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webadm | 投稿日時: 2007-12-8 13:22 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3090 |
問題53:インピーダンスの測定 次ぎの問題は大変興味深い問題。
未知のインピーダンスを持つ回路に直列に抵抗を接続してそれぞれの電圧降下を測定して未知のインピーダンスの抵抗値とリアクタンス値を求めよという問題。 はたして未知のインピーダンスを測ることができるのだろうか? 直流回路ならば簡単にできるが交流回路だとなんともはや。 少なくとも直列に接続したR0の電圧降下を測定すれば回路に流れる電流の実効値は以下の関係式から求めることができる。 |Eab|=R0*|I| ∴|I|=|Eab|/R0 次ぎに未知のインピーダンス|Z|は回路に流れる電流の実効値と電圧降下の関係から求めることができる |Ebc|=|Z|*|I| 問題はインピーダンスを構成する抵抗値とリアクタンス値をどうやって導くかである。未知のインピーダンスが直列回路だと仮定すると |Z|=sqrt(R^2+X^2) から |Ebc|=sqrt(R^2+X^2)*|I|=sqrt(R^2+X^2)*|Eab|/R0 が成り立つ。 ここにRとXの2つの未知数があるのでこれを解くにはもうひとつ方程式を必要とする。 そこで直列に加えた抵抗R0を含む合成インピーダンスを考える。 |Z0|=sqrt((R+R0)^2+X^2) すると新に以下の式が成り立つ |E|=|Z0|*|I|=|Z0|*|Eab|/R0=sqrt((R+R0)^2+X^2)*|Eab|/R0 従って |Ebc|=sqrt(R^2+X^2)*|Eab|/R0 |E|=sqrt((R+R0)^2+X^2)*|Eab|/R0 この2つの方程式からRとXを解けば良い。 Maximaはこの方程式の形では解けないので平方根を無くすために二乗すると |Ebc|^2=(R^2+X^2)*|Eab|^2/R0^2 |E|^2=((R+R0)^2+X^2)*|Eab|^2/R0^2 これを解くと (%i17) e1: Ebc^2=(R^2+X^2)*Eab^2/R0^2; (%o17) Ebc^2=(Eab^2*(X^2+R^2))/R0^2 (%i18) e2: E^2=((R+R0)^2+X^2)*Eab^2/R0^2; (%o18) E^2=(Eab^2*(X^2+(R0+R)^2))/R0^2 (%i19) solve([e1,e2],[R,X]); (%o19) [[R=((E^2-Ebc^2-Eab^2)*R0)/(2*Eab^2),X=-(sqrt(-E^4+2*Ebc^2*E^2+2*Eab^2*E^2-Ebc^4+2*Eab^2*Ebc^2-Eab^4)*R0)/(2*Eab^2)],[R= ((E^2-Ebc^2-Eab^2)*R0)/(2*Eab^2),X=(sqrt(-E^4+2*Ebc^2*E^2+2*Eab^2*E^2-Ebc^4+2*Eab^2*Ebc^2-Eab^4)*R0)/(2*Eab^2)]] どうやら R=((|E|^2-|Ebc|^2-|Eab|^2)*R0/(2*|Eab|^2) であることは確か。 Xは正なので X=(sqrt(-|E|^4+2*|Ebc|^2*|E|^2+2*|Eab|^2*|E|^2-|Ebc|^4+2*|Eab|^2*|Ebc|^2-|Eab|^4)*R0)/(2*|Eab|^2)) ということになるが、著者の解とはちょっと違うように見える。 因数分解のこつが要りそうだ。 Rの式の分子にある (|E|^2-|Ebc|^2-|Eab|^2) を二乗すると (%i48) (E^2-Ebc^2-Eab^2)^2; (%o48) (E^2-Ebc^2-Eab^2)^2 (%i49) expand(%); (%o49) E^4-2*Ebc^2*E^2-2*Eab^2*E^2+Ebc^4+2*Eab^2*Ebc^2+Eab^4 とXの式にある平方根の中にある式と良く似ている。 上の式に負号を付けると (%i51) -(E^2-Ebc^2-Eab^2)^2; (%o51) -(E^2-Ebc^2-Eab^2)^2 (%i52) expand(%); (%o52) -E^4+2*Ebc^2*E^2+2*Eab^2*E^2-Ebc^4-2*Eab^2*Ebc^2-Eab^4 下の式と見比べてみると一致している部分はよくわかる X=(sqrt(-|E|^4+2*|Ebc|^2*|E|^2+2*|Eab|^2*|E|^2-|Ebc|^4+2*|Eab|^2*|Ebc|^2-|Eab|^4)*R0)/(2*|Eab|^2)) 上の式を整理すると X=(sqrt((4*|Eab|^2*|Ebc|^2-(|E|^2-|Ebc|^2-|Eab|^2)^2)*R0/(2*|Eab|^2)) =(R0/|Eab|)*sqrt(|Ebc|^2-(|E|^2-|Ebc|^2-|Eab|^2)/(4*|Eab|^2)) となり著者の解と同じであることが確認された。 |
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