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webadm | 投稿日時: 2007-12-8 12:17 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3090 |
問題51:RLC直列回路の共振条件 次ぎの問題はRLC直列回路に関する少しひねった問題。
電源の実効値と周波数それにRLC直列回路のR,Lが定められている状態でCを可変してLの両端の電圧降下を最大にするためにはCをいくらにすれば良いかというのと、最大になった時のLの電圧降下実効値を計算せよというもの。 最大値を求める問題というと、すぐにLの電圧降下の瞬時値を求める式をCに関して微分して微分係数が0(電圧瞬時値の傾きが0)になる条件を求めればよさそうな気がするが、極めて('A`)マンドクセ よく考えれば直列回路の素子の電圧降下は電流に比例するはずなので、電流が最大に流れるCの条件を見つければよいことになる。 またRLC直列回路の電流が最大になるのは、インピーダンスが最小になることを意味するので、RLC直列回路が電源周波数に共振している時がインピーダンスが最小になることを既に学んでいる。それを利用すれば簡単である。 RLC直列回路のインピーダンスは |Z|=sqrt(R^2+(XL-XC)^2) =sqrt(R^2+(ωL-1/(ωC))^2) =sqrt(R^2+(2πfL-1/(2πfC))^2) 見たとおり|Z|が最小になるのは 2πfL-1/(2πfC)=0 となる時である。これは|Z|の式をCで微分して (%i8) diff(sqrt(R^2+(2*%pi*f*L-1/(2*%pi*f*C))^2),C); (%o8) (2*%pi*f*L-1/(2*%pi*f*C))/(2*%pi*f*C^2*sqrt(R^2+(2*%pi*f*L-1/(2*%pi*f*C))^2)) dZ/dC=(2πfL-1/(2πfC))/(2πfC^2*sqrt(R^2+(2πfL-1/(2πfC))^2)) dZ/dCが0になるには分子が0になれば良いので 2πfL-1/(2πfC)=0 である。 従って上の条件式からCを解くと C=1/((2πf)^2*L) となる。与えられた定数を代入すると C=1/((2*π*50)^2*50*10^-3) (%i9) C=1/((2*%pi*50)^2*50*10^-3); (%o9) C=1/(500*%pi^2) (%i10) float(%), numer; (%o10) C=2.0264236728467555*10^-4 ∴C=203 [uF] このときのLの電圧降下は |EL|=XL*|I|=ωL*|E|/|Z|=2πfL*|E|/sqrt(R^2+(2πfL-1/(2πfC))^2) =2*π*50*50*10^-3*100/sqrt(5^2+(2*π*50*50*10^-3-1/(2*π*50*203*10^-6))^2) (%i11) EL=2*%pi*50*50*10^-3*100/sqrt(5^2+(2*%pi*50*50*10^-3-1/(2*%pi*50*203*10^-6))^2); (%o11) EL=(500*%pi)/sqrt((5*%pi-10000/(203*%pi))^2+25) (%i12) float(%), numer; (%o12) EL=314.1544537309152 ∴|EL|=314 [V] ということになる。 P.S よく見ると電源電圧の数倍にもなる電圧が回路内で発生しているように見える。これは直列共振特有の現象であるが、これについては後に学ぶことになる。まるで増幅しているような得したような動作だが瞬時的にはキャパシタンス側でまったく正反対の電圧降下が発生しているので回路的には相殺されてしまう。 並列共振回路の場合はこれと逆だがインダクタンスとキャパシタンスの間では常に充電と放電がシーソーのように繰り返されているのでその間では予想外に大きな電流が流れる。 アマチュア無線とかで送信機の出力段によくタンク回路と称される並列共振回路がおかれる。大げさに太い線材で空芯コイルを巻き大げさな規格のコンデンサを並列につないであるのが特徴的。それは想像以上に大きな高周波電流がコイルとコンデンサの間に常時流れるためである。大出力の送信ファイナルとかでは油断するとタンク回路の配線のちょっとした接触抵抗で配線が加熱溶融したりすることが起きる。大変危険である。そうした理屈も交流回路を勉強すれば理解できるようになる。 |
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