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webadm | 投稿日時: 2008-9-29 2:28 |
Webmaster 登録日: 2004-11-7 居住地: 投稿: 3088 |
重ね合わせの理(superposition theorem) 回路方程式を立ててそれを連立方程式として解けば回路解析は出来てしまうが、複数の連立方程式を解くのはクランメールの公式を使うにせよ、手計算だと面倒な行列式の展開が伴い容易ではない。
一方で行列で表した回路方程式 I=Y*E に着目すると、行列の和の定理により E=(E1,E2,E3) =(E1,0,0)+(0,E2,0)+(0,0,E3) であることから、これで置き換えると I=Y*((E1,0,0)+(0,E2,0)+(0,0,E3)) =Y*(E1,0,0)+Y*(0,E2,0)+Y*(0,0,E3) ということになる。従って、E1,E2,E3に関してそれぞれ単独で他は0として計算した結果を足し合わせるだけで同じ結果が得られることは自明である。それぞれの回路は単一の電源に合成インピーダンス回路が接続されたものとなり合成インピーダンスを計算するだけで済む。 これによって小規模の回路であれば、面倒な連立方程式を解かなくても手計算で早く結果が得られる。 しかしながら電力に関しては以下の理由で重ね合わせの理は成り立たない。 あるインピーダンスに電流i1が流れe1の電圧がある場合消費される電力は P1=(1/T)∫e1*i1*dt 同様に電流i2が流れe2の電圧がある場合 P2=(1/T)∫e2*i2*dt 重ね合わせの理によって電流と電圧の総和は(i1+i2)、(e1+e2)となるので消費される電力は P=(1/T)∫(e1+e2)*(i1+i2)*dt =(1/T)∫(e1*i1+e2*i2+e1*i2+e2*i1)*dt =(1/T)∫e1*i1*dt+(1/T)∫e2*i2*dt+(1/T)∫e1*i2*dt+(1/T)∫e2*i1*dt =P1+P2+(1/T)∫e1*i2*dt+(1/T)∫e2*i1*dt となり単純にそれぞれのケースでの消費電力の総和であるP1+P2とは異なる。電源周波数が互いに異なる場合のみ成り立つ。また瞬時値電力に関してはe1*i2,e2*i1の項が残るので周波数が異なっても成り立たない。電力に関しては最終的な電圧と電流から計算する必要がある。 |
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