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webadm | 投稿日時: 2007-12-9 16:08 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3090 |
問題57:RL直列回路と抵抗の並列回路(その2) 最後の問題は全問で導いた式を用いて与えられた条件で電流の式と合成インピーダンス値を計算するもの。
しかし求めた式が著者のものと自分のは決定的に違っているところがあるので著者の解とは当然ながら違う結果になってしまうのは容易に予想がつく。ここは自分を信じよう。 R1=2[Ω],R2=10[Ω],L2=50[mH]で電圧が以下の式で与えられるとすると e=100sin(100πt) Em=100[V] ω=100π θ=0 なので式にそれぞれ代入すると i1=(Em/R1)*sin(ωt+θ)=(100/2)*sin(100πt)=50*sin(100πt) i2=(Em/sqrt(R2^2+(ωL2)^2))*sin(ωt+θ-φ) =(100/sqrt(10^2+(100π*50*10^-3)^2)*sin(100πt-φ) (%i63) (100/sqrt(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2)); (%o63) 100/sqrt(25*%pi^2+100) (%i64) float(%), numer; (%o64) 5.370292721463151 i2=5.37*sin(100πt-φ) φ=atan(ωL2/R2)=atan(100π*50*10^-3/10) (%i73) atan(100*%pi*50*10^-3/10); (%o73) atan(%pi/2) (%i74) float(%), numer; (%o74) 1.003884821853887 ∴i2=5.37*sin(100πt-1) i=Em*sqrt(1/R1^2+2*R2/(R1*(R2^2+(ωL)^2))+1/(R2^2+(ωL)^2)) *sin(ωt+θ-φ1) =100*sqrt(1/2^2+2*10/(2*(10^2+(100π*50*10^-3)^2))+1/(10^2+(100π*50*10^-3)^2))*sin(100π*t-φ1) (%i86) 100*sqrt(1/2^2+2*10/(2*(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2))+1/(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2)); (%o86) 100*sqrt(11/(25*%pi^2+100)+1/4) (%i87) float(%), numer; (%o87) 53.07768347484846 i=53.1*sin(100π*t-φ1) φ1=atan(ωL*R1/(R2^2+R1*R2+(ωL)^2)) =atan(100π*50*10^-3*2/(10^2+2*10+(100π*50*10^-3)^2)) (%i88) atan(100*%pi*50*10^-3*2/(10^2+2*10+(100*%pi*50*10^-3)^2)); (%o88) atan((10*%pi)/(25*%pi^2+120)) (%i89) float(%), numer; (%o89) 0.085454025808837 ∴i=53.1*sin(100π*t-0.085) ということになる。 これは著者の解 i=47.3sin(100πt-atan(0.0857)) と振幅値が大きく異なっている。i1の振幅が50なのにi1+i2がそれより電流が減るというのは誰が見てもおかしい。 ここでそろそろどちらの解が正しいか決着をつけるべきだろう。 元々のi1とi2の波形と、それを加算した波形と自分で解いた式による合成電流の式と著者の解の合成電流の式をプロットして比較してみることにしよう。 plot2d([(100/2)*sin(100*%pi*t),(100/sqrt(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2))*sin(100*%pi*t -atan(100*%pi*50*10^-3/10)),(100/2)*sin(100*%pi*t)+(100/sqrt(10^2+(100*%pi*50*10^ -3)^2))*sin(100*%pi*t-atan(100*%pi*50*10^-3/10)),53.1*sin(100*%pi*t-0.085),47.3*sin(100*%pi*t -atan(0.0857))],[t,0,1/50]); みてわかる通り、自分の解いた式による解は、i1+i2のグラフとぴったり重なっているのに対して、著者の解による式は、著者が合成インピーダンスの式を導く際の誤りによってインピーダンスが実際より大きい値になる式になっており結果振幅がi1よりも小さいという矛盾を来たし明らかに間違いだとわかる。 インピーダンスは |Z|=1/sqrt(1/R1^2+2*R2/(R1*(R2^2+(ωL)^2))+1/(R2^2+(ωL)^2)) =1/sqrt(1/2^2+2*10/(2*(10^2+(100π*50*10^-3)^2))+1/(10^2+(100π*50*10^-3)^2)) (%i96) 1/sqrt(1/2^2+2*10/(2*(20^2+(100*%pi*50*10^-3)^2))+1/(10^2+(100*%pi*50*10^-3)^2)); (%o96) 1/sqrt(10/(25*%pi^2+400)+1/(25*%pi^2+100)+1/4) (%i97) float(%), numer; (%o97) 1.930422197499455 |Z|=1.93 [Ω] 著者の解は前問で導いた式が誤っており、値が大きくなってしまう。R1が2ΩなのにそれにRL直列回路を並列につないだら誰が考えてもR1の抵抗値よりもインピーダンスは下がるのだが平気でそれよりも大きな値を解として示している。 著者はもう演習問題の最後で酷く疲れていて明らかにミスだとわかる数値を見逃していたに違いない。たぶんもっと多くの演習問題を準備していたと思われるが、並列回路については最後の問題のみにとどめ割愛したのだろう。それ故に直流回路の時と勘違いして電流が減ってもおかしいとは思わなかったのかもしれない。普通並列に回路をつないでいけば合成電流は個々の電流よりも増えるはずである。 これで正弦波交流回路の演習終わり。 |
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