかったので、球殻内外の電位の式を導出して、それぞれ電位勾配としての電界を導いたんだった。その際に球殻内の電位は場所によらず定数となるため電位勾配が存在せず電界は0となった。

今回はガウスの法則を使って同じ結論が得られるか示すことが題意として求められているのは明らか。

球殻表面に分布している電荷によって球殻中心に向かって電気力線が向かうことになるので、ちょっと考えると電界が0と言い切れない感が強い。しかし球殻内には電荷が存在しないので、



ということで球殻内に電荷が存在しないんだから、ガウスの法則の右辺は0になるため左辺も0でなければならず、すなわち電界が0であると結論付けられる。

なんだ前節の時より簡単じゃないか(´∀` )
webadm
投稿日時: 2024-2-20 18:07
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
無限長円柱内に一様に分布した電荷が作る電界
半径aの無限に長い円柱内に単位長さあたりλで一様に電荷が分布しているとき、その内外に生じる電界を求めよ。

というもの。

これは解説の時に一部やってしまった感があるけど、思い出してまとめてみよう。

前節ではこの問題は電位に積分定数が出てくるので出題しずらかったと思われるが、ガウスの法則を使えば、電位を考える必要なく直接電界に関する関係式が得られるので出題の機会を得たと考えられる。

無限長導体円筒

無限に長い導体円筒内に単位長さあたりλの電荷が分布している場合、電界は円筒表面に垂直な成分のみで円筒の長さ方向の成分はないことになる。

なのでガウスの定理を用いて、円筒の中心から距離rの円筒で囲まれた単位長さの区間について以下が成り立つ。



ということになる。

円柱外では電界は距離に反比例することがわかる。

ここまででだと100点中50点で、解説の時には円柱の外側の電界しか議論していなかったので、円柱内部の電界についてはこの問題で初めて扱うkとになる。

トムソンの原子モデルの問題の時と同様に、円柱内部についてもガウスの法則が適用できる。

円柱内に収まる円柱面を考えて、ガウスの法則を適用すると、



ということになる。

円柱内では電界強度は円柱中心からの距離に比例することがわかる。

上の式で球殻内の電界強度はr=aの場合に、球殻外の式でr=aとした時と同じ値になることが確かめられる。

なんだこれも簡単じゃないか(´∀` )

ガウス先生様々。
webadm
投稿日時: 2024-2-20 20:17
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
無限長円筒表面に一様に分布した電荷が作る電界
半径aの無限に長い円筒の表面に単位長さあたりλの電荷が一様に分布しているとき、その内外に生じる電界を求めよ。

これは解説のところで出てきたのと同じやつだね。

円筒内でも円筒表面でも単位長さのλの電荷ということで電荷量が解っているので前の問題と円筒外の電界は同じ結果となることが予想できるが、円筒内には電荷が無い点が異なるので、円筒内の電界は前問とは異なる。

無限長導体円筒

無限に長い導体円筒表面に単位長さあたりλの電荷が分布しているが円筒内部には電荷が無い場合、電界は円筒表面に垂直な成分のみで円筒の長さ方向の成分はないことになる。

なのでガウスの定理を用いて、円筒の中心から円筒外の距離rの円筒で囲まれた単位長さの区間について以下が成り立つ。



ということになる。

円筒内の電界は円柱内に収まる円柱面を考えて、円柱面内には電荷が無いことから、



ということになる。

なんだ簡単じゃないか(´∀` )
webadm
投稿日時: 2024-2-20 21:03
Webmaster
登録日: 2004-11-7
居住地:
投稿: 3088
2重同心球殻
半径aの導体球を内半径b、外半径c(a<b<c)の導体球殻で包み、内球にはQ1,外球にQ2の電荷を与えた場合の電界を求めよ。

これはキャベンディシュがクーロン力の逆二乗則を裏付ける測定実験に使われた装置にインスパイアされているのは明らか。後にマックスウェルがクーロンの逆二乗則を方程式として確定するために更に高精度な測定を更に改良された同様の実験装置で測定を行ったことが知られている。

これもガウスの法則を使わないと導出が困難なので良問。

Duplexed concentric spheres.png

この問題はガウスの法則を使うけどそれだけでは解けない。

キャベンディッシュやマックスウェルがやったように、予め内球と外殻はそれぞれ別の場所でQ1とQ2に帯電させた後、ゆっくりと内球を外殻の中心に移動したと考えられる。外殻はそのために半球で開く構造になっていて、内球が中心に移動したら半球を閉じて密閉するという感じ。

これによって内球の電荷Q1によって外殻の内側に静電誘導が発生し、内球と逆極性の-Q1が誘電されることになる。

一方で外殻に帯電した電荷はQ2から変化してはいけないので、外殻の外側には内側に誘電されたのと逆極性のQ1の電荷が誘電される。

従って内球が外殻の中心に移動して半球を閉じて球殻になった状態では、外殻表面の電荷はQ1+Q2となり、外殻内側の電荷は-Q1、内球の電荷はQ1のままということになる。

これによって外殻の外から見た二重同心球殻の総電荷はQ1+Q2から変わっていないことになる。

これらをまとめると、



ということになる。

著者は求められていない電位まで導出しているが、電位が重要になるのは、これが蓄電器として機能するという観点の場合で、まだ静電誘導や誘電体に関して解説されていないので、ここでは電界だけが問題となる。
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